個人的には秋が来たのか微妙な気分ですが、秋になりました。
食欲の秋 スポーツの秋 色んな秋があります。
そして今回ゆっくり達が見せる秋は…ずばり!出会いと別れの秋です。
そしてあの二人組も再登場!楽しみにしてください。
この小説は銀魂のパロディ小説です。
碌なゆっくりが出てきませんし
ゆっくりたちが酷い目に会う場合もあります。
それが気に入らない場合は席を御立ちに、
大丈夫と言う方はそのまま物語をお楽しみください。
てゐ魂、第三十話「自然を甘く見るな。」
「…むらさ、ここで間違いないんだろうな?」
「あ、はい!何度も周辺の人に聞いてみたから、間違いないと思います!」
そんなやり取りを繰り広げているのは、胴無しゆっくりと人間のコンビと言う、
ゆぶき町では割と珍しい組み合わせだった。
人間の国ではそれなりに有名な雑誌 月間 ゆっくりラブの専属カメラマン 大月正信
その後輩のゆっくりむらさ。
今、この二人は再びゆっくりの国を訪れ、スナック封魔録の二階にある万屋ってゐ!の出入り口の前に立っていた。
目的は一つ、万屋にある依頼をするためだ。
「それにしても、ずいぶんボロ臭い事務所ですね。」
「探偵事務所然り、弁護士然り、優秀な奴が経営している事務所はどこかボロ臭いものさ。」
そんなやり取りを広げながら、大月はインターホンを押す。
そして、中からゆっくりが出てくるのをじっと待つのだが…。
「…おかしいな?チャイムは何度も押しているのに、誰も出てこない。」
と、いう理由から二人とも玄関の前で待ちぼうけを食らっているわけである。
「留守なんですかね?」
「いや、それは無い、一応事前に電話で連絡はしたし、それに…。」
大月は視線を玄関の方に向ける。
玄関はガラス戸になっていて、玄関の中をのぞくことができる。
玄関に置かれているのは、胴無しゆっくり用の足拭きマットと、きちんと並べられた、一足の靴。
ちなみに下駄箱のようなものは、見える範囲では見当たらない。
「靴があるって事は、少なくともてんこってゆっくりは出かけていない。」
「ああ、なるほど!相変わらずの鋭い洞察力ですね、先生!」
むらさは大月の洞察力に驚いている。
対する大月は考え事を始める。
「さて、問題はどうやって中に誰か居ることを確認するかだけど…。」
「…あ。」
と、突然むらさが玄関に近寄っていく。
「どうしたむらさ、また何か見つけたのか?」
「先生…この玄関、鍵が掛かっていません。」
「え?」
大月が玄関の扉に手をかけると、玄関は何の苦も無く、スッと開いた。
玄関の奥は、普通に居間まで続いている。
「………。」
大月とむらさは無言でお互いの顔を見合わせた。
~☆~
「…………。」
「………何をやってるんだ、お前達…。」
万屋に乗り込んだ大西とむらさが目撃したもの。
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「おいぃ!?なんだか知らないやつが勝手に家に上がりこんでいる不具合!」
「てんこ!あんたもしかして玄関の鍵を閉め忘れたの!?
駄目じゃん!ちゃんと鍵かけなくちゃ!」
それは避難訓練よろしく机の下に潜り込んだてゐ達の姿だった。
「れみりゃ!玄関に鍵をかけて来て!今すぐ!」
「りょ、了解したど!」
てゐの言葉を受けてれみりゃが机の下から飛び出していく。
玄関に一直線で向かうれみりゃを見送って、大西とむらさはてゐと向き合った。
「…あの、てゐさん久しぶりですね。」
「人の家に土足で上がりこむような人間とゆっくりに知り合いなんて居ないけど?」
「オイオイ、勝手に家に上がった事をマジで怒っているのか?」
「…何さ、馴れ馴れしく話しかけないでよ、おじさん。」
「おじさん!?まさか本気で忘れたのかよ!って言うかちょっと前に電話で連絡入れただろ!
俺だ!月刊ゆっくりラブの専属カメラマン、大月正信だよ!」
「…あ、そのちょっとピザな体型見てたら思い出したわ、確かあの砂吐き雑誌のカメラマンでしょ?」
「ピザ体型は言うな!」
「ふう、鍵をかけてきたど~!」
大月達とてゐがそんなやり取りを繰り広げているうちにれみりゃが戻ってくる。
「おし、それじゃああんた達も机の下に避難して、非難して。」
てゐはそう言って大月の足に耳を絡める。
「え?オイ、ちょ!」
グイッ!
