小ネタ353 【2009年冬企画】サンタクロースが死んだ朝に

企画物 小ネタです


我輩は罪袋である、名前は未だない

「かっわいいよ かっわいいよ! ゆかりんりん!」

特に目的もなく、ただ歩き回る日々である

「少女臭が! 少女臭が! 靴下sy・・・!?」


あの日までは


~サンタクロースが死んだ朝に~


(この臭いは・・・少女臭!)

その臭いに導かれたどり着いたは一軒の家だった
(ここからゆかりんのにおいが・・・)
しかし中の様子が見えない
一目で良いからこの目でゆかりんが見たい
(あの窓からなら・・・)

「あがっ!! あっががが!!」

何とか近くにあった窓に張り付き中の様子を伺う

『ねぇ、おにいさん! 明日は「さんたさん」が来るってほんとう?』
『サンタ? 今年はサンタが死んだから、クリスマスは中止って今朝の文々。新聞に載ってたぞ?』
『えっ・・・嘘・・・』

嗚呼・・・僕らのゆかりんが泣いている
こんな理不尽なことがあって良いのだろうか いや、ない

だがどうしよう

私はただの罪袋、何ができるわけでもない
ましてや彼女にプレゼントする様なものも持っていない
持っているのはこの体と、ゆかりんを慕うこの魂だけである

(待っててね、ゆかりん)



そして今、私はゆかりんの枕元に居る

あの後も窓に張り付いたまま考えた結果、残った方法は
私自らがプレゼントになり彼女の中にサンタクロースを生き返らせることだった
端から見れば私の見てくれは丸い袋に罪の一字
可愛さや面白さなどは微塵もないだろう
彼女は私を見てなにを思うだろうか、悲しむだろうか、喜ぶだろうか、
もしくはゴミでも見るような目で私を何処かに捨てるのだろうか・・・

『ううん・・・』

(嗚呼・・・寝顔もかわいいよ)

『・・・? なにこれ?』

(ああ!! おふぁんつ見えてるよ!!)

『プレゼント!? ありがとう! さんたさん!!』

良かった、ぼくらのゆかりんが笑ってくれた
この身体中を包んでくれる少女臭が私の全てだ

『あんまりかわいくないけど・・・うれしい♪』

かくて私は彼女のサンタでありまたプレゼントになれたのであった



我輩は罪袋である、名前は未だない

おわり

  • >もしくはゴミでも見るような目で私を何処かに捨てるのだろうか・・・
    これ結構期待してんだろ、罪袋w
    ていうかこいつまさか『ゆっくり罪袋』という珍種なのか!! -- 名無しさん (2009-12-28 12:53:22)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年12月28日 12:53