※幻想郷では月日の数え方が現代日本と違いますが、このssでは現代日本方式とさせていただきます
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「よし、撲殺してやるから動くな」
「に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
博麗霊夢は火焔猫燐(お燐)に馬乗りになりながら、能面のように血肉の通わない無表情で死刑宣告を告げた。
8月27日。夕暮れの博麗神社の庭にて、霊夢が奪還してきた自らのパンツを証拠品として縁側に置きつつ続けられる抑揚の無い棒読みの言葉は、
手足をバタバタと動かしながら泣き叫んで命乞いをしているお燐の耳に残酷にも響き渡る。
もう1人の実行犯であるキスメは漬物石で桶の中に閉じ込められながら、次は自分の番かと膝を抱えてガタガタと震えている。
「おっ、お姉さんごめんなさい! 許して! ほんの出来心なんです! 美味しそうだったんです!もう二度としないからやめてグーパンチやめてマジで!」
「右腕はやるよ お前も もう おやすみ…」
「聞いてねぇぇ!? あたいの話きいてねぇよこの人!? お姉さんってか霊夢さん! ちょっそんなオーラ全開の拳で殴られたら頭無くなるっ! 消し飛ぶッ! ねぇっ! そんな悲しそうな顔してとどめさそうとしないでよぉっ!」
事の発端は霊夢がつい最近初めてパンツを買ったことである。
彼女が普段履いているようなドロワーズではなく、パンツだ。
そう、パンツである。シルクの、純白の、乙女の、パンツだ。
少女達が空を飛びながら弾幕ごっこをする幻想郷ではパンツを愛用する者は殆どいない。
ドロワーズ、スパッツなど、見られてもいい下着ばかり。
パンチラなどという単語を使う機会など幻想郷の人間には一生あるかないかという貴重さ。
故に珍しい。
だからこそうら若き乙女のパンツとなれば好事家に高く売れる。そして何よりも美味い。
少女のかいた汗やらナニやらが染み付いたそれは、まさに乙女の光輝く青春の1ページを食べるような素晴らしい味わい。
生で食べてもよし、焼いて食べてもよし、湯に通してしゃぶしゃぶにしてもよしの最高級の食材である。
となれば当然盗もうとする輩が現れる。パンツ密猟者の登場である。
それがお燐とキスメであった。
お燐が猫特有のしなやかな挙動で対象に気付かれないようほかほかのパンツ狩りをして、
キスメの桶の中に保存する。
完璧なコンビネーションだった。
今回お燐は霊夢が風呂に入ろうとした隙に犯行におよんだ。
けれども生憎目撃者がいた。
『ゆっくり見ていったよ!』
霊夢のペットであるゆっくりれいむである。
今も縁側にてどや顔で笑うゆっくりれいむに見られてしまったことは、お燐の大誤算であった。
「洗って箪笥の中にしまっているパンツじゃ駄目なんだ! 料理も死体も出来立てのほやほやに限るんだよ! パンツだってそれは同じさ! お姉さんの脱ぎたてのパンツという至高の料理は脱衣所という厨房にて完成するんだ!」
この拘りゆえに監視者に見つかるという失態をしてしまったのだ。
『ゆ~♪』
ゆっくりれいむはこれから先の惨劇に期待して目を輝かせながらころころと転がっている。
自前のパソコンが壊れてからは趣味のグロ画像収集が出来なくなったゆっくりれいむ。
おかげさまでここ数週間、ゆっくりれいむの猟奇趣味を満たす行為は、
ナメクジに塩をぶっ掛けてのた打ち回って縮む姿を見ることぐらいだった。
ゆっくりれいむはグロ画像にとても餓えている。
可愛い女の子のR18G画像はいいね♪ グロ画像はゆっくりできるね♪
「さて、じゃあさっそく処刑しよっかな♪ 今夜は猫鍋と漬け物にしようね♪」
『ゆ~♪』
動物性蛋白質を取れる為に上機嫌な霊夢が青空のように爽やかな笑みを浮かべながら言った。
ゆっくりれいむもぽよぽよと子供のように跳ね、そして頷く。
お鍋とは季節はずれもいいところだけど、霊夢のおひざの上で食べられることがゆっくりれいむは大好きだった。
「……ねぇお姉さん」
お燐が笑いあう外道共に向かって声をかける。何か奥歯に物が引っかかったような顔をしている。
