取り敢えず、細かい設定抜きで書いてみました。 
雛型にするなり叩き台にするなり、好きにしてね! 
愛でスレ的ゆっくり加工場 
「おにいさん……、れいむがしんだら、いつもいってたとおりに、のこさずたべてね……。」 
死の間際のれいむがこう言ったとき、男は耳を疑った。 
「待て、れいむ。俺は散々、お前を食うとか言ってきたけど、あれは嘘だ。絶対食べない。」 
途端にれいむが泣きそうになる。 
「そんなこといわないで、おにいさん。さいごにたべてもらえなかったら、れいむなんのためにゆっくりしてきたのかわからないよ……。」 
「……わかった。」 
「ありがとう、おにいさん……。」 
れいむは安心して、……逝った。 
男は仕方なくれいむの亡骸を食べた。美味しかったが、何度も吐きそうになった。 
無論、それだけはしたくなかったし、しなかったが。 
食べ終わると、男はある考えを持っていた。 
これは、ゆっくり流の葬式なんだ、と。 
多くの人間は、死んだ後に放置されたいとは思わないだろう。出来ればきちんと弔って欲しい筈だ。 
無論、生きている人間が火葬をして貰いたくないように、ゆっくりも生きている間は食べられたくない。 
最期に食べてもらいたい、というのは、そう言う事なんだろう。 
男はそう考えた。 
何年かして、男はある小さな施設を建てた。 
「ゆっくり加工場」 
死期を悟ったゆっくり、あるいは安全にゆっくりしたいゆっくりのための施設だ。 
ここには、ゆっくりがゆっくり生きていく為の小屋と牧場、その結果を加工する施設がある。 
「よく、頑張ったな。もうずっとゆっくりしていいぞ。」 
「ゆ……。ありがとう、おにいさん。まりさをおいしくしてね……。」 
小屋の中で、古株のまりさが力尽きた。周りでは大勢のゆっくりが泣いている。 
「おにいさん!まりさをはなしてね!!」 
まりさと親しかったれいむが叫ぶ。 
「やめなさい、れいむ。まりさはしんだのよ。」 
まりさと同期のありすがなだめる。 
「でも、でも!まりさがあんこにされちゃうのはやだよ!」 
「まりさがなんのためにここにいたとおもうの?」 
男が口を開く。 
「れいむ。まりさは最期まで美味しく食べてもらいたいと思ってた。だから、俺はそれを叶えてあげたい。」 
「……。」 
れいむは泣きながら小屋を飛び出した。 
「まって、れいむ!!」 
みょんが追いかけようとしたが、 
「みょん、ひとりにしてあげなさい。」 
ありすが制した。 
「でも……。」 
「ひとりにしてあげるのよ。あのこがもどってくるまでね。」 
どこからともなく現われたゆかりんが諭す。 
「おにいさん。……まりさをそのままにしないで、はやく……ね。」 
「……そうだな。」 
ありすの言葉を受けて、男は加工施設に向かった。 
加工施設に着くと、男はまりさを台に乗せ、手を合わせた。少し、涙ぐみながら。 
そして、餡子を取り出していくのだが、その過程には意味が無いので書かないでおく。 
男は取り出した餡子を味見する。 
幸せに生きたゆっくりだけが出すことが出来る、最高の甘味だった。 
「……ありがとうな、まりさ。」 
後は、普通の饅頭を作っていく。生地を作り、包んで、蒸す。 
「美味しくなったからな。安心しろよ……。」 
男1人では大した数の饅頭は作れない。本当は自分の手ですべて饅頭にしてやりたいのだが。 
苦肉の策として、残った餡子は知り合いの和菓子屋にうーぱっくで配送してもらう。 
そして、饅頭の方は男が里まで売りに行くのだ。 
男が加工場に戻る頃には、日がすっかり落ちていた。 
「ただいま!おにいさん!」 
帰って来た男を、ありすが迎えてくれた。 
かつてその言葉をかけてくれたのは、まりさだった。 
れいむは小屋に戻っていた。まりさがいた場所で、佇んでいる。 
「れいむ。」 
「ゆ!あっちいってね!おにいさん!」 
れいむはまだ怒っている。 
「まりさをあんこにするなんて、おにいさんはちもなみだもないね!!」 
「だろうな。」 
