※このSSを読むにあたって
この小説は銀魂のパロディです。
悪いゆっくりやひどい目にあうゆっくりが出てきます。
それらが気に入らない方は見るのをご遠慮願います。
てゐ魂第2話「物は大切に扱おう。」
さて、てゐ達のシャンハイ捜索網は大通りを歩いていた。
昼のこの時間の割には行き来しているゆっくりが少なく感じる。
だがこれには立派な理由があった。
「おぉ、こっちこっち。」
大通りをきめら丸が我が物顔で歩いているためだ。
ゆっくりたちは馬鹿でかくて異様な外見のきめら丸を見て、脅えて隠れてしまっていた。
「いやぁ、これは快適だね、楽チン楽チン。」
その後ろをてゐ達が続いていく。
正に、きめら丸が先頭の大名行列のようだった。
「・・・・・・。」
その中で一匹異様なオーラを放つゆっくりらんが一匹。
まぁそれはそうだろう。
彼は先ほど上司の触覚ありすに給料半分を言い渡されたのだから。
「いやぁ、かなり落ち込んでるね、君。」
「元気出すんだど~。」
と、そこにてゐとれみりゃが話しかけてくる。
らんは口を全く開かない。
「あんたもあんなアリスに無理して仕える事は無いんじゃない?
いっそのこと、やめちゃえばいいのに。」
てゐがらんにそういってみる。
欄は行くをゆっくり横に振った。
「・・・それはダメだてんこ、仕事をやめて無職になったらちぇんに迷惑がかかるてんこ。」
やっとらんが口を開いた。
そして、尻尾を使って帽子の中から一枚の写真を取り出した。
そこに跳ね小耳と二股に分かれた尻尾が特徴のゆっくりちぇんが写っていた。
「なにそれ。」
「らんの奥さんのちぇんだてんこ。
家に変えればらんしゃまーとで迎えてくれる自慢の奥さんだてんこ!
そいでもってすりすりしてくれるのだてんこ!
ああもう!本当なら今すぐ帰ってすりすりすりすりすりすりすりすり・・・・
ちぇえええええええんっ!」
らんと鼻血をだして大声で叫んだ。
その様子を見ててゐはちょっと引いてしまった。
「・・・あの、人通りが少ないとは言え、街の大通り何だから自重した方が良いんだど・・・。」
れみりゃがらんに忠告する。
その言葉を受けてらんは正気に戻ったようだ。
「す、すまないてんこ・・・。
とにかくらんには愛する家族が居るてんこ。
家族をゆっくりさせるためにも、らんはアリス様の機嫌を損ねて
クビになるわけにも仕事をやめるわけにも行かないてんこ!」
らんはてゐにむかってそう言い放った。
「ふぅ~ん、つまりあんたは家族のためにアイツにヘコヘコしてる訳ね。なるほど」
「何だてんこ、馬鹿にしてるつもりかてんこ?」
「ううん、そんなつもりは無いよ、むしろあんたが一寸だけかっこよく見えた。」
「え?」
「誰かのために頑張れるゆっくりはいいゆっくりだよ、うん。」
それだけ言うと、てゐは何も言わなくなった。
「うわぁあああああああああああっ!」
と、その時だった。
てゐたちの前方から、数匹のゆっくりれいむとまりさが凄い勢いで飛んできたのだ。
全員、何か脅えたような顔をしている。
「何だ、いきなり走ってきたゆっくり。」
てんこがゆっくりれいむとまりさを見てそう言った。
「おぉ。何事何事。」
「ぎゃあああああ!化け物~~~~!」
走ってきたまりさとれいむたちはいきなり目の前に現れたきめら丸をみて更に驚愕の悲鳴を上げた。
中には気絶しているゆっくりまで居る。
「おいぃ!?いきなり人のペットど見て気絶するなんで酷すぎませんかねぇ?」
てんこは驚いてゆっくりまりさとれいむにそう話しかけた。
「・・・ゆゆ?その化け物はゆっくりできるの?」
「お前頭悪いな、こいつはゆっくりできるし、変なものは食べない。」
「いやいやいや、さっき思いっきり変なもの食ってたてんこ!」
「おいぃ、お前ら、今の台詞が聞こえたか?」
「聞こえてない。」
「何か言ったの?」
「れいむのログには何も無いよ!」
「初対面な割には妙に息が合ってるてんこ!」
まぁとにかく、害の無い連中だと理解してゆっくりたちは安心したようだ。
「ねぇあんた達、向こうから走ってきたようだけど、何があったのさ?」
てゐ達はゆっくりれいむ達にそう問いかけた。
「そうだよ!れいむ達は向こうの公園で遊んでいたんだよ!