何か言いにくい事を言おうとしているような、喉に言葉が出掛かっているような、そんな顔。
「何よ猫肉。遺書を残す事は許すけど命乞いは受け付けないわよ」
「…………お姉さん、下」
「ん?」
「下、履いてる?」
現在の状況。
霊夢=お燐に対して馬乗りでマウントポジション。霊夢のパンツ=床の上。
=生。
「なななななっ!?」
途端に顔を真っ赤に染めしどろもどろになる霊夢。
狼狽してしまうが故に馬乗りの体勢を崩し、後方に盛大にすっ転んで尻もちをつく。
霊夢のスカートがその際ばさりと捲られ、お燐の目の前には桃源郷が広がる。
思わず一瞬見惚れてしまい、その光景を目に焼き付ける。
「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
この猫のような悲鳴を挙げたのはお燐ではなく霊夢だった。
羞恥心から冷静さを失いつつも、即座にスカートの中身が見えないようにばっと手で抑える。
そして拘束が緩んだ隙を見逃すお燐ではなかった。
「キスメ! 今だ逃げるよっ――っていねぇ!? アイツあたいを置いて逃げやがった!」
相棒の薄情っぷりに涙しながらもすぐさまばっと空を飛んで逃げるお燐。その速さは脱兎の如く。
「逃がすかぁ!」
霊夢はすぐさま起き上がり体勢を立て直すものの、下に何もはいていない状態で空は飛べないことに気付く。
霊夢は「う゛~」と涙目で唸り声を上げて数秒躊躇した後、
「ちくしょ~!」とヤケになったように叫び声を上げながら、お燐とキスメの飛んでいく方向へと走って追いかけた。
そして後に残るのはゆっくりれいむのみ。その視線の先には霊夢のパンツがあった。
『……ゆっくりしていってねぇ』
ゆっくりれいむは霊夢達の走り去った方向を向いた後、ぽつりと呟いた。
ゆっくりは下着を着用しない。それもそのはず、生首に下着なんて着ける場所はない。
と、いうよりも下着を着けるという概念すらなかった。
だから霊夢がパンツを脱ぎ脱衣籠に放り込んでも何も思わなかったのだ。
けれども、先ほどの皆のパンツに対する執着ぶりを見ているとムラムラとなんともいえない感情がゆっくりれいむの中に沸き上がった。
パンツというものはどのようなものなのだろうか?
これをつけると一体何が変わるというのだろうか?
何故皆霊夢のパンツを求めるのか?
いや、もはや理屈はどうでもいい、目の前におにゃのこのパンツがあるのだ。被れ。食え。
ゆっくれいむの奥底で眠りから目覚めた本能らしきものが声をかけてくる。
『誰もいないよね!』
幸いにもパンツは目の前にある。
ゆっくりれいむはキョロキョロと周囲を見回す。
警戒しすぎだと思うが、それにしてもこしたことはない。
そう、今からゆっくりれいむはパンツを身につけ、五感でその全てを感じ取るのだ。
ゆっくりれいむは好奇心を中心とした様々な感情を発生源としたドキドキワクワクに頭を高鳴らせながら、霊夢のパンツを被った。
その瞬間、世界が反転した。
霊夢のパンツ。
それを着けている際は弾幕ごっこはしないと彼女は誓っていた。
それゆえに誰にも見せない、不可侵の乙女の聖域。それを犯す快感がそこにはあった。
被って感じることとして、まず景色が違う。
太ももを通すであろう二つの穴から見る景色の素晴らしさといったら、
西行妖がたとえ満開になったとしても霞んで見えるであろうと思うほど。
次に肌触りが違う。
頭を包み込むそのしっとりとした柔らかさといったら我が子を守る聖母のよう。
それは霊夢のスベスベの白い太もも、きゅっと引き締まった可愛いお尻、将来生命を宿す揺り篭となるであろう温かい下腹、××××(検閲済み)を包み込んだこの世で最も優しい布。
更に匂い。
夏の気温はパンツに霊夢エキスを存分に染みこませ、極上の芳醇な香りを放っている。
その匂いを思い切り吸い込むと、
朝風呂から上がってきてパンツを履く霊夢、魔理沙を初めとした友人達と笑いながらだべる霊夢、
お茶を飲んでほっと一息をつく霊夢、ゆっくりれいむのご飯を鼻歌を歌いながら作る霊夢と、
霊夢の過ごしてきたであろう一日が脳裏を駆け巡る。
そして、お燐達が最も重要視していたもの――
『どれ、あじもみておこう』
スカートという通気性溢れる衣装を身にまとったがために、
