【夏休み10】焦れる午後

8月30日 13時

明日しかない。
予定はきちんと立てていた。
無理なく組んだはずだった。
理想を目指しすぎず、現実を見据えた計画だった。
初日から真摯に取り組んだつもりだった


―――しかし、宿題は終わっていない。


後悔先に立たず。
実際、そうなった理由はいくらでも思いつくが、今はそれを
並べ連ねている場合ではなかろう。

しかし生活リズムはすっかり狂っていた。
これから先、暗い2学期しか思い浮かべられない。
あと一日余計にあれば、何とか終わるかもしれない。
13時というのに、深夜の様に眠気に襲われてうつらうつらしていた時だった。

          _人人人人人人人人人人人人人人人_
          >  クイズ・ 『誰が 河童? 』!!!<
    r-、_,「:V´| ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
   r'::::::、:::::::!::/_,,...,,___    `' 、
    >、:::::;> "´      ` ''ー- 、`フ
   /   y' / / !   ,!    `ヽ.
  ,'  / / /! ./|  / ! ,!  i i  ',
  !  |___! ./ _|,/,.ノ-'  l.、'_| |. !. |
  |   | レ|   ⊂⊃━⊂⊃ |  |  |
  |   |  |'"    ,___,  "' ハ_,.ハ__」
  !  i .!  !、   ヽ _ン   ノ | |
  `ヽレヘ.  |7>,、 _____, ,.イ !  |    司会はお馴染み 元「梵Nippori製鉄所」のMyonです
       \!        \ハ__」








 「え………!?」

 どこから忍び込んできたのだろう?
 気がつけば、いつ移動したのか台所だった。
 外は真っ暗。
 四方の壁を中途半端な仕事で白い布で囲まれて、コンロの上に、Myon
そしてまな板の上には……

       (1)                 (2)                 (3)                  (4)
      _____              /二 ̄ ヽ、         __   _____   ______
     /      (M) ヽ         〈(M )    \       ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、      ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;O;;;;ヽ、
    /_________|__     ∠、二二≧ュ、⊥        'r ´          ヽ、ン、    ,;:`7‐ξ∀3_‐..,;ヽク,、
   ,、'`冫〈 //ヽヽ 〉,、ヽ      / ゙、..} 二 {..,─'ヽ`ヽ、    ,'==iゝ、イ人レ/_ル==', i    iく;ノ ,:;;;シ`'"ヘ,;;, ヽリハ;ヽ
   ./シ姦,((/   ヽ))ミー、     l rr=-,   r=;ァヽ  )    i イi rr=-,   r=;ァ ヽイ i |   /ノノ;ゝ、   /`、 ,;ヽヘヽ
  i`,、ゝ, ノ/__,.    、__ヘ i/j    ノ   ム___ゝ     l (   レリイ"  ̄ / |   ̄ ".| .|、i .||   rノノ(ヒ_]     ヒ_ン )',;;ヽ;,;ハ
  /<o フ ノ(ヒ_]     ヒ_ン `,'。フ   ( // _ノ ,,,,,,,,ヽ、ヽヽ ,) ヽ、   !Y!   'ー=‐'    「 !ノ i |   (;ソレi'"" ,___ ,  "" ハヘ, ;;ヽ
 〈 V.ゝ!'"   ,___,  "' iノゝi    彡 ̄_ノ    ヽ、 ̄ミ ) )   L.',  'ー=三=-'   L」 ノ| .|l   y';;!;!   ヽ _ン    ノノヽ;ハ
  `、_.淼.    ヽ _ン   ノ淼ノ   ( ´ ̄         ̄` ノ     | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /!  (;;;リ;;ゝ         ハ;;vj;ヘヽ
    .|X|>,、_____, , ,.イ .|X||  ,ィTl'7Y` ー--─ ´ ´'´ ̄`7     レ ル` ー--─ ´ルレ レ    ゝ、;)ハ ` ー---─ ´ノ;;,;v;;ノ,,;;;レ


 「さて、この4名の中から、本物の河童を見つけるクイズです」

 河童……… それは、何かのスラングだろうか? とにかくそれらしき者は4人の中にはいない。

 「正解者には、 幻の8月32日をプレゼント!」

 本当か!?

