てゐ魂第十七話

一富士、二鷹、三なすび


以上が初夢ででてくるとおめでたいものトップスリーです。
ちなみに作者はこれが夢に出て来たかどうかよく覚えていません。

ちなみにこの御三家、ゆっくりの世界でもやっぱり初夢に出てくると
縁起が良いものなんでしょうか?
…まぁ、どうでも良いですけどね。


今回はてゐ達の初夢の話。
ちょっと時期はずれかも知れませんが、そこは気にしない、気にしない。


このお話は銀魂のパロディです。
でてくるゆっくりにロクな奴はいません、
また、ゆっくりが時として酷い目に合います。

それらが許容できない方は席をお立ちになってそのままお帰りください。
許容できる方はそのまま席に座ってお楽しみください。


…あ、それと。


やまえーきさん、今回はあなたが生み出した設定をお借りさせていただきます。




てゐ魂、第十七話「夢オチだからってカオスに走りすぎたらいくない。」





…目覚めなさい…。



深い眠りに落ちていたてゐ達の万屋トリオの頭の中にそんな声が響き渡った。

…今こそあなたたちに秘められたゆっくりを解き放つときが来ました。
さあ、目を開けて、あなたの中に眠る力を解き放つのです…。

声はひっきりなしにてゐ達にそう呼びかける。
目覚めよ、と。

「…ん~…。」

「うぁあああああ…マカロニが…マカロニが…。」

「味方のピンチに俺はきゅうきょとんずらでカカッと駆けつけた…。」

…が、まぁこんなことで起きるような奴らではない。
我関せずと、グッスリ眠り続けている。

…あ、あの、起きないんですか?
ね、ねえ、起きてよ…。

その内、頭の中に響く声も口調を変え始める。

あの、マジで起きて欲しいんですけど。
ずっと呼びかけるのも結構つらいんだよ。
ねえ、マジで起きて!

とことん切実に呼びかける謎の声。
「…ううん?」
その声の祈りが通じたのか、ようやくてゐ達が目を覚ます。

目を覚ました三匹のゆっくりはキョロキョロと辺りを見回してみる。

「…あれ?何だこりゃ?」

てゐがそう言うのも当然だ。
何しろ、何も無い。
ただただ暗闇が広がるばかりで、他には何もないのだから。
こんな異様な場所にいると言う事実に、てゐ達は慌て…。

「ちょッと、まだ夜が開けて無いじゃん!真っ暗じゃん!」

「おいぃ!?いくら何でも早すぎるでしょ!誰ですか、目覚ましこんな時間にセットしたのは!」

「れ、れみりゃは知らんど!」

ては居なかった。
何か、目覚ましを誰がセットしたのかで呑気に言い争っている。

「まぁ、どっちにしても、まだ眠いよね…。」

「それもそうだど…今日は休みだしもう少し寝かせてもらうど…。」

「あまりに早起き過ぎて悲しみが鬼になった…。」

…で、てゐたちは目を瞑って寝息を立て始めた。



…えぇ~!?ちょっと待って!待って!?
まさかこの状況で二度寝!?



これを見て声は明らかに焦り始める。
まぁ、やっと起きたかと思ったのに、二度寝されては溜まったもんじゃ無い。


ちょ!マジで起きてよ!目覚めてよ!
お願い、ほんのチョコッとだけでも良いから目を開けて!話が進まないわよ!


