小ネタ308 名もなきおにいさんの話

最近広まってきた不思議な存在『ゆっくり』

俺の周りには飼ってる人はいないし、たまにしか見たこともないし
ゆっくりの名前の由来になった「ゆっくりしていってね!!」も、テレビでしか聞いた事がなかった。
自分としても流行り物にそんなに興味も湧かないほうだし、どうでもいい…と思っていた。
あの時までは―

それは駅からの帰り道、突然訪れた。
「ゆっきゅりしていっちぇにぇ!」
その一言に俺の体に電流が走った。
振り返ると植え込みから親と一緒の赤ちゃんれいむがこちらを見ていた。
初めて見るゆっくり、確かにテレビでみたような少しふてぶてしい目付きだ
が、小さいと生意気な感じで非常に微笑ましい。
と、見ていたら赤ちゃんれいむは親のありすに連れられてそのまま行ってしまった。

「…かわいかったなぁ」


―次の日―
昨日の赤ちゃんれいむが忘れられず、とうとう買ってきてしまった…
「普段あんなとこに行かないから少し緊張してしたぁ…さてと」
『ガサガサ…』
袋から取り出したのは「ゆっくりれいむぬいぐるみ(極小)」ストラップにもなるらしいが、そのつもりはないので迷う事なく紐を外して眺める…

 ・・・・・。

昨日のれいむを思い出し頬がゆるむ。かわいい…
つい頭をなでてみる、このぬいぐるみ意外と柔らかすぎず適度な固さがあってそれがホントに頭をなでているような感触だ。あぁ良い…
そっと枕元に置いてみる、極小サイズのちょこんとしたフォルムが愛らしい。ブリリアント…
そのまま寝転んで指先で左右に揺らしてみる、脳内で「ゆっゆっ」という声が再生されてきた。エクセレント…
手の平に乗せて包み込む、脳内ボイスがどんどん広がっていく…
『おにーしゃん、ゆっきゅりしていっちぇにぇ!』
『おにーしゃんとしゅりしゅりしちゃいよ!しゅーりしゅーり♪』
『ちあわちぇ~♪』
そのままなでなでしたり、頬擦りしたりしてみた。

ポタッ…

ふいに涙が零れた
「うっ…うぅっ……」
そしてそのまま涙が止まらなくなってきた。俺は久しぶりに声を出して泣いた。ぬいぐるみを手にしたまま泣いた。
『本当にあの赤ちゃんとゆっくりしたいな…』
そう思う度に涙はとめどなく溢れて…
勝手な妄想しかしてないが、俺は切なさで胸がいっぱいになった・・・。


オチはない。
by.とりあえずパフェ


  • 猛烈に極小サイズが欲しくなりました。 -- 中サイズしか持ってない人 (2009-08-02 22:31:47)
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最終更新:2009年08月02日 22:31