霊夢が味噌汁の出汁に使う煮干しを用意していると、飼いゆっくりが近づいてきた。
「にぼしちょーだい! おいしそう」
「ん? ほら」
「ありがとう!」
すぐに食べるかと思ったが、煮干しを咥えたまま奥に引っ込んでいった。
何だったのだろう、と味噌汁の用意に戻ると、ゆっくりがまたやってきた。
「にぼしちょーだい!」
「また? はい」
また煮干しを咥えたまま奥に引っ込み、どこかで食べて戻ってくる。
取ったりしないから目の前で食べればいいのに。
同じ作業を繰り返すゆっくりを見ているうちに、霊夢の胸に嗜虐心が沸き起こってきた。
「へいおかみ! にぼし!」
「はいはい」
渡したのは煮干しではなく、シシトウ。形は…まあ、似てないこともない。
シシトウを咥えてまたまた奥に引っ込んでいく。
その日からしばらく、ゆっくりは霊夢から与えられる餌を異様に警戒するようになった。
最終更新:2008年08月31日 05:36