ゆっくり逃走者 ~BADEND~

※チル裏にて→

の絵はどんなシーン?
てのをやっていたので勝手に参加させて頂きました。
※結果、いつもの数倍やらかしました。
※この物語は二次創作です。原作東方、キャラ、幻想郷とは一切関わりありません。いつもの数倍関係ありません。
※本SSには『ヤンデレの早苗さんに愛されすぎて夜眠れないCD』的な成分が付属されています。
※早苗さんと霊夢が好きな人、ゆっくりしたい人は引き返して!今ならまだ間に合う!だから、う‥うわぁああああ(ry





    ゆっくり逃走者 ~BADEND~



満月の夜。
広き森の小路を、赤と白の衣装を身に纏った少女が走っていた。
全速力で、それでも険しい表情で周囲を警戒しながら、焦るようにひたすらに脚を動かす。
その腕の中には、護られるように力強く抱かれているゆっくりれいむが居た。

「そう、このまま真っ直ぐ進めば人里に出れる。そこまで行けば‥きっと逃げられる」

眼を細め、冷や汗を流しながらも、自分で自分に確認するように呟く。

ここは幻想郷。
この小路は比較的人里から近い距離にあるとはいえ、森に住んでいるのは妖怪ばかり。
人間にとって決して安全な通路ではない。
だが、彼女たちが恐れているのは、妖怪ほど生易しい存在ではなかった。

(後方からの気配はない‥、巻いたか?)

そんな楽観的な想像が彼女の胸を過る。
だが、彼女のその想いはすぐさまに打ち砕かれた。

「きゃっ!」「ゆっ!」

少女たちの進行は、突然に眼の前に現れた光の壁によって阻まれた。
勢いよく走っていた少女はその壁にぶつかり、地面に強く尻もちをついてしまう。

「しまった‥、結界か!」

よく見れば、小路の先にある幾本かの木には、青い難解な文字が書かれた御札が貼られている。
あらゆるものの通過を阻む、強力な神通力により作られた結界。
それが、彼女たちの信仰を阻むように小路の先に貼られていたということは‥、

「待ち伏せされていたっていうの!?」
「はい、お待ちしていましたよ、霊夢さん」

少女は起きあがり、声がした上空を驚愕の表情で見上げた。
そこには、優しそうに微笑む一人の巫女が、月に照らされながら宙を漂っていた。
青と白を基調とした巫女服に、蛇と蛙の髪飾りを付けた緑の髪。
妖怪の山に存在する守谷神社の風祝の巫女、東風谷早苗。

「まったく、やっと捕まえましたよ」

やれやれを首を振りながら、早苗は一人と一匹の数m前に緩やかに着地した。

「ふん、最初から逃走通路はお見通しだったってこと?私としたことが‥、まんまとやられたわ」

狼狽したように言う。
前方には強力な結界、そして後方には追跡者である青巫女、早苗。
口では余裕あるように言ってみたが、彼女たちの逃げ道は完全に封鎖されてしまったようだ。
絶体絶命とはまさにこのことだ。

「それじゃ、奪われたもの。返して頂きますよ」
「御断りよ」

追い詰められながらも、強い意志とともに彼女は真正面から相手の申し出を断る。

「と、言われても困るのですが。お願いしますよ、返してくださいよ。どうしてこんな意地悪するんですか?」

困ったように愛想笑いを浮かべながら、早苗は本当に分からないといった表情で彼女らに対し少しずつにじり寄る。


「五月蠅い、意地が悪いのはそっちの方でしょ?
 あんたがこれまでこの子に対して何をしてきたか‥、全部知っているんだからね」

「そんな悪いことや酷いことしてたみたいに言われても‥。お家で可愛がってあげていただけですよ?」

「可愛がる‥?鎖で繋いで逃げられないようにしていた癖に?
 外に出る自由も他の誰かに会う自由も与えなかったっていうのに!?
 私と同じ顔の生き物がそんな目に遭ってるの、放っておける訳ないでしょ!」

「う~ん、外に出れない分は、私が精一杯愛してあげてたんですけどねぇ」

「それじゃぁ‥!!」


彼女は強く早苗を睨みつけ、大声で訴える。


「それじゃぁどうして今この子はこんなに怯えてるのよ!?」


少女がゆっくりれいむを掴んでいる両腕は、遠目から見ても分かるくらい、ガタガタと震えていた。
早苗が彼女たちの眼の前に現れた時からずっとこの調子だ。
その表情は恐怖と涙で酷く歪んでいる。
いったいどれだけの仕打ちを受ければここまでの恐怖が刻みつけられるというのだろう。

