ゆっくりを飼っている男がいた。男はゆっくりをとても可愛がっていた。自分より先にゆっくりの夕飯を作るほどだ。 
あるとき、男が自分の夕飯をテーブルに運んでいると、ゆっくりが、箸を咥えておかずに突き刺していた。咥えたままでは当然おかずは食べられず、ゆっくりはどうしようかと悩んでいる。そんな微笑ましい光景に、男は思わず頬が緩んでいた。 
ある日、男が帰宅すると、居間に紙が落ちていた。下手くそな字で「ままままままままままままま」と書かれている。 
意味不明で気味が悪いので、男は紙を丸めて捨てた。 
その翌日。 
男がいつものように家に帰ると、また紙が落ちていた。またも下手くそな字で「ま」がびっしりと書かれている紙が。男はさすがに恐怖を覚え、今度はビリビリに破いて捨てた。 
さらにその翌日。 
男は急いで帰路についていた。途中、名札を付けた飼いゆっくりがいたが、男はそれに目もくれない。いつもは「可愛いいなあ」と立ち止まるのだが、今はそれどころではない。 
家に帰ってみると、……やはり、あった。 
男は恐る恐る紙を見る。そこには 
ままままままままままままままままままままままままままままままままままままままままままま魔魔魔ままままま 
男は思わず声を上げそうになったが寸での所で飲み込んだ。ゆっくりを不安にさせるわけにもいかない。 
だが、どうしたものか。取り敢えず、霊感の強い先輩にでも明日相談してみるしかない。 
翌日。 
男が起きると、もう昼だった。紙のことが気になってなかなか寝付けなかったからだ。男は今日が土曜なのをありがたく思った。 
取り敢えず、先輩に電話しよう。今日は無理でも明日は大丈夫かもしれない。 
そう思いつつ居間に向かうと 
あの紙だ。 
昨日の紙はもう捨てた、というか気味が悪過ぎるので燃やしている。なら、これは…… 
男は紙を拾い、恐る恐る広げた。そこに書いてあったのは 
「りりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりりり理理理理」 
ふと横を見ると、鉛筆を咥えたまりさがいた。 
-  まりさ、健気だなあ…。乙でした  -- 名無しさん  (2009-03-18 15:59:29)
最終更新:2009年03月18日 15:59