【2009年冬企画】出されたタイトルを盛大に無駄使いしてみた

「まずみんなでタイトル案を出し合い、それを使って「冬」テーマの作品を作る。 」
との事でしたので、皆さんが出してくださったタイトルを 盛大に無駄使いして 作ってみました。
よろしければご覧ください。けっこう滅茶苦茶です。

「てんこ大家族」
「誕生日がクリスマスとか俺の両親絶対忍者だろ……」
「劇場版ゆっくりしていってね!!! エレクトロニックとはこの俺だぜ! まりさのマーヴェラスパーキングエリア漂流記」
「聖夜だ!メリクリ!カップ麺!!」
「生首村のホワイトクリスマス]
「百合炬燵」
「赤と緑の茸が家に来た日」
「冬休み子ども劇場『黒谷スパイダーマッ 逆襲のグリーンアイドゴブリン』」
「サンタクロースが死んだ朝に」
「間に会うかもしれないパチェさん」
「博麗VS守屋ドキドキゆっくり雪合戦!~雪を固めりゃ氷となる~」
「どうする? おまえの相手は世界一強い饅頭だぞ」
「俺の右腕がああアアアアアアアアアアアア」
「ゆっくりと星のアルペジオ」
「年をッ!越すまでッ!震えるのをやめないッ!」
「ゆっくりふるでいず」



熱くなっていく身体、火照っていく顔。私は全身の力をゆっくりと抜いていき、その心地よい感覚に身を委ねる。
衣類を何一つ身につけていない裸体がどんどん熱を帯びていく。
目元はとろけ、頬は紅く染まり、口からは熱い吐息がこぼれる。
手を、足を、心臓を、脳を、ひとつの感覚が包み込む。

(気持ちいい……)

視線を下ろし、自分の身体を見る。しかし、細い身体とは不釣合いに大きな胸が遮り

「嘘だッッッッッッッッッッ!!!!!」

声に反応し、視線を横に向ける。そこにはすごい形相でこちらを睨んでいる茶色い髪の一頭身…ゆっくりりりかがいた。
ああそうさ、私の胸はお世辞にも大きいとは言えないよ。でも言わなきゃわからないんだからちょっとくらい見栄張ったっていいじゃない!

「っていうか顔怖い」
「うおっぷ!」

りりかが乗っていた桶をひっくり返し、彼女を湯船の中に沈めた。せっかくの温泉でお湯に浸からないなんてもったいないしね。
私ってえらいね~。

『嘘だッ!って言う時はああいう表情をしろってけーねが言ってた』
「言ってない」

違う方から声がしたので振り向くと、ゆっくりけーねがいた。

「いたんですか」
「ああ、ずっと」

それだけ言葉を交わすと、再び湯船に身を任せてゆっくりする。

「あー気持ちいい…やっぱ来て正解だったわ」
『年末年始、慌しかったからね…』

テンションの下がる声が聞こえる。めるらんに連れられていろんな湯を見に行っていたるなさが戻ってきたようだ。
…ちなみにりりかもるなさも一頭身なので湯船に浸かると当然全身沈んでしまう。そうなると当然声を発することなどできないのだが、
こいつらの場合楽器を水面に出してそこから音を出して声を作っている。器用な連中だ。というか楽器が傷んだりしないのか。

「めるらんは?」
『あっちにうたせ湯があったから…』
「あぁ、打たれてるんだ」
『いや、上に登ってお湯と一緒に落下してを繰り返して遊んでる』
「…大丈夫なの?それ」
『たぶん…』
『姉さんならそのうちテンション上がってきて、落ちてくるお湯の中を泳いで昇ったりしそうだし』

うたせ湯を笑いながら泳いで昇っていくゆっくりめるらん。

(年末年始か…)

そんな光景を想像したら気が狂いそうになったので、私はさっきのるなさ(というかバイオリン)の言葉にもあった
『慌しかった年末年始』の事を思い出していた。





12月24日 クリスマスイヴ



知り合いのてんこが遊びに来た。

「てんこ」
「てんこ」
「てんこ」
「てんこ」
「てんこ」
「大」
「家族」

一家総出で。

「帰れ」
「いいじゃないの、どうせクリスマスを一緒に過ごす人とかもいないんでしょ?」
「だからと言って、こんなてんこの集団と戯れ…ってあんたら何人いるの?」
「27人」
「多すぎだろ!ますます帰れ!」