そしたらいきなり化け物が現れたんだよ!」
「あんな化け物とゆっくり出来ないんだぜ!だから慌てて逃げてきたんだぜ!」
「れいむ達はもうお家に帰るよ!君たちもゆっくり帰った方がいいよ!」
それだけ言うと、ゆっくりれいむとまりさ達は凄い勢いで向こう側へと走って行ってしまった。
「・・・化け物って、一体何の話だお~?」
「わかんないけど、あたし達には関係ないし、さっさとシャンハイ探しを再開・・・。」
てゐがそういったその時。
きめら丸は突然鼻をひくひくさせた。
「おぉ、このしつこいカスタードの匂いは・・・・。」
ドドドドドドドドドドドドド!
きめら丸はゆっくりれいむとまりさが逃げて来た方へと駆け出した。
「おぃい!一体何処に行く気だきめら丸!」
てんこは慌ててカカッときゅうきょとんずらできめら丸を追いかけていく。
「・・・なんできめら丸は駆け出したんだてんこ?」
「・・・嫌な予感がするんだけど・・・。」
「とにかく追いかけてみるど!」
てゐ達も慌ててきめら丸の後を追いかけ始めた。
「・・・ちょっと!ありすをおいてくなんて何てとかいはじゃないのよ!」
触覚ありすだけはスィーでゆっくり移動していたので置いてけぼりにされた。
うぁああああああっ~☆~
きめら丸を追いかけた先にたどり着いたのは大きな公園だった。
その公園は明らかに様子がおかしかった。
「ううううううううううっ・・・・。」
「怖いよ~ゆっくり出来ないよ~・・・・。」
「誰かたすけてぇ・・・・。」
「お、落ち着くんだぜ!」
公園のあちこちからそんな叫びが聞こえてくるのだ。
見ると滑り台の下やトンネル遊具の中でゆっくりたちが震えているのだ。
まるで、何かに脅えているかのように。
ズシン・・・ズシン・・・・。
いや、実際、脅えているのだ。
公園の中心で歩き回る怪物に。
. . ,_ . /7 「l /'.7
`<ヽ, 「:l /^\ ,.へ、_ニン ,ィつry
vィ `、` :-': '-..,「i _ゝ、-‐──'- 、 Lノ //フ_
ニヾ\\  ̄ ̄ヾ/ , '" `ヽi /// /ゥ
c\ \\\ く_γ ; ', ヽ, / / / / ラ
rヾヽヽヽヽヽ h'´く,' / /! ハ ハ ! ', ', / / / / /∠
ン、ヾヽヽヽヽ {,}'ヽ.,ll ノ レィ --!、イ レ -、i i/ ,'))入,,/r
ァ\,,入( .。レi ヽ、 i (ヒ_] ヒ_ン lハノV ,))))) }ニ,ン´
`ヾ,ニ{ (((′ヽ、' i l ハ '" ,___, "' ! |/i′爻彡"=ニフ
○'゛ミ_ .ノ ,' iヽ iヽ、. ヽ _ン ノイ| l.爻彡ヘ>` __ノハへr、
、rへハ!、__ `<ヘ爻r/ ハ_イレ^r - -- イヽViノ入_,,,.. --ー'''"::::::`\ >
< /`::::::゛'''ー-- 、、、..! ノ::::.:::::..:.:::::::ミi ゝ、 `ヽ、 ヾ::::::::`ヽ,、:::::::<
>::::::: ,.,ノ::::::: ,," ∠ i 彡;.:.:.:.::::::::::ミ | 〉 ノ ゙ヽ :::ヽ_:::::::::ゞ、ゞ∧ヾ
ッ∧ィ":::::::::_ソ::::ノ:::::::::_ノ=´レV`,iヽ!川!三=ミミ,ハ'i ム厶ス /`vヽ\巛《从ヾ
ノノッ从>> / /´^ / ノ ヽー------一ノ 《 i " `i ! 〉
``'ー-‐^ー'´_(========) ト、_人_ノ、ノ、ノ'
/Y ( )巛 」
r"彡ノノ_,,`tー----一't 丶丿\
/','i'''ノ,, __ノ ヽ 〈ヾt‐''~ ト、
_ノ^ ノ:、,,, `> ヽ ヽ '<','i'''ヽヽ、
/ ` _/ i,ヽノ \ ヽ フ^ ノ:、,, 〉_
∨ ̄,' ノ"ヾ 〉 ト、 `ー! ノ _/ i,ヽ 〉
!/ レ゙ `ー----レ ∨" ヾノ
「シャンハァアアアアアアアアイッ!」
シャンハイの頭に怪物の身体を持つそれは、公園中に響き渡るほどの鳴き声を上げた。
「・・・てゐさん、あれはなんだど?」
公園にたどり着くなり見つけたそれを見て、れみりゃはてゐにそう問いかけた。
「え~と、取りあえず探してたシャンハイじゃないことを祈りたいね・・・。」
てゐは冷や汗混じりにそう呟いた。
「ああ!あれこそがありすが作った超とかいはなシャンハイよ!
