【夏休み10】自重不足の背中 前


         ,.--、_,,....,,__,. -- 、   ??
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  ,'   ヽ_rゝゝ-' ー',.-、- 、イ、   i              ./`-ィヾ',イレヽイノ.ルヽ::iイ::>/⌒iヽ、
  i  ,.へ_トー'"____,.ィ !  ハ、___ イヽ、イ            〈rヽゝイ!: r=-:::.r=ァ`::::::;'`iイノ,-‐、ノ .)
  r'⌒ r´γ   /__,.i i / V__ハ   ゝ               ノ(  ー=‐' ::::::从 i   `Y´
 〈_,.イ  イ  ,ィ´(ヒ_] レ´ ヒ_ン`!ヽ! ハ               ル.`.ー--‐'"´ルヽ
   i  i .レイl'xxx  ,___,  xxx ! ハ/ヽ
   〉.  i  i '            从 (           :__   _____   ______ :
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(.  )、 ハ:::::::::::イ     ,      ヽ!_/ヽ>     : レリイi (◯),  、(◯)::::| .|、i .|| :
 `ム ノl l! ゝ ト / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',      : !Y!""  ,rェェェ、 ".::::「 !ノ i | :
  〈 ,ィ゙l゙l,  l! i  /.ゝ、 レ' /ハ |/   .i      : L.',.   |,r-r-|   .::::L」 ノ| | :
   レ |ヽ  ヽ!ヘ/ i :( ο)ilililili( ο) !┛┗ |      : | ||ヽ、 `ニニ´ .:::::,イ| ||イ| / :
     "ヽ   'ー――'''゛j __, ::::::: |┓┏  |     : レ ル` ー--─ ´ルレ レ´:





 8月15日

 その日は昼間のかなり早い段階から、紫様がお見えになったのです。
 極端に暑い日日で、人間も妖怪も調子が悪いのか、あまり神社にやって来ない
状態が続いていました。涼を求めるならば、確かに他の場所があるでしょう。
 私達は油断しきった日常を送っており、霊夢殿は袖すら外し、私はもっぱら
首だけの状態でゆっくりしておりました。
 今にてちゃぶ台も隅に寄せ、私達は寝そべりながら絵本を読んでいたのです。
密着すると暑苦しいので、私は霊夢殿の90度の位置で、絵本の内容を音読
しておりました。

 「ろうそくやの おじいさんおばあさんの 心は既に鬼と化していたので かわいそうな
  にんぎょのむすめは 人買いに売られていきました」
 「らんしゃま、あんた随分読むの上手くなったわね」

 極端に疲れた様子でうつぶせになりながらも、霊夢殿はいつも、音読をちゃんと聞いて
下さっています。
 私はそれが嬉しくて、すぐさま次の絵本を広げて読み始めようとしたときでした。

 「『赤い蝋燭と人魚』『片足駝鳥のエルフ』『おにたの帽子』『スーホーの白い馬』
  …………懐かしいけど、渋いラインナップね………」

 私から別の方向、霊夢殿に向かい合う形で、紫様がいつのまにかスキマから身を
乗り出して眺めていました。
 驚きましたが、元々この神社では割とよくある光景でしたので、霊夢殿は嘆息しつつ、
いかにも大儀そうにその唐突さと御行儀の悪さをいさめられていましたが、紫様は
嬉しそう。怒っているはずの霊夢殿も、元々暑さでだらけていたのに、ハキハキと話さ
れていました。

 「大体、あんたの式が渡した本じゃない。古いけど、元々紫が藍に買ったとかじゃ
  ないの?」
 「う~ん……… 『グリとグラ』シリーズとかあった筈だけど……」
 「あれはね!!! もうね!!! よんじゃったの!!!」

 こんどまた何か持ってくるわね  と仰いつつ、紫様はスキマから出てこられました。
近くの卓袱台に体を預け、私達の様子をご覧になれていました。
 その時
 若干紫様に、いつもと少しだけ違う部分を感じたのですが、それは後ほど気づく事に
なのでした。
 さて―――時間が時間という事もありまして、若干汗をかかれた紫様は、扇子を
広げて、首の傾げハタハタと扇ぎ始めたのですが―――元々肩口が非常に広く開いた
お洋服が若干乱れ、肩と腕の付け根が見えるか見えないかの位置から、そのうなじの
辺りまでが、緩やかに綺麗な、真っ白な弧を描く形となっていたのです。
 時折暑さに堪えた様な軽い吐息も聞こえます。
 霊夢殿は、更に暑がりに暑がり、絵本を食い入るように、決して紫様の方は向かない
様にして言いました。

