やんでれでさでぃすとでしすこんなふらんちゃんうふふ…

※作者は新人です
※明治時代を意識してにわかの知識で書いてみました
※独自設定注意



鳥の鳴き声で私は眼を覚ます。
そろそろ起きなければいけない時間のようだ。
私はその場に立ち上がり、大きく伸びをする。
今日も幻想郷は良い天気だった。

私は家庭菜園を営んでいる。
まあ、家庭~と付けるくらいだから、予想は出来るだろうが、規模は正直に言うとあまり大きくはない。
だが、いくら小さくてもこの菜園は私の食いぶちでもあり、命綱だ。
そう考えれば、そう文句も言うべきではないのだろう。
私はそんなことを考えながら、外へ出かける準備を始めた。


何銭かの金を手にして、私は市場へ出掛ける。
目的は水と同居人の飯だ。
そこで、私は幾分かの水と砂糖を手に入れる。
私の家の近辺には井戸は無いので、どうしても飲み水は水売りに頼らざるを得ない。
「痛い出費だよな…」と思わず愚痴が出てしまう。
砂糖の方は…当然、同居人の飯だ。
私は砂糖だけをすするほど惨めな生活をしている訳ではない、と幾許しかない自尊心を自分の中で大きくする。
人間、弱気になったら負けなのだ。


「おにぇ~しゃま~~~!!」
「あしょぼ~よぉ~~!!!」
「きゃははは~~~♪」
「さぐや~!!だずけで~~!!!!」

「…おや?」
帰り道を急ぐ私に、子供のような声が聞こえる。
どこから聞こえるのかと辺りを見渡してみると、そこには空に浮いている生首があった。
あれは最近、この幻想郷でよく見られる『ゆっくり』というものだ。
そのゆっくりの中でもなかなかお目にかかれない『ゆっくりれみりゃ』1匹と『ゆっくりふらん』3匹が私の視界内にいた。

「さぐや~~~!!!!」
「おにぇえしゃま~~~~!!!!」
『ゆっくりれみりゃ』は泣きながら必死に『ゆっくりふらん』3匹から逃げようとしている。

知り合いの自称ゆっくり研究家という奴の話によれば、『ゆっくりふらん』は『ゆっくりれみりゃ』を常に追い求めているらしい。
捕まえた後に自身の住処にその『ゆっくりれみりゃ』を連れてきて、一緒に住むというものらしい。
ここまでならばほのぼのとした良い話だが、この話はそこで終わらない。

なんでも奴が言うには、ふらんはれみりゃを巣までお持ち帰りした後、れみりゃの羽を千切ってれみりゃを逃がさないようにするらしい。
そこでそのれみりゃが死ぬまで大事に大事に、しかし、時には痛めつけて泣かせ、そして決して巣の外かられみりゃが出ないようにしながら暮らしていくらしいのだ。
お前はそれをどこから見ていたんだ、と言いたくもなったが、
そいつは「やんでれでさでぃすとでしすこんなふらんちゃんうふふ…」とか訳がわからないことを言い始めた為、私はその場から逃げ出した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~~~~」
「おにぇしゃま~~~~~!!!!!!」
「つかまえたよぉ~~~~~~~!!!!」
「はやくかえろ♪かえろ♪」

どうやられみりゃがふらん達に捕まったらしい。
見ればれみりゃは3匹のふらんに全身を甘噛みされているようだ。

「ざぐや~~~~~~!!!!!だすげで~~~~~!!!!」

れみりゃは叫んでいるが、誰も助けられない。
4匹は私が手を伸ばしても届かない高さにいるのだ。
そして近くに私しかいない以上、当然誰にも助けられない。
れみりゃはそのままお持ち帰りされてしまった。

そうこうしているうちに私は自分の家までたどり着く。
自称ゆっくり研究家だという奴の話を信じれば、先程のれみりゃはこれから不幸な人生(?)を送ることになるだろう。
しかし、私は必ずしももそうなるとは思えない。
何故なら

「うっう~♪」
「おにいさんおかえり~♪」

私が家の中に入ると、同居人である『ゆっくりれみりゃ』と『ゆっくりふらん』が出迎えてくれた。
先程はまだ寝ていたようなので起こさずに出かけたが、どうやら私が出掛けている間に起きたようだ。

私はこの2匹を飼い始めるきっかけは突然のことだった。
ふらんがれみりゃの羽を口に咥えたまま、私の家に飛んできたのだ。
何故私の家に飛んできたのかはわからないが。
ちなみにれみりゃは「ざぐや~~~!!!」と泣いていた。
先程帰り道で見たれみりゃのように無理矢理お持ち帰りされたのだろう。

私もその時の気紛れで「おなかすいた~!」と言うふらんに砂糖を出したのが良かったのか悪かったのか。
いつの間にか、れみりゃも泣いていたのを忘れて砂糖にかじりついていた。

「「あまあま~♪しあわせ~♪」」

静かな私の家にそのような可愛らしい叫び声が響き渡る。
一人暮らしが何となく寂しかった私もそいつらに気を許し、そのまま2匹は私の家に住み着いてしまったのである。


何故先程のれみりゃが不幸だとは限らないと言ったのかはもうわかるだろう。
私の家に住んでいるれみりゃとふらんは非常に仲が良い。
まあ、暮らし始めたばかりの段階ではれみりゃはやはりふらんに怯えていたようだが、ふらんもれみりゃに特に危害を与えることもしなかったので、今ではすっかり仲が良くなってしまったようだ。

と、そんなことを考えている私の服を2匹が口で引っ張る。

「おなかすいた~♪」
「あまあまちょ~だ~い♪」
「わかったわかった」

私は食欲旺盛な2匹に苦笑しながら、先程買ってきた砂糖を2匹の前に置く。
勿論、出したのは買ってきた砂糖全てではない。
全部出したらこいつら全部食べてしまうし。

「うっう~♪しあわせだぞぉ~♪」
「おいしいね♪おねえさま♪」

満面の笑みを浮かべる2匹。
そんな2匹に私は癒されながら、今日の畑仕事に取り掛かる。
この2匹の笑顔をいつまでも見ていたいと願いながら。





後書き
ここのゆっくり小説を見て、私も何か書いてみたいと思い、とりあえず最初は短編と言う事で書いてみました。
これからここに投稿させていただくこともあるとは思いますが、よろしくお願いします。

ちなみに、私の中のフランはお姉様一筋です。

  • かわいいなぁ…これからもどんどん書いていって欲しいです!
    -- 名無しさん (2010-12-25 20:06:19)
  • れみふらはジャスティス -- 名無しさん (2010-12-31 02:37:25)
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最終更新:2010年12月31日 02:37