小ネタ348 えんどれす?名もなきおにいさんの話

これまでのあらすじ―――

ある日の仕事の帰り道、俺ははじめて会った赤ちゃんゆっくりに心を奪われた…
しかし、赤ちゃんと一緒に住むこと叶わず枕を濡らしていたその時窓から声が・・・

「おにーしゃんゆっきゅりにゃきやんでにぇ!」

それが、謎の同居人・秘密のアッカちゃん(きめぇ犬?)との出会いだった。
そしてやっぱり赤ちゃんはかわいいのであった。



アッカちゃんが来てから早数ヵ月が経ち、今年もそろそろ終わり。
同居人が出来ても赤ちゃんへの憧れは留まる事を知らず、
とりあえずゆっくり育児雑誌「ゆっくりくらぶ」を見てみた。早速お得な定期購読を始める事にした。
さらにはネットのゆっくりブログを巡りまくったり、相変わらず町行くゆっくり家族の姿を目で追ったり…etc

「おぉ…こわいこわい」

そんな感じで数ヵ月前とは生活スタイルがすっかり一変したのだった。


「ねぇアッカちゃん…赤ちゃんできる予定ない?」
「おお、セクハラセクハラ」
「…じゃあ赤ちゃんになる予定ない?」
「おっしゃる意味がよくわかりません」
「最近ますます赤ちゃんがかわいくて生きるのがつらい…」ぐびぐび…
「おぉ、よしよし」

アッカちゃんとはそれなりにうまくやってそれなりに楽しい毎日。
だけど心の充実感はどうしても得きれず、水道水をお腹がタプタプいうまで煽る日々(お酒がダメなんで)

「もちろん『teke it easy』にも行ってみたんだよ…アッカちゃんが来た日に検索頼んでたし」

※「teke it easy」とは…
 生活を共にし、日常を愉快に演出してくれる愛すべき異分子達・ゆっくりと人とを繋ぐ
 夢のネットワーク・ゆっくり紹介所その最大手である。

「でも担当の人に「もうお宅に居ますね」って言われて確認させてもらったら…」
「おぉ、うっかりうっかり」
「アッカちゃん登録してたんだ」
「ゅゅぅ…おにーしゃんごめんにぇ!」
「赤ちゃんで謝ってもだめ!」

※一回の紹介で有効なのはオンリー1(ひとりor一組)

うう…赤ちゃんと暮らせるのは一体いつなんだ…
神様、むかし一生のお願いで「弟をください」ってお願いしました。叶いませんでした。
今回は来世の分も使ってお願いします!
赤ちゃんを僕の元に遣わして下さい!!
結婚してないのに変だと思われますがお願いします!



その夜―、

コツッコツッ…

「どどどどどどど…」
「ん~…アッカちゃん…ジョジョっぽいイビキやめて…あとなんかぶつかってるよ…」

コツッコツッ…

「ごごごごごごご…」
「むぅー…れいむぅ(極小)…」

コツッコツッ…「…かー?」

「!!」バッ!
その瞬間俺の体に電流が走った
この感覚は間違いない、『あの時』と同じタイプのソレだ!

ぬいぐるみれいむを枕元に置き一撫で、そして直ぐ様布団から飛び起きる。
やっぱりさっきからコツコツ窓に当たっていたのは外側の何かだった、ならやる事は一つ!
『ガラッ…!』何の躊躇も無く窓を開ける。

…ぽふっ「りゅー」

『それ』は窓のかわりに俺にぶつかった。

丁度月が雲に隠れて暗くなってハッキリ見えないけど
ふよふよと不安定に宙に漂う小さな黒い丸。
その下に手を伸ばし受け止めると、黒い色が薄くなって徐々に形変わっていく。
やがて雲を抜け月明かりが戻り、照らした「その子」はその光を反射したように金色に光っていた。



つづく、



by.とりあえずパフェ

  • すっごい続きが楽しみです…この子とアッカちゃんをどう動かすのかな… -- 名無しさん (2010-05-18 19:14:49)
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最終更新:2010年05月18日 19:14