 「あんた、いつもここに来て何もしなんだからさ。そんなに暑いなら、たまには自分で
  麦茶の一杯でも淹れてきなさいよ」
 「そうれもそうね。暫くお待ちなさいな」

 そう言って、紫様は素直に開けっ放しの扉から、隣の台所へ向かっていきました。
 それから私は、まだ読んでいない絵本の中から、「ネコネコ河童少女の夢冒険」を
取り出し、音読し始めたのですが―――
 霊夢殿の様子が、すぐにおかしくなりました。
 いつもは暇そうにしつつも、きちんと耳を傾けてもらっているのが確信できるのですが、
顔をこちらに向けても下さいません。

 「ライオンは いいました」
 「………………」
 「『あしたのあさ わたしは たびだたなければ いけないんだ』」
 「…………………」
 「おひめさまも い い ま し た」
 「………………………」
 「『お と う と がっ  ダンジョンに! と じ こ め ら れ て! い!る!ん!で!す!』」

 ―――お恥ずかしい……
 私は私は注意を引こうと、声のトーンを大人気なく大きくしておりました。

 「ああ―― ごめんねらんしゃま」

 霊夢殿はこちらに向き直って下さいましたが、すぐにまた顔を反らすのです。
 一体何が気になるのかと――――――――私も霊夢殿の見ている方向を見て―――――――

 釘付けになりました。

 台所では、紫様が、こちらに背を向けて、ゆっくりとお茶の用意をされていました。
 最初に、いつもと少し違う と感じた違和感の原因がわかりました。
 例の紺のドレスを纏っておられる訳ですが、髪を、異変に赴く時に見かける様に、
結い上げていたのです。
 先程気づいた、うなじから肩にかけての艶めく曲線もさることながら―――――――

 霊夢殿が、最も心奪われていたのは   背中に違いありません。

 夏の仕様なのか、若干不自然なほど開かれ――――その背中の素肌が、美しく、そう、
言葉を選ばず言いますと、何か悪意を感じるほど、強調されていたのです。
 服自体が暗めの濃紺ですので、紫様のビロードのような肌の白さ きめ細かさ がより一層
際立っておりました。
 本当に一点の汚れの無い、見続けていると気が狂いそうになるほど綺麗で妖艶な背中。
 元来背中など、体の中でも割と薄い肉と皮一枚を隔てて背骨などが見え隠れする、
決して劣情を煽る様な部位とは思っていなかったのですが、そんな先入観が全く通用しない、
あまりにも官能的な光景でした。
 更に、夏の暑さでうっすらとした汗が、その精巧な彫刻のような滑らかな表面をコーティングし、
少し動くたびに、その魅力をぬらぬら光って際立たせています。
 ある程度距離はあったはずなのに、匂い立つよう――――
 「触れてみたい」「口付けしたい」 と本能的に思わぬ者はいないでしょう。

 勿論、霊夢殿も例外ではありません。

 口を強く結んで、紅潮させ、視線を逸らそうと必死に抵抗しているようなのですが、それはどうにも
抗えない様でした。
 熱い嘆息と共に、本当に切なそう。
 もどかしさのあまりか、怒った様につぶやかれました。

 「何よあれ…… ふざけるにも程があるわよ……」
 「き、きれいだね…… ゆかりさまのおせなか……」

 真っ赤なまま、霊夢殿は立ち上がれいました。

 「霊夢、もうちょっと待ってて? 今そっちにお菓子も持って行きますわ」
 「―――………ちょっと行ってくる」
 「どこへ?」
 「……………ごめん。トイレへ」
 「らんもー! らんもおトイレにいってくるね!!!」

 2人で急いでドタドタと洗面台に向かい、顔を冷たい水で洗った霊夢殿は、 濡らしたタオルで
ゴシゴシと私の全身も拭いて下さいました。

 「らんしゃま、落ち着いた?」
 「もう! 落ちついてないのは霊夢殿だよ! ゆっくりしずまってね!!!」
 「―――喧嘩売ってんの? 紫の奴」
 「すてきだったね ゆかりさま……」
 「あの淫魔め」

 霊夢殿は、ひとしきりあの方の凶悪で過剰な色香を批判し続け、私も正直な感想と、
あとそれとなくサービスとして、家で一人いる時の藍様ご自身も、油断していれば負けず劣らず
色っぽい肉体をしていると事を説明しましたが、霊夢殿はまったく何の興味を微塵も示され
ませんでした。
 霊夢殿による紫様への愚痴や、私が最近買って貰って読んだ本の内容(『もちもちの木』とか)
を話している内に、2人とも冷静になっておりました。

 「今日は夕飯何にする?」
 「おそうめんさんがいいー!」
 「手間のかからないいつも食べてるものを、全力で求めるわね……」

 きっと、あれだけ邪な感情を抱いた紫様に対しても、気持ちよく接する事ができるでしょう。
 部屋に戻れば、こちらを向いて、正座した紫様が卓袱台に先にお茶とお菓子を用意して
待っていて下さって、3人で色々お話をしながら、お煎餅でも齧るのです。
 いつもの、この上なく幸せな光景です。
 それが続くと思っていました。
 部屋に戻る直前、それを思い浮かべていました


 実際には惨劇が起こっていました。


 紫様はうつぶせになって、のんびりと組み合わせた両腕に頬を預けていました。
 私は首だけで移動しておりましたので、あの芸術的な背中はちょっと見ることができませんでした。

 その上を――――

 おお……

 こんな事が…………


 何という事でしょう!



