【ゆイタニック号のゆ劇】名前もあかいモンスター

12日・展示エリア―、


あの後なんとかぱちゅりーを説得し、とりあえず『むやみにダイヤに近づかない』という条件で警備に加わる事を許可された。

別に距離はハンデにもならないしね
「だけどあのぱちゅりーが、まさかICPOの警部さんとは思わなかったよ。」
でも、こっちの内側を突き刺してくるあの目付き…見た目よりよっぽど切れ者らしい。

ますますあの警部が言った『自分に似たまりさ』というのが気になる
「ぜひ、てあわせしてみたいものだね」
まりさは珍しく宝以外の事でにやりと笑った。


「それにしても夜にはまた違った趣があるよ…」
明るい時にその美しさは十分堪能したつもりだったが…
照明が減り、薄暗い中に浮かんだスカーレット・ブルーの輝きは内側から紅が包み込むようだった青を蝕むように変化していた…
「まりさは断然こっちがいいね…」
うっとりしながら指先を銃口に見立て「ばーん」と撃ち抜く真似をする

その瞬間、まりさはほんのわずかに何かの視線を感じた気がした
が…結局そのあとなんの異常もなく、ただ時間だけが過ぎていった。
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14日深夜・展示エリア―、


驚くサプライズがあった。やっぱりスカーレット・ブルーは『本物』だった

「まりさも色々なお宝は見てきたけど…
こんな平凡な世界で『真の宝』にお目にかかれるとは思わなかったよ!」

数分前、警備についていたぱちゅりー警部の部下達が急に倒れた。
最初は例のまりさが来たのかとまりさはワクワクした
しかし、そこにあったのは『ただの』巨大なブルーダイヤ…おそらくスカーレット・ブルー
そして見覚えのある鮮やかな紅の影。

―いや、影から姿形が徐々に実体になっていき、存在そのものすべてが紅い悪魔『スカーレット・デビル』がそこに現れた。


「ゆ!あえてうれしいよ!けど…」
目の前の悪魔を見据え、取り出したのは一枚のカードと一丁の銃・でぃえんどらいばー
「そのままじゃもちかえれないから」シュッ
そのまま流れるようにカードをどらいばーにセットし…

『かめんらいど…』

「ゆっくりお宝にもどってね。変身!!」
天に向かって引き金を引いた。

『でぃ・えんど!』

まりさの影が三つにわかれ錯綜し、重なる
さらに撃った弾がカードに変化し、まりさの頭につきささり…
サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクッ「痛っ!ちょっ!まじで!」
まりさは仮面ゆっくりでぃえんどに姿を変えた。


すると、でぃえんどの青い姿にスカーレット・デビルが不快そうに顔を歪ませると、一気に出口へと駆け出した

「外に出られると面倒だね。」『かめんらいど…』
でぃえんどは素早くカードをセットし、次々に引き金を引く
その度にスカーレット・デビルの行く手はでぃえんどの『駒』に塞がれる

カシャ『じーすりー!』…前

カシャ『じーすりーえっくす!』…左

カシャ『じーすりーまいるど!』…右

「たのむよ、おまわりさんたち」


カシャ『しざーす!』…うしろ バリバリ
「う、うわああああああああああああああ!!!」

バリバリ…ムシャムシャ…ベキベキ…ゴックン
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しざーすはあくまにたべられてしまいました。


…蟹を選ぶあたり以外にグルメだね。

しざーすを喰らったスカーレット・デビルは行く手を不快な青で囲まれ、逆方向…船内の奥へと駆け抜けていった。
「これなら追いつめることができるね、『スカーレット・ブルー』じゃない以上ダイヤはおあずけだよ…」

赤い風の軌跡を青い風が続く―、


ゆイタニック号が沈みはじめたのはその直後だった。

<とぅーびぃーこんてぃにゅーど>



by『とりあえずパフェ』


すいません、スカーレット・ブルーに「ちょっとくすぐったいぞ」しちゃいました。

さて、どこまでいけるかな…

  • やはり蟹は喰われる運命にあったかw -- 名無しさん (2009-06-12 21:37:24)
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最終更新:2009年06月12日 21:37