小ネタ356 賽銭箱の中

即興です。


三が日も終わり、日が落ちて参拝客も落ち着いた神社。
巫女さんのバイトが終わった私は、宮司さんに呼ばれて賽銭箱の前に立っていた。
「一体何をはじめるんです?」
「まぁ、バイトの締めといった所ですね。……聞こえるでしょう?」
宮司さんの視線の先には賽銭箱がある。
……なんだか、変な音というか……
「な、なんですか、これ?声?」
「まぁ、見た方が早いですね。ちょっと手を貸して下さい……。」
宮司さんに言われるまま、2人掛かりで賽銭箱の蓋を開けると……

「ヒーハーッ!」
「さいせんだぁ、おさいせんだぁ!!」
「おさいせんくんかくんか。」
「ひゃくえんだまのひんやりしたさわりごこちがたまんねぇ……。」
「ごえんだまもなかなかおつなもの……。」
「ただし、いちえんだま、てめーはだめだ!( クワッ 」

そこにはゆっくりれいむ達の狂宴が広がっていた。
「こ、これは……。」
「毎年ね、特にお正月になると賽銭箱の中に沸くんですよ。」
「ちゃんと参拝の方が来られる前に確認してるんですけど、一体何処から入って
くるのか……。」
ため息まじりの宮司さんと私は一緒にれいむ達を賽銭箱から放り出していく。
「なにをするはなせー!」
「きさまらもりやのまわしものだな!」
「わきのにおいをくらえ!……しまった!わきがない!」
「うじょうはがんけんで してやろうか!」
非難轟々のれいむ達だったが、全部放り出した頃にはなんだか諦めが付いたようで、

「ことしもよろしく。」
「それじゃ、またらいねんもここでー。」

と言い合って何処かへと去っていった。
「ふぅ……。」
その様子を見た宮司さんは何度目かのため息を付いていたが、
なんだかひどく楽しそうにも見えた。

――
どうでもいいですけど今日熊野大社に行ったので。
破魔矢を替えて来ました。

  • 東方二次によくいる守銭奴霊夢の生霊みたいなれいむ達ですねw -- 名無しさん (2010-01-05 11:54:23)
  • 宮司さんも満更ではない様子
    実際楽しそうだなホント -- 名無しさん (2010-01-05 23:33:47)
  • 主人公が巫女さんだと今更気づいた!!
    宮司さんって巫女と大量のれいむに囲まれるなんてなんて勝ち組‥。ていうかれいむ可愛いな -- 名無しさん (2010-01-06 21:10:12)
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最終更新:2010年01月06日 21:10