ミリィのゆっくり冒険記 第三話

※ゆっくりを野生動物として扱われるのを不快に感じる方
※捕食種設定を不快に感じる方
※ゆっくりの戦闘シーンを不快に感じる方
※酷い目に遭ってしまうゆっくりがいるのを不快に感じる方
※素晴らしい小説を求めている方

は、この小説に合いません。
申し訳ありませんが、ゆっくりお引き返しください。

















それでも良ければどうぞ










子まりさはミリィの腕の中で怯えていた。
自分もこれから親のようにれみりゃに食べられてしまうのだろうか。
自分が何をしたのだろう。
両親と一緒にゆっくりしたかっただけなのに。
子まりさはこの世の理不尽さを嘆いていた。






ミリィは逃げていた。
あのゆっくり出来ない記憶から。
どこまで飛べばあの記憶から逃げられるのだろうか。
そんなことを考えながら森の中を飛んでいた。



「へぶっ!?」



…顔面から木の枝にぶつかった。







ミリィのゆっくり冒険記 第三話





「ゆぎゃぁ!?」

子まりさは突然の衝撃に驚いた。
そしてその衝撃の後、どんどん地面さんが近づいてくる。

「おそらをとんでるみたいぃ~~~」

地面に近づきながらそんな言葉を叫ぶ子まりさ。
そこには危機感の欠片も感じられなかった。
ピンク色の地面にぶつかった時『ぼよん♪』といい音が聞こえた。
じめんさんってこんなにやわらかかったっけ?
子まりさがそう思った矢先、

「う~、いたいいたいなの~…」
という声が間近から聞こえた。







「う~…いたいいたいなの~…」

ミリィは下ぶくれした顔を抑えながら、仰向けに倒れていた。
顔面から木にぶつかって墜落してしまった。
痛む顔をさすりながら、ミリィは上半身を起こす。

「うぅ!?」

ミリィは腕の中に子まりさを抱えていた事を思い出す。
先程のゆっくりできない光景のせいで子まりさを抱えながら飛んでいた事を忘れていた。
顔と背中に走る痛みのせいで幾分か冷静になれたミリィは子まりさの無事を確認する。

腕の中を見ると、怯えた表情でこちらを見る子まりさの顔が見えた。







「う~♪だいじょうぶだいじょうぶ?」

子まりさは、れみりゃが自分に対して何を言っているのかよくわからなかった。


まりさ種に限らずゆっくりの基本種は、れみりゃ種を初めとする捕食種に対して恐怖を感じる。
彼女達が自分よりも食物連鎖の上位であり、自分達を捕食するということが本能で分かるからだ。
この子まりさも

「おちびちゃん!れみりゃやふらんはゆっくりできないんだぜ!ゆっくりにげるんだぜ!」
と、親から何度も言われた記憶がある。

子まりさは自分にとってれみりゃはゆっくり出来ないものだと考えていた。
しかし、今はどうなのか。
抱かれていると、とても暖かくてゆっくり出来る。


「う~♪ゆっくりしていくんだぞぉ~♪」


極度の緊張と涙を流し続けた結果、子まりさは酷く疲れていた。
子まりさがゆっくり眠り始めるまで時間はかからなかった。











「…ゆっ?」

子まりさが暖かい日差しの中、目を覚ました。
まだ眠いが、お日様の光が見えたら挨拶しなければいけないと親に言いつけられていたので、起きることにした。

「ゆっ!おひさまもゆっくりしていくんだぜ!」

今日もお日様に挨拶する。
お日様に挨拶をしたあとは、今度は親に挨拶しなければいけない。
そう思い周りを見渡すと、親の姿の代わりにピンク色の物体が見えた。

「ゆっ…?おかーしゃん?」

それが何かを確かめようとし、近づいてみると

「う~…まんま~…」
と声が聞こえてきた。

その物体が転がる。
どこかで見た顔が見える。
自分を抱えていた胴付きれみりゃの寝顔だった。



「ゆっ…!!」

その寝顔を見て子れみりゃは戦慄する。
先ほどの温かみなど関係ない。
れみりゃがいつ自分を食べてもおかしくないのだ。
食べられたくない!そう考えた子まりさの取る行動はただ一つ。

「ゆっくりねてるんだぜ、ゆっくりねてるんだぜ…」

子まりさは震えながら、ゆっくりゆっくりとれみりゃの元を離れて行った。









「ゆっ!おはなさんはゆっくりできるんだぜ!」

れみりゃの元から離れた子まりさは御飯を食べていた。
れみりゃの元を離れた安心からか、空腹感が生まれてきたのだ。
さらに、この辺はゆっくりがあまり多くないのか、ゆっくりの基本種であるまりさ種にとっての御飯が豊富にあったのだ。