 あの、忌々しい 霊夢殿のゆっくり――――ふてぶてしい紅白饅頭が、背中の上で飛び跳ねて
いたのです!!!


 あの神々しい御背中に着地するたびに、丸っこい体が微妙に扁平というか、大きく無様にゆがみ、
肉と肉?が触れ合っているはずなのに、ポヨンポヨンと、ありえないほど、この世のものとは思えないほど
マヌケな音が響き渡るのです、
 これほどの、音・形・その流れ・とマヌケさが髪を生やして目鼻をくっつけたような饅頭の下で。紫様は
もう、生物としての格からして違うと思えるのです。
 うつぶせに目を閉じる御姿だけでも、今まで読んだどんな絵本の(特に海外作品に出てくる)お姫様
など足元にも及ばない美しさなのに――――

 なのに、ああ、なのに………

 紅白饅頭に背中を蹂躙され、恍惚とした表情を浮かべているではありませぬか………
 目を閉じているのは、眠気や疲れではなく、恐らく快楽のため
 頬は、ほんのり紅潮し
 あの、ポヨンポヨンという音の度に、悩ましい呻き声が、嘆息とともに、形の良い紅い唇から流れて
きます。
 それをあげさせているのが、あの紅白饅頭だと思うと、いつしか歯軋りをしていました。
 霊夢殿の顔を見ると、怒りと言うより状況を理解できない様子で、呆然と立ち尽くしているのでした。

 「ゆふふっ 気持ちいーい?」
 「ええ……… とっても…」
 「れえむもぉ、紫お姉ちゃんが喜んでくれて、とってもうれしいよっ!」
 「ふふっ ありがとう……」

 その言葉にウソは無いでしょう。
 声も純粋そのもの。
 あの紅白饅頭なら、そのまま

 「ゆひひひひひひ! どうなんだ紫。 どうなんだい紫ぃ。 どうなんだえ紫ェ…… どうなんだよ紫よ。
  どこら辺が気持ち良いのか、主観を寧ろ交えて、詳細かつ叙情的に明確に心行くまで教えてね!」

 ―――とネチネチ言ってもおかしくないのですが、それとは真逆の、声だけ聞けば非常に愛くるしい子供。
しかし顔を見れば

 「ゆゆゆ、ゆるさないよ! ゆかりさまぁ……」

 歪んだ半月状の目元、緩んだ口元、朱に染まった ふてぶてしい頬―――― なんと忌々しいことか…

 「御仕事頑張ってるんだね!!! ゆかりお姉さんの背中、とってもこってるよ」
 「最近はね…… それにしても、随分上手なマッサージだこと。一体何処で覚えたのかしら?」
 「……いやあ、色々失ったお陰で身についた」

 少し離れた所から見ていたので、今まで気づかなかったのですが、紅白饅頭はただ垂直に跳ねる
だけではなく、微妙な角度をつけて落下し、ある程度の緩急もつけているようでした。
 そして、不気味な話ですが、その脳天から顎(?)の下にかけて、ぽっかりと大きな穴が貫通して
いるのでした。
 意味がわかりませんが、その断面はなんだか金属的な質感があるように思えます。

 「ちょっと、頭から千歳飴で刺されちゃって………」
 「んう………でも、却ってその凸凹が良いアクセントになって気持ちいいわぁ………って」
 「……………」

 紫様は、戻ってきた私達に漸く気がついた様子でしたが、何かわざとらしさを感じました。
 くすり、と少し意地悪そうに目も細め、鼻にかかる声で言いました。

 「霊夢も、一緒にどう?」
 「――………別にいい………」
 「気持ち良いのよ……? このゆっくりちゃんのマッサージ…… らんは?」
 「ら……らんもいらないよ! えんりょしておくよ! 紫様はゆっくりやすんでね……」
 「ごめん。 もう一度行ってくる」

 すぐに踵を返した霊夢殿は、何か不確かな足取りで、洗面所に向かわれました。


 ―――思えば、それが全ての元凶でした。




 その夜、霊夢殿はあまり眠れなかった様で―――私がいつも起きる頃には、朝一の仕事どころか、日中
の作業もあらかた終えられ、きれいに念入りに洗った布団を干している所でした。