大月は尋常じゃない力で机の下に引きずりこまれた!
「お、大月さん!」
「ハイ、お前も急いで机の下に避難するんだど!」
「え!?ちょ!」
むらさもレミリアに押し込まれる形で机の下に無理やり移動させられる。
「ちょっと!いきなりこんな所に押し込めて何のつもりですか!」
勿論、こんな事されて黙っているようなむらさや大月ではない。
すぐにてゐ達に文句を言ったが…。
「…しっ、死にたくなければ、黙っているべき、そうすべき。」
そう言ってきたてんこに口をふさがれる。
ピンポーン。
その直後、玄関のほうからチャイムの音が聞こえてきた。
「てゐさ~ん、みま様に言われて家賃の回収にやってきました~。」
聞こえてきたのは万屋の下にあるスナック封魔録で働いている従業員、ことひめの声だった。
「オイ、何かお前に用があるみたいだぞ、出ないのか?」
大月がてゐにそう話しかけるが。
「しっ、いいから黙って机の下に隠れてるの、
心を無にして完全に気配を断つんだよ!そしてその身体を宇宙と一体化させるんだ!
さすれば道は開かれん!」
「何だ、その壮大な話は!」
思わず突っ込んでしまった大月であった。
「………。」
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「てゐさん、何かてんこちゃんが無を極めすぎて宙に浮いちゃってるど。」
「…てんこ、ホントに悟りは開かなくていいからね。」
てゐはそう言っててんこの頭を叩き、てんこを俗世に引き戻す。
「…なんだか自分と言うものがちっぽけな存在に思えてきた感。」
「そう、よかったね、でももう二度とあっち側に踏み込まないでね。」
…そうこうしている内に玄関が急に静かになる。
「…なんか、急に静かになりましたね。」
「…油断は禁物だよ、まだじっと息を潜めているんだ…。」
「…俺はこんな所で何をやっているんだ…?」
机の下で息を潜めながら大月は思わず深いため息をついてしまった。
「だから、喋るのはやめてってば!もし外に居る連中に気づかれたら…。」
「何か子供の頃のかくれんぼみたいで、何だかドキドキするわね。」
…てゐの頭上から聞こえてきた、予想外の声。
てゐは恐る恐る、自分の視線を上に向けて見た。
レ::::::::::,-ヽ! >´` ~~~~~ `イ::|
ノ:::::::::::::',::!, ヽ ~ン ヘ|
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「ようお前ら、いい加減家賃払え。」
「ぎゃあああああああああ!」
いつの間にか机の裏に張り付いていたことひめを見て、思わずてゐ達は机から転がり出てしまった。
ことひめはびびりまくるてゐを見ながら、机の上から地面に着地する。
「あんたねぇ、こんなうら若き乙女を見てそんなホラー映画を見た時の様な脅えた顔をしないでよ。」
「いや、実際脅えてるんだが…。」
呆れ帰ることひめに対して大月がそうツッコミを入れる。
ちなみに彼は完全に腰を抜かしている所為で立つ事さえ出来ない。
「か、鍵はかけたはずだど!お前は一体どこから入ってきたんだど!?」
れみりゃが周りのゆっくり達が今一番言いたい事を問いかけてくる。
「あんなちんけな鍵、私にとっては簡単に開ける事が出来るわよ。」
ことひめは口の中から針金を取り出して自慢げにそう言った。
「ま、そういうことさね。」
ことひめに続くように、後ろからそんな声が聞こえてくる。
_, ー、 ,. -‐- 、
,. ´::::::::::::::::| ,.:'⌒ )
./::::::::::::::::_:::::::::! i ⌒ヽ.
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//ヘ Y´::::::::::::::::::::::, -─- 、| // ` ー'´
!lf-z,へ,ヘ:::::::::!>_,.{ _j!-一 、 '´
チ´.:.:.:.:.:.ィ.:.:ヽ:.:.:.:.:`.:V1て_ 7  ̄ Y!