「…また目覚ましがなってるよ、れみりゃ、目覚ましちゃんと止めて…。」

「う~…てんこちゃんが止めて…。」

「眠いのに雑用を押し付けられて悲しみが鬼になった…。」


謎の声の必死の呼びかけにも全然応じないてゐ達。
そんなてゐのあんまりな態度に…。


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        ノ〈  i ,ィヽ八,,、ノ'レ- ルi ハ〉 ハ
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        ノ'レ',/ .(⊃ ̄    ̄⊂) イr!  `
        〈´Y 人   ー=ョ'   イ.ハノ
         ) .i´ Y>.、.,____,,,..イイシ

「あんた達!いい加減に起きなさ~い!」

ついに、声の主が姿を現した。

「…ん?」

その声に流石に反応しててゐ達も目を覚ます。


「こんな異常な状況に置かれて二度寝なんてあんたらどれだけ神経図太いのよ!
 もっと空気読みなさい!193のように!」


声の主は怒りの表情で変なポーズを取りながらまくし立てる様に話しかけてくる。
なんとも妙なテンションの持ち主である。
てゐ達はそんな奇妙な胴付きゆっくりをしげしげと眺め、やがて口を開いた。

「…何コイツ、いつの間に人の家に上がりこんできたの?」

「とりあえず、警察に連絡するど…。」

「よし、なら私はこいつを逃げないように取り押さえる系の仕事だな。」

てんこがわさわさと手を動かしながら、声の主に近づく。

「ちょ、怪しい奴じゃ無いわよ!それと、ここは万屋何て所じゃ無いわ!」

声の主は慌ててそう弁明する。

「…へぇ、じゃあアンタは何者なのさ?」

てゐは声の主にそう問いかけた。

「良くぞ聞いてくださいました!」

声の主がそういうと、スポットライトがこいしに当たる。

「私はあなた方の住む世界とは違う世界に住む幸せの使者!
 あなたは私の初夢サービスに当選してここに連れてこられたのよ!」

両手をVの字に挙げ、片足立ちのポーズを取りながらこいしは自己紹介を済ませた。


その瞬間。


「あらあらこいしちゃんってば、また勝手に部屋を暗くして。」

パチッ。

いきなり電気がついて、部屋が明るくなった。
現れたのは、ちょっとゆっくりグッズが多すぎることを覗けば、何処にでもある女の子の部屋。
そして、その出入り口には、これまた何処にでもいそうなおばさんが電気のスイッチに手をかけていた。

