近づきたかった

 ―――私は焦っていた

 強くなりたかったのだ
 過酷な自然環境の中、己だけではなく、自分と妹達をここまで育て、辛い時もいつも笑みすら絶やさない、
 母に近づきたかった


 だから、誰にも教えず、一人で隣の山へ入ってしまった


 妹達を母の変わりに守りたかったし、たった一人で狩をして、たくさんのご馳走を持って帰ってあげたかった
 認められたかった
 そして――――  私を突き動かしたのは、何だろう?
 性(さが)  だろうか?
 普通の生物なら、自分よりも強い相手に戦いを挑んだりはしない。どんな形であれ、生き延びる事こそが
 勝利だから。
 しかし、私はどうしてもそれができなかった
 何かが私の中で、最初にたぎっていた。
 いつか、母が言っていた。


 ――強い相手を見ると、力比べをしたくなってしまう 『獣性』 が自分にも―――そして私にもあると


 それは、私達が、ゆっくりである以前に、 『鬼』 であることの証なのだと



 とはいえ

            / ヽ       _
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       `ー - '´ノ└ 、 , - r '" ∠゙、ヽ__
           ト、_ _,八/人し ィ´  `ー''"
              〉__ ィ 、 _ `7
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          / ! ∩ 1i;;;;!/ ∩ 7
          ! ! V |i;;;;;;! V /
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       _ ノ  ミ Y イ !;;j l_
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   j>   ヽ ヽ   ヽYノ /  `ー、_
  イ  _    ノ_ ハ 、___/   ,- - ニ、r⌒ヽ- - - ───、
 ./;;ヽ  ` ー'´ `r::ヽ ヽ     r::::、イ;;;;;;;;;;;;;;;;`ー - - -、  r - -、 ヽ、
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  ヽ;;;;;;;;;ヽ ( ̄て::::;;::ヽ V !::;;::::;;::ト- - - - - - '' "´ ̄ ̄
     i T`rニニニ):::::;;::::i ! i:::;;:::::;;::!
      ! i ! ::::;;;:::::::;;:::/ 人 、:;;::;;::ノ                                  _人人人人人人人人人人人人人_
     ', i ヽ.ヽ、;;;;;;// !ヽヽ;;;;;;ノ                                  > ごめん やっぱり無理゙!!! <
      !冫 ヽ、_ _/ ヽノ`ヽ-イ                                    ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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  イ  _    ノ_ ハ 、___/   ,- - ニ、r⌒ヽ- - - ───、              そ:;;※;;:て  =it==''''k
 ./;;ヽ  ` ー'´ `r::ヽ ヽ     r::::、イ;;;;;;;;;;;;;;;;`ー - - -、  r - -、 ヽ、                  ' ̄.^と  ヾ;:.,:::;:;   ガサッ
                                                     ;;:;:φ:: ヾ;:.丿,;:(



    __  __
   ノヾヽ〃ゝ
     ロ〈〉ロ
   と()::()つ  ぐも~
    /ミ∧ミヽ
\\ __) (__)  \\\              「ふん………2代目だったのにぇ……(バリアも頭上どころか発動すらしなかったし)」
      \\\                  「あ、ありがとう………くやちいけど、たしゅかったよ…」


       (^)   ;;:;::: ヾ;:.,ヾヾヾ    ノ;;:;::: ヾ;:.,ヾヾヾ;:;:.;:;;:ヾノ;:;:.,ヾヾヾ;:;:.,ノ                   /::l
 ;;:;::: ヾ;:.,ヾヾヾ:::;:;:       ;;:;:φ:: ヾ;:.丿,ヾヾヾ;:(^);:.;:;:;::: ヾ    ;:.ヾ;:;: _,,.. - ―‐ -,.、          ,, ''|☆|'" ̄`ヽ  つ
    ;;:;丿:: ヾμ;:.,ヾヾヾ (^)  ;;:;:   丿  ヾ;:;;:ヾ::;ヾ;;:;:: ノ:.,ヾヾ;ξ:;:.;: /        `ヽ、      ./  |::::::|     \ つ
;;:ヾ::;ヾノ      ;;:;::: ヾ;:.,ヾヾヾ 丿  ;:ρ;ヾヾ:;::ヾヾ ヾ;ノ:ヽヾ;:;ヾ:;::ヾヾヾ;:/   ,   ィハ    ゝ    /  ,, ゝ-イ ,  、 ヽ__>
   ;;ァ!\\| |:;;ヾ:;: .r;. ::: ヾヾ:;::ヾrヾ:;;ヾ:;:;:;:.r;. ; . \|.ヾヾ| |ヾヾヾ;;:;:::ヾ):/  ノ  ノ ハ,,、;、レ' レ 、_,、ji  ∠  /__,i/ レ、!_Y、 > 、 .\
;;:;:::.__ |;:'' \  |''~~^||^^~ | |;:;:;;;::;:| |;:;;;;ノ/ヾヽ| |~~~.;;l∥~~゙゙| l丿ノ'^^^  /   l !:::(ο)ililli(οハ ヽ    / イハ(ヒ],_,ヒン) l ヽ l-‐`
~~ ~~|;|^^  .| |   ||   | |^^...^.| | | |/~^~ .| |  . .∥  |       l.ノ  i    くハ、:::::::::::::::::::::ノl     ソ.ハ⊃uヽ_ン u.⊂ハ >  l
   ..|;|   | |   ||   | |   | | | |     | |   ∥  | |      ヽ从,__,`V>=‐--‐く ノ.       / < >、___,,イ/ > l