怒鳴ってはみるものの相手は30人近く。押し切られてしまった。数の暴力だ。
あがってきたてんこ集団にりりかは圧倒され、めるらんは何故か爆笑した。

「え?なに?晩御飯カップ麺なの?」
「いいじゃん別に…カップ麺おいしいじゃん」
「いろいろ持ってきて正解だったね!」

見るとてんこ達は各々手に何かを持っている。食料は持参したようだ。まぁ、そりゃあ持参しないと足りなくなるよね。

「明日はちょうどうちのてんこが誕生日だから、てんことてんことてんこがケーキ作ってきたんだよ!」
「誕生日がクリスマスとか俺の両親絶対忍者だろ……」
「忍者じゃなくててんこだけど?」
「てんこー、てんこの前のポテトとって」
「てんこ!てんこのから揚げにレモンかけないでって言ってるでしょ!」
「てんこー、てんこがてんこのPizzaとったー。てんこ見てたよ」

頭がおかしくなりそうだ。

「あんたら、あれでよくわかるわね…1~3人称が全部同じじゃないの」
「それはほら、同じ種類の動物の顔ってどれも一緒に見えたりするけど、飼育員とかは見分けられるでしょ?」
「うん」
「それと同じよ」
「絶対違うと思う」
「ただいま…うわっ」

わいわいがやがややっていると、出かけていたるなさが帰ってきた。

「お帰り」
「何これ………えっ?何これ…」
「えーっと、てんこ27」

いちいち説明するのも面倒だ。るなさも説明されるのが面倒だと察したのか、それ以上の追求は無かった。

「……ふーん。あ、そうだ。雪降ってたよ」
「マジで!?」×29

私とるなさを除く全員が窓に殺到した。隙間無く積み重なってゆっくりの壁を形成している。後ろから見るともの凄く不気味だ。
しかし前から見ると29の顔面が並んでいるわけで、後ろからよりもよりいっそう…さぞや恐ろしい光景になっていることだろう。

「ホワイトクリスマスだね!」
「私たちの故郷も今頃、雪が降ってるのかな…」

こいつらの故郷…

「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」
 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」
  「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」

雪が降る中飛び跳ねる生首たちを想像してしまった。なんだこれ、この世の終わり?

「変なこと言わないでよ…変なもん想像しちゃったじゃない。故郷ってどのへん?」
「沖縄から東に50キロほど離れた小島に村が…」
「雪降らねーよ」

ずどどどど、という音が聞こえた。ゆっくりウォールが崩れたようだ。飽きたのか。

「BD見るよ!」
「ブルーディスティニーなら無いわよ」
「違うよ!買ってきたんだよ!」

てんこが袋を差し出してきた。あぁ、ブルーレイディスクか、紛らわしい。BDって言ったら普通ブルーディスティニーでしょうが。
やっぱり1号機よね。2号機は変態の手に渡っちゃったしガンダム顔だし。蒼くて強いジムってところがなんか特別な感じがして
いいんじゃない。白い3号機は論外。それはそうと戦場の絆で「EXAM SYSTEM STANDBY」の音声が鳴らないのはいったいどういう了見…

「プレーヤーが無いよ」
「ええっ、いまどき!?」

…おいこら、かわいそうなものを見るような目で私を見るんじゃあないッ!

「見たかったのに…「劇場版ゆっくりしていってね!!! エレクトロニックとはこの俺だぜ!
まりさのマーヴェラスパーキングエリア漂流記」 」
「あぁ、それなら私見たことあるよ」
「どんなのだった!?」
「えーっとね…」



駐車場でいくさんが放電している。

「SPARKING!」

それはエレクトリック。

みすてぃあが歌っている。

「がんばれ地球♪がんばれ地球♪ぼく~は限界だ~♪」

それはエキセントリック。

すわこが何かを一生懸命こすっている。それはエレクト・ロリ…って何言わせるんですかいやらしい。

「みんな何やってるのぜ!まりさが本当のエレクトル…エラクトロ…エラレ…エレ…エなんとかを見せてやるぜ!」



「ひどい映画だったよ」
「ふん!」(バキン!)