 「霊夢殿、ゆっくりおはよう!」
 「―――おはよう らんしゃま」

 目に見えて焦っていますが、そこには強い意志がありました。何かの目標を持った顔です。難解でも、
ゴールまでの道筋は見えているような

 「とりあえず、ごはん食べなさい」

 用意までしてくれて―――しかも御味噌汁には油揚げと御豆腐が入っています。

 「ゆわーい でもどうしてこんななの? らん、そんなにお手伝いしてないのに……」
 「あのね、らんしゃま。ちょっとだけ長く、お留守番をしてほしいの」

 こう見えても規則正しい生活をされている巫女さんです。大体いつも同じ時間に神社に帰ってこられます。
異変時はまた別ですが、そうした時にはとにかく厳しく怖い面持ちで向かわれるので、今日はまた個人的
な用事なのでしょう。

 「ゆぅ……どうしたの?」
 「いや、昨日夜中に文がこんなものを持ってきてくれて」

 見せてくれたのはチラシ
 漢字はマスターした訳ではありませんが、大体は把握できました

 「ゆび……あ つ……?」
 「指圧教室。 按摩さんの事ね。本当に突貫で基礎を総ざらいできるって」
 「ゆっ! すごい!」
 「――――解るわね。この意味」







 ――嘲笑してください  私達のこの時の浮かれぶりを…………




 「ゆ、紫様をこれで気持ちよくさせて悦ばせてせてあげられるんだね!!」
 「ん……まあ、奴を っていうやか、奴のためじゃなくて、咲夜やアリスとか、結構腰にきてそうな連中の
  ためとかもあるのよ?」
 「がんばってね!!!」
 「あ、そうそう…………藍に頼み込んで、暫くだけ紫には神社に来るのを控えるように頼んだから……」
 「ゆゆ! 驚かせるためだね!!!」

 何か言い方が悪かったのか、霊夢殿はゴホゴホと咳き込んで俯かれています。



 ―――この不自然な展開に、そのチラシの都合の良さに、気がつかなかったのです。


 色々な注意と打ち合わせを終え、「必ず他に留守番してくれる奴が来るから」と言い残し、勢いよく
飛んでいった霊夢殿を見送った後は、いつになく暇になってしまいました。
 やる仕事が本当に無いのです。
 ここに来る時に持ってきた算数ドリルは数日前に全て終えてしまいました。
 霊夢殿はご自身の、昔の見た事も無い絵本を出してきて下さいましたが、すぐに読み終えてしまいました。
 神社の探検も、なんだか面白くありません。早くお昼の時間とおやつの時間にならないかと、縁側近くの
一番涼しい所でゆっくりして、転寝を挟みつつ、12時ごろになっていました。
 その時、珍しくお客さんがやってきたのです。
 大半のお客さん達は上空からやってくるのですが、律儀に、恐る恐るといった様子で鳥居から入ってきました。

 「ゆ、ゆっくりしていってね!!!」
 「やあ…………」

 妖怪なんて、皆無遠慮にここに遊びに来るのですから、今更何を軽快しているのだろうと思ってみていると
知った顔でした。
 ルーミアさんです。
 すぐに座布団を敷き、麦茶と来客用の歌詞も用意しました。
 なんだか本当に入りにくそうにされていました。
 しばらく気まずい空気が縁側で続いてるうちに、正午にもつか買ったので急いでお昼ご飯を出し――勿論
ルーミアさんの分も配膳すると、ようやく中に入ってくださいました。

 「ルーミアさん、ゆっくりしていってね!!! それでも、神社になんのごようなの?」
 「――……巫女さんが留守にしてるから、代わりに留守番行きなよ ってリグルに頼まれて」
 「ゆぅ?」

 霊夢殿が私と一緒に、誰かに留守番を頼む事は想像できますが、その相手がリグルさん?

 「リグルは慧音先生頼まれたって言ってたな……」

 成る程。

 「先生も、その前ににとりに頼まれたらしくって………何なんだか」


 ルーミアさんは顔を赤らめっぱなしでした。
 恐らく霊夢殿は白黒さんかアリスさん辺りに最初に声をかけ、魔を挟んでにとりさんから慧音先生へ、やがて
ルーミアさん行き着いたのでしょう。
 色々言われても、値は責任を重んじる妖怪の方々です。後から面倒で他人に仕事w押し付けたりは
しないでしょう。
 押し黙ってままルーミアさんは、周囲を見回しています、以後事が悪い訳ではなさそうというより、何だか余程
来たかった所へ来た様なか雰囲気はあったのですが……