「あぁ!?おばさん!勝手に部屋の中に入ってこないでよ!」

「また友達呼んで部屋を暗くして闇の魔王様ごっこ?」

「そんなんじゃ無いわよ!私は今大事なことをやってるの!
部外者のおばさんは出て行ってよ!」

「…そ、それは良いけど…女性に向かっておばさんは失礼じゃ無いの?こいしちゃん。」

「良いから!とにかく良いから出ていって!」

「しょ、しょうがないわねぇ…夕飯が出来たらまた呼ぶからその時は降りてきなさいよ。」

「解ってるわよ!だからもう口を挟まないで!」

声の主に思いっきり睨みつけられた女性はしぶしぶ部屋を出て行った。
当然、残るは万屋トリオと声の主のみ。

「へぇ、あんたこいしちゃんって言うんだ。」

てゐは謎の声の主…ゆっくりこいしに呼びかけながらそう言った。

「…こいしじゃ無いもん、幸せの使者、だもん…。
 その招待は謎に包まれているのよ…。」

こいしは何だか諦めが悪そうに、小声で呟く。
何か、色々出鼻をくじかれた所為か、テンションがかなり下がっている。

「ハイハイ、わかったわかった。
 ・・・で、幸せの使者さん、何であたしらなんな所にいるわけ?万屋で寝ていたはず何だけど。」

てゐがそんなこいしにそう問いかける。

「そんなの決まってるでしょ?私が連れてきたからよ。」

こいしはてゐ達に向かってそう答えた。

「ほうほう、成る程成る程…電話は何処だっけ。」
てゐはそう言って部屋を見回す。
勿論、警察に通報するための電話を探すためだ。

「いや、だから警察はやめて!」

机の上においてあった電話を取ろうとしたてゐたちを慌ててこいしは引き止める。

「お前頭悪いな、誘拐犯は通報するのが一般人のしきたり。」

「いや、別に誘拐じゃ無いから、目的を済ませたらすぐに返すから!」



「ねぇ、こいしちゃん!さっきから騒がしいけど何があったの?」



と、階段の方からさっきのおばさんの声が聞こえてきた。

「…あ、おばさん!なんでもないわよ!」

こいしは階段の下に向かってそう呼びかけた。
「そう…あんまり上でバタバタ騒がないでね。」
そんな返事が帰ってくる。

「…頼むから大人しく話を聞いて…私居候の身だから肩身が狭いのよ…。」
今にも泣きそうな顔でこいしがてゐにそうお願いしてくる。
「…あ、うん、わかった、話ぐらいは聞いてあげるよ…。」
てゐ達はそんなこいしのお願いを聞いてあげることにした。

「…で、こいしちゃんは何でれみりゃ達をこんな所に連れて来たのかど?」
れみりゃはこいしにそう問いかける。
「…ふふふ、よく聞いてくれました!」
どうやらこいしはいつものテンションを取り戻したらしい。
また両手あげ片足あげのポーズでこう叫ぶ。

「おめでとう!あなたは私が勝手に主催した『初夢幸せキャンペーン』の当選者に選ばれました!
 褒美として私があなたの奥に眠る秘められた力を目覚めさせて・・・。」

「す~やす~や……。」

「ZZZ……。」

「九個で良い…。」

てゐ達はフカフカしたベッドの上で寄り添うように爆睡していた。
「って、おぃいいいいいいいい!?」
爆睡するてゐ達を見て思わず絶叫するこいし。
「まさかの三度寝!?いや、無いよね!どんなゆるい休日でも三度寝は無い!」
こいしは慌ててれみりゃを持ち上げて振り回す!

「うわぁああああ…フラン…やめて…。」

…寝言を漏らすだけで全然起きる気配は無い。
れみりゃを再度ベットの上にほうり投げた後、こいしは叫ぶ。

「あんた達!いい加減に置きなさい!起きないと弾幕ぶっぱなつわよ!」

…しかし、こいしの必死の脅しにもてゐ達は反応しない。

「いい?3つ数える前におきないと弾幕を撃つわよ!ルナテイック級でいくわよ!

ハイ!イーチ!

に~い!ホラホラ、二まで来たわよ早く起きなさいよ~!」

こいし、起きてもらうのに必死です。

「はい!さぁ~~~~~~~~
 良いの!ホントに良いの!『ん』って言っちゃうわよ!
 何だったら4に伸ばしても良いのよ!ホラホラホラホラ!」

しつこく呼びかけてくるこいし、
こいしの言葉にイライラを覚え始めていたてゐは…。

「…うるさあいッ!」

スペルカードを一枚取り出した!

鋼鉄「あすとろん!」

カッチーン!


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   ハ:::::::レヘ::i' (ヒ_]::::::::::::ヒ_ンハソ:::ハ 
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   ノ:::::::::::::ハヽ、::::::ヽ _ン ::::ノ::::i:::(
  イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ
  〈rヘ:::::!::レ´   `y二」ヽレ':::〈

てゐの身体はあっという間に鋼鉄の身体に変わった!
そして、そのままこいしの足元に体当たり!


ゴキイッ!


いやな音があたりに響き渡る。
「…ぎゃあああああっ!小指が!小指がぁあああああああ!」
足元から走る激痛にこいしは思わず転げまわる。
「…ん?何事?」

「睡眠中の邪魔はしないで下さい。(しきたり)」

こいしの叫び声に反応して、レミリヤとてんこも起き上がる。

「ああもう、アンタがしつこく呼びかけるからすっかり目が覚めちゃったじゃ無い。」

てゐはこいしにそう呼びかける。
もっとも、足を押さえて涙目で転げまわるこいしに聞こえているかどうかは謎だったが。

「くう…この私に涙を流させるなんて中々やるようね…。」

こいしはそう言って痛みをこらえながら立ち上がる。
そして、てゐ達を指差して大声で叫ぶ。

「そうそう、私は中々やるんだよ~と、言うわけだからグッスリ寝かせてね。」

てゐはそう言ってベッドに潜ろうとする。
こいしはてゐを掴むとベッドから下ろしてしまった。

「だから寝るんじゃないわよ話を聞いて!
 いい!?あなたの前にはまだまだ恐ろしい敵が立ちはだかるはずよ!
 今のあなたの力じゃあすぐにやられてしまうわ!
 それらと戦っていくための力を、私が伝授してあげるわ!」

「…いや、アンタ泣かせる位の力があるんならそれで十分じゃん。」

思いっきり断るてゐ達。

「ウフフ、甘いわね、私の教えを受ければ私の全身からありとあらゆる液をたれ流せるようになるわよ!」

「それはもう、殆どアンタの必殺技みたいなものじゃん。」

こいしの説得に全く応じようとしないてゐであった。

「…ふふふ、あんた、意地でも私の事を相手にしないつもりね。
 折角こっちが無意識に干渉する能力を切ってあげていると言うのに!」

「いや、知らないし。」

「フフフフフ…それだったらこっちも考えがあるわ!」

突然、不気味な笑みを上げながらこいしはそう呟く。

「あんたが私の教えを受けるまでこの空間に閉じ込めてあげる!
 あんたが根を上げるまで、一生ここから出れないわよ!」

こいしはてゐ達にそう言い放った。
それを聞いたてゐ達は…。

「あっそ、じゃあ暫くここでお世話になりま~す。」

「とりあえず、部屋の掃除をするんだど~。」

「じゃあ私は退屈しのぎになりそうな物でも探すか。」

「何だかたいした物はなさそうだけどね。」

全然動じていなかった。
それどころかれみりゃはホウキとちりとりで部屋の掃除を始めるし。
てゐとてんこは部屋の中を家捜しし始めている。
「あ、あれ~!?ちょっとは焦りだすかとも思えば全然焦ってない!?
って言うか勝手に部屋の中をあさりだした横のゆっくり達!」
逆に動揺しているのはこいしの方であった。

「折角だからこのクローゼットの中を探るぜ!」

てゐは部屋の隅にあるクローゼットの扉に手をかける。
「あ!こら!勝手に開けないで!」
こいしの忠告を無視しててゐがクローゼットを開ける。



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・・・

                                ┏┳┓
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                              MVvvMvyvMVvvMvyv=Vvv、
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           'r ´          ヽ、ン、    ヽ 'r ´          ヽ、ン        ヽ、ン、
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          i イ  (ヒ_]     ヒ_ン ).ヽイ i |ヒ_ン ). i イ  (ヒ_]     ヒ_ン ).ヽイ i|_]     ヒ_ン ).ヽイ i |
          レリイi!""  ,___,   "".| .|、i .||   "".|レリイ!""  ,___,   "".| .|、i .||i ,___,   "".| .|、i .||
            !Y!   ヽ _ン    「 !ノ i |    「 !ノ iY!  ヽ _ン    「 !ノ i |! ヽ _ン    「 !ノ i |
            L.',.          L」 ノ| .|    L」 ノL.',.         L」 ノ| .|'        L」 ノ| .|
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            レ ル` ー--─ ´ルレ レ´´ルレ レ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ ー--─ ´ルレ レ´

「どわあっ!」

てゐは中から出て来たゆっくりの大群に押しつぶされる。
いや、正確にはゆっくりでは無い。
ゆっくりにそっくりなぬいぐるみだ。
良く見たらゆっくりをプリントした抱き枕やゆっくりの編みぐるみまである。
「…プッはあっ!?ビックリしたぁ…。」
てゐはそのぬいぐるみの山から何とか脱出する。
よっぽど息苦しかったのか、凄い勢いで深呼吸を始める。
「おいぃ!?ちょっとこれは多すぎるでしょ…。」
一方のてんこは大量のゆっくりグッズを見て驚いていた。

「いやぁ~部屋の中にこんなもんがあったら威厳もクソも無いから隠していたのに…。」

がっくりとうな垂れるこいし。

「…って言うかさあ、何かこのゆっくりのぬいぐるみ、あちこちから栗臭い匂いがするんだけど、
 これってどういう…。」

「いやぁあああああ!そんな匂いはかがなくて良いから!」

こいしはゆっくりグッズの中に埋もれていたてゐを持ち上げると慌ててベッドの上へと放り投げた。

「おっとっと…ちょっと、扱いが乱暴すぎない?」

「良い!今嗅いだ匂いの事は忘れるのよ!
 ついでに言えば栗臭いのは私の所為じゃ無いからねって言った所でますます疑いが強くなるだけよ私~!」

こいしは物凄い剣幕でてゐにそう言った。
「あ、ハイ…。」
迫力に押されて、思わずそう返事してしまったてゐであった。

「うわぁ、この本棚、無理矢理本を詰め込みすぎて凄いことになっているど…
 せめて雑誌ぐらいは捨てないといけないんだど~…。」

れみりゃは本棚に詰め込まれた雑誌を取り出して紐で縛り始めている。
「ッてちょっと待った!その雑誌まだ読んでない~!?」
こいしは慌ててれみりゃを止めようとする。

「…?なんですか?このキーホルダーとポシェットの中のメダルは?」

そして、恐らく万屋の中で一番何をしでかすか解らないてんこはと言うと、机の上においてあったキーホルダーとポシェットの中のメダルをじっと見つめていた。
その目は完全に好奇心に満ちており、純粋すぎてこいしには眩しすぎるくらいだ。

「あ!駄目駄目~!それは一番触っちゃ駄目!特にキーホルダーを開いてメダルをはめ込むなんて真似、絶対にしちゃ駄目!」

「ほう、これはそうやって使うのか、ありがとうこいし(感謝)」

「…は!うっかり使い方を言ってしまった。」

こいしはやってしまったという顔になった。
その間にてんこはキーホルダーを開き、メダルをはめ込んだ。

『変身!』

その瞬間、キーホルダーとてんこが光り輝く!

「うわあっ!?」

いきなりてんこが光り輝いたのでてゐ達が怯む!
…やがて、光が収まった。
てゐ達が恐る恐る、目を開けてみると…。


          
                 /| _,,...._
     /(   _,,....,,_,__.,.,,.( ( r r ∠
    ( /''r''''ヽ:::::::::::::::::::::::::::;;;;/./ニ>
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    i   { {  ! i  i  i  ; i   ',   
    ノ   ヽ ヽ ゝヽ人人、/_ノノ  i  ',  
   `  i  \ヽ         '|  ノ  i  
   ,'   |    ).)      Y    |/' | !  
  ノ   |   ,人      |    人 V ノ ,.、   __
/     |   (  \__人_/ ヽ  ヽ(_,i !,,.-''" ノ
      人  ヽ  /ヽ二ン ヽ  \ \.! ヽ -=ニ__
    〈  人  \ 〉/:::::{::}::::ヽ i !, ヽ,!   !  ‐--,'
    )   \  ''ヽ:::::::人::::;::ヽ   r/ ヽ   ー,--' 
   く     人  (::::ノ|・|ヽ:::ヽ、_ /!  7`\ ̄   
  人 /=∞=/)._ \ ヽ||・||)   !`ー,ヽ-' ∧ \  
/  .〈  ヽ、/   ) . /||・||(  /     ヽ\ )  
     \, .\ヽ  ( ( (||・||)  >   人 \) )/  


「…私はどうしようもない悲しみに包まれた。」
顔が尻みたいになったてんこは涙目でそう呟いた。

「…プッ、に、似合ってると思うよ、てんこ。」

「そ、そうそう、新しい自分って感じがするど!プププ…。」

「いい加減にしろよ、お前達が笑をこらえてるのは確定的に明らか…!」

静かに怒りを燃やすてんこであった。


「…い…。」


その時、こいしが小さく呟いた。
「ん?」
てゐたちの視線がこいしに集中する。


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              ,,.. -''"´:::::::::::::::::::::::ヽノソi
             ,'´:::::_,.-‐'' " ̄`‐-:、>'´ !
            /<'.. -‐'' "´ ̄ ̄`""'' ー--'、
          ,::'"´:::::::::;;;:r,'γ⌒`'⌒ヽーヽ_:::::::::::`ヽ.
         〈:::::::::::; _丿⌒'          ト々;:::::::::;〉
           ヽ、::;i´r  /       ハ 人 ヽ, ヘ;:::;ノ      .
        r'´>、 ノ〈  i ,ィヽ八,,、ノ'レ- ルi ハ〉 ハ ,ノfヽ   
    .   ヽf;::「〈 / ,ヘレ' ( >/////< )| /人〈/|::r'丿  .
          {:::|ノ'レ',/ .i | | ,___, | |i イr!/ ` ノ:f´    
         `;::| 〈´Y 人 | | 'ー⌒ー' | | イ.ハノ   |::r'    
          );i  ) .i´ Y>.、.,____,,,..イイシ'´    i;ノ     .
            ´\     |   {L,ハ_」}  |    /`     
            \   \ `^〈〉^´  /  /       
               `ー-ィ `ー‐θ‐(ー)' ├'´          
                 」___〈〉___」_            
                   く_____∧____ゝ        
                 /      .i : : : ヽ:ヽ
              /: : : : : :l : : ノ⌒ト一、ノ
               ノ : ノ : : : :l_ノi  |─ ' ヽ
              (_,-、_ノi_ノト-イ──‐'
                 ,`ー--|  |  `ー'
                  (    |,、,,|
             `ー--ィ:Y:i

「いい加減にしてよぉおおお!あんたら好き放題やりすぎ!
帰って!いい加減に帰ってよぉおおおおお!」

こいしは物凄い勢いで泣き出した。
「ちょ、ちょっとどうするんだどてゐさん!この子、マジ泣きを始めちゃったど!?」
いきなり泣き出したこいしを見て動揺するれみりゃ。

「ここから出さないって言ったのはこの子なのに、勝手だねぇ…。」
てゐは呆れ帰っている。

「良いもん!あんたが出て行かないなら私の方から出て行ってやるもん!」
いうや否や、こいしは物凄い勢いで走り出した!
「おいぃ!?ちょっと待って!この尻顔をどうにかして欲しいんですが!?」
てんこが慌てて呼び止めるが、こいしはかまわず扉の方へと向かう!
そして、こいしが扉の前まで差し掛かったその時だった!


「こっいしちゃーん!ただいま~!」


ドガッ!

なんとも元気の良い声と共に、突如ドアが開く!
「ぐはあっ…!」
こいしは開いた扉に顔面をしこ為ぶつけ、そのまま思いっきりぶっ飛んでしまった。

「うわぁ、あれは痛いよ。モロ入ったもん、モロ。」

てゐは思わずこいしに対して両耳を合わせて合唱した。

「こ、こいしちゃん!?何かいかにも痛そうな音がしたけど大丈夫!?」

開いた扉から出て来たのは、黒のショートカットと、童顔に大人びたボディというアンバランスさが特徴の人間の少女だった。
彼女は、倒れているこいしを見て慌てて彼女の元へと駆け寄っていく。

「うわ、全然大丈夫そうじゃ無い、鼻血出てる!ありえない量の鼻血が出てる!」

彼女の言う通り、こいしの顔は鼻血でちょっと直視できない状態になっていた。

「…つ、伝子…ドアを開けるときは周りを良く確認してからにしなさい…。」

こいしは鼻を押さえながら彼女――伝子にそう告げる。
伝子はというと、こいしが酷い顔になっているので、顔面蒼白にして慌てている。
どれ位動揺しているかと言うと、同じ部屋にいるてゐ達が視界にはいって居ないほどに。