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/ i.:.:.:.:.i.:./ゝ、_ /ゝ、.:.:!.:.:i´ヽ \j.j
〈 ',.:.:.:.レ'(ヒ_] ヒ_ン メヽ.:. `.:;〉
ヽ,:.:.メ" " /:.:/.:/
7人 --( /.:.:/.:,'
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てゐ達が振り向くと、そこにはこの万屋の家主であり、スナック封魔録のママであるゆっくり、みまが立っていた。
「さて、いい加減に今月は家賃を払ってもらおうか。」
みまはてゐ達にそう要求する。
そんなみまにてゐはこう言った。
「いやだねぇババア、無いものはどうやったって払うことが出来ないよ。」
「何開き直ってるんだい!いい加減にしないとここから追い出すよ!」
みまは凄い剣幕でてゐにそう言った。
「あの~家賃はもうちょっと待ってくれないかなぁ?」
「あんた先月も同じ事言ってなかったかい!?」
そして、てゐとみまは家賃についてもめ始める。
その様子を呆然とした目で見ているむらさ。
「…先生、何だかお取り込み中みたいだし、一度万屋を出ますか。」
むらさはそう言って大月のほうを向く。
「…悪い、起こしてくれないか、まだ腰が抜けて立てない…。」
大月は皮肉のような笑いを浮かべてそう言った。
「まったく、世話の焼ける!」
むらさはそう言うと、アンカーを取り出してケツに突き刺した。
ブスッ
「ぎゃあああああああああああ!」
その弾みで立ち上がる大月。
「立ち上がれましたか?先生。」
「む、むらさ、もう少し穏便に立たせる方法は無かったのか?」
「胴無しゆっくりの私じゃあ先生のようなでか物を立たせるにはあの方法しかないでしょ、
それより、ここは一旦引き上げて、ほとぼりが冷めたらまた尋ねましょう。」
「そ、そうだな…はぁ、あまり時間が無いのに、ここで足止めとはなぁ…。」
ため息をつきながら大月とむらさは万屋を出る。
二階にある万屋から下の様子を見下ろすと、そこには一台の自動車が置いてある。
大月がレンタカーショップでレンタルした乗用車だ。
二人は下まで降りると、そのレンタカーに乗り込む。
そして大月がハンドルを握り、そのまま車を動かし始めた。
「とりあえず、町を一周してまた万屋に戻ってみるか。
その頃にはほとぼりも冷めてるだろ。」
車を運転しながら大月がそんな事を呟いたそのときだった。
「いやぁ、悪いけどそれは勘弁してくれないかな、百%あのババアが待ち伏せしてるから。」
後ろの座席からそんな声が聞こえてきた。
ちなみにむらさではない、彼女は隣の助手席に座っている。
大月は一旦車を止めたあと、後部座席の方を見てみた。
「へぇ、これが人間の国の車ねぇ、スィーと違ってなんか開放感が無いね。」
「シートがふっかふかだど~うっう~☆」
「このヒモのようなものは何ですか?誰か教えるべき、死にたくなければ教えるべき。」
そこには車の中を見回しているてゐと、座席の上で飛び跳ねてるれみりゃと、
珍しいものを見る目でシートベルトを見つめているてんこの姿があった。
「なぁ!?お前らいつの間に乗り込んだ!?」
大月はてゐ達の姿を見て驚いた。
無理も無い。
てゐ達が万屋の中でみまともめている姿を最後に確認してから車に乗り込むまでの時間は一分にも満たない。
その間に先回りして車の後部座席に潜り込んだんだから常識はずれの早業としか言いようが無い。
「いやぁ、私たちも今、せっかくの依頼人を逃がす訳には行かなかったからさ。
…で、私たちに何の用があってきたの?報酬の件も含めてしっかり教えてもらわないと。」
てゐは大月にそう話しかけてくる。
大月は戸惑いながらも、てゐに依頼の話をしようとしたその時だった。
「こらてゐいぃいいい!まだ話は終わってないよぉおお!」
車の後ろのほうからそんな声が聞こえてきた。
「!?まずい!追いつかれたか!」
てゐはそう言って車の後ろの窓から外の様子を見てみる。
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ヽ_j\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 寿 |
 ̄\/ヽ | 結 納 | ,-─-、 . ,-─-、 |