ひでえ。真っ二つに割りやがった。
その後も数に任せてぎゃんぎゃん騒ぐだけ騒いで、ぞろぞろと帰って行った。

「よかったわね~。さびしいクリスマスにならなくて」

あれだけやかましいのもどうかと思いますが。

「でも、意外だね。片づけまでして帰ってくれるなんて」
「さすがに一級天人は格が違った」

るなさの言うとおり、奴らは帰る前にきちんと後片付けをしていった。残されたのは、お土産とか言って置いていった
炬燵の上の百合の花だけ。

「じゃあ私たちはそろそろ寝ようか」
「そうね~♪早く寝ないとサンタクロースさん来ないかもしれないし」
「それは困るね!絶対プレゼントもらわないとね!」

ゆっくり3姉妹はおやすみと言って寝室に向かった。



そして翌日

「サンタは死んだ!もういない!」
「だけど私の背中に、この胸に♪」
「…一つになって生き続ける」

3姉妹の叫びで目が覚めた。

「どうしたのよいったい…」

眠い眼をこすりつつ、そして「胸とか背中とかいったいどこよ」と思いつつ何があったのか尋ねる。
3人曰く、お願いしていたのと全然違うプレゼントが届いたのだという。

「そんなの毎度の事じゃない…」

この町内では大人のゆっくりが毎年交代でサンタ役を演じ、各家庭のゆっくりにプレゼントを配っている…のだが、ゆっくりなので
思い通りのプレゼントが届かない事がしょっちゅうある。実際去年も微妙に違うのが届いた。

「今年のはひどすぎるんだよ!」
「どれどれ…」

私は3人がサンタへのプレゼントのお願いを書いた紙を取り、読んでみた。

『サンタさんへ チューバをお願いします るなさ』

嫌がらせか。

「で、何が届いたの?」
「これ…」

るなさが取り出したのは、赤い茸と緑の茸。

「ひどいよ!全然違うよ!」(ピローン)
(あ、1アップした)
「楽器ですらないよ!」(モコモコモコ)
(あ、でっかくなった)

続いてめるらん。

『サンタさんへ プレゼントはパイプオルガンがいいです めるらん』

無茶言うな。

「それで、届いたのがこれよ~」

差し出したのはDVD「冬休み子ども劇場『黒谷スパイダーマッ 逆襲のグリーンアイドゴブリン』」 。

「まったく、今年で30周年を迎えるスパイダーマッシリーズの劇場版第4作、グリーンアイドゴブリンが結成したネオ・
地霊殿が火山を次々と噴火させて地上をゆっくりできない世界にしようとするのをライバルであるスパイダーマッが腑抜けた地上の
連中に嫌気が差しながらもゆっくりの英知を信じてそれを阻止する、テレビシリーズの初代から続いてきたスパイダーマッと
グリーンアイドゴブリンの最終決戦になる作品のDVDをよこすなんて…」
「詳しいじゃない」

満更でもないんじゃ?
で、最後りりか。

『サンタさんへ 現ナマよろしく りりか』

こんな子供嫌だ。

「結果がこれだよ!」

10円だ。あ、よく見るとギザ10だ。

「…一応現金じゃない」
「桁が少なすぎるんだよ!6つくらい!」

いっせんまん欲しいってか。業突く張りめ。

「そんなわけで、もうサンタなんか信じないんだよ!私の中でサンタは死んだんだよ!」

無茶なお願いに斜め上の切り返しをされただけで(脳内で)殺されてもたまったもんじゃないと思う。

「これからはロックに生きるわ!」

あんたはもうかなりロックに生きてると思う。

「私、そろそろ出かけるんで…」

こいつ一人だけ妙にクールだ。さすが長女。
それにしても、ここまで違うプレゼント持ってくるとは…誰だろ?今年のサンタ役。



-前日、某所

「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー」」

ぱちゅりーとこあくまがケーキをパクついている。

「そういえばぱちゅりー様、今年はまりさ来ませんでしたね。毎年クリスマスプレゼントとか言って何かしら持っていくのに」
「ああ、そりゃムリよ。だって今年あの子サンタ役だもの」
「あぁ…道理で最近会ってないわけですね」
「まぁ、クリスマスも終わった事だし、今からお正月の間に会うかもしれないけどね」





12月31日 大晦日



雪がだいぶ積もった。そうなればやる事は一つ。

「第一回 ゆっくりの使いやあらへんで!チキチキ 博麗VS守屋ドキドキゆっくり雪合戦!~雪を固めりゃ氷となる~」

だ、そうです。

「博麗チーム集合!作戦立てるよ!」

博麗チームのリーダーであるゆっくりれいむが号令をかけると、紅白の鉢巻を巻いたゆっくりたちが集まっていく。

「じゃあお姉さん、行ってくるわ~」
「戦禍を期待しててね!」
「その『せんか』は期待したくないなぁ…まぁ、がんばっといで」

うちのめるらんとりりかも博麗チームだ。れいむのところにぴょいぴょいと跳ねていく。
ちなみにこの雪合戦はゆっくりたちによるものなので私は付き添い。このクソ寒い中雪玉のぶつけ合いなんかやってられるか。

「守屋集合」

向こうのチームも集まって作戦を…あれ?