その名もシャンハイビースト!全長10メートルの巨大シャンハイよ!」
しかし、後からやってきた触覚ありすはてゐの希望を見事に打ち砕いた。
「何ちゅーシャンハイを作ってるんだお前はぁああああああああああ!」
てゐは怒鳴るように触覚ありすにそういった。
「モンスターとシャンハイの融合はありすの永遠のテーマよ!」
「そんなもん、テーマにするな!もっと穏やかなテーマにしろ!」
「あの~まさかあれを捕まえなくちゃ行けないのかど?」
れみりゃは化け物シャンハイを見てそう呟いた。
「そこまでしなくても良いてんこ、あれはありす様が作ったものだてんこ、
だからアリス様のいう事なら簡単に聞くてんこ。」
と、らんがれみりゃに向かってそう言った。
「ほっ、じゃああの怪物とは戦わなくていいんだどね・・・。」
それを聞いてれみりゃは安心した。
「さあシャンハ~イ!とかいはなありすと一緒におうちに帰りましょうね~。」
触覚ありすがそういってシャンハイに近づいていく。
そして触覚ありすがシャンハイの足元まで来ると、シャンハイはゆっくり右手を触覚ありすの前に差し出した。
どうやら本当に触角ありすの言う事を聞くらしい。
「さあ、おてて繋いでおうちに・・・。」
「シャンハイ。」
ゲシっ!
「オウフ。」
次の瞬間、シャンハイが触覚ありすに差し出した右手は触覚ありすを派手に吹き飛ばした。
触覚ありすは滑り台にぶつかってそのまま下に隠れていたゆっくり達の前に落ちた。
「ぐはあっ・・・・。」
口からカスタードを吐き出す触覚ありす。
「うわあああああ!」
「もう駄目だよ、れいむたちもこの何か微妙にウザイありすのようにされちゃうんだ!」
「お、落ち着け!滑り台から出ようとするな!じっとしてればこの微妙にウザイありすのようにならないぜ!」
滑り台の下から、ぶっ飛ばされたありすを見て叫び声を上げるゆっくり達の声が聞こえてきた。
「うわあああ!全然あのありすの言う事を聞いてないど!!」
「シャンハァ~イ!」
シャンハイは鳴き声を上げて走り出した!てゐ達の方向へ!
「って、こっちに来てるし!」
当然、てゐ達も反対方向に向いて一目散に逃げようとする。
・・・が。
「シャンハ~イ・・・ジャンプ!」
びょおおおおおおんっ!
シャンハイは飛んだ、あの巨体からは考えられない高さを。
ドスウウウンッ!
そして、てゐ達の逃走方向に回り込んだのだ。
「嘘おっ!?」
驚きの声を上げるてゐ。
シャンハイはそのまま大きく右手を振りかぶる。
「や、やられるてんこ!」
らんがそう言って恐怖に固まった次の瞬間!
「メガトンパンチ!」
ドガアアアンッ!
てゐたちの前に飛び出し、振り下ろされた右手を拳で受け止めたゆっくりがいた!