|0.l | |_/ ,-、ヽ____/ ,-、 ヽ_─
ヽ_j\|__________| ヽ', -' ノ ヽ', -' ノ
 ̄ ̄  ̄ ̄ `ー一' `ー一'
大月の乗ってる車の後ろから、みまとことひめが凄い形相でスィーに乗ってこちらに迫ってきていた。
「まずい!あんたすぐに発進して!あいつを振り切って!」
てゐは大月にそう指示を出す。
「え!?いや、急に言われても!」
いきなり指示を出されて戸惑う大月。
と、遠くからみまとことひめの声が聞こえてくる。
「みまさん!あのてゐの乗った車、動き出そうとしてるよ!」
「そうは行くかい!スィーをぶつけてでも止めるんだよ!ことひめ!」
「了解しました!」
何か、物騒な会話が聞こえてきた。
そんな事されたら、中に居る連中もただじゃあ済まないし、
何より車に傷が付いて、レンタカーショップに弁償しなくちゃいけなくなる。
「先生!早く発射しましょう!」
「そ、そうだな!」
大月はアクセルを深く踏み込んで、車を急発進させた。
ト、 .| .|
__|\,>-─‐‐ , - 、_ /| .| .|
⌒ヽ,.∠::-──-( ノ )`メ /__|_」__
/::::::::::::::::::::::::::::::`゙'::<´ <. /
〈::::::;:> ''ア´ ̄`Y'`"<::`::、::`Y´|
.`f´/ ./ 八 ! ,ハ i }ヽ \l| |
iィ イ ==\/"== / │\:::ヽ
〈 |"U ,___, U"! ,イ |/|
. λゝ/// ヽ_ ノ ///|/八. ! | |
i iゝ、 'J / ,.イ \| | |
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! '´/i_.r'` ─r' レ ´ Ⅵ ヽ
', i { `>彡'´ j 〉
ヽ∧ハ'、 /}ノ lト、
゜ヾ、 //|/ :l| ヽ
ヘ -_.ノ/イハ:..:ハ ハ
{ミ/ー<彡'´ ′ }/ ハ
{ハ ̄ / ∧
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「なるほど、これは縛りプレイに使うものですね。」
「てんこさん!あんたシートベルトで何遊んでるんですか!」
てんこのアホな行為にむらさがツッコミを入れながら、車は目的地に向けて走り出した。
~☆~
「貴方が大月さんだね!入山許可は下りてるよ!ハイ!」
そう言って、管理人代行ゆっくりれいむが大月に向かってシールの束を差し出した。
シールにはバーコードが印刷されている。
「身体のどこかに貼り付けてつかうんだよ。
身体に優しい素材を使ってるから、剥がす時に痛かったり、かぶれることは無いからそこは安心してね。」
「ああ、解った。」
大月はシールを台紙から剥がすと、二の腕にぺたりと貼り付けた。
「お前達も貼っておけ、そうでないと不法侵入になってしまうからな。」
そう言って後ろで待機していたむらさとてゐ達に残りのシールの束を差し出した。
「ホイホイ。」
てゐ達はシールを受け取ると、それぞれ思い思いの場所にバーコードシールを貼り付ける。
「うっう~、羽につけるとおしゃれだど~。」
「ほう、経験が生きたな、なら私はどこに貼り付けるべきか?」
「あんたは言うまでも無いでしょ、そのまっ平らな胸ならさぞ張りやすいだろうし。」
「お前、ハイスラでボコるわ…。」
そんなやり取りを繰り広げながら、てゐはふと上を見上げる。
「…それにしても、まさか山登りをする羽目になるとは思わなかったねぇ…。」
てゐの視線の先には、目を見張るほどに高い山がそびえ立っていた。
季節が秋になったこともあってか、あちこちが紅葉で赤くなっている。
「仕事で、文明を捨てて山で暮らすゆっくりの取材をすることになりましてね。
それで、国が管理しているこの山に許可をもらって登ることになったんですよ。」
むらさはてゐにそう説明する。
「文明を捨てて山で暮らすゆっくり?そんなのホントに居るわけ?」
てゐがそんな疑問を抱いていると、れみりゃがこう言った。
「てゐさん、ゆっくりの中には都会の暮らしを捨てて山に篭るゆっくりがホントに居るんだど。」
「え?そうなの?」
「そうなんだど、割とテレビでよく特集を組まれてるど!」
そりゃ初耳だ、とてゐは驚きの表情をする。
「この山は国が管理しているから安全に自然に囲まれてゆっくりした暮らしが出来るんだよ!
