ブラックボックス

今回童話風に、と

昨日から考えてた話。奇しくも「人間とゆっくり」についてですが、どうか気楽な気分で


 その山のゆっくり達と、麓の村の人間は仲がちょっと悪かった。
 来る日も来る日も言い争いと喧嘩は絶えず、大人の諍いは子供にも伝播し、幼児が
泣いて帰ってきたり、赤ゆっくりが帰ってきて何も言わずに奥の部屋に翌朝まで閉じこもる事も
よくある光景となっていました。
 資源や土地の問題もあり、人間は村の周りに塀を高く作ったり、動画のNGワードを「ゆ」に
設定したり、串カツ屋に至っては、「ゆっくりお断り」の看板を掲げました。
 ゆっくりもゆっくりで、川の辺りに特に何する訳でもないのに、にちょりを常駐させたり、動画には
すべからく「期待の病人」のタグを無差別につけたり、「あの村の人間はすぐにタレを2度漬けする」
と愚痴ったりしました。

 そんな状態が気の遠くなる年月続いたある日―――山のリーダーのうつほが、旅先で行き倒れ
になっているゆっくりを見つけました

              -----ー
      ,-‐'、    /\   /\ |_,|
          r-、 (ヒ]   ヒン)  i,,__ )  ゆっくり饅頭でもどうぞ
.          |,,ノ '"  ,__,  " '.}
            \   ヾ_ノ   /
             `ー-----ー^
                 |  .∥ /
               ("___|_`つ

 気を取り直した、良い感じのオンバシラを背負ったゆっくりは、実は他の神様だと名乗りました。
うつほは、正直話半分に聞いていましたが、

「お礼に何かプレゼントをあげよう」
「じゃあ、人間をゆっくりできなくさせて下さい!!!」

 神様は、突然の放送禁止用語に少し困りましたが、気を取り直して、ある箱を出しました

                   ___________
                  /     核       /.|
                /             /  .|
               | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|    |
               |    Blakku.    |   |
               |   ゝ、    /_    |   |
               |   rr=-,:::::::r=;ァ'i .    |   |
               |   ""  ,___,   ""    |    |
               |       ヽ _ン        |  /
               |__________|/

 「ええと、これは………?」
 「これを開ければ、近くの山ごと人間の村をゆっくりできなくさせる事ができるよ!!!」
 「山もゆっくりできなくなったら意味ないよ!!!  もっとこう……人間だけをゆっくりできなくさせる、環境と地球に優しい
 『人間ホイホイ』『人間コロリ』なんてものは無いの?」
 「そんなご都合主義なものがあるわけ無いよ!!!」

 仕方無しに、ブラックボックスをもってうつほは山へ帰りました。
 が、途中の関係ない村で一泊した際、うっかりその話を宿の人間にしてしまったのです。

 とんでもない兵器の登場に、欲に目がくらんだその宿の人間達は、通報する事もせず、箱を他のものと
摩り替えてしまいました。

         __________
        /      /鉈     /| .
      /      /      /  |
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ..|
      |   弱音ハック     ...|  ..|
      |   __,.    、__   . .|  ..|
      |    rr=-,   r=;ァ.    .|  ..|
      |   .///    ///"   ...|  ..|
      |      'ー=-'         |  /
      |__________|/

 うつほが出て行ったのを見届けた後、人間達は箱を開けました


                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..  その村がどうなったのか  今は誰も知りません
                    /                   \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                      ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙      .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:               ゙゙゙゙゙;;;;;;
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 山に帰ったうつほは、友達のおりんと、他の信頼できる数人のゆっくり達にその事を話しました。何となく怖くて、皆しばらくは
秘密にしておくことになりました

 それからというもの―――

 「おいゆっくりども!!! またお前等だな、『期待の病人』なんてタグをDir 〇n g〇ey に今更貼りやがって!!!あとついでに田んぼの水も
  ひきやがって!!!」
 「知らないよ!!! 何イッテルノ? D〇r en gr〇yなんて見えないよ?あと田んぼの水を横取りしたのは他の村だよ!!!これは
  マジ話だよ!!!」
 「タグはやっぱりお前等か!!!」
 「は、はかったなああ!!!」
 「いや、そういう訳じゃ……この体なしジオング!!!」
 「何を、このパーフェクトジオング!!!」