 「別に一生その32日から出られないとかそういうイジメはありませんからご安心を」

 それは面白い。何、一日あれば、残りを片付ける事はできるだろう。
 と――テーブルを見るとこれまたいつの間にか、4人のゆっくり達が並んで座っていた。

「さて、その前にいつもの解答者の皆さんの紹介から始めましょう」












【エントリーNo.1】
 「全国のうら若い河童達を殺して300年  練馬区からお越しの もみじさん」
 「こんにちはー」
 「いかがです?」
 「いや、もうドキドキで……」
 「ここで一つ。河童の殺し方に一番必要なのは何でしょう?」

               , へ
             __/__!:::__\
          ,. '"´ /::::::::i:::::::::::::ト 、       眼力です
         , '    '´`ー-'----┘ `ヽ.
       /    /  _!__ !  , ',    '.、
      ∠.,,_   ,'  ´/___ハ /! ,!、 ;  ',\
       | ` i   ,ィ´   レ' レ'r!、/ ! |-‐'
       '、  ! /,!'、(ヒ_]    ヒ_ン  ハ!
     i.   ヽ. V ハ''"  ,___,  "'!ノ
      ハ,   )ヘ`ヽゝ、  ヽ _ン  人|  つ
     ,' ヽ.   _V>ソ`; ー-r='i´/   っ


【エントリーNo.2】
 「全国のうら純情な河童達を虜にして2年  町田市からお越しの まりささん」
 「どうもー」
 「いかがです?」
 「ちょっと憂鬱なのぜ…… 他の連中の32日を独り占めと思うとな……」
 「ここで一つ。河童を虜にするのに一番必要なのは何でしょう?」

.-"::::::::::::`::..、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::`'::.、
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
.:::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ    真心さ
`!  !/レi'rr=-,    r=;ァ レ'i ノ
,'  ノ   !'  ̄     ̄ " i.レ'
 (  ,ハ   'ー=-'   人!
,.ヘ,)、  )>,、_____, .イ  ハ
 (  )',.イ ヽ、__ノ 「ヽ.レ'ヽノ
 ノヽ/  ';::ヽ、/iヽノ::i Y ∬  _
  ri   !:::::::`ー┘:::! i [ ̄]'E )






【エントリーNo.3】
 「全国のお茶の間の河童達をイかせてして500年  足立区からお越しの ヤマメさん」
 「よろしくv」
 「いかがです?」
 「確かに泣いちゃいそうさ…… 32日が目前にあると思うとね」
 「ここで一つ。河童イかせるのに一番必要なのは何でしょう?」
 「殺し文句さね」
 「ほほう。では一つここで」

               . -‐- .
      ___ / /      ミ;、
  「 ̄´:::::::::::::::::`丶{      Vノハ
  ヽ:::::::::::;. - 、:::/⌒`丶ー-――┴――-‐ァ
   {::::::::/   ´′    ヽ`ヽ::::::::::::::::::::::::/
   \./    / ハ ヽ \  '::::::::::::::::::/     にとり……  好きだよwww
    / / /{ ハ! lヽ }ハ .イ  ';::::::::::/
    / / /lハ! {  ヽ/,____ }   V ´ヽ
   ′ {  { rr=-,   r=;ァj/  , '   ノ
    `ヽ\ゝ  ̄     ̄/ /  /
      } iヾ" ー=-'   7/ /
     /{ ハイ >rvー<_{イ/

 (※鼻血を出してむせ返りかけた司会者のMyonだったが、3分後には何とか持ち直していた)


【エントリーNo.4】
 「名だたる 河童の天才 と呼ばれて4000年  新宿区からお越しの ひなさん」
 「よろしく」
 「いかがです?」
 「いや………どうもこうも…………」
 「ここで一つ。河童イかせるのに一番必要なのは何でしょう?」