 食べ終わるまで沈黙が続き―――――私は、改めて謝りました


 「この前はごめんなさい………」
 「いや、そんなもんだよね……」


 元々俯来加減だったルーミアさんは更に下を向いてしまいました。

 「変な冗談言っちゃったし……妖怪さんにあんな事すっごく失礼だよね」
 「――なるべく考えないように気をつけるようにしたんだ。今までやってきた事も、この先の事も。リグルの奴が
  考えちゃダメだって言ってた。考えるくらいなら食べちゃいけないし、死ぬ気で一生考え抜かなきゃいけない
  ―――――だけど、これからずっと、常に祈りながら食べろ  って」

 ――この話題はやめよう
 ルーミアさんは麦茶を飲みつつ言いました

 代わりに私は、絵本の話をし始めました。いかにも興味がなさそうしたが、霊夢殿が用意してくれた、という所
まで来ると、身を乗り出して聞き始め―――霊夢殿自身に話題がシフトしていきました(もっとも、藍様の言いつけ
を無意識に守って紫様の話はしませんでした)


 1時間後には私達はお酒も入っていないのに、霊夢殿の話題で楽しんでいました

 「考えてみればすごい横暴」
 「『きびしいけど、ほんとうはいいひとなんだ』 じゃなくて、『すごくわるいひとだけど、みなにはやさしい』ってかんじー!」
 「でも実際優しいのよ。根本ではね。絶対ね」
 「わかるわかるー! あのね、ちゃんとね、 おてつだいうまくいけば、ほめるしごほうびくれるんだよ!」

 ―――やはり、共通して好きな対象について誰かと話せば、無条件に楽しくなるものです。
 私達は、それから改めて神社の中を探検したり、絵本を読んだりして遊びました。
 白黒は人間ですし、酔っ払いの鬼、他の色々な妖怪の方々はやはり長く生きているだけあって年齢の差は
感じてしまっていたのですが、このルーミアさんとは、ある意味本当の対等さを感じてしまっていました。
 「友達」とは、こうした事を言うのかな? と思っているうちに、おやつになり―――そして夕方が来て夕食に
なりました。


 ――霊夢殿はいつまでも帰ってきません。

 私は次第に口数を減らしていたようです。
 紫様は、霊夢殿と藍様に話されて実際に来ませんでした。
 それに反比例するように、ルーミアさんは沢山話をするようになりましたが、声も表情も明らかに私よりも
焦りが見えました。
 ついに――会話が途切れて随分経ってしまった時。
 マヨヒガではいつも藍様か、少なくとも家の中には紫様が眠っていたので、安心しきっていました。神社に来てからも
霊夢殿がかえる時間は大体決まっていましたし、そもそもここまでの長時間外出される事がすくなかったのです
 少し前に家出をしたときは、もう狂いきっていたので、夢中ではいずっていただけでした。 
 今は、隣にルーミアさんがいます。この方の事は、今日一日で大好きになりました。
 ですが――……私は、生まれてこれ以上に寂しいと感じた事はなかったかもしれません。

 「泣いちゃ、ダメだよ」
 「ごめんなざいい……」

 気がつくと泪が溢れておりました。
 霊夢殿を疑ってはいません。
 何が起こっても死ぬような方でもありません。
 ですが、一刻も早くか顔が見たくて仕方ありませんでした。
 ご飯もお菓子も、問題集も絵本も、全部をずっと引き換えにしても、霊夢殿に会うことを選択できるでしょう。
 最初はイライラしていたらしいルーミアさんに気づいて、泣くのを必死で堪えていましたが、それも長くは続きま
せんでした。
 次第に、ルーミアさんも悲しそうな顔になっていました。
 お互いにだまりこくったまま、時間だけが過ぎました。
 何時ごろだったでしょうか?
 途中で御昼寝をしたとはいえ、こんなに遅くまで起きていたのは初めてです。まだまだ眠れそうにありません。
ルーミアさんが淹れてくれたお茶を飲むと、ほんの少し落ち着きはしました。
 それから、どれ位時間が経ったでしょう
 ルーミアさんは腰をあげました

 「?」
 「探しに行こう」
 「ゆっ……もしかして」
 「巫女さん、どこにいったんだっけ?」
 「ダ、ダメだよ、おるすばんしなきゃ!」

 約束したのですから

 「約束先に破ったの巫女さんじゃない! それに―――心配じゃないの?」
 「心配だよお こわいよう………」

 こんな時に、中々誰も来てくれません。

 「じゃあ、じっとしててもしょうがない。私達で……」

 一応指圧教室の場所は、万が一に供えて控えてあります。
 霊夢殿が残して下さった地図がありますが

 「――――まず、先に連絡しないと。相談できる所に連れて行ってあげる」
 「どこなの?」

 思わぬ名前が出てきました

 「あんたの本当のご主人。八雲藍にさ」

 確かに適切な相談相手です。紫様も起きてはいるはずですが、御仕事の時間でしょうし、あの方の居場所を
特定して捕まえるのはまさに至難の業。
 ですが、元いたマヨヒガも、本当の場所はわからないのです。