「ふう、危なかったな、お前これをまともに受けていたら死んでたぞ。」
右手を受け止めた拳をさすりながらてんこはそう呟いた。
「おぉ!さっすが有頂天ゆっくりは格が違うど!」
「あ、あの一撃を受け止めた!?」
らんは攻撃を受け止めたてんこを見て驚きの声を上げる。
「フン、俺はヴァナディール族だからな、このくらいの攻撃は受け止めるしパンチングマシンも100出す。」
そんならんにてんこはそう説明する。
「ヴァ、ヴァナディール族!?このゆっくり、あの黄金の鉄の塊と呼ばれるヴァナディール族てんこ!?」
らんはてんこの姿を見て驚きの声を上げた。
ヴァナディール、
それはこの世界の果てにあるといわれる大地。
そこに住むゆっくりたちはみな、生まれついでの戦闘種族と言われている。
たった一匹でキングベヒンモスをなぎ倒すことが日常のそこのゆっくりにとって、
こんな怪獣など、その辺の犬と変わらない。
「よくやったてんこ!そのままそいつをやっつけて!」
てゐはてんこに向かってそう言った。
「この化け物人形が・・・バラバラに引き裂いてやろうか!」
てんこはそう言って腰にさしてある剣を引き抜いた。
「この緋想天の剣は天と地が合わさり最強に見える!
こいつでお前はアワレな骨になる!」
剣を構えシャンハイに突撃するてんこ!
「うぉおおおおおおおおお!ハイスラアッ!」
てんこは高く飛び上がり、緋想天の剣で縦に切りかかろうとした!その時!
「こらあっ!ありすのシャンハイに何をしようとしてるの!
傷なんてつけたら、報酬は払ってやら無いわよ!」
「え!?」
後ろから聞こえてきた声に驚いててゐが振り向いてみると、そこにはボロボロになった触覚ありすの姿があった。
いや、今のてゐにとって問題なのはそいつが口走った言葉だった。
報酬ゼロ!?ちょっとそれは不味い!
「てんこちょっとタンマ!攻撃中止!中止!」
「おいぃ!?いきなり何を言ってる>てゐ!」
いきなりてゐにそう言われて慌てててゐの方を振り向いてしまったてんこ。
「シャンハ~イ!」
ドガシイッ!
それがシャンハイにとって絶好の攻撃機会だったのは言うまでも無い。
「おぃいいいいいいいいいいいっ!」
なぎ払いをまともに食らい、てんこは遥か彼方に吹き飛ばされた。
「おぉ!?まずいまずい!」
それを見たきめら丸は、慌てててんこを追って公園の外に駆け出してしまった。
「・・・あ、しまった。」
「しまったじゃないんだどぉおおおおお!あれいくら何でも無事じゃすまないんじゃないか!?」
「大丈夫じゃないかな?てんこはM気質だし。」
「Mとかそういう前にてんこがしんじゃうんだどぉおおおおお!」
そんなやり取りをシャンハイの目の前で繰り広げる2匹。
「シャンハ~イ!」
ゴォアアアアアアアアアアッ!
そんなてゐ達に向かってシャンハイは炎を吐きつけてきた。
てぬとれみりゃは大きくバックジャンプしてそれをかわす。
「うわ、これは不味い・・・仕方ない!」
てぬは耳で地面の砂を器用に救い上げると、それをシャンハイの顔に投げつけた!
「それっ!」
ざあっ!
砂が目に入ってに視界を奪われ、シャンハイはてゐたちを見失ってしまう。
「いまだっ!」
「三十六計逃げるにしかずだどぉ!」
「わかってるてんこ!」
そのすきに、3匹のゆっくりは一目散に逃げ出した!
「シャンハイ!ありすの事がわからないの!」
触覚ありすだけは懲りずにシャンハイに呼びかけている。
「あんたも逃げるんだど!!」
そういってれみりゃは触覚ありすの首元を咥え、そのまま後ろ向きの姿勢で逃げ始めた!
「あぁ~!ちょっと引きずってる!胴体地面擦ってる!あいだだだだだだだ!