   「まったく、一人でこんな無茶しちぇ……
     そんな無鉄砲なところが、かえって妬まちいわ!!!」
                                        /::l
     _,,.. - ―‐ -,.、                          ,, ''|☆|'" ̄`ヽ
   /        `ヽ、                      ./  |::::::|     \ 「ごめんにぇ…………」
  /   ,   ィハ    ゝ                     /  ,, ゝ-イ ,  、 ヽ__>
 :/  ノ  ノ ハ,,、;、レ' レ 、_,、ji                   ∠  /__,i/ レ、!_Y、 > 、 .\
 /   l !:::(ο)ililli(οハ ヽ                    / イハ(ヒ], ,ヒン) l ヽ  l-‐`     っ つ
.ノ  i    くハ、:::::::::::::::::::::ノl                      ̄ソ.ハ ⌒ .⊂ハ >  l
 ヽ从,__,`V>=‐--‐く ノ.                       / < >、___,,イ/ > l


                        /::l
     _,,.. - ―‐ -,.、          ,, ''|☆|'" ̄`ヽ        「た ま た ま わたちがここを通りかかったからよきゃったけど、
   /        `ヽ、      ./  |::::::|     \        こんな村から何キロも離れた山、あぶにゃいじゃにゃい!!?
  /   ,   ィハ    ゝ      /  ,, ゝ-イ ,  、 ヽ__>
 :/  ノ  ノ ハ,,、;、レ' レ 、_,、ji    ∠  /__,i/ レ、!_Y、 > 、 .\     た ま た ま スィーももってたから良かったけど、
 /   l !:::(ο)ililli(οハ ヽ    / イハ(ヒ],_,ヒン) l ヽ  l-‐`
.ノ  i    くハ、:::::::::::::::::::::ノl      ̄ソ.ハ⊃ヽ_ン .⊂ハ >  l      ・明け方の4時にこっそり起きて
 ヽ从,__,`V>=‐--‐く ノ.        / < >、___,,イ/ > l      ・朝御飯も家族に見つからないようにでソイジョイ2本(苺味・林檎味)
| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   だけで済ませて
|      |                              |   ・そのくせ昼ごはんには、寂しく豪勢に蟹豚にストライプサーモン
|      |   ,-─-、                 ,-─-、   |  ・京王線で空いてる電車でわざわざ40分かけてこんな所まで来るし
|___|_/  ,-、ヽ____________/ ,-、 ヽ__|
ヽ::::::::::丿  ',   -' ノ              ヽ:::::::::', -'  ノ


 ―――本当に、わたちが た ま た ま あの山にいなかったら、そんな状況だから誰もたしゅけに来れなきゃったのよ!!?
  なんだか 一 人 で 何でもやろうとしていちぇ、そんな所も妬まちいわ!!!





             /::l
           ,, ''|☆|" ̄`ヽ       ・・・・・・・・・・・・・・・
         ./  |::::::|     \
-,.       /  ,, ゝ-イ ,  、 ヽ__>        いや……… それなら………
`ヽ、     ∠  /__,i/ レ、!_Y、 > 、 .\
| i、|     / イハ(ヒ],_,ヒン) l ヽ  l-‐         __
 i ノ i.      ̄ソ.ハ⊃ヽ_ン .⊂ハ >  l              /    __
ヽ从,く      / < >、___,,イ/ > l            /\ イ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|    _____
                     | 
       ,         -─-、  |      ―――――
___________/ ,-、 ヽ__|
             ヽ:::::::::', -'  ノ      ̄ ̄ ̄ ̄





            ,,,,,,'::;;;""''''::::;;;;;;::::;;;;;;::::;;;;;;::::;;;;;;""'''''::;;;;,,,,,,
               ――――   なんで そんな事まで知ってんだよ !!?――――
             ""'''''':::::;;;;;;;;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,""''''';;;;


                                   /::l
                                 ,, ''|☆|'" ̄`ヽ U
                             U  ./  |::::::|  U  \
                               /  ,, ゝ-イ ,  、 ヽ__>
                              ∠  /__,i/ レ、!_Y、 > 、 .\
                              / イハ(ヒ]ililli,ヒン) l ヽ  l-‐`
                               ̄ソ.ハ⊃ヽ_ン .⊂ハ >  l U        __
                                / < >、___,,イ/ > l               /    __
                        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|       /\ イ


                    ……… とは、どうしても尋ねる事ができませんでした






 結局助けてもらった恥ずかしさも吹き飛んだという


  • ゼットンw
    何故にゼットンw -- 名無しさん (2009-07-04 16:17:30)
  • 完全版乙です。ぱるすぃ用意がよすぎるだろw -- 名無しさん (2009-07-16 19:41:56)
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最終更新:2009年07月16日 19:41