どう?貴方も文明を捨てて山で暮らしてみたくない?」
と、管理人代行れいむがそんな勧誘をしてくる。
「いや、どんべえの無い暮らしなんて想像出来ないから遠慮させてもらうよ。」
てゐはそう言って断った。
「まぁそんな山でもそれなりに危険が付きまとう、今回お前達に依頼するのは
取材する間俺達のボディガードをしてもらうって事だ。」
大月はてゐ達にそう説明する。
「…山登りねぇ、何かメンドクサイなぁ…。」
大月の説明を受けたてゐは…やっぱりめんどくさそうな顔をしていた。
まぁ、この辺りは大月も予想が付いていたのか、やっぱりな、という顔をしていた。
「勿論危険の付きまとう依頼だ、報酬は大目に払う。」
「いや、どうせその報酬もあんたの安月給から払われるんでしょ?
正直、あんまり期待できない…。」
「俺は安月給じゃねーよ!これでもそれなりのもんは貰ってる!」
ごねるてゐに対して必死の説得を試みる大月。
仮にも何でも引き受ける万屋が以来を突っぱねるというのはどうかと思うだろうが、
実際、護衛をしながら山登りって結構つらい。
一万や二万くらいじゃあ、てゐも引き受けようとは思わないだろう。
「じゃあいくら出せるわけ?最低でも今月の家賃分は貰いたいんだけど…。」
「…今月の家賃分って、いくらぐらいなんだ?」
「…ごにょごにょ。」
大月の問い掛けにてゐはこっそり耳打ちした。
「…すまん、そんな金額払ったら俺達は国に帰れなくなる。」
「えぇ~こっちはいろいろな意味で命がけなんだから、そのくらい払ってよ…。」
「・・・何かてゐがごね出した感。」
「てゐさんだって何時までも家賃を滞納する訳には行かないから必死なんだど。」
その二人の交渉をちょっと離れた所から眺めているれみりゃとてんこ、
「あ~あの様子じゃあいつまで立っても平行線で話が進まないっぽい…。」
大月とてゐの交渉はまだしばらく続きそうだ。
「…あの~君達一応山登りに着たんだよね?何時になったら、山登りするわけ?
出来れば日が高いうちに行ってくれた方が、遭難の確率もぐっと下がるんだけど。」
と、ずーっとてゐ達の様子を見ていた管理人代理れいむがむらさにそう問いかけてきた。
「あ、すぐに上りますから安心してください!」
慌ててむらさがそう答えたとき、ある看板が彼女の目に入った。
「?あれは…。」
気になったむらさはその看板に近づく。
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 勝手にマツタケ持っていかないでね!!!!!!!!!
___,∧"´:ト-、 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄_ __
>,ゝ/ヽ、ノ::V:::_」∠::::7ァ_>ァ、 _,,.. -――C○ィ )  ̄ ̄\
.,:'ィiヽ':::_>''"´  ̄ `ヽ!, // ̄ヽ ゝ○o _ ヽ
/ キア'" ', 、`フ Y //\ / \`L_ ',
,イ / / ,ハ! / ! _!_ i ! Y .,' / ゝ、__,..-、\  ̄`i う) i
'、!,イ ,' /´___!_ i ハ _ノ_`ハ/ ノ | / i イ ,ヘ ヽ \ ` し' |
ノ ', レ、 !ァ´ノ_」_ノレ' レ' ソ`Y i、( ゝ、| 斗jナ ル ヽ、ナ‐- ',ヽ、 ハ ! \
( ソ'´ Vi (ヒ_] ヒ_ン ハヘノ' T{∧{ (ヒ_] ヒ_ン ) i} リ `T ‐ヽ
y'´ ! !. '" ,___, "'ノノハ _ノ ム!"" ,___, ""/ !_」
,' ! , ヽ、_,ゝ'"'" ヽ _ン '"',ハ ! ゝ._ノ人 ヽ _ン ∠ノ |
'、 ゝ、ノ )ハゝ、, ,..イノ ソ `ー‐ >, 、 _,. <_Z_ /ノ/
`ヽ(ゝ/)ヽ,ノイi,` ''=ー=':i´ノ´ンノ / ̄_ヽ`ー-一'イ==≠二
書かれていたのは、みのりこ、しずはの毎度おなじみ秋姉妹の絵であった。
もはや定番となったゆっくりして行ってね!!!の構図、
ただ吹き出しにはゆっくりして行ってね!!!では無く、勝手にマツタケもって行かないでね!!!!!!!!と書かれている。
ちなみに!!!の部分は書きすぎて吹き出しからはみ出していた。
「ほう、この看板は何ですか?」
「マツタケ?確かにこの時期が旬だど~。」
むらさの両脇かられみりゃとてんこが出てきてそれぞれ看板の感想を漏らす。
「…なんでこんな看板がここに立てられているんでしょう?」
むらさ自身が漏らした感想はそんな感じだった。
「あ~それはこの山に不法侵入するゆっくりに対する警告みたいなものだよ。」
と、今度は管理人代理れいむがむらさの上に乗っかってそんな事を呟いた。
「警告?一体何の…って言うか勝手に上に乗らないでください!」
むらさは頭の上に乗っかっていた管理人代理れいむを振り下ろす。
管理人代理れいむはさかさまに着地してしまったが、それでも気にせず、説明を開始した。
「この山、実はマツタケが良く取れることで有名で、
山のゆっくり達の主食になってるんだけど…。
最近、山に許可無く忍び込んでマツタケを盗んで行くゆっくりや人が多くてさ…
だからこの看板を立てて注意を促しているんだよ。」
「へぇ、マツタケですか、美味しいんですか?」
むらさがそう質問すると、管理人代理れいむはふふん、と胸を張ってこう答える。
「勿論、この山のマツタケは最高級品だよ!