ちょっとやめなさい!胴無しのいなかものが!」
・・・まぁ、胴無しのゆっくりが胴付きのゆっくりを引っ張ればどうやってもどこかを引きずる事になる訳で。
「ひょ、ひょっとはもごもごもごもご!」
・・・あ~口が動かせないので何を言ってるのか解りませんが、
れみりゃは「ちょッとは黙っているんだど!」と言っています。
「取りあえず、あの遊具の中に隠れるよ!」
てゐたちは公園のベンチの下に身を隠した。
見失ったてゐ達を探して公園中を歩き回っている。
「はぁ、こりゃ参ったねえ。」
てゐはベンチの下からシャンハイの様子を見ている。
そして、触角ありすの方を向いてこう問いかける。
「あのさ、さっき言ってた事だけどマジであれを攻撃しちゃ駄目なの?」
「当たり前よ!あれを作るのに幾等かかったと思ってるの!
傷つけたら承知しないわよ!」
どうやら触覚ありすは本気で言っているらしい。
これは参ったな、てゐは頭を抱えてそう思った。
「・・・れみりゃ、取りあえずあんたが外に出て囮になってくれる?
私はその隙にあいつを捕まえる落とし穴を作るから。」
「ちょ、ちょっと待つんだど!それって一体どれ位囮になってれば良いんだど!」
「・・・3時間くらい?」
「そんなに逃げられないんだどぉ~!」
「でも、傷つけちゃいけないって言うしなぁ・・・。」
本当にどうしたものか、
てゐが悩んでいたその時。
「わっかる~わかるよ~、今日はらんしゃまの好きないなり寿司なんだよ~。」
公園の入り口の方から変な歌が響き渡った。
「・・・?」
何だと思って入り口の方を見てみるてゐたち。
そこにいたのは猫耳と二股尻尾が特徴的な胴なしゆっくりちぇんだった。
買い物帰りらしく、尻尾に買い物籠をぶら下げているそのちぇんは公園の中に入ろうとしていた。
「・・・・!あれは!」
何故かそのゆっくりを見てらんは顔を真っ青にした。
「ちょっとそこのゆっくり!今公園に入ったら危ないよ!」
てゐは慌てて入り口のちぇんに呼びかける。
しかし、声はちぇんの耳には届かなかったらしい。
「ちっかみちだよ~!」
ちぇんはそのまま公園の中には行ってしまった。
「シャンハァ~イ!」
シャンハイは公園の中に入ってきたちぇんの存在に気づくと、そのままちぇんに襲い掛かった!
「!!!な、なにあれぇ~!」
ちぇんはシャンハイをみて恐怖に襲われる!
身体が硬直して、動くことが出来ない!
「マズイど、あのままでは!」
れみりゃもてゐもちぇんを助けるためにベンチの下から飛び出そうとする。
しかし、二匹よりも早くベンチの下から飛び出した存在がいた。
「ちぇえええええええええええんっ!」
らんは叫びながらちぇんの元まで飛んでいく!
らんがちぇんの元に飛びつくのと、シャンハイが攻撃を仕掛けるのはほぼ同時だった。
ゴァアアアアアッ!
シャンハイが吐き出した炎がちぇんとらんに襲い掛かる!
「うわあああああああっ!」
吹き飛び、地面を2、3回バウンドする2匹のゆっくり。
・・・ちぇんのほうは傷一つ着いていなかった。
何故ならシャンハイの吐き出した炎も、地面をバウンドした衝撃も、全部らんが受け止めたからだ。
「・・・ら、らんしゃま!何でここに居るんですか!?」
「ち、ちぇん、お前こそなんでこんな所にいるてんこ!?」
「夕食の買い物帰りだったんだよ!この公園は近道になるからいつも利用して・・・!」
・・・ここまでの会話を聞いていればわかると思うが、このちぇんはらんの奥さんだったのだ。
先ほど物凄い勢いで飛び出した理由はこれでわかっただろう。
「シャンハ~イ!」
そんな二人にシャンハイはゆっくりと近づいてくる。
「ちぇん!お前だけでも逃げるてんこ!」
「そんな!らんしゃまも逃げるんだよ!」
「らんはアイツを引き付ける!お前は急いで逃げるんだてんこ!」
「わからないよ~!だったらちぇんが囮になるかららんしゃまが逃げるんだよ~!」
「そういうわけには行かないてんこ!」
「シャンハーイ!」
「!?」
二人でそんなやり取りを繰り広げているうちにシャンハイはもう2匹の目前まで迫ってきていた。
「くっ!」
覚悟を決め、ちぇんを庇うように体勢を整えるらん!