「さなえじゃないんだ」

あちらのリーダーはさなえではなく、りぐるだった。

「守『屋』ですから」
「はぁ…」

隣にいたお兄さんに指摘されてようやく気付いた。確かによく見ると『矢』ではない。でも普通にさなえも混じってるし、
あれ間違えただけなんじゃないの?

「さなえは犠牲になったのだ…モリヤから変換される誤字、その犠牲にな」

でもなんか楽しそうだから別にいいんじゃないかと思う。やっぱり楽しめるのが一番だよ、うん。
私はやんないけど。

しばらくして両陣営とも作戦会議が終わったようで、それぞれが配置についた…が。

「んなッ!?」
「ふふふ…」

なんと、守屋の陣営にとんでもなくでかいゆっくりがいた。

「全長500センチメートル、巨大ゆっくりすいか。さぁどうする?おまえの相手は世界一強い饅頭だぞ」

隣のお兄さんがこちらに向かって自信満々に説明する。なるほど、この人んトコのゆっくりか。だけど…

(私が相手するわけじゃないんですけど…!)

圧倒的スケールと存在感で威圧するすいか。しかし博麗チームは少しもひるむ様子はない。何か対抗策があるのだろうか…

「スタート!」

そして、戦いの火蓋は切って落とされた!

「すいか、アウトー」

んで、すいか速攻で落ちた!

「バカなァ!」
「やたらでかいから狙いやすいったらないぜ」
「くっ…とんだ誤算だ!」

アホだコイツ。

「大丈夫かすいか!」
「うう…」

退場となったすいかにさっきのお兄さんが近づいていく。大丈夫かも何も雪玉ぶつけられただけじゃん。すいかもなに呻いてんだ。

「すいか、酒だ!ほら!」
「さけ…?」

何故か朦朧としている巨大すいかは、『酒』という言葉に反応し………酒瓶をもつお兄さんの右腕ごとくわえ込んだ!

「俺の右腕がああアアアアアアアアアアアア」
「あ、ごめん」

退場したのに騒がしい人たちだ…うわっ、酒くさっ!

「ふふふ、すいかは年がら年中酒を飲んでいるせいで、口の中は常に酒だらけなのですよ」

すいかの口から右腕を抜いたお兄さんが何故か得意げに説明しながら戻ってきた。というか戻ってくるなよ、酒くさいし。
後ろのすいかのプレッシャーもすさまじいし。



すいかのインパクトが強すぎてつい見逃していたが

「雪合戦に勝ったよ!」
「やったね姉さん!」

勝ったらしい。どうもすいかが退場した事により浮き足立った守屋を試しに総攻撃したら一気に陥落したそうな。
特に賞品とかは無かったので、その後まっすぐ家に帰ってきた。寒いし。

「年の最後を勝ちで締めくくれるなんて、良かったわね~♪」
「騒霊学会大勝利!だね!」
「おいやめろ」

なんかやばい気がする。

「ただいま…」

きゃっきゃとはしゃぐ二人をハラハラしながら眺めていると、るなさが帰ってきた。

「お帰りー…そういえば、先月あたりからちょくちょく出かけてるみたいだけどどこ行ってるの?」
「うん、星ちゃんのところにギター教えに…」
「へー…そんな事してたんだ。どんな感じなの?」
「えーっと、今日はアルペジオを教えたんだけど…」



「じゃ、今日はここまでで…」
「先生!私、星(スター)になれるかな」
「えーっと…星(しょう)なんだしバイストンウェルに行って聖(ひじり)戦士になったらいいんじゃないかな」
「まさかのザマ!?」



「↑こんな感じだった」

この子もけっこうヒドいこと言うな。

「ところで…なんでめるらんとりりかはこの寒い中外にいるの?」
「除夜の鐘を聞くんだよ!」
「震えてるじゃない。いい加減中入りなよ」
「年をッ!越すまでッ!震えるのをやめないッ!」
「…どこにいようが、この町では除夜の鐘なんて聞こえないよ」
「「うそっ!?」」
「去年もそうだったじゃない…」