 なんて諍いがあったとしても……

        見なさい、みのりこ  また人間どもが、私達の可愛さについて嫉妬してるわよ
       ___,∧"´:ト-、_
       >,ゝ/ヽ、ノ::V:::_」∠::::7ァ_>ァ、         _,,.. -――C○ィ )     ̄ ̄\
     .,:'ィiヽ':::_>''"´      ̄  `ヽ!,        // ̄ヽ    ゝ○o _      ヽ
    / キア'"          ',   、`フ     Y   //\ /    \`L_       ',
   ,イ  /  /  ,ハ!   /  !  _!_ i ! Y   .,'   /    ゝ、__,..-、\  ̄`i う) i  こっちは最終兵器があるっていうのに
   '、!,イ   ,'  /´___!_ i  ハ _ノ_`ハ/ ノ   |  / i   イ ,ヘ  ヽ  \ `  し' |  知らぬが仏ねえ
    ノ ',  レ、 !ァ´ノ_」_ノレ' レ' ソ`Y i、(    ゝ、| 斗jナ ル  ヽ、ナ‐- ',ヽ、 ハ !  \
   ( ソ'´  Vi  rr=-,   r=;ァ ハヘノ'       T{∧{ rr=-,   r=;ァ i} リ   `T ‐ヽ
   y'´   !  !. '" ̄      ̄"'ノノハ     _ノ  ム!""        ""/     !_」
   ,'  !   , ヽ、_,ゝ'"'"  'ー=-'   ' ,ハ  !    ゝ._ノ人    'ー=-'    ∠ノ     |
   '、 ゝ、ノ   )ハゝ、,       ,..イノ ソ      `ー‐ >, 、 _,. <_Z_  /ノ/
    `ヽ(ゝ/)ヽ,ノイi,` ''=ー=':i´ノ´ンノ        / ̄_ヽ`ー-一'イ==≠二

「ぷー クスクス あいつら、自分達がゆっくりの手の平の上にいるとも知らないで」
「こっちはいつでも人間をゆっくりさせなくしてやれるのにね!!!」
「おお、おろかおろか」

 と、内心ほくそえんでおりました。 その余裕が何となく周りにも伝わり、こうして、ゆっくり達はイライラしない生活を手に入れました
 しかし、そんな生活も長くは続きませんでした
 何故なら……

「ああ、やっぱり頭にくるねおりん!!! このブラックボックス開けて、人間どもをゆっくりできなくさせちゃおうよ!!!」
「いや、でもこれ開けたら、この山全体がゆっくりできなくなるんだよ!!!」
「そっかあ……じゃあ、開けられないね……」
「………開けられないね……」
「開けられないね」
「――――――――意味ないね」
「――――――――怖いよー」

 今度は、戦々恐々とする日が始まり、皆ブラックボックスは厳重にしまわれ、話題にしなくなりました。
 ―――それが、中身の無い、ただの箱だともしらずに。

 人間との溝は中々埋まりませんでした。いつしか、ブラックボックスの事を知っているゆっくり達も年をとり、一人二人と死んでいきました。
最後に、この箱を持ち帰ったうつほは死ぬ間際に、自分の子供の子うつほに初めてこの事を打ち明けました。

「――――は、早く言ってよね………」

 山で、いいえ、この世界で、ブラックボックスの事を知っているのは、子うつほだけになってしまいました。
 いっその事、この事を他の誰かに教えて、自分は隠居してしまおうかとも考えました。
 しかし、こんな危ないものを管理しないわけにはいきません。それに、好奇心旺盛な若いゆっくり達に知られでもしたら、面白半分に
用も無いのに開けてしまう子がいるかもしれません

 長い長い、親から子に受け継がれた闘いが続きました

 人間との喧嘩はいつまでも続きます。
 嫌いな相手をゆっくりさせなくしてやりたい。 しかし、それをやってしまうと、結局自分達までゆっくりできなくなってしまう。
 しかし、腹は立つ………

 「一体どうしたらいいのおおおおお!!?」

 子うつほは、悩みに悩んで、子おりんに相談しました。 そして――――次の日


              -----ー
      ,-‐'、    /\   /\ |_,|
          r-、 (ヒ]   ヒン)  i,,__ )  ゆっくり饅頭一個持ってくよ――――人間の村へ
.          |,,ノ '"  ,__,  " '.}
            \   ヾ_ノ   /
             `ー-----ー^
                 |  .∥ /
               ("___|_`つ

 それから、また長い長い年月が経ちました。人間もゆっくりも苦しみました。数え切れないほどの話し合いや打ち合わせや酒宴があり―――

 子うつほと子おりんも年をとりました。


 「ねえ、あの箱の事、誰に教える?」
 「誰にも教えないでおこうよ。あのまま閉まっておこう。その方が皆ゆっくりできるよ」
 「そうだね。きっと開けたいなんて思う子もいないからね」