 「大丈夫。私、あの人が趣味で開いてる喫茶店の場所を知ってるんだ……」

 いつの間にそんな余裕が……

 「底に行けば、藍さまも、霊夢殿もいるの?」
 「巫女さんはいない毛江戸、あの女狐なら、上手く見つけるのを手伝ってくれると思う!」

 私も、涙を拭い、胴を作ると立ち上がりました。



 ―――出発時―――もう何時かもわからなくなっていましたが、ルーミアさんは怒っていました。

 「――……遅い」
 「ゆぅぅう……… ごめんね。 でも必要なものばっかりなんだよ!」
 「ウソだぁ……ちょっとは減らし無いさいよ」

 理由は、私の出発の用意に時間がかかってしまったから………
 お気に入りの、神社に来た時のリュックサックに、ナプキンとタオルと、あと藍様の所でお泊りする可能性もあります
から、歯磨きセットを一式。
 もう卒業しましたが、お守り用の橙様縫ぐるみ。
 休憩中やどこかで読みたくなったときのために、絵本を4冊。
 おやつ様に、都昆布を2箱。
 ルーミアさんと、再会した霊夢殿と、藍様と、自分用に海苔も具もありませんが大きめのオニギリを一個ずつ。
 そした何より重要なのが――――霊夢殿の御下がりだという、今の私の一番の宝物の、銀色の水筒です。
 これになみなみと水を注いで、準備はできました。

 「大丈夫……? 重そうだけど」
 「へ、へっちゃらだよ!これくらい」

 とは言え尻尾に挟んで持とうとすると、派手に転んでしまうので、多少疲れますが胴体を常に出して出発です。
 ルーミアさんは私を抱えて飛ぼうとし、すぐにおろしました。

 「やっぱり中身減らして……思い」
 「……………」

 絵本を2冊。
 都昆布を一箱。
 泣く泣く縫ぐるみも置いて、再び出発して30分ほどで、ルーミアさんは飛ぶのをやめました。

 「――……歩いていこうか?」
 「ゆっ?」
 「いや、そこまで遠くはないから、歩いていける」

 徒歩になってから十分後

 「ごめんねぇ……ちょっとゆっくりやすませてね……」
 「ほら見ろ! やっぱり余計な荷物なんだよ!」
 「よ、余計じゃないもん!」
 「それ持つのに私も苦労したんだよ! 重武装しすぎ!」

 2人でへたりこんで、水筒の中身を貪り飲みました。

 「あー おいし」
 「ねっ? 必要でしょ?」
 「えっと……  水筒を装備する → 重い → 疲れる → 水筒の水を飲む → その分美味しい
  →  その分残りの道中を頑張って進める
  ――――ええと………… ま、 まあ間違ってはいないわけね 。  うん。 あんた偉い」

 乾いた中、潤いいを得て気分は立て直し、立派な妖怪と同行しているとはいえ、少々夜中の森を
甘く見ていた様です
 ―――リュックはまだ少し重たくて、疲れた体で、私は、斜面を踏み外していたのでした
 何が起こったかも解らず、無様に足を上げたまま、悲鳴もあげる間もなく。私は、ただ滑り落ちており
ました。
 極端にぬめりのある土で、途中に岩や木に激突しなかった事が幸いでしたが、下を流れる小川に
もんどりうってしまいました。
 うつ伏せになって落ちたのでリュックは無事で、そこまで極端な怪我もなかったのですが、あまりにの
出来事と痛みに耐えかねて暫く号泣しました。
 次に襲ってきたのは、新たな不安感です。
 尻尾が、9本とも取れてしまっていたのです。
 神社へ行く前、藍様からの言いつけの中で、特に注意するように言われていたのが、「尻尾をとらない」
という事でした。
 これは、破った結果として、霊夢殿にとても苦い思い出を想起させてしまったので、それが禁じられている
理由だと思っていたのでした。
 が、今となっては、それとは関係の無い何かの不安が襲ってきたのでした。

 「大丈夫?」

 すぐ様上空からルーミアさんが助けに来てくれました。
 が、私は震えを抑えきれません。

 「らん?」
 「ゆぅぅぅう……… こわかったよう…… それに尻尾が取れちゃったよう…」
 「あー… 怖かったね。痛かったね。また今度はだっこして連れて行ってあげるから泣き止んで…」

 腰をかかげたまま、ルーミアさんは話すのをやめたので私にはその声が聞こえました。

 『らん……らん……』

 呼ばれた?と思って振り返り見上げると、丸いものが見えました。
 9体。
 割と見知った形だと思ったら……

 「らんが、9匹?」

 大きさは4斗樽程度。首だけの状態の、私こと「ゆっくりらん」がゴロゴロと転がっていました。
 これは――――恐怖でした………
 2人で呆然としていると―――ゴロゴロと転がるうちに、それぞれの尻尾が外れていきまつ。各々小川落ち
―――無音で、そう、ちょうど私達が打応対部分を出す時と同じ様に―――その場で、ゆっくりらんに変身
を遂げました!