るなさがじとっとした目でこちらを見た。ごめん、なんか面白かったから黙ってた。





『あの後結局食あたり起こしたんだよねー』
『寒さ全ッ然関係なかったね!』
「っていうかお腹壊したのるなさだし」
『ホント、なんでだろ…』

なんかちょっと頭がぽーっとするな…と思ったが、それもそのはず。いつのまにかめるらんも加わった年末の思い出話に花が咲いて
まったく気が付かなかったが、もう随分と長風呂していたようだ。けーねなんかはとっくの昔にあがっている。

『あー…のぼせちゃったね』
「…今更だけど、そんな長時間水中にいて大丈夫なの?」
『ゆっくりしてれば大丈夫よ~♪』

心配…というか、考えるだけ無駄な気がしてきた。本人達が大丈夫って言ってるんだから大丈夫なんだろう。

『あ…雪が降ってきたよ!』

視線を外に移すと、確かに空からゆっくりと何かが降ってきている。
…待てよ、あれは…本当に雪か?色と形状に疑問を抱き、よーく目を凝らしてみる。

「…いや、違う…」

『ゆっくりと』降ってきてるんじゃない。これは…

「『ゆっくりが』降ってきてる!?」

それは確かに雪なんかではなく、ゆっくりだった。ゆっくりが雪のように、ゆっくりと空から降ってきている!(ややこしい!)

『オーゥ、ワンダフォー』
「これは一体…」
「なんや姉さん、知らんのかいな」

驚いているところに声がかかった。振り向くと、最初けーねがいたところに、代わりにきもんげが浸かっている。

「何か知ってるの?」
「ここ伊豆では毎年この時期になると雪の代わりにゆっくりが降ってきよんねん。名物の一つやね。
まぁそう頻繁に降るもんでもないねんけどな。姉さんら運がええで」

何がなんだかわからない。いや、元から何がなんだかわからないのがこいつらだけど、今回は輪をかけてわかんない。
私聞いてない。

「え?え?えーと…つまり、どういうこと?」
「平たく言うとやな…」

混乱し続ける私に、きもんげは「はーっ…」と、呆れているのか温泉を堪能しているのかわからないため息をついて答えた。

「ゆっくり降るで、伊豆」

-おしまい-



書いた人:えーきさまはヤマカワイイ

※このお話はフィクションです。実際に登場する人物、団体、出来事その他もろもろとは一切関係ありません。もちろん、
伊豆でゆっくりが降ったりもしないので苦情とか言われても困っちゃう。



一応解説

「てんこ大家族」
→クリスマスイヴに遊びに来たてんこ一家総勢27人

「誕生日がクリスマスとか俺の両親絶対忍者だろ……」
→てんこですが

「劇場版ゆっくりしていってね!!! エレクトロニックとはこの俺だぜ! まりさのマーヴェラスパーキングエリア漂流記」
→てんこ一家が買ってきてブチ割ったBD(ブルーレイディスク)のタイトル

「聖夜だ!メリクリ!カップ麺!!」
→てんこ達が来なければカップ麺の予定でした

「生首村のホワイトクリスマス]
→お姉さんが想像した地獄絵図

「百合炬燵」
→てんこが炬燵の上に百合の花置いていった

「赤と緑の茸が家に来た日」
→るなさのプレゼント。スーパーキノコと1UPキノコ

「冬休み子ども劇場『黒谷スパイダーマッ 逆襲のグリーンアイドゴブリン』」
→メルランのプレゼント。30周年で逆襲の

「サンタクロースが死んだ朝に」
→あばよ、ダチ公

「間に会うかもしれないパチェさん」
→あいだにあう

「博麗VS守屋ドキドキゆっくり雪合戦!~雪を固めりゃ氷となる~」
→そういうイベント

「どうする? おまえの相手は世界一強い饅頭だぞ」
→5メートルだし、相撲とかやりゃあ世界一強いんじゃないんですかね

「俺の右腕がああアアアアアアアアアアアア」
→ぱっくんちょ。べっとべと

「ゆっくりと星のアルペジオ」
→星(しょう)がアルペジオを習ったそうです。ところでアルペジオって何?

「年をッ!越すまでッ!震えるのをやめないッ!」
→こんな季節に深夜まで外にいたら風邪ひきますよ。ひきませんでしたが

「ゆっくりふるでいず」
→ひどいオチだったね

  • >>アルペジオって何?
    ググるといいよ -- 名無しさん (2010-01-15 17:22:19)
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最終更新:2010年01月15日 17:22