「しゃんは~い!」
シャンハイがらんに向かって右手を振り下ろそうとしたその時!
「ハイ!そこまで!」
バババババババババババババババババ!
シャンハイに向かって無数の何かが飛んできた!
ドドドドドドドドドドドドドドドド!
「しゃ、しゃんはい!?」
シャンハイはその無数の何かを横からまともに食らい、2mほど真横に吹っ飛んだ!
その突然飛んできたものを見て、らんはこう呟いた。
「・・・人参?」
そう、それは人参の形をした変な弾だったのだ。
そして、らんとちぇんの前に一匹のゆっくりが舞い降りる。
「ふう、まったく無茶しすぎだよ、あんた。」
てゐはそう言ってにやりと笑みを浮かべた。
てゐの右耳と左耳にはいつの間にか数枚のカードが握られている。
「そ、そのカードってもしかしてスペルカード?」
らんはカードを見てそう呟いた。
スペルカード
それはある地方に伝わる遊びをヒントにゆっくり達が生み出した『ゆっくり専用兵器』
ゆっくりが持つゆっくりオーラというものをカードを通して弾幕と呼ばれるオーラ弾に変換、
放出する兵器!
かつてはゆっくり同士の争いで使用され、現在は特殊なゆっくり以外所持することすら禁止されている兵器である。
ちなみにてゐは特殊なゆっくりじゃないので所持自体違法行為である。
「これのことは黙っててね。」
てゐはらんにそう念押しした。
てゐはらんの言葉を無視してじっとシャンハイを見つめる。
「しゃ、しゃん・・・はい?」
シャンハイはその視線を外せずに居た。
そのゆっくりが放つ、あまりの気迫におされて。
「お二人さんはこっちに避難するんだど~。」
その間にれみりゃがらんとちぇんを避難させる。
二匹が安全なところに避難したのを見計らって、てゐは動き出した。
「そんじゃ、いきますか!」
そういっててぬはシャンハイに向かって一直線に飛び出した!
「シャンハ~イ!」
シャンハイは突っ込んできたてゐに向けて炎を吐き出した!
てゐはそれでもかまわず炎につっこむ!
暫くして、シャンハイは炎を吐くのをやめる。
「シャンハイ?」
しかし、炎が収まった瞬間、シャンハイは驚きの声を上げる。
てゐの姿が何処にも無かったからだ。
少なくとも、消し炭が転がっていなくてはおかしい。
シャンハイは慌てててゐの姿を探し始める。
「・・・?」
暫くしてシャンハイは気づき始める。
後ろの尻尾の違和感に。
「シャンハイ!」
「ファ。」
てゐは炎と股下を潜り抜け、尻尾に飛びついて噛み付いていた!
シャンハイは怒って尻尾を振り回す!
てゐは落ちるものかと尻尾に必死に噛み付き続ける!
「こらぁ!ありすのシャンハイに傷を着けたら駄目っていったのきこぇなかったのおおおおおおおお!?」
と、てゐに向かって触覚ありすが怒鳴りかける。
しかし、てゐは触角ありすの言葉を無視してシャンハイの尻尾にしがみついている。
「ちょっとぉおお!ありすの言葉を無視してるんじゃないわよぉおおおおお!」
自分の言葉を無視しているてゐに怒りを覚えた触角ありすはベンチの下から飛び出してシャンハイの方に向かう!
「シャンハ~イ!」
ブオンッ!
と、その時シャンハイの尻尾からてゐが勢い良く吹き飛ばされた!
てゐはそのまま触覚ありすに向かって飛んでいく!
「あらよっとぉ!」
「ゆ!?」
ドガアッ!
てゐは触角ありすの顔面にしっかり着地した!
「ゆがっ・・・・!」
触角ありすは傷口が開いたのかデコからまたカスタードを噴き出しながら倒れこむ。
一方てゐは触角ありすを足場に勢い良くシャンハイの真上まで飛び上がった!
「取りあえず・・・。」
てゐは右耳に持っていたスペルカードをそのままシャンハイに向けて投げつけた!
カードはシャンハイの目前まで飛んでいく!!
「人形なら人形らしく、使わないときは空気を抜かれて押し入れの奥で保管されてろっ!」
てゐがそういうと同時に、デコに貼り付けられたスペルカードが激しく輝く!
