※ぬるいいじめ?注意
大人なれみりゃとちょっと子供なお兄さん
「ん…?」
俺は眼を開ける。
え~っと…俺はなにやってたんだっけ…。
と、体を起こそうとしたところで、目の前の胴付き肉まんが視界内に入る。
そういや、こいつを抱き枕にして寝てたんだっけ…。
俺は気持ちよさそうな笑顔で胴付き肉まんの顔を突いてみる。
「う~♪」
相変わらず食べちゃいたいくらい可愛らしい寝顔だ。
胴付き肉まん…ゆっくりれみりゃと俺は一緒にゆっくりと日曜日の午後を過ごしていた。
「ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
俺は大きく伸びをする。
そういや、今何時だ…?
と、時計を探す。
俺の部屋には掛け時計がない。
理由は簡単。
時計など携帯で十分だからだ。
と、思っていたのだが、今はその携帯がどこにあるのか分からない。
こう言う時、掛け時計があったらと思うんだよな…と、心の中で愚痴る。
どうせ買うつもりなどないのだが。
「携帯、携帯…おお、あったあった」
さて、今何時かなっと…。
「うっう~♪おやつのじかんだっぞぉ~~~~!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
さっきまで眠っていた筈のれみりゃが大声を出しながら突然起き上がった。
俺はその大声に驚いて思わず悲鳴を挙げてしまった。
「う~?…おにいさん、おはようだっぞぉ~♪」
「…ああ、おはよう…」
笑顔で挨拶をするれみりゃに俺は反射的に挨拶を返す。
「うっう~♪おにいさん、れみぃおやつがほしいんだぞぉ~♪」
こいつのおやつの時間は3時と決めてある。
これはこいつが俺の家に来た時から決めてる約束だ。
じゃなきゃ、こいつは際限もなく食ってしまうし。
…まあ、こいつの主食は甘い食べ物みたいだから、はっきり言っておやつも主食と内容は変わらないのだが…。
…と、時間を確認するんだったな。
手元にある携帯を開く。
…3時2分か。
…ん?ということは、こいつ大体3時きっちりに起きたのか?
なんつー体内時計…。
呆れながられみりゃの方を見ると
「おやつおやつ~♪うぁうぁ♪うっう~♪あまあま~♪」
歌いながら踊っていた。
まあ、こいつは食べる時は本当にゆっくりしてるもんな…。
俺は、れみりゃのおやつに取っておいたプリンを取りに冷蔵庫まで歩く。
「うっう~♪ぷっでぃんぷっでぃんたべたいぞぉ~♪」
俺の後ろを踊りながら付いてくるれみりゃ。
どうせまた戻るんだから、居間で待ってりゃ良いのに。
まあそんなことも可愛いのだが。
れみりゃがプリンを食べる時に必要なのはプリンは当然として、スプーンに赤ちゃん用のよだれかけだ。
何故よだれかけが必要かと言うと、こいつはよだれかけがないと服を汚してしまうからだ。
そして、服を汚したら
「おにいさ~ん!!ふいてふいて~♪」
とか言って、服の汚れた部分を俺の前に付き出す。
そういう手間を省くためだ。
つっても、最初はスプーンも使えなかったのだから、それでも十分に努力したと言えるだろう。
まあレベルの低い話なんだけどな…。
俺は冷蔵庫からプリン、引き出しからスプーンとれみりゃ用のよだれかけを取り出し、居間まで戻る。
「ぷっでぃ~んぷっでぃ~ん♪」
れみりