注意
この小説は銀魂パロディです。
ロクなゆっくりが出てきません。
しかも、ゆっくりが酷い目に合う事があります。
それらに耐えられる方は、そのままスクロール!
てゐ魂
第二十四話「ラマーズ法って見ている分には滑稽に見えない?」
「やっほうれみりゃ、あんた何でこんな所にいるの?」
「さんぎょうでこちゃえてにぇ!」
まるでヒーローのごとく颯爽と現れたてゐはれみりゃにそう問いかける。
「無理
だ
ど!」
れみりゃは無理矢理三行で答えた。
「そんな事よりてゐ、何で赤ん坊を連れてこんな所にきたんですか!?
飛んで火にいる夏の虫なのは確定的に明らか!」
「さんぎょうでこちゃえてね!」
「⑨行で良い。」
今度はてんこがてゐにそう問いかける。
「言
葉
に
す
る
の
は
難
しい。」
しっかり九行で答えるてゐ。
「って言うかさ、れみりゃやてんこはとにかく、何でこいつまでいるの?」
てゐはらんを耳で指差してそう言った。
「じゃあ…え~とぉ…じゅうななぎょうくらいでこたえちぇね。」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 知るかぁあああああ! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
:.∧ ○、,_:
:○、.,_ / ', / `ヽ.`ヽ.:
:/´ `ヽ)!へ,/V/、 ':,_,ノト 、:
:,' _[_`ゝ-‐''´ヽ、/ !/ ,ハ ,|:
:,' ´ |レへ,! / !:
: /_.7-‐ァ' ̄!二7´ ̄7ヽ、/`ヽ._! !/ |:
:r' ̄7-‐'"´ ̄  ̄`ヽ、_!`ヽ、___! |、/ヽ|:
:!ァ'´ ゝ、 !. / ァ'/! 、`ヽ、___7、 ,ハ |:
:;' ,' /(◯), V 、(◯)ハ/! ヽ. ヽ ! / /:
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:`ヽ! ! .|,r-r-| .レ' ,' ./ |‐--‐<:
: レ'7 `ニニ´ .,' レ' ./ く\:
〈 ヽ、 ,イ / ハ 〉 < `>:
`ヽ./!>.,、.,___ ,. イ;'/、/_!/>、,__,.>'´:
らんは大声でそう叫んだ。
「…あの、空気を読まずにそんなやり取りしないでよ…。」
と、れいむが呆れた表情でてゐ達に向かってそう言った。
そして、置いてけぼりなのはれいむだけではなかった。
「ゲラゲラゲラ。」
「お前ら、ゆっくりだからってゆっくりして良い時としてはいけない時ぐらい弁えろ!」
うどんげが怒りに満ちた表情―と、言いたい所だがいつも笑い顔なので起こっているようには全然見えない。
変わりに、オーバーな位額に血管を浮かび上がらせて怒りを表現しながらそう話しかける。
「ん?アンタ誰?」
てゐはうどんげの顔を見てそう問いかける。
「てゐさん!そいつが全ての元凶だてんこ!そいつは、そこにいるれいむの子供を無理矢理奪って自分の跡継ぎにしようとしているんだてんこ!」
答えたのはらんであった。
「ゲラゲラゲラ。」
「何をいっている!人の孫ゆっくりを連れまわしているのはそこのれいむでは無いか!」
らんの答えに反論するうどんげ。
そして、うどんげはてゐの方を向いてこう言った。
「ゲゲ~ラ!」
「まさか、ここに連れてきてくれるとは都合が良い、そこのゆっくり、頭の上の子供をこっちに渡してもらおうか。」
「てゐさん、そいつの口車に乗せられるなてんこ!」
らんはてゐに向かってそういう。
で、当の本人のてゐは残っていたりんごを全部飲み込んでからこう言った。
「…私としてはこんな生意気な奴のお守りから解放されればどうでも良いんだけどねぇ。」
てゐはそう言って頭の上を見た。
頭の上には、鉢植えの赤ちゃんれいむが事の成り行きを見守っている。
「アンタに聞くけどさ、目の前とうどんげと、傍にいるれいむ。あんたはどっちの傍にいたい?」
「え?」
言われて赤ちゃんれいむは自分の母親とおばあちゃんを交互に見やる。
そして、こう言い放つ。
「…なんか、どっちもうじゃったいからいや。」
「ゆがーん!」
「げらーん!」
「がーん!」
赤ちゃんれいむの言葉に、れいむもうどんげも心に深い傷を負った!
って言うか、今のは翻訳しなくても良いだろ、きめぇ丸。
「でも、どうちてもどっちかをえらばなくちゃいけにゃいのなら、こっちがいいかな。」
赤ちゃんれいむはそう言って小さなもみ上げでれいむの方を指差した。
それを聞いたれいむは感動の涙を流す。
「おチビちゃん!…やっぱりお母さんの事を…。」
「かんちがいしないでにぇ、うじゃしゃきゅうじゅうごてんと、きゅうじゅうななてんじゃ、
ひくいほうがいいって だきぇだからにぇ。」
れいむの感動を赤ちゃんれいむは地に叩きふしたのであった。
「95点と97点ってそんな僅差なの!?って言うかれいむってそんなにウザイ!?」
「うざいとおもうよ。」
「ウザイと思うど。」
「ウザイなお前、喧嘩売ってんのか!」
「再び、ゆがーん!」
万屋トリオの言葉にショックを受けるれいむ。
れいむは心の中で誓った。
『俺、来年からさわやかなゆっくりを目指すんだ…。』
…何故だろう、無理なような気がしてならない。
「…ま、そんな訳だからさ、あんた、素直に諦めた方が良いんじゃない?」
てゐはうどんげにそう問いかける。
しかし、うどんげはそれでもなお笑う。
「ゲラゲラゲラ。」
「何を言っている、こちらにはまだ切り札が残っているぞ!」
「え?」
バリイッ!
次の瞬間、てゐ達の後ろにあったシャッターが凄い音を立てて壊れる!
「!?」
驚いたてゐ達は一斉にシャッターの方を見た。
「…ふう、これ以上無機物なんかでお腹を膨らませたくないのに…。」
/ヽ._,,,...,,,__
,. -‐/ @ ':,:.:.:.:.:.:.`"''::...、
,.':.:.:.:,'-‐r-‐‐'、_ノ_.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.
,ゝr,ァ'-‐'"´ ̄`ー-く二ヽ-、:.:.:.:.)
i´:.ァ'´, ! ! ; i `ヽ、>ーヽ、
`ソ / ハ- ,ハ /!._L」;、 '; i`iー-r'
i '; !iゝ、 ∨ /_ ヽ ,ハ! '、
.'、. i ,ハ!== == ,レi ! '; ヽ.
)レヽ| '' ,___ '' / i '; i _,ノ〉
く).ハ、 ,:' ;' .,ハ レ'i_ノ
( ;' ,ノ>、,__,,. く ! ./_/V!_r'-'
そう言いながらゆゆこは噛み砕いたシャッターを咀嚼していた。
「ゲラゲラゲラ!」
「遅いぞ!何をしていたゆゆこ!」
うどんげはゆゆこにそう呼びかける。
ゆゆこは口の中のシャッターの残骸を飲み込むと、ようやく口を開いた。
「…ん~、ちょっと社内食堂でおやつを食べてたのよ。」
「ゲラゲラゲラ。」
「この緊急事態におやつ!?どれだけマイペースなのだ貴様は!」
のっけから呑気なやり取りをうどんげと繰り広げるゆゆこ。
「…あ、あいつは…!」
「こいつの事、完全に忘れてたでてんこ…。」
「ちょとこれ、シャレにならんでしょ…。」
れみりゃ達はゆゆこの姿を見るなり、一斉に恐怖に染まった表情になる。
「あ、あんたはあの時の。」
しかし、その中でてゐだけはいつも通りの表情でゆゆこを見つめている。
声に気づいて、ゆゆこはてゐの方へと見やる。
「あらあら、ようこそイオシスカンパニーへ、メインデイッシュさん。
やっぱりあなたは私に食われる運命だったのね。」
「私はメインデイッシュじゃ無いし、そんな運命はお断りしてるよ。」
そう言いながら、隙を見せまいと身構えるてゐ。
コイツの危険性は、先ほどの戦いで十分理解しているのだ。
「ゲラゲラゲラ。」
「こいつは反逆ゆっくりの間では「人食いゆゆこ」と呼ばれていてな。
普通の食い物では満足できず、ゆっくりや人間を食らうようになったいかれたグルメだ」
うどんげがてゐたちに向かってそう説明する。
と、ゆゆこがうどんげの方を向いてこう言った。
「余計な自己紹介はしなくても良いわよ、それより社長さん、
私はここにいるゆっくりを全部食べちゃっていいのかしら。」
『!?』
ゆゆこの発言を受けてれみりゃ達は後ずさりする。
「ゲラゲラ。」
「いや、まずはあのうさ耳の頭の上に乗っている鉢植えの子供をこっちによこせ!
残りは貴様の好きにしてよい!」
「…魚料理を食べる前に小骨をしっかり取りなさい、って事ね。」
意味が解らない、しかしゆゆこはジッとてゐの方を見た。
てゐはすぐに行動する。
「そこ、パ~ス!」
ポイっ!
てゐはれいむに向かって赤ちゃんれいむの実った植木鉢を投げ渡した!
「え?う、うわっ!」
,-r_'Zヽ1Yヾ_ュ-、
r'`7ヽ,イ_スTゝ‐zヘjヽ.
l`スZ_Y_い_,-ヘlイ_j、T,ゝ7
_,ト'Tヽ_ノ、 メ、7イ-rヘいKス._
ヽレv'ート、/7-、f`ナV-、ハノ、lヽィ′
,レ'Tー!7´ト、_K´Yヽノ、j-イ゙Y、
,ゝiくヽレくY_ノvヽい'ーくメゝト!、
∥'人ノ`{二XX二}`;ヘレ′
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`l工 工 工l´
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ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''
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レ レル. `.ー--一 ´ル レ
「ちょっと!赤ちゃんの事を少しは考えてよ!」
れいむは慌てて赤ちゃんれいむをキャッチすると、てゐに向かって悪態をついた。
「おかーちゃん、おとーちゃんとふうふげんかはやめちぇね!」
「いや、夫婦喧嘩じゃ無いから!って言うか今更だけど、あのゆっくりは赤ちゃんのお父さんじゃ無いからね!」
「え?そうなの?」
「うわ!この子、あのゆっくりがお父さんだって信じちゃってる!」
ちょっときもんげに申し訳が立たないれいむであった。
「そんなやり取りは良いから、赤ちゃんを連れて早く逃げなさいって!」
てゐは大声でそう叫ぶ。
そういわれてれいむは自分が置かれている状況を思い出す。
「そ、そうだ、赤ちゃんを連れて逃げなくちゃ!」
とっさに思いついたのは背後にあるてゐが乗ってきたエレベータ。
れいむはエレベータのボタンを押して扉を開け、エレベータに乗り込んだ!
「げらげら!」
「まずい!エレベータで逃げるぞ!」
うどんげは慌ててエレベータのほうに向かおうとする。
「そんなに慌てなくて良いわよ。」
と、うどんげの横からそんな声が。
横を向いてみると、いつの間に移動したのか、ゆゆこの姿がそこにあった。
「ゲラゲラ!」
「何いってるんだゆゆこ!ここままではあいつ、子供を連れて逃げてしまうぞ!」
「大丈夫よ。」
焦るうどんげに対してゆゆこは実に余裕たっぷり。
ゆゆこは自慢のドリキャス帽子の中から一枚のスペルカードを取り出す。
そして、それをゆゆこは一口で飲み込んでしまった。
次の瞬間ゆゆこの身体に変化が起こる!
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r' .ハ " ( ̄) "从. `i
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なんと、胴なしゆっくりである筈のゆゆこの身体から手足が生えたのだ!
「それでは、いただきま~す!」
☆符「ゆーびぃバキューム」
ゆゆこは口を大きく開くと、物凄い勢いで吸引を始めた!
「う、うわぁ!何だど!このバキュームは!」
「す、吸い込まれるてんこー!」
れみりゃ達は吸い込まれそうになり、慌てて近くのものに捕まった!
しかし、その勢いは捕まっている物事吸い込んでしまいそうな勢いだ!
そして次の瞬間、信じられないことが起こった!
バキバキバキイーッ!
「うわぁあああああああ!」
「えぇえええええええエレベータが!?」
何と、エレベータの扉を突き破ってその昇降部分が飛び出て来たのだ!
「う、うわあああ!何が起こったの!?」
「おぉ、みちのたいけんふたたびだにぇ!」
「こんなときに呑気すぎる!さすが我が子だ!」
ゆゆこは中に乗っているれいむ親子ごとエレベータを吸い込んでいく!
「ま、マズイど!このままじゃあエレベータ毎あの親子が食べられちゃうど!」
「ちいっ!調子に乗りやがって!」
てんこがそう言って緋想の剣を手にエレベータに飛び掛る!
「ハイスラァ!」
ズバアッ!
てんこは緋想の剣でエレベーターを切り裂いた!
切り裂いたスキマかられいむの姿が見える。
てんこはそのスキマに飛びつくと、力づくでスキマをこじ開けた!
「おいぃ!ゆゆこに飲み込まれたくなかったら私の腕に捕まるべき!」
「え、あ、うん!」
れいむはもみ上げをてんこの手に絡みつかせた!
てんこはすぐにれいむを引き上げると、すぐにエレベータから飛び降りる!
エレベータは、見事にゆゆこの腹の中に納まってしまった。
「大丈夫か?」
てんこは助けたれいむにそう問いかける。
「う、うん、大丈夫…ってあ!」
と、そこでれいむは気づく。
頭の上に乗せたはずの赤ちゃんが居ないという事実に。
一方、さっきまで口の中でエレベータの残骸を租借していたゆゆこは、突然うどんげに向けて
何かを吐き出した!
「うわ!」
うどんげは慌てて、ゆゆこの吐き出したそれを受け取る。
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'´ / ゝ-へ.)
}
うどんげが受け取ったのは、鉢植え赤ちゃんれいむであった。
「おいぃ!いくら何でも取り返す手段が乱暴すぎるでしょ!」
「な、何て無茶苦茶なゆっくり何だど…。」
一連のやり取りを見ていたてんことれみりゃは、驚きの声を上げる。
「ゲラゲラゲラ。」
「フン、子供は返してもらったぞ。」
うどんげは不敵な笑みを浮かべてそう言った次の瞬間。
「び…ゆきゃー!ゆきゃー!」
突然、赤ちゃんれいむが泣き出した。
「な、何だ急に!」
いきなり泣き出した赤ちゃんれいむに動揺するうどんげ。
「ゆきゃー!ゆきゃー!」
赤ちゃんれいむの泣き声は更に激しくなる。
「お、おい!これはどうすればいいんだ!?お~よちよち…。」
うどんげは必死になって赤ちゃんれいむをあやしている。
混乱状態のうどんげに向かっててゐはこう言い放つ。
「あれあれ~?随分と嫌われてるじゃ無い?私の傍に居た時はまるで借りてきたちぇんのように大人しかったというのに。」
代わりに恐ろしいくらいウザイ事を言ってきたけど、と言う台詞は自分の口の中に留めておいた。
うどんげはその言葉に動揺を覚えた。
しかし、それでもあくまで表面上は冷静にうどんげはゆゆこに向かって指示を出す。
「く…!お、おいゆゆこ!後始末は任せたぞ!」
「了解したわ。」
ゆゆこはうどんげにそう返事した。
うどんげはすぐにその場から逃げ出そうとする。
「ゆきゃー!ゆきゃー!」
「ああもう!早く泣き止んでくれ!」
しかし、赤ちゃんれいむをあやしながらだからかかなりスピードは遅い。
「てんこちゃん!あいつ赤ちゃんを連れて逃げる気だど!」
「そうは行かんざき!」
てんことれみりゃは勿論、うどんげを追いかけようとする。
「おッと、了解した手前、逃がす訳には行かないわよね。」
グオッ!
次の瞬間、ゆゆこの口が風呂敷のように大きく広がる。
「!?」「おいぃ!?」
そして、そのままてんことれみりゃを飲み込もうとする!
「あぶないっ!」
次の瞬間、てゐはまるで大砲のように飛び出した!
そして、てんことれみりゃを思いっきり突き飛ばす!
ガブウッ!
間一髪!てゐ達はゆゆこの噛み付き攻撃をかわすことにほぼ成功した!
…何故、ほぼなのか?
「痛っ!」
「てゐ!(さん!)」
てゐだけはゆゆこの攻撃をかわしきれなかったからだ。
ほっぺの皮の一部を食いちぎられて、そこから中身の餡子が少しだけはみ出している。
「おいィ!中身出てるぞ!大丈夫ですか!?(不安)」
「こ、このくらいなら…。」
てゐは周りの皮を集めて傷口を塞いでいる。
「ゲラゲラゲラ」
「ククク、相変わらず見事な早食いだな。」
うどんげはゆゆこに向かって賞賛の言葉を投げつける。
「フフ、ありがとう…でも…うッ!」
しかし、次の瞬間ゆゆこはまるで妊婦のつわりのように顔色が悪くなった。
「げら!?」
「お、おい!どうした!?」
「…うげぇ~!!!」
次の瞬間、ゆゆこは口から何か丸い物体を吐き出した!
変な液体まみれの気持ち悪いそれには、目と口がついていた。
,,.. -―- ..,,
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「うう、もうピーチジュースは奢られても呑まないからな!」
そう、そいつはメイドてんこにピーチジュースを奢られていたあのままりりささだった。
ゆゆこに丸呑みされてしまったが、ゆゆこが吐き出したことによって、再び外の世界へと生還を果たしたのだ。
帽子と髪の毛が解けてしまっていたが、それ以外は傷一つ着いていない…なんともタフなゆっくりだ。
ままりりささは吐き出されてすぐにその場から避難する様に離れて行った。
「あのゆっくり、でかい弾幕をみぞおち叩き込んできたわ。」
ゆゆこはそう言って足元に落ちている使用済みのスペルカードを見る。
先ほど、てゐの仲間達を飲み込もうとした際、てゐは仲間を守るだけではなく、弾幕で反撃も試みていたのだ。
「げら!?」
「何だと!?って言うか、みぞおちなんて何処に…?」
「あのゆっくり只者じゃ無いわ、とっとと逃げた方が良いわよ。」
ゆゆこはうどんげにそう忠告する。
って言うかうどんげの疑問はスルーか、そうなのか。
「げらら!」
「いや、だからそれよりみぞおちは何処に…。」
「…早く行け、殺されたいの?」
ゆゆこは戸惑ううどんげに向かって鋭い視線と牙を向けた。
うどんげは悟る、このままでは自分は食われる、と。
「…げら!」
「…ちッ!」
うどんげは舌打ちをすると近くのエレベータに乗り込む。
「え?なに?れいむをどこにちゅれていくの!?」
「げら!」
「黙ってろ!」
うどんげは赤ちゃんれいむの実った植木鉢を片手で持ちながらエレベータの扉を閉めた。
「れ、れいむの子供が!」
慌ててエレベータのほうへ飛び出そうとするれいむ。
「バカ!そっちに言ったらあのゆっくりに食われる!」
てゐは慌ててれいむのリボンに噛み付いて動きを止める。
「離して!このままじゃあ赤ちゃんが!赤ちゃんが!」
「気持ちは解るけど、こういう時はエレベータの上の方を見るんだ!」
「え?」
言われてれいむはエレベータの上のほうを見る。
エレベータの上にはエレベータが何処にあるのかの階数が表示されている。
数字は増えている…つまりエレベータは登っている。
「…上っているって事は屋上にうーぱっくでも用意しているのかねぇ?