「うわ、ホントに鼻血がまずい事になってるわよ!すぐにそこのベッドで横にしなくちゃ!」

伝子はこいしを抱き上げると、すぐにベッドに運び込む。
それだけなら当然の行為、と言いたい所だが…。

「さ、さあこいしちゃん、他に怪我しているところがないか調べましょうねぇウフフフフフ…。」

「ぎゃー!何脱がそうとしてるの!してないから、顔面以外何処も怪我してないから!」

伝子が服を脱がし始めたので必死になって抵抗するこいし。
てゐ達はそんな二人のやり取りを呆然と見ている。

「…えーと、それじゃあお取り込み中みたいだから私達はこれで。」
そう言って部屋から出ようとするてゐ達。
それを見て、こいしは必死で叫びだす。

「帰らないで~!今コイツと二人っきりにさせられたら貞操が!貞操が!」

ちょっとすいませんそれマジでシャレになりませんお願い帰らないでと言った雰囲気で叫ぶこいし。
伝子の手際は見事なものと言った所で、こいしの上着は既に脱がされていたりする。
「ウフフ、抵抗は無駄よ~こいしちゃん。」



                l'''"\li,-,,,,-‐‐‐-,,,/ i',il'/`''li
               i , (○),i!.ノ;;::::::   i::::il (○ ),|!;
              /'''`゛=='" /::;;:::    ;;;::::`''=='",,|
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            レ'´!ヘ;'    ! _/_,ri`ニニ"´!、_」__|  ! ハ ノ


「そうだよ~大人しくていればこの上ない極楽の世界につれていってあげるよ~。」

「ぎゃ~!増えてる!なんかどっからか変なゆっくりが入ってきた~!」

いつまにか諏訪小僧まで参加してベッドの上はこの上ないカオスに包まれている。
「…てゐさん、こう言う時はどうすれば良いんだど?」
れみりゃはてゐにそう問いかける。
てゐはこう答える。
「…助けよっか、あの人間の子は知らないけど、諏訪小憎はマジでやばいしね。」
続いててんこが前に出た。


          
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  ̄フ...人____( ) )'''''''''      '''''ヽ_..,,-"
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    ノ   ヽ ヽ ゝヽ人人、/_ノノ  i  ',  
   `  i  \ヽ         '|  ノ  i  
   ,'   |    ).)      Y    |/' | !  
  ノ   |   ,人      |    人 V ノ ,.、   __
/     |   (  \__人_/ ヽ  ヽ(_,i !,,.-''" ノ
      人  ヽ  /ヽ二ン ヽ  \ \.! ヽ -=ニ__
    〈  人  \ 〉/:::::{::}::::ヽ i !, ヽ,!   !  ‐--,'
    )   \  ''ヽ:::::::人::::;::ヽ   r/ ヽ   ー,--' 
   く     人  (::::ノ|・|ヽ:::ヽ、_ /!  7`\ ̄   
  人 /=∞=/)._ \ ヽ||・||)   !`ー,ヽ-' ∧ \  
/  .〈  ヽ、/   ) . /||・||(  /     ヽ\ )  
     \, .\ヽ  ( ( (||・||)  >   人 \) )/  
「…私も、この尻状態を何とかしてもらわないと、悲しみで引きこもりがマッハ。」

と、言うわけでてゐ達はこいしをネチョの海から巣くうために行動を始めるのであった。





続く







  • いつにない密室劇、面白かったです。
    高いのか低いのかよく解らないテンションと、あの方の登場だけでも真新しく面白いのに、
    合間の緊張感ゼロの会話や、突然の悲劇、そして(途中で予感はしてましたが)最後に怒涛の様に
    押し寄せるネチョの海
    次回も目が離せません -- 名無しさん (2010-01-20 22:03:33)
  • 濃すぎるメンバー大集合w収集つくのかこれw -- 名無しさん (2010-01-23 13:04:48)
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最終更新:2011年01月29日 14:53