小ネタ279 れいむが届いた

先日自宅にれいむが届いた
念願叶ってという訳では無いが単身赴任とはやはり寂しい物だ
しかめっつらで宅配業者とやりとりしていた私だったが、心はゆっくりの想像でいっぱいだった

「ゆっくいしちぇいってね!ゆっくいしちぇいってね!」
まだ成体ではないので発音が不完全なのだろう、箱から飛び出したれいむはそんな風に喋った
『こんにちはれいむ、今日からおじさんとゆっくりしようね?』
そう声をかけられたれいむは目を煌めかせて答えた
「ゆっくいちゅるよ!きょうからなかよくゆっくいちようね!」
あまりの可愛さにポケットに手が伸びたがぐっと堪える
『れいむ、これから仲良くゆっくりできるようにいくつか約束しよう』
「おなかちゅいたからごはんちゃべたいな!やくそくはあちょがいい!」
『駄目だよ、言うことを聞かないれいむにはご飯をあげない。おじさんの言うことはよく聞く事、これが一つめだよ』
「う~………わかっちゃよ!」
少し悩んだ素振りを見せたがわかってくれたようだった、れいむはいい子だ
『いい子のれいむにはご褒美をあげようね』
そう言ってポケットに手を伸ばした私だったが目当ての物はそこに無かった
「れいむはあまいものがいいなぁ!」
『ごめんね、ご褒美を冷蔵庫に忘れたみたいだから取ってくるよ。この部屋でいい子にして待っててね』
「ゆっくいまちゅよ!いいこのれいむはゆっくいまちゅよ!」



台所から戻るとれいむは鏡の前で跳びはねていた
「きょうからきたれいむだよ!なかよくゆっくいちようね!」
鏡に映る自分を同族と思っているらしい
その様子が何だか可笑しく、私に気付いた様子も無かったので、私はしばらくれいむを見ている事にした
「なんちょかいっちぇよ!はやくゆっくいこたえちぇね!」
こうして見ているとゆっくりが人間の言葉を喋っているというのは思い込みなのだと言うのがよくわかる、おそらくあの子達は人間の言葉をなんとなく真似しているだけなのだ
「どうちてなにもいっちぇくれないの?れいむのこときりゃいなの?」
いかん、泣き出してしまった
慌てて行って宥めてやる
『れいむ、これは鏡と言って目の前の物を映してるだけなんだよ。映ってたのは君だし今だっておじさんが映ってるだろ?』
「ゆ?よきゅわきゃんない??」
泣き止んだのはいいが混乱してしまったらしい
よく考えると慰めになってない気もするしまあいいだろう
それよりもご褒美だ
『いい子のれいむにご褒美だ、ちゃんとお部屋で待ってたから3個あげようね』
そういって包装を解いたチ□ルチョコを差し出すとれいむは夢中になって食べ始めた
まだ小さいから少し多過ぎたかもしれないが

「むーしゃ♪むーしゃ♪ちあわせ~!!」

fin

  • かわいいなあ -- 名無しさん (2011-02-17 15:25:49)
  • 赤ちゃんれいむも久しぶりな気がする -- 名無しさん (2011-04-28 14:10:18)
  • こういうの好き -- 名無しさん (2012-12-03 00:46:49)
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最終更新:2012年12月03日 00:46