脱兎「フラスターエスケープ!」
ズガアアアアアアアアアアッ!
カードから、赤い弾幕が発射される!
シャンハイはその目前で放たれた弾幕を、全部顔面で受け止めてしまった!
弾幕の衝撃でシャンハイの頭の大半が砕け散る!
「しゃ・・・シャンハイ・・・・。」
頭を吹き飛ばされたシャンハイは、そのまま倒れこみ、機能停止してしまった。
すたっと着地したてゐは一言。
「・・・あ~あ、結局只働きか、残念だね。」
そう呟きながら髪の毛の中にスペルカードをしまいこむてゐの顔は、ちっとも残念そうではなかったりする。
「何だ、戻って来たら全て終わっていた感。」
と、てゐの後ろからそんな声が聞こえる。
振り向いてみると、きめら丸に載ったてんこの姿がそこにあった。
「おお、てんこも戻ってきたんだど!」
「飛ばされてきゅうきょとんずらで戻ってきたがとき既に遅かった。」
レミリアもピョンピョンと凄い勢いでてゐたちの元に飛んでくる。
と、ついでにちぇんがらんの後ろに隠れるようにてゐたちの下へと寄ってきた。
「ん?どうしたの?」
「・・・あ、あの、らんしゃまを助けていただいてありがとうだよ!」
「イヤイヤ、あたしは勝手にこいつを倒しただけだからね、
それより、らんの心配をしたほうがいいんじゃないの?」
てゐは右耳でらんを指しながらそう言った。
らんはあちこちにやけどや傷を負っていたのだ。
「あ!らんしゃま大丈夫?」
「わたしは大丈夫だてんこ、ちぇんの方こそ怪我は無いかてんこ?」
「らんしゃまのおかげで何処も痛くないよ。」
「そうか、良かった。」
「ところでれみりゃ、お前やっぱり地味な活躍だったな?」
「・・・!」
「確かに、あの二人を避難させただけで実際にあれと戦ったのは私だしね。」
「・・・!地味で悪かったど!でもああいう気配りはかりしゅま溢れるれみりゃにしか出来ないんだど~!」
「・・・カリスマ?」
「てんこ、あいつのカリスマは後ろにかっこ笑いかっこ閉じが付くんだよ。
早苗さんがフルーツ(笑)と呼ばれるのと同じなんだ。」
「なるほど。」
「それはどういう意味だど~!」
なんだか、すっかり場が和やかムードになっている。
しかし、すぐにそんなムードはぶち壊された。
「・・・あんたら、何そんなに笑ってるのよ!」
・・・触覚ありすの事をすっかり忘れていたからだ。
顔面に果てゐが踏み台にしたときに出来たゆっくりの足型が付いてるし、
デコからはカスタードクリームが止めど無く溢れている。
触覚ありすは動かなくなったシャンハイによろよろと近づいていく。
「ああ、わたしの超とかいはなシャンハイがこんな無残な姿に・・・。」
暫く嘆いた後、触覚ありすはてゐの方をきっと睨みつけた。
「何てことしてくれるのよ!ありすはシャンハイを傷つけちゃ駄目だって言ったと思うけど!」
そう言って凄い勢いでてゐに近寄ってくる。
「あ~、でも私が何もしなかったらあのちぇんが酷い目にあってたし・・・・。」
てゐはそう言ってちぇんのほうに視線をずらす。
「あんな胴無しのとろくさそうなちぇんなんてどうでもいいでしょ!それよりシャンハイよ!」
ピクン!
触覚ありすの言葉にらんが反応する。
「ありすのシャンハイを弁償しなさい!出来なかったらスライスよ!」
「あ~結構無茶なこと言うねえ。」
「言われたところで簡単に出来ることじゃないんだど・・・。」
「いいからさっさと・・・。」
「・・・アリス様。」
その時、触覚ありすの言葉を遮るようにらんがありすの前に立ちはだかった!
「あ!お前も!元はといえばお前がこんな万屋を紹介したから・・・。」
頭に血が上ってる触覚ありすはもう誰にでも八つ当たりがしたいようだ。
「・・・だてんこ・・・。」
そんな触覚ありすに向かってらんがそう呟く。
「・・・ん?」
良く聞こえなかった触覚ありす。
と、そこでいきなりらんが飛び上がった!
