ゆっくり愛で小ネタ34 日傘の不思議

今日も仲良くゆっくりれいむと散歩を楽しむ、そんなお昼間際だった。
いつもの道を歩き、ぽよんぽよんと跳ねながら着いて来るれいむ。
今日も暑いがとても穏やかで気分は悪くない。

そんな中、前から歩いてくる日傘を差した二つの人影を見つけた。
ここはそんなに人通りが無いため人と出会うのは珍しい。
親子連れだろうか。母親と思える和服の女性と
顔は見えないが服装から恐らく娘さん、と見られる小さな子が仲良くこちらへ歩いてきた。
俺たちに気付いた女性が、軽く会釈をする。
「こんにちは。その子・・・れいむちゃんのお散歩ですか?今日も暑いですね。」
「こんにちは。はい、元気な奴なんで毎日連れて行ってやらないとゴネるんですよ。」
とても上品な感じの熟年の女性だ。挨拶を返すと
「ええ、うちの子もやんちゃなものでしょっちゅうせがんでくるんですよ。」
ふふふ、と柔らかな微笑をこぼす女性。少しドキッとしながら、
「そ、そうですか。娘さんも元気そうで」
俺は会話を続けようとする。が、
「あら?うふふ。」
女性が上品に笑う。何かおかしなことを言ってしまったのだろうか。
俺が少し焦りを見せると、女性は穏やかな顔で隣の娘さんに言った。
「ほら、ちゃんと挨拶なさい。」
そうして日傘を少しあげ、日傘の作る影の中で元気に笑う少女の顔を見て
俺は驚いた。

「うー!!こんにちわ!!!」

れみりゃ、だった。

「ゆっ!!!!」驚きながられいむはすぐ俺の後ろに隠れる。
いや・・・、れいむだけじゃない。明らかに俺も狼狽した。
普通、こんな日中かられみりゃが外出するはずが、いや外出できるはずがない。
いくら身体が付き、成熟したからといって日に強くなるなど聞いたことも無い。
それとも、ゆっくりの恐るべき多様性により進化し克服したとでも言うのか?・・・・・・。
疑問が次々と湧き出て軽い混乱を起こす。れいむも不安げな表情のまま後ろで怯えていた。
「大丈夫よ、れいむちゃん。この子は襲い掛かったりしないわ。」
俺の混乱をよそにしゃがんでそっと、れいむを撫でてなだめる女性。
れみりゃは日傘をくるくると回しながら楽しそうにしていた。
「これはいったい?」率直に疑問を表す俺に女性は静かに答えた。
「私も詳しいことは存じ上げません。
 ですがどうやら日傘を差していれば多少の時間ならば日の中に在っても平気なようですわ。」

れみりゃの日傘が回る。くるくる回る。
「うー!!はやくいこ~よ~!!ぷでぃん!ぷでぃん!!!」
「はいはい、それじゃ早く帰って、お昼ご飯にしましょうね。」
「う~♪!!」
嬉しそうに答えるれみりゃの手を女性が優しく握ると
「それでは御機嫌よう。」
そう言って、日傘を差した女性とれみりゃは去っていった。

唖然とその姿を眺めていると
「ゆっくりごはんのじかんだよ!!!」
「ん・・・そうだな。帰ろうか。」
そろそろ太陽が真上に来たことを感じて家路に着いた。

※原作ゲームのEDでレミリアが日傘で日中外出するのがあったと思うので、
れみりゃも日傘があれば少しはいけるかな。と考えてお話にしてみました。


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最終更新:2008年08月15日 00:53