「さぁ? 貴女が何か酷いことしたんじゃないですか?」

だが、早苗は特に気に留める様子もなく、シラっとした顔で返す。

「この、外道!よくもぬけぬけとそんなことッ!」
「五月蠅いですねぇ」

早苗はまたやれやれと首を振って、片手に御札を構えた。

「その子を返してください。でなければ、死にますよ?」

早苗の眼が変わった。表情から完全に笑みが消える。
右手に持つ御札に彼女の神通力が溜まっていく。
この世界にとっての宣戦布告。
必殺のスペルカードを発動する準備が整ったという合図。

「ちっ、やっぱ言葉が通じる相手じゃなかったようね」

こうなったら、最早戦う以外の道は残されていない。
彼女もまた身体に力を入れ、スペルカードを発動する準備を整える。

「分かったわ、あんたのその腐った性根、私が叩きなおしてあげる!」
「もう御託はいいですよ。さっさと私の霊夢を返してください!」


そして、双方睨みあい、


彼女‥、ゆっくりれいむは、少女の腕からピョンと跳ね出て、声高らかに自分のスペルカードの名を叫んだ。



「緩符『夢想封印モドキ』!!」

「神徳『五穀豊穣ライスシャワー』!!」



双方の激しい弾幕が辺りを覆い尽くし、森は光の雨に包まれた。
互いに全力を掛けた一撃。

決着は一瞬でついた。



















「馬鹿ですね」

巫女服を多少焦がし、それでもすり傷一つなく、
早苗はにんまりと笑いながら、眼の前で倒れ落ちているゆっくりれいむに声をかけた。

「ゆっくりが人間に、それも現人神である私に勝てるはずないじゃないですか」

全身に傷を負い、すっかり焼きまんじゅうとなってしまったゆっくりれいむは、それでも早苗を睨みつける。

「ちくしょうが‥あんたなんかに‥私が‥」
「これが負け犬の遠吠えというものですか。近くで見ると思いのほか滑稽なものですね」

そして、早苗はそんな敗者の姿を最後に一瞥し、
ニンマリと笑いながら、小路の脇に腰を落としている少女、
霊夢に一歩ずつ近づいて行った。

「ひぃ!!」

早苗の接近に気付いた霊夢は恐怖で顔を歪め後ずさったが、
後方には未だに御札によって作られた光の壁が存在していた。
加えて霊夢の両腕にも、巫女としての能力を封じ込めている強力な札が貼られている。
逃げることはできない。

「そんなに怖がらないで下さいよぅ。私は、霊夢さんを傷つけたりしませんから」

優しい声で、優しい微笑みで、それでも奥にどす黒い狂気を忍ばせて、
早苗は霊夢に優しく語りかけた。

「さぁ、帰りましょう。私たちの『お家』へ」

そして、震える霊夢を優しく抱きしめる。
気恥ずかしそうに頬を紅で染めながら、
精一杯の愛情と共に。

「あぁ、霊夢。大好きです。ずっと、ずっと一緒に暮しましょうね」

霊夢は、恐怖に震えながら、
その抱擁をただ受け入れることしかできなかった。










              GAME OVER


           コンティニューしますか?


             はい  ニア いいえ







「ああ、そういえば鎖が切れちゃっていますね。後で、新しいのを買ってあげますね」









※この後霊夢はゆかり様に救出されて事なきを得ました、と私は信じます。
※S苗さんの圧勝のように見えますが、れいむの前髪があと2cm長かったら、結果は変わっていたかもしれません。
※むの人様、アホなもの書いてごめんなさい
※ネジが2、3本外れていたと思われる作者→かぐもこジャスティス


  • ゆっくりの口調が決まっていないことを利用したミスリードが素晴らしい。怯えながられいむに抱きつく霊夢って素晴らしいと思う -- 名無しさん (2009-07-06 12:03:26)
  • 早苗さんマジぱねぇ -- 名無しさん (2009-07-07 01:25:23)
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最終更新:2009年07月12日 21:47
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