       ____
      /      \
      |  風神録  |
      | rr=-  r=; | …………
      |  2ボス   |       ∬
      |   ー==-   |      ∫
      \_    _/  =|л=・
         |   |     ( E)
    / ̄ ̄     ̄ ̄\//








さて、俎板の上のゆっくり4人の中に、河童が一人。
まず、水かきと背中の甲羅を確認しようとしたが、皆首だけである。
で、(3)と(4)は帽子を被っていない。頭に皿も無い。
と、いう事は(1)と(2)だが、真ん中の方は、河童というより入道に近い。
試しに(1)に聞いてみた。


「河童なんですか?」

         _____
        /      (M) ヽ
       /_________|__
      ,、'`冫〈 //ヽヽ 〉,、ヽ
      ./シ姦,((/   ヽ))ミー、
     i`,、ゝ, ノ/__,.    、__ヘ i/j
     /<o フ ノ(ヒ_]     ヒ_ン `,'。フ  河童ではありませんよ?
    〈 V.ゝ!'"   ,___,  "' iノゝi
     `、_.淼.    ヽ _ン   ノ淼ノ
       .|X|>,、_____, , ,.イ .|X||

ならば









「制限時間、あと7秒でーす」

なんだか中途半端な時間だ。
余裕も無く、彼は他のゆっくり達と一緒に答えた。

「(1)」    「「(3)」」    「「(4)」」

果たして正解は―――

「 残念! 正解は (2) ですねー」
「「「「「 …… 」」」」」

世の中そんなに甘くない。
しかし納得がいかない。答えが解ったと同時に、むしろ(2)は余計に入道にしか見えなくなった
解答者たちは、絶望に打ちひしがれて下を向いている。
俎板の上のゆっくり達も喧嘩を始めていた。

      ,--‐‐‐‐v‐‐-、 ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
     ハッo+0*O*0+ッハ,,`7‐ξ∀3_‐..,;ヽク,、
   ,、'`冫〈 //ヽヽ 〉,、ヽ,:;;;シ`'"ヘ,;;, ヽリハ;ヽ
   ./シ,((/ |ニニニ==、   /`、 ,;ヽヘヽ
  i`,、ゝ, ノ/__,.    、__ヘ i/j,  、(○) )',;;ヽ;,;ハ
  /<o フ ノ(ヒ_]     ヒ_ン `,'。フェェェ、 ".:::ハヘ, ;;ヽ
 〈 V.ゝ!'"   ,___,  "' iノゝir-r-|   .::::ノノヽ;ハ
  `、_..     ヽ _ン   ノノ  ニニ´  .:: ハ;;vj;ヘヽ
    .|X|>,、_____, , ,.イ .|X|ー---─´ノ;;,;v;;ノ,,;;;レ
        (つ   つ=ニニニ)  )フ
        ./   )    (   \
       /( / ̄∪    ∪ ̄\) \
     ./                 .\
    /                    .\
    r-、_,「:V´|-─‐- ..,,_
   r'::::::、:::::::!::/_,,...,,___    `' 、
    >、:::::;> "´      ` ''ー- 、`フ
   /   y' / / !   ,!    `ヽ.
  ,'  / / /! ./|  / ! ,!  i i  ',
  !  |___! ./ _|,/,.ノ-'  l.、'_| |. !. |   ./
  |   | レ|   ⊂⊃━⊂⊃ |  |  |  /
  |   |  |'"    ,___,  "' ハ_,.ハ__」/
  !  i .!  !、   ヽ _ン   ノ | |
  `ヽレヘ.  |7>,、 _____, ,.イ !  |
       \!        \ハ__」        「それではまた来年」

 気がつくと、30日の夕方。
 休みは終わりそうだけれど、まだまだ暑い。
 こんな追い詰められた状況で気温も高ければ、変なものだって見る。

  • 突っ込みどころが多すぎるw
    にとり照れながら物騒な質問に答えるなw
    -- 名無しさん (2010-08-31 20:26:24)
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最終更新:2010年08月31日 20:38