よその国ではすっごく高額で取引されるぐらい!」
ピクン!
その時、れいむのその言葉に、一匹のゆっくりが反応した。
ギュン!
次の瞬間、凄い勢いでてゐがむらさの頭の上に乗っかった。
「うわ!また何勝手に乗っかっているんですか!」
いきなり頭の上に乗っかってきたてゐにむらさが驚きの声を上げる。
てゐは無視して、管理人代理れいむに話しかけてくる。
「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど…入山許可の降りてる私達は、あの山の物を取っても良いの?」
「え?…まぁ、一応分別さえわきまえてくれれば良いと思うけど…。」
「持ち帰りは?」
「それも分別をわきまえてくれれば…。」
管理人れいむのその言葉を聞いて、てゐはニヤリと笑う。
そして、大月の方へと振り向いてこう言った。
「…大月さん、依頼料の件はあんたの言い値で良いよ。」
「え?本当か!?」
それを聞いて大月はかなり驚いた顔になる。
「その代わり、山で拾ったものは全部あたし達万屋が持って帰るからね、それで良いかな?」
「別に良いぞ、俺達はゆっくりの取材が目的であって山そのものじゃあないからな。」
大月がそう答えると、てゐはよっしゃ!と自分の耳でガッツポーズを作る。
そして、てんことれみりゃの方へと振り向いてこう言った。
「てんこ!れみりゃ!車の中にビニール袋が積んであったよね!それ全部持ってきて!」
「わかったど!」
「9枚でいい。」
てんことれみりゃは車の中に乗り込んで、ビニール袋を探し始めた。
「…マツタケ採り放題と聞いたとたん目の色を変えるとは…実に貴方らしいですね。」
と、てゐの足元でむらさがそう呟き、ため息をついた。
「何とでも言え、こっちは色々ギリギリなんだ、金のためなら何でもするよ!」
「…相変わらず思考回路が普通のゆっくりとはかけ離れていますね、貴方は…。」
「確か人間の国では秋の味覚が不足気味なんだっけ…こりゃかなり儲かるかもしれないねぇ…ウヒヒ…。」
てゐが頭の中で利益を計算して涎を垂らしている。
「ちょ、涎垂らさないでください!貴方私の頭の上に載っているのを忘れているでしょ!」
むらさが慌ててそんなトリップ気味のてゐを下に下ろそうと、暴れまわる。
…が、どれだけ暴れても、てゐを下におろす事は出来なかった。
「…マツタケ探しに夢中になりすぎて、俺たちの事を忘れたりしないよな…。」
大月はそんなてゐ達を見て、一抹の不安を覚えるのだった。
~☆~
「よっしゃ!じゃあ気合入れて上るとしますか!」
「おぉ~!」
「ノルマは一人10本!30本見つけた奴は特別ボーナスで!」
「おぉ~!」
「てゐさん、その特別ボーナスって?」
「どんべぇ2カップ。」
「しょぼっ!松茸30本のボーナスしょぼっ!」
大量のビニール袋を頭に載せて、やる気満々のてゐ達、
その熱意はもはや松岡修三レベルだ。
「…あのビニール袋、俺が乗り物酔いしたときのために用意したものなんだけどな…。」
「まぁ、運転してると酔わないって言うし、良いんじゃないですか。」
そんなやる気満々のてゐ達を見て大月とむらさがそんな事を呟く。
こっちは何ともダウナー気味、まぁ、仕方ないね。
「よっこいしょ、それじゃあゲートを開けるよ!」
そうこうしている内に管理人代理れいむが山のゲートを機械の操作であけていた。
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てゐ達の目の前に山へと続く道が開けたのだ。
「それじゃあ、ゆっくり山登りを楽しんで言ってね!!!」
「おっしゃああああ!松茸は私達のもんだぁ!」
「お、おい!そんな勢いで上ったらすぐへばってしまうぞ!」
「…完全に松茸の事しか頭に入っていませんね、あいつら。」
管理人代理れいむの言葉に見送られて、てゐ達は山を登っていくのであった。
