【ゆイタニック号のゆ劇】抜け駆けの美学

◇時は少し遡り11日―、名簿にない乗客がまた一人。

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様々な人やゆっくりで賑わう船内。
その乗客達の中を進む一匹の胴つきまりさ

「ゆぅ、これが『ゆイタニック号』…」
豪華な内装、それにあつらえた調度品、見たことのないが相応であろう絵画の数々…
「やっぱりごうかきゃくせんってすごいね!」
もはや、この船そのものが一つの芸術品と言えるだろう。

「ほんとうに…ここは」血が騒ぐ―。

漂ってくる『獲物』のにおいに思わずまりさはほくそ笑む。
「…さて、じゃあ『おたから』をみにいこうかな!」

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◇船内同日、博物施設展示エリア―、


この船には様々な娯楽施設が併設されている
が、まりさにとってはどれも興味を引くものではない…キノコはちょっと気になるけど。
心躍るのはいつも宝のある場所、それこそまりさにとっての至高のぷれいすだった。

「これがこの世界の…」
世界最大のブルー・ダイヤ『スカーレット・ブルー』

真の宝には悪魔が潜んでいると言う、こと宝石に関しては。
群青の青の中に燦燦と輝く紅を秘めたこの輝石は、確かにその輝きは悪魔でも潜んでなければおかしいくらい妖しい美しさ放っていた。
「ゆぅ…すばらしいね…」
まりさはあらゆる角度からなめるようにその姿を眺めた。

『そこまでよ!!』

と、まりさが飽きもせず眺め続けていると、後ろから急に呼び止める声がした

ザワザワ…きゅっ、ちょっとしつれい…ザワザワ…む、きゅっ!

その声の方向にまりさが振り返ると、ZUNZUNと一匹のぱちゅりーが詰め寄ってきた。
「むきゅっ…?」
しかし、まりさを見るやいなや呼び止めたはずのぱちゅりーのほうが目を丸くして何故か固まっている。
そしてそのまままりさを一瞥すると、やがて険しい表情を少しやわらげた
「……むきゅう…失礼したわ。
ちょっとさっきのあなたの目が、わたしの知ってるまりさにあまりに似ていたものだから…」

まりさと同じ目をしたまりさがいる―、

「そもそも、あなたは体つきなのに…むきゅう、本当にしつれいし「そのまりさって、どろぼうさん?」
「ええ、とんでもないやつよ……むきゅ!?どおしてそ「ぱちゅりーはダイヤの警備をしてたんでしょ?そんな人が呼び止めるなんて、泥棒さんくらいだよ。」
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「……また失礼だけどあなた、一体何者かしら?」
「ゆふふ…まりさはまりさ、探偵だよ!」

ちょっとした気分転換のつもりだったけど、思った以上に『この世界』は面白そうだよ。
ちょっと遊んでいくけど…
『スカーレット・ブルー』は必ずまりさが手に入れるよ。

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世界を越える怪盗、でぃえんど―、
数々の宝の先に、その手が掴むものは・・・

<とぅーびーこんてぃにゅーど>



▽▽
企画も最終日なのにでぃえんどまりさも追加してしまった…
怪談の人、ネタをありがたく使わせて頂きます。

by『とりあえずパフェ』

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最終更新:2009年06月10日 22:56