 『らん』
 『らんらん』
 『 らんっ らんっ』

 最初の樽ほどのらんより、一回り小さい。
 掛け声をあげながら、藁に生まれた『らん』達は、尻尾をきりはなしては―――― そうして増えていきました。

 気づくと、桃色の明け方になっていました。
 ひとしきり『らん』は増え続け、それにつれて、だんだん増える『らん』も目に見えて小さくなっていきました。
 あまりの事に呆然と立ち尽くしている中、『らん』の群れは小川を伝って流れていきました。

 「何だったのあれ」
 「わかんないよ……でも]

 足元に何かが触れたので、見てみるとそれは、拳大の『藍』でした、そして、時間にすると、数秒程度で、
転がったかと思うと、そこには、稲荷寿司が落ちていました。

 意味が解りませんが、この現象を、藍様は恐れていたのはこの現象かもしれません。
 ならば、なおのこと早く辿りつかねば―――私達は、少しでも早く進むため、水筒の中身とオニギリと都昆布を
全て平らげ、リュックを軽くしたのでした。
 ところが、崖から上り、森を出てすぐだとしても――その店はすぐには見つかりませんでした。
 不安な顔のルーミアさんを見て、私は謝りました。

 「ごめんね……らんがゆっくりし過ぎたからだよね……?」
 「うーん もう少しで朝だし、直接その教室に行ってみる? あの白黒辺りに頼むのも嫌だし」

 そういっている間に、本当に太陽が昇ってしまいました。
 ―――店も見つけられず、霊夢殿も見つからず、 ――自分たちはなんと無力なのかと、項垂れていた時でした。

 10mほど先に見えた林の木々の間から、煙がうっすらと立ち昇っていたのです。

 「あれ?」
 「あれだね!」

 兎に角、何も前向きになれないままの時間が続く中、ようやく前向きになれた私達にとって、大きな希望でした。
 これで解決した訳ではありませんが、私達は思い切り走り出していました。
 少なくとも、藍様にお会いする事自体が久しぶりなので、その事だけで胸が躍りました―――直後、横の茂み
から、何か丸いものが転がり出てきたのが見えました。
 私はそれでも少し走りましたが、ルーミアさんは即座に止まってしまいます。
 顔は蒼ざめています。


 「妖怪さんですね! しかもこのまえ屠りそこねたやつですか?」


 ほふる?
 丸っこい体
 長い緑の髪
 蛙と蛇の髪留め
 ――――見覚えはありますが。その方は人間のはずです。
 目の前にいるのは、私と同じゆっくりで――――

 「退治させていただきます!」

 山の神社の巫女
 東風谷早苗――――霊夢殿からの断片的な説明ですと、妖怪に対する厳しい姿勢は、方向性はやや特殊
なれど、里のどんな人間よりも厳しいと…

 「あれれ? わたしと同じゆっくりさんですか?」
 「ら、らんだよ………ゆゆゆ ゆっくりしていってね!!!」
 「ゆっくりなのに、そんな妖怪さんといっしょにいるなんて、ふとどきな饅頭さんですね!」
 「え? ら、らんはおまんじゅうさんじゃないし……」
 「あなたも同罪です! これから退治します!」
 「ええええええ!!!?」

 目が本気です。
 ルーミアさんも一歩引いていました。

 「さなえお姉さーん! おねえさーん! 見つけましたよー! 妖怪さんがいますから、一緒に退治しましょう!」

 ルーミアさんは、何かいやナ思い出でもあるのか、更に蒼ざめた顔で身構えました―――が、「早苗さん」は中々
現れません。

 「…………」
 「……………」
 「………………」

 ゆっくりさなえさんはそれから何回か「早苗お姉さん」を呼びましたが、心なしか少し小さい声になっていました。

 「ほら、一緒に退治しましょうよー!」
 「・・・・・」
 「お、おねえさん…」

 ついに泣き出したゆっくりのさなえさんは、顔中汗まみれでなき始めましたが、ルーミアさんはうっすらと悪い顔で
笑っています。

 「――……なーんだ 結局いつものあの山の巫女さんがいなきゃ何にも出来ないわけ?」
 「ゆぅう…… ひっく…グッス……………」
 「虎の意を借る狐どころか、巫女の威を借る饅頭って訳ね」
 「さ、さなえはおまんじゅうさんじゃありません! うぅ…普通のお姉さんです!」
 「普通のお姉さんだったら、妖怪を屠るだの殺すd………ぐはああああああああああああああああ……あああ!!?」

 言い終わる前に、ルーミアさんの鳩尾に、ゆっくりさなえさんの全身がのめりこんでいました。
 人間なら助からない可能性があります。
 信じられない跳躍力と、破壊力です

 「ちょ……こ、これは………やばいやばい…」
 「うわあああああああん!! 妖怪さんめええ!」
 「何? あんた強いの? ゆっくり単体で? 反則じゃない?」

 続いて背後の空間が歪んだかと思うと、大量の蛇が姿をお著し、一斉にルーミアさんに襲い掛かりました!
その場で、蛇の塊と化してしまい………

 「る、ルーミアさん!」
 「さあ…… つぎはゆっくりらんの番ですよ! 覚悟なさい!」

 泣きながらこちらを向かい、私は紫様がこの前神社に来た時以来の恐怖を味わいました。
 歯の根も噛み合わないほど震え、さなえさんが飛び込もうとした瞬間!
 蛇の塊から、腕が一本伸び、その丸っこい頭を鷲掴みにすると、大きく後方に放り投げました!

 「きゃああ!?」
 「お姉さん、  っていうんなら、 ルールは守れ!!!」

 更に次の瞬間、あれだけの蛇が、一匹一匹一気に全身を引きちぎられて、ボロボロに飛び散ったかと思うと、
煙を発しながら消えていきました。
 後には、血塗れのまま肩で息をしつつ、牙を剥き出しにしたルーミアさんが立っていました。
 その顔に、明らかに戦う肉食獣の、他の生物自体に仇を為して生きる妖怪のソレが見て取れました。

 「らん? 無事だよね?」
 「ル……ル………」

 でも、こちらを見る頃には、もういつもの表情に戻っていました。

 「………うわああああ……ルーミアさん、よかった…」
 「あぁ……大丈夫だから。 これで……」

 感極まって抱きつこうとした時!

 「その抱擁、ちょっと待ったア!」
 「あー 今日はなんだか面倒くさいな! 今度は誰かしら?――――って ちょっとおおおおお!?」
 「ゆ…… ゆうゆううううううううううううううう!?」

 目を回しているさなえさんを抱えて、林の中からやってきたのは、紛れも無い鬼!
 立派な一本角に、星の印があって、直接あった事はありませんが―――星熊さんという地底の方でしょうか?
まず大抵の妖怪でも太刀打ちはできますまい

 「弱い者いじめだなんて感心しないねえ! 妖怪の端くれとしてどうなんだいそりゃ」
 「妖怪は道に外れた事や悪さして何ぼでしょーに! 大体そのゆっくりは『弱い者』じゃないし、むしろいじめられ
  かけていたのはこっちの方よ」
 「ん? そうなの―――――――ってこれはこれは」

 ルーミアさんは、鬼の登場に驚きはしたものの、苛立ちの法が勝ってしまっている様子。対して、鬼さんは
割と冷静な方なのかと思えました。
 しかし、私を見るなrい目の色が変わり―――

 「ここにもいたか。 胴体のあるゆっくり!」
 「ゆっ? ゆゅ? お姉さん だれ?」
 「修行はまだ半ばだが、好敵手と見込んで、この星熊勇儀と手合わせ願えないだろうか!?」
 「ゆえええええ!? なんでなんで!?」

 標的はこの私!!?
 今度こそ本当にへたりこみそうになると…
 私の背後から話し声が

 「―――何かきな臭くなってるねえ」
 「―………ゆっくりのさなえがいるじゃないか」
 「…………っ?」
 「あ、保護者かえ? 今渡すけd…………」

 全員が振り返ると

 「――――いじめてくれた訳かい、あんた達……」
 「っていうかさ、異変の原因もこいつらじゃない?」

 イライラしっ放しのルーミアさんは、振り返りながら怒鳴り散らしました。

 「異変がなんだって――――tって おいおいおいおいおいおいおい!!?」
 「いじめられそうになったのはらんたちのほうd・・・・・・・・・・・・・・おいぃ!!?」
 「何だよそれええ!!!  ずるいよ なしだよ!!!」



 そこには、山の神社のニ柱が、恐ろしい顔で立っていたのでした。






                                        続く

  • かな -- ゆな (2011-03-30 21:19:48)
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最終更新:2011年03月30日 21:19