まぁ、これならまだ追いかけられるはずだ。」
もし下に降りて入り口からビルを脱出されたら探すのは手間取る。
だが、登っているのなら屋上を目指せばいい。
空を飛ぶ手段があったとしても、屋上から出なくちゃあ脱出できないのは確かなのだから。
「れみりゃ!てんこ!そのれいむを連れて後ろ階段で追いかけるんだ!」
てゐはれみりゃとてんこに向かってそう叫ぶ。
てゐ達のほうにあるエレベータは壊れているため、階段を使うしかない。
「てゐさんはどうするんだど?」
れみりゃにそう問いかけられて、てゐは正面にいるゆゆこの方を見た。
「…誰かがあれを止めなくちゃマズイでしょ。」
てゐはやる気満々でゆゆこを見据える。
「…ま、心配しないでよ、あれ倒してすぐに追いつくから。」
てゐはれみりゃ達に向かっていつもと変わらぬ態度でそう言った。
「…わかったど!てゐさん、そいつの食欲は半端じゃ無いど!気をつけるんだど!」
そんなてゐに対してれみりゃはそうアドバイスする。
「解ってるって!」
てゐはウインクしてれみりゃに返事した。
「よし、れいむは私が運ぼう!階段を急いで駆け上がるには胴無しにはきつ過ぎる。」
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ノ _人 ,ノ ヽ _ン 人 V ノ っ
/_ ) ヽ (>、.. _,.イ ヽ ヽ(_, っ
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人 |ァ;'⌒';r ´ 彡 l,,l,,l,|,iノ ヽ、ン、
(. )、 ハ:::::::::::イ─- -─==', i´
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そう言っててんこはれいむを抱きかかえる。
「…貧相な胸だね。」
「…やっぱりお前も走った方が健康に良いのは確定的に明らか。」
「ゴメン謝る!おっぱい凄いですね!」
「それほどでもない。」
そんなやり取りを繰り広げながらてんこはれいむを抱えて階段を登っていく。
「あ!ど、どうせなられみりゃも抱えてほしかったど…。」
「って言うか、もしかしてらんは軽く無視されてるてんこ?」
続いてれみりゃとらんがてんこの後に続くように階段を登っていく。
残されたのは睨み合うてゐとゆゆこだけである。
「…あなたは相当にバカなゆっくりね。そんな壮大な死亡フラグを立てるなんて。」
ゆゆこは呆れた表情でてゐに向かってそう言った。
「知ってる?死亡フラグって主役には適用されないもんなんだよ。」
てゐはそう言い返す。
すると、ゆゆこの笑みが更に怪しくなる。
「…フフ、強がっちゃって、口では平然としているようでも私には解るのよ、
あなたの心臓の鼓動が、あなたが焦っていることを告げている。」
その言葉にてゐは僅かに動揺した。
「ふぅ~ん、あんた、鼻だけじゃなくて耳も良いんだねぇ。
それも目が無い事の恩恵って奴かい?」
「そうよ、私は若い頃、目が使い物にならなくなってしまったの、
でも、案外生き物ってのはたくましいのね、何かが欠けると他の部分が競い合うようにその部分を補おうとしている。
お陰で今では鼻も耳も効く様になったわ…。
そして、一番発達したのは、味覚なの。」
ゆゆこはそう言って舌をぺろりと出した。
「今や私の舌は空気の味さえ解るほどのグルメになってしまったわ、
でも代償も大きくてね、普通のご飯じゃ満足できなくなってしまった。
私は探したわ、この舌が満足する、究極の食事って奴を」
「…その結果が「人食いゆゆこ」ってわけ?」
グルメを求めて行く内に彼女はゲテモノ趣味に走ってしまった。
それが人食いゆゆこ、誕生の経緯、と言うわけだ。
「…知っているかしら?この世で最もおいしい食べ物って。
それは死ぬ間際のゆっくりや人間なのよ、
絶対的な死を感じ、恐怖した奴らは、この上ない至福の味を与えてくれるのよ。
…さて、死ぬ間際のあなたは一体どんな味かしら?」
そう言ってゆゆこは涎を垂らす。
てゐはそれを見て、呆れ顔になった。
「…呆れたもんだねぇ、アンタは同じゆっくりを躊躇なく食える訳?」
「あら、味の追求に犠牲はつき物なのよ。」
てゐの問いかけに、ゆゆこは迷いなくそう答えた。
「…あくまでも食う事しか頭にないって訳ね。
こりゃ本格的に修正の使用が無いや…。」
てゐはそう言って、ゆゆこに対して身構える。
「あら、真正面からやる気?私は早食いもたいしたものなのよ?」
「…ゴチャゴチャ言うんじゃないよ、御託並べている暇があったらあんたもかかって…。」
バクン!