「しあわせぇ~~!!!」
ご飯を食べている間の子まりさはとてもゆっくりできた。
親が食べられてしまった事も忘れることができ、とてもゆっくりできた。

満足できるまで御飯を食べた後、まだ子供だからなのか先ほどまで寝ていたというのにまたもやゆっくり寝ようとする。
「ゆ~…まりさはおねむなんだじぇ~…」
心地よいまどろみが訪れる。
次に目が覚めた時には、自分の両親が眼の前にいる。
そう願って。


しかし、まりさの願いは思いもよらぬ形で打ち砕かれることになった。
まりさの頭上に一つの小さな影が現れる。

「…ゆっ…?」

なんだろうと思い頭上を見てみる。
そこにいたのは…金色の髪に白いナイトキャップ、後頭部からは虹色の翼が生えている。

「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」

胴なしのゆっくりふらんであった。





「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」

子まりさの頭上にいるゆっくりふらんは子まりさを見て笑いながら叫ぶ。
この周辺に子まりさの餌が豊富にあった理由…それはこのふらん種のテリトリーだったからだ。
近くにいる野生のゆっくりならば当然のようにこの周辺に近づいてこない。
しかし、自分の意思でこの場に来たわけではない子まりさにとっては関係なかった。
ただ、空中に浮かんでいるそれを見上げながら叫ぶしかなかった。




「ふ、ふりゃんだ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!」




ふらんはストレスを感じてきた。
最近、自分のテリトリーに自分の獲物であるゆっくりの基本種が全く近づいてこないのだ。
獲物をいたぶりながらゆっくりを食べることで自身をゆっくりさせられるふらん種にとっては、とてもストレスが溜まる状況だったのだ。

最近は自身のテリトリーから遠出をして御飯を食べているが、あまりゆっくりできる状況ではなかった。
長距離を飛行することはふらん種にとっては向いていないのだ。
ふらん種はれみりゃ種に比べて力や飛行速度で上回るが、飛行距離や体力で劣る。
つまり、遠出をする度にかなりの疲労が付きまとうのだ。
だから、ふらん種はれみりゃ種に比べて頻繁に住処を変える。
(れみりゃ種が自身の住処に『こーまかん』と名付け、なかなか住処を変えないという理由もあるが)

しかし、この場には基本種にとっての餌が豊富にあったので、自分が離れた途端にゆっくりがわらわらと群がってくるかもしれないことを考えれば、ここを手放すのも面白くない。
そのようなジレンマを抱えていた時、自分のテリトリーに格好の獲物が飛び込んできたのだ。
今までのストレスを解消させるようにふらんは叫ぶ。

「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」



ふらんの動きは素早かった。
叫んだあと、あっという間に子まりさとの距離を詰めようと飛翔する。

「ふ、ふらんはどっかいくんだぜ!まりさになにもしないんだぜ!」

子まりさも逃げようとするが、ふらんのスピードからはとても逃げられるものではなかった。

「しねぇ!」
「ゆびぃ!?」

ふらんの体当たりが容赦なく子まりさに直撃する。
子まりさはまだ小さいということもあり、ものの見事に吹っ飛ばされる。

「ゆっ…ゆっ…やめる…んだぜ…」

子まりさの中身である餡子がシェイクされたような感覚に子まりさは吐き気を覚えた。

「どぼじで…まりさがこんなめに…」

子まりさは自身の境遇の不幸を嘆いていた。
しかし、その時間も長くはなかった。
またもふらんが目の前に迫ってきているのだから。

「ゆっくりしね♪ゆっくりしね♪」

そうして子まりさにとっての地獄が始まった。




ふらん種もれみりゃ種も同じ捕食種なので狩りはするが、そのやり方は異なる。
れみりゃ種は早めに食欲を満たすために、早期に決着をつけようとする。
早くあまあまを食べ、ゆっくりしたいからだ。

逆にふらん種はゆっくりを長い時間をかけて捕食しようとする。
ゆっくりをいたぶることは、ふらん種にとってとてもゆっくり出来ることだったからだ。
だから長い時間を掛けてゆっくりいたぶろうとする。
そして、それはこのふらんも例外ではなかった。
現にこの子まりさをいたぶり始めてから1分以上経つが、この子まりさはまだ
「や、やめ…ほしい…だぜ…」
と喋ることもできる。
何度も体当たりされた為に子まりさは傷だらけではあるが、まだ体から餡子は出ていない。
本来ならばふらん種にとって子供のまりさ種など、簡単に物言わぬ饅頭にすることが出来るのだから。
今回ばかりはそれがいけなかったのだろう。




「だめぇ~~~~~~!!!!!」




ピンク色の丸くて太い物体が叫びながら空から飛び出してきた。
その時の子まりさにはそれが何なのかわからなかった。
ただ、とにかく太くて丸かった。









後書き
ふらんは100m走の陸上選手、れみりゃは3000m走の陸上選手と考えていただければわかりやすいと思います。
ゆっくり達は自分がゆっくりする為に必死です。


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最終更新:2010年12月29日 22:46