「ちぇんが怪我したのはお前の所為だてんこ~!」
バッチーン!
触覚ありすの顔の高さまで飛び上がったらんはそのまま身体を一回転させて
ありすの顔面に尻尾アタックをお見舞いした!
「ぐはあっ!?」
そのまま仰向けに倒れるありす。
ゲシ!ゲシ!ゲシっ!
続けざまにらんはありすの顔の上に乗っかり、そのまま体重をかけて触覚ありすの顔を踏んづける!
「お前のシャンハイの所為でちぇんは怪我しかけたんだぞ!謝れ!ちぇんに謝れ~!」
「ぐはっ!ちょ、こら!やめなさい!私は・・・・。」
触覚ありすが何を言ってもかまわずらんは顔面を踏み続ける!
・・・5分ほど踏み続けた後、らんはやっと地面に着地した。
・・・触覚ありすの顔は丁度らんの足の部分の形にひしゃげていた。
人間なら死亡物だが、一応ゆっくりなのでかろうじて生きている。
「おぉ、グロイグロイ・・・。」
きめら丸がそんな事言いながら触角ありすを食べようとしているのでてんこが必死で止めた。
「うわぁ、ずいぶんと派手にやっちゃったけど、これで良かったの?
絶対クビになるよ?」
てゐがらんにそう問いかける。
らんは何とも清々しい顔をしてこう言った。
「良いんだてんこ、らんはちぇんのために頑張ってるてんこ、
だから、ちぇんに酷い事言って謝りもしないありすの所には居たくないてんこ!」
「わかるよ~らんしゃまはちぇんのこと大切に思ってくれてるんだよ~。」
「・・・ま、あんたが良いと思ってるんなら私は別にかまわないけどね。」
何とも中の宵に引きを見ててゐは笑いながらそう言った。
「・・・う~?このありすの腕から変な音が出てるど~?」
と、その時れみりゃがそんな事を言った。
「え?どういう事?」
何だと思っててゐがありすの腕を見てみる。
腕には銀色のブレスレッドがはめてあって、良く耳を澄ましてみると、そこからピコン、ピコン・・・と音がする。
そうこうしている内に公園の出入り口からパトカースィーのサイレンが聞こえてきた。
見ると、入り口の方に警官の格好をした胴付きのゆっくりパチュリーとこぁが集まってきている。
「何だ今更来たのか警察、もうシャンハイはてゐが粉々にした。」
「・・・ちょっと待って、何かあいつらシャンハイじゃなくてこっちを見ていない?」
てゐの言うとおり、公園の入り口に立っているこぁとパチュリーは
じっとてゐの方を見て話し合っていた。
「パチュリー様!公園の中心でありす様が倒れているのを発見しました!」
「むきゅ!言われなくても解るわよ。」
「酷い暴行の後が見られます!犯人は・・・・。」
「どうみてもありすの周りにいる胴無しどもでしょ・・・こぁ!」
「ハイ!あの胴無しゆっくりをゆっくり捕まえます!」
そういって胴付きこぁがゆっくり捕獲用の透明な箱を構える。
どう見てもてゐを捕まえる気満々だ。
「え?ど、どういう事?」
てゐは訳が解らず混乱する。
「・・・そういえば一つ思い出したてんこ。
アリス様のような重役のゆっくりは腕に緊急連絡用に腕輪をつけて外出するてんこ。
もし、アリス様に危険が及べば即座に警察に連絡が入るてんこ!」
つまり、あの警察達の目的は触覚ありすに危害を加えた犯人を逮捕することである・・・。
勿論、その犯人はてゐ達である。
「ちょ!何でそんな大事なことを言わなかったのさ!」
「ごめんてんこ!頭に血が上ってすっかりその事を忘れていたてんこ!」
「確保~!」
「わぁあああああ!警察がこっちになだれ込んできたど~!」
「ここは捕まる前にカカカッとトンズラするべきそうすべき!」
「おお、大混乱大混乱。」
・・・公園は大量に突入した警察によって混沌の中心へと変貌したのであった。
『後先考えなかった結果がこれだよ!』
第2話終わり
- この時点で胴付きと胴無しの格差問題が浮き彫りになってきたな -- 名無しさん (2011-02-05 13:43:25)
最終更新:2012年03月07日 02:12