 恐怖が人やゆっくりを突き動かす時代は終わろうとしていました
 人間も、ゆっくりも、山も村も生活は次第にゆっくりし始めました。
 ある朝、子うつほと子おりんは、息を引取っていました

 村の人間も、山中のゆっくり達も、自分達をゆっくりさせるために、懸命に働いた二人に涙を流し、盛大な葬儀が行われました。
 式の準備の前に、孫うつほ達は部屋を整理していて、大事にしまわれた箱を見つけました。 これは、生前子うつほと子おりんが大事大事に、
決して開けない様にしまっていたものです


 「これは、お母さんがとっても大切にしていたものに違いないね!!!」


 皆は、フタを空けて中身を覗くなんて事はせず、そのまま子うつほの棺桶に入れました
 お墓の前の線香と一緒に――――箱を大事に抱えた子うつほと子おりんが、空に昇っていく様子が目に浮かぶようでした。

 ――終わり――

 ――おまけ――


  さて、天国では―――


         __________
        /      /鉈     /| .
      /      /      /  |          _人人人人人人人人人人人人人人人_
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ..|         > 神様 箱を返しにきたよ !!!    <
      |   弱音ハック     ...|  ..|         ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
      |   __,.    、__   . .|  ..|
      |    rr=-,   r=;ァ.    .|  ..|  
      |   .///    ///"   ...|  ..|
      |      'ー=-'         |  /      
      |__________|/ 
                                                  /{
                                へ      } `>、_ __∠__/ ト     
                             ((く   \     ,! >'"´´:::::::::::::`ヽ {  ト 、    
                                 \  \ト、 くノ,':::::, ,::、:::::::::::、:::∨ __/  ヽ 
    :  ,::::_.z=======ゝ、_ヽ   :             \  \\ノ:::::ウツλホハ.リイ入./ .l )) ',   
  :  ,:''/ヽ'、:::,´ ̄ ̄ ̄`"':::.\ヽ :              \  > ̄!::!i(ヒ_]'`' ヒ_ン!::!/ /     ! 
 : ∧':<´ :::::フ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ :              レく\ノ::!ル""r-‐¬""!:∟/    ,'
 .:..∨::::::レヘ/::::::::::::::::,'::::::::::::::',::::::::::::', :            ',   >イ !:!.|,ゝヽ、__,ノ_ノ!::! ヽ   /
  :i:::::::::::::/::::::、__,::::::i::::::::::::i:::ヽ::::::::::| :          弋 `r __i.r'/ }><{ ./    .) /
 : 八::::::::,'::::::/」__.!::/,|::::,/、ハ;;ハ::::,::イ :               \ ̄.!:::! |'、Φ__ウ ニュ?イ/
  ノ::::ヽ:::|:::::/´(◯), レ 、(◯)イイ:ノ:i :                   弋ヾ从 |::|  λ!::ノノ
 / ::::l::::::::レ'iヘ!"   ,rェェェ、 " i:::::i::::::::ヽ. :                /::::ヽハ_/::::ヽ:
 ハ::::ノ:::,'::::ノ:ハ!    |,r-r-|   人:::::':::::::::l :              /:::::/::::::::::::::::',ノ::: ト,
 |:::,'::::ノ::イ::::::ト> , `ニニ´ イ::::::!::::',::::ノ :             <ァ、_/::::::::::::::::::::';::::::::::`:、

       _人人人人人人人人人人人人人人人_
       > うわああああああああああ!!! <
        ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^

  • ゆっくりと人間の罵りあいを見ていて微笑ましさを感じさせるってのがミソでしたw
    人間とゆっくりが仲良く共存している関係も好きですけど、
    人間とゆっくりがいがみ合っているけどそれを見ていて可愛い、楽しいと思える
    作品っていうのもいいものだと思いました

    饅頭を持って人間のところに行って、それから話し合いやら打ち合わせやら、
    何よりも酒宴で両者の関係が良くなっていったってのがよかったです
    やっぱ東方から分かれた作品において酒の力は偉大ですよね -- 名無しさん (2009-05-23 17:33:43)
  • 結構黒いところがあるのにそれが醍醐味になってるな〜
    ところでAAずれてね? -- 名無しさん (2009-05-23 19:12:41)
  • その箱はマズイでしょうw
    面白かったです -- 名無しさん (2009-12-02 20:47:58)
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最終更新:2009年12月02日 20:47