「…やれやれ、長い間この仕事してるけど、あんなに騒がしい人たちは初めてだよ。」
管理人代理れいむはやれやれと呟いた後、ゲートを閉じるために機械を操作しようとする。
その時だった。
「むきゅ~!そのゲート閉じるのちょっとまって~!」
突然聞こえてきたそんな声。
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\ /⌒(⌒{ノー{_ノ⌒ノ /イ7⌒7/ハ._>
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}ハ | レ'^ { ー>r‐┼ァ ∧ (. -x―、 `、|
/7 7くヽ. ヘ}く ∧_ゞ.__レ'}⌒{ ///>‐{ `、 '、 |'
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| | :| :| く〉 ̄ ̄ ∧___〉‐‐ }// ―イ| | } / // /
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見ると、マッチョ体質のぱちゅりー「まちょりー」がすごい勢いで山の方から駆けてくるではないか。
しかも、背中には荷物を担いでいる。
「あれ?あのまちょりーは…。」
管理人代理れいむはそのまちょりーを見て思い出す。
確かあのまちょりーはもっともこの山に長く住んでいるゆっくりだった気がする。
まちょりーはゲートを通り抜けると、ここまで全力で走ってきたのか、汗だくで膝に手を付いた。
「珍しいねまちょりーさん!貴方が山を降りてくるなんて殆ど無いことなのに。
何か急用でも出来たの?」
管理人代理れいむはまちょりーにそう話しかける。
まちょりーは管理人代理れいむの方へと振り向いてこう言った。
「むきゅ?何言ってるのよ、貴方忘れたの?」
「え?」
「貴方が昨日避難勧告を出したんでしょ?「山に特A級の危険生物が出たから山を降りてすぐに非難するように」って。
私の場合、下に持っていく荷物が多すぎてすぐに降りれなかったわけだけど。」
基本的にゆっくりの国が管理している山は比較的安全な場所である。
…だが、それでも極稀にとても危険な生物が出没することもある。
そんなときは山に住んでるゆっくり達に避難勧告を出し、
ふもとに設置してある避難所に危険生物が去るまで非難してもらう事になっている。
「所でさっき見慣れないゆっくり達とすれ違ったわ、あいつら何?
危険生物を追い出すための機動隊?それにしちゃあ武装らしい武装は何ももってなかったわね~
変わりにビニール袋を大量に持ってたけど。」
そんなまちょりーの言葉を横目に管理人代理れいむは思い出していた。
昨日、上の人たちから山に危険生物が出るから全員に避難勧告を出しといて、という指示を受けたこと。
たまたま昨日は深酒で酔っ払っていて、フラフラになりながらも山に住むゆっくり達に避難勧告を出した事。
…そして、酔っ払っていたれいむは、ついさっきまでその事を完全に忘れてしまっていたこと。
ちなみに山の中では携帯電話の電波も届かない。(避難勧告は伝書うーパックを使って届けた。)
しかも危険生物が出没してしまった以上、一度閉じたゲートは危険生物が出て行くまで開かない。(さっき開いたのは、まちょりーがまだ山を降りていなかったため。)
勿論、山の周囲の道もすでに閉鎖されているだろう、
つまりてゐ達が山を降りる手段は、無い。
「…やべ、やっちゃっちゃった。」
管理人代理れいむは冷や汗混じりにそう呟いた。
第三十話続く
- 大月ってサラリーマンだったのか?てっきりフリーだと思っていた -- 名無しさん (2011-02-03 16:47:59)
最終更新:2011年02月03日 16:49