「むーしゃむーしゃ♪しあわせー!」
食事とは素晴らしい、途方もないゆっくり達の謎を探究し続ける日々の中にある憩いの時間だ。
しかしこの食卓の何気ないワンシーンにも気になって止まない物があった。
「まりさ」
「? どしたのおにいさん?」
「君達の口の中は一体どのような構造になっているのだ?
平然と食事を楽しんでいるようだが、体の構造上おそらく我々のような臓器の類いはおそらく君達には存在しないように思われる。
なにより食物を摂取しているにも関わらず一切の排泄を行わない『消化という働きすら行われず、全てをエネルギーへ転換している可能性も』との説を掲げる者もいるが、荒唐無稽と笑う者がほとんどだ。
しかし、もしその通りだとすれば君達の「食」について新たな見解が得られるかもしれない。
ひいては昨今のエネルギー問題に一筋の光をもたらす事が出来るかもしれないのだ」
「あいわらず話なっがいね」
「すまない。それで実際の所はどうなのだ?」
「ごはんはおいしくたべなきゃだめだよ、はなしはデザートの時にしてね!」
ふむ、確かに生きる者にとって食事は最高の喜びの一つ…まりさの意見も最もだ。
しかし私の食事にデザートの時間が含まれているとは知らなかった、すぐに買ってくるとしよう。
※数分後
「じゃあお調べなさい!」
「直接でいいのだろうか?」
「…やさしくしてね」
「ではお言葉に甘えさせてもらおう」
早速まりさを持ち上げ口を覗き込む、しかしこの時点で早速不思議な点があった。
まりさの口内の様子はいくら角度を変えても全く観察できない、何故か真っ暗な状態のままだ。
「確か先程アイスクリームを食べている時には舌があったはずだが…」
「これ?」ぺろっ
少々困惑しているとまりさが舌を出してくれた。
幅は口に合わせてか少し大きめ、長さは顎の付近までと長め。触れると指がよく吸い付き吸着力が強い、四肢が無い分舌が発達しているのだろう。
「ちなみに瓶詰めプリンのときはこれだよ」ぴっ
「なんと、形状が全く違う舌を使い分けているのか」
「ゆ、おんなじらよ?」
細くさらに長いまるでアリクイの舌だ、状況に応じてここまで自在に変化出来るとは興味深い。
「では今度は私の指をくわえてみてくれ」
「おにいさんだいたーん、はむっ」
おかしい、さっきまでの舌の感触どころか唾液すら感じない。これではまるでクッションの間に挟まっているようだ。
「さっきの舌はどうなっているのだ?」
「ゆゆゆ、しゃぶるほうだったのね」ちゅぱちゅぱ
「!?」
急に口内の感触が変わった!それすら意のままとは、ますます気になる。
馬鹿な事かもしれないが、もはやアレでしか確かめようがない。
「まりさ、私の頭は口に入るか?」
「らくしょー」あんぐり…
「いざ、探究の深淵へ…」
大きく開かれたまりさの口に顔を突っ込む。
この瞬間、私の心はまるでトンネルの遊具で遊んだ子供の頃に帰ったようだった…
報告―、
謎とは解明する度に新たな謎を呼び込むものなり。しかしこの時私は一つの真理を見たのだ。
彼らの口とは口に非ず、手であり指であり揺り籠であり空間であり口なのだ。
『以上』
by.とりあえずパフェ
一度フルスイングで無駄に難しく考えてみたかった。
- >しかしこの時私は一つの真理を見たのだ
戻ってきたら両手パンで練成できるようになってたんですね -- 名無しさん (2009-11-14 23:47:57)
- この人は五体満足で帰ってこれたのでしょうかw -- ゆっくり好きな新参者 (2009-11-15 00:31:26)
- よく生きて帰ってこれたな
まりさのとぼけた感じが可愛い -- 名無しさん (2009-11-17 02:20:05)
最終更新:2009年11月17日 02:20