小ネタ345 雷おこし

「いく、腹が減った」
「さきほどご自分の桃をめしあがられたばかりでは?」
「種がほとんどばかりの桃は俺のログには無いな、このままでは空腹がマッハ」
「しかたありませんね…しばしお待ちを」

少してんこから離れ、一呼吸。

「ふぃーばー!!」パンッ!もこもこもこ

気合い一発。
みるみるいくの帽子が家庭用ポップコーンのようにパンパンに膨らんだ。

「おまたせしました」

いくが帽子を取るとそこには香ばしい匂いのするサイコロ大のお菓子。
それをまじまじと見つめるてんこ。

「おいィ?なんですかこれは?」
「雷おこしです」

どうぞ、といくが羽衣で一つ差し出す。
あーん、とてんこが口を開き雷おこしを放り込む。

『がり、ざくっ、ごり、がっ、ぼりぼり…』
噛むと心地よい歯ごたえと共に良い音がする。
間に入ったピーナッツのうれしさは中身が同じようなチョコレートとも一味違う。

「…」『ざぐっ、ぼり…がり、がりっ』

どうも気に入ったらしく無言で食べ続けるてんこ。
その様子に「よし」とやり遂げた顔で いくも雷おこしを口に放り込む。

『『がりがり、ぼりぼり』』

そしてしばらく辺りには普段聞き慣れない奇妙な音が響くのだった。



※おまけコーナー

『教えて☆のうかりん先生』

「ねぇ、のうかりん?」(ぼりぼり)
「なんだっぺ?れいむ」(ぼりぼり)
「雷おこしって、たべると雷みたいなおとがするから「雷おこし」なの?」(ぼりぼり)
「あー、そう思うだろけどこれが違うんだっぺ(ぼりぼり)
 雷おこしは江戸時代後期に浅草の露店商が「雷門」と「家を起こす」「名を起こす」とをかけて作った縁起もんのお菓子なんだっぺ(ぼりぼり)
 蒸した米さ炒って『ばくだん』みたく膨らまして、水飴・砂糖あと落花生を混ぜて作るんだよ~」(ぼりぼり)
「ゆぅーなんかこじつけっぽいね」(ぼりぼり)
「まあ名物なんてそんなもんだっぺ」(ぼりぼり)
「でもゆっくり味だね、ゆゆ!歯にはさまっちゃったよ!」
「おんや、お茶さ淹れっぺか。んじゃあ今日はここまでだっぺ」(ぼりぼり)


おしまい。


by.とりあえずパフェ

ブロント語…ムズカシイ、オレ、ナレナイ。

  • そういう由来があったのか -- 名無しさん (2009-11-21 10:32:52)
  • それじゃイクさんは……?

    何にせよ、甘味類とは違うお菓子を食べる描写が、中々新鮮 -- 名無しさん (2009-11-21 18:00:37)
  • ためになるなあ -- 名無しさん (2011-04-28 15:25:10)
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最終更新:2011年04月28日 15:25