蒸らすという霊夢エキスを染み渡らせる一工程が犠牲にされたが、
その代わり風を存分に受け乾燥させることで霊夢エキスが旨味を凝縮させる。
それは中国の超高級食材乾燥アワビを遥かに凌駕するに違いない。
ゆっくりれいむはぺろりと舌を伸ばして霊夢のパンツを舐める。
『ンほおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』
瞬間――ゆっくりれいむは歓喜の雄叫びを上げた。
これを表現できる言葉をゆっくりれいむは知らなかった。
ただ――理解した。
今までの自分は死んでいたのだ。これより本当の意味で生きるということが始まるのだ。
あぁ、生首妖怪ゆっくりしていってね。
自らの姿形の意義は、その生はこのときのためにあったのだ。
「ねぇゆっくり、何私のパンツ被って絶叫してんの? 」
主人の声が背後から聞こえ、ゆっくりれいむは現実という名の地獄に引き戻された。
積んだ。ゆっくりれいむはその声を聞いた瞬間で自らの生の終わりを直感した。
「逃げ出したバカ共を捕まえて戻ってきたら、ゆっくりの大声が聞こえたんだもん。びっくりしたな~」
ゆっくりれいむにとって霊夢の猫なで声は、
聖書に書かれていたこの世の終わりを告げる笛の音のような響きがした。
そういえば主人は亜空穴という、瞬間移動のような技を持っていた事を思い出すゆっくりれいむ。
走って追いかけるのではなくてそれを使えばいいことに気がついて、そしてそれを使って帰ってきたというところだろうと理解した。
ゆっくり、ゆっくりと振り向くと、そこには両手にお燐とキスメを引きずっている霊夢。
そして上を見ると、大好きな霊夢の笑顔。
ただし返り血がこびりつき、赤く染まっている。誰の血であるかは言うまでもない。
先ほど霊夢の顔を羞恥心で真っ赤に染めた者達のものであろう。
『ゆ……ドロボーかられいむのパンツを守ってたよ! 大事にかぶってたよ!』
「へぇ、いい子ね」
『ゆっくり褒めていってね! いますぐ褒めていってね!』
「いいわよ、よしよし」
霊夢はにっこりと、口の端が耳に掛かるほど大きく笑いながらゆっくれいむの頭を撫でた。
そう、自らのパンツごと。優しく、優しく。
ゆっくりれいむはガタガタと震えだす。恐怖で震えが止まらない。
ここまでの命の危機を感じたことは以前pix○vに【霊夢 R18G】タグのイラストを投稿したことが霊夢にバレた際以来だ。
『ゆっくりしていってね! わたしちょっとおでかけしてくるね! いってきます!』
「駄目」
『…………………………』
「…………………………」
『…………………………』
「…………………………」
『…………………………』
「…………………………」
『へるぷみー』
「キルユー」
「お姉さん熱いって! 猫鍋ってこんな殺伐としたものじゃないからっ!」
「…………(コレクションしたギャルのパンティと共に漬けられ、その生涯に悔いなしだと思っている)」
『季節はずれってレベルじゃねー!』
「らん♪ らん♪ らら♪ らんらんら~♪」
上機嫌で鼻歌を口ずさみ夕食の準備をする霊夢。今晩の献立は猫鍋と漬け物とお汁粉である。
後日、自らの主人のパンツを被ったゆっくりが多数目撃されることになったというが、すぐに収まった。
幻想郷はいつも平和である。
※8月31日 若干修正
- 何気にカテゴリー①と対になってるタイトルですねw
AAのキスメ以上に、れいむの描写がいい意味でむかつくんだけど、その後の
被った時の描写の真剣さや、怯えぶりが何とも
戻ってきた霊夢が割と本気で怖いけど、合間に見え隠れするネタ(pixivに投稿とか)
で余計に噴きましたw
にしても何故ここまでエロくないんだろう -- 名無しさん (2010-09-01 22:07:45)
- これは完全にアウトww
この幻想郷はもう本当に駄目かもしれんねwそしてお燐の行動に対するさとり様の反応が気にかかるw -- 名無しさん (2010-09-20 13:20:40)
- 変態しかいねえwwww
-- 名無しさん (2016-05-12 21:15:00)
最終更新:2016年05月12日 21:15