一瞬だった。
ゆゆこは目にも留まらぬ速さで動いててゐを一口で飲み込んだ。
「…言ったでしょ、私は早食いにも自信があるって。」
ゆゆこはそう言って口の中のものを咀嚼し始めた。
「…中々のやり手だと思ったけど、案外あっけなかったわね…ま、良いわ
このゆっくりは何味なのかしら?」
ゆゆこはそう言って味わい始めた。
…なんとも刺激的な味だ、舌の先がピリピリする。
ピリピリする…。
ピリピリって言うか…。
「いたぁああああ!?何これ!辛いっ!辛すぎるー!」
ゆゆこは口の中から伝わってくるあまりの辛さに悶絶する!
(な、何よこれ!いくら何でもゆっくりの味じゃ無いわよ!)
悶絶しながらもゆゆこがそう考えたその時だった。
「いやぁ、ほんとに凄い味覚みたいだね、カラムーチョでこんなに悶絶するゆっくり、始めてみたよ。」
てゐの声が外から聞こえてきた。
口の中ではなく、外から…。
「…!コイツ!私の早食いをかわしたの!?」
そう、てゐはゆゆこの早食い攻撃をかわしたのだ。
それだけじゃ無い、かわすばかりかカラムーチョまで食べさせた。
てゐの素早さはゆゆこの想像以上だったのだ。
「かわして何か悪い?私だって食われたくないからね。」
「…そんな、私の食欲が…その辺のゆっくりに負ける訳が無い!」
ゆゆこはもう一度てゐを食らわんと口を大きく開く!
「…あ、先に言っておくべきだったと思うけど…あんまり口を大きく開けない方が良いよ。」
てゐはゆゆこに向かってそう告げた瞬間。
ガコッ。
何かが外れたような、いやな音が響き渡った。
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(あ、顎が…!)
ゆゆこの顎は見事に外れ、そして、閉まらなくなってしまった。
「あ~あ、だから言ったのに。」
てゐは顎が外れた閉まらないゆゆこをみてニヤニヤ笑っている。
(こ、コイツ…!カラムーチョを仕込んだだけじゃなかったの!?)
口を閉めようと必死になりながらもゆゆこはそう考える。
てゐはあの早食いの瞬間、攻撃をかわし、カラムーチョを仕込むばかりでは留まらず、
ゆゆこの顎を一瞬で外したのだ。
それも、外した瞬間には微塵もその事に気づかせず。
ゆゆこがもう一度口を大きく開いたとき、完全に外れるような中途パンパな外し方を。
(それだけの事を…あのゆっくりは一瞬で…!?)
ゆゆこは信じられない気持ちだった。
あの一瞬でそこまで細かい動きを全てやってのけるゆっくり。
化け物としか、言いようが無い。
ヒョイ。
と、次の瞬間、ゆゆこの体は急に宙に浮いたような感覚に襲われた。
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てゐが、ゆゆこの懐に潜り込み、その身体を両耳で持ち上げたのだ。
「グルメだかなんだか知らないけどさ、あんたの場合は、タダの雑食って言うんだよ。」
てゐはゆゆこにそう言い放つ。
ゆゆこは必死になっててゐの拘束から逃れようとするが。
耳の力は半端なく、逃れることはできない。
てゐはそのまま吹き抜け廊下の端の方へと移動する。
廊下の端のほうから吹き抜けを覗き込むと、あまりの高さに底が見えないほどだ。
「仮にもアンタが本当に美食家を名乗りたいってんなら…今から下の階に送るから本屋に行ってトリコを全巻見直してきなさい!」
てゐはゆゆこを持ち上げたまま高く飛び上がると、そのまま吹き抜けに叩きつけるかのような勢いでゆゆこをほおり込んだ!
~☆~
最終更新:2011年02月02日 15:54