男はそれを否定せず、れいむの側に座った。 
「俺は、昔飼っていたれいむを食べた。それが遺言だったからな。」 
「そんな……。」 
「でも、俺には無理だった。味が美味しいだけなんだ。……本当に美味しくは食べられなかった。」 
「……やだな、それ。おいしくたべてもらえなかったら、そのこがかわいそうだよ!!」 
「だから、俺はここを建てたんだ。一匹でも多くのゆっくりが幸せな最期を迎えられるように。より多くの人にゆっくりした結果を美味しく食べてもらうために。」 
「ゆー……。」 
「お前は、嫌ならいいぞ。ずっとゆっくりしていって、好きなとき、出ていっても。」 
「ゆー……、やっぱり、おにいさんはちもなみだもないね!!れいむだって、さいごはおいしくたべてもらいたいよ!!」 
「そうか。でも、気が変わったら、すぐに言えよ。」 
「ゆ!おにいさんのいぢわる!!れいむに、にごんはないよ!!」 
れいむはそう言うと、自分の寝床に帰っていった。 
自分は逃げていると、男は思っていた。 
本当は、ゆっくりが望むなら、自分が食べてあげるべきだろう。 
けど、ゆっくりたちは美味しく食べてもらいたいのだ。 
調理したらもっと美味しくなると言ったら、誰もがそうして欲しいと言い、大勢の人に食べて貰えば、量が多すぎて美味しさが損なわれることがない、と言えば、少しでも美味しく食べてもらいたいし、沢山の人に食べてもらいたい!と答える。 
男の言葉に嘘偽りなど一切ない。 
だが、さっきれいむに言った通り、男は美味しくゆっくりを食べられない。 
ゆっくりを食べることを他人に押し付けるための、方便なのだ。 
そんな卑怯なことをしても、男はゆっくりたちに、幸せな生涯を過ごして欲しかった。 
「おにいさん。」 
いつの間にか、足下にゆかりんがいた。 
「じぶんをせめてるなら、おかどちがいよ。わたしたちがのぞんでるさいごだもの。 
……ゆっくりできないわ、そんなくらいおにいさんとじゃ。」 
そう言ってゆかりんは跳ねていった。 
「ははっ。ゆっくりに慰められちゃ、な。」 
男はそう言って、頬の涙を拭った。 
翌日。 
「ちぇぇぇん!!」 
まりさの穴を埋めるように、ゆっくりらんしゃまが加工場に訪れた。 
「わかる、わかるよー!」 
「嬉しそうだな、ちぇん。」 
「ゆ!おにいさん、まさか「これでちぇんの味がよくなる」だなんておもってないかしら?」 
「んなわけ無いだろ、ありす。」 
「そうよね!つぎはありすのばんだもの!!」 
…… 
「なぁ、ありす。食べられるのって、怖いか?」 
この質問も、何度目だろうか。 
「しぬのはこわいし、いきたままはいやね!でも、とかいはのかすたーどをみんなにあじわってほしいわ!!」 
ありすはそう言って跳ねていく。 
「ちぇぇぇん!!」 
「ゆ!れいむはちぇんじゃないよ!しっかりしてね!!」 
男は思う。 
みんな、ゆっくりしていけ。ゆっくりした結果は、俺が届けてやるから。 
勢いで書いたらこれだよ! 
携帯で書いてるから推敲がうまくいかないし、スレに書くにしては駄長文なのに、ろだにあげられないよ! 
もう、なんかすみませんorz。 
by.ゆっくり怪談の人 
-  この観点はすばらしい。目から鱗と涙が・・・。  -- 名無しさん  (2008-08-15 01:39:43)
-  ゆっくりの最後についての考えとして、観点もいい。ある意味正しい愛で方?の一つの物語かもしれないですね。人間にも人生の最後はこうしてもらいたいという願望がありますが、ゆっくりたちにもそういう考えはあってもおかしくないですし。ゆっくり切ない気持ちで読ませて頂きました。  -- ine  (2008-10-06 18:23:13)
-  食葬の一種って解釈。鳥葬や海葬みたいなもんかな。  -- 名無しさん  (2010-11-27 15:19:39)
-  いい!す、ご、く、いい!  -- アイラブゆっくり  (2013-04-22 10:52:11)
最終更新:2013年04月22日 10:52