以下の点について注意してお読みください。
※東方キャラ百合注意
※あれ?ゆっくりの出番少なくね?
ゆっくり小ネタ 『君の名を呼ぶ』
前略前提、藤原妹紅はゆっくりかぐやを飼っていて、蓬莱山輝夜はゆっくりもこうを飼っている。
「ねー、輝夜」
「ゆ?」「なぁに?」
前略、永遠亭。
妹紅の呼びかけに返事をしたのは、彼女の頭の上に乗っていたゆっくりかぐや、そして脇で寝そべっている輝夜本人。
「そう、それが問題なのよ」
「はい?」「ゆ?」
揃えて首を傾げる輝夜とゆっくり輝夜。
「あんたら名前が同じだから呼びにくい、ていうか混乱する。」
「何よ、突然」
「いやさ、私はいいのよ。あんた私のことはそのまま“妹紅”って呼んでるし、
ゆっくりもこうのことは『もこたん』とか呼んでるからさ」
ちなみにそのゆっくりもこうは今日は欠席である。
今頃、妹紅の友人だる慧音が経営している寺子屋の子供達と遊んでいるはずだ。
「けどさ、私は違うじゃん。あんたもゆっくりかぐやのことも同じように『かぐや』って呼んでるからさ」
妹紅は真面目な顔をして輝夜とゆっくりかぐやを見つめる。
「正直ややこしくてしょうがない」
「それって普通に貴女自身の問題じゃなくて?」
輝夜が呆れつつそう返す。そんなくだらない話題を振るなという感じでとても迷惑そうな様子だ。
「あ、そうだ。こっちも何かニックネームつけて呼べばいいんだ」
「は?」「ゆ?」
妹紅が一人で勝手に納得したように手をポンと叩く。
「という訳で、かぐや、ゆっくりの方な。お前のこと今度からてるよって呼んでもいいか?」
「ゆ~ん、できれば名前でも呼んで欲しいわ」
イヤイヤとゆっくりかぐやは頭だけの身体を左右に振った。
「そっかそっか。じゃしょうがないな」
妹紅はそんなゆっくりかぐやを満面の笑みで愛おしむように撫でてやる。
「じゃ、輝夜。今度からお前のことをてるよって‥」
言いかけた妹紅の裾に、ぎゅっと軽い力が込められた。
「やだ」
裾を掴んだのはさっきまで寝そべっていたはずの輝夜。
頬を膨らまし拗ねるような上目遣いで妹紅を見つめ、
「名前で呼んでくれなきゃやだ」
簡潔に自分の気持ちを言葉に出した。
「‥‥‥」
妹紅、数秒の沈黙。
何やら顔を赤くして輝夜と見つめ合っている。
「‥‥‥‥(ニヤニヤ」
ゆっくりかぐや。空気を読んで同じく無言。
「‥‥えっと、ごめん。輝夜」
「うん、それでいいのよ妹紅」
すっきりしたようなペカーとした笑顔で輝夜は大きく満足そうに頷いた。
という訳で、少しややこしいけど、
妹紅は輝夜のことも、ゆっくりかぐやのことも
同じように『かぐや』って呼んでいるのでした。
めでたしめでたし。
最終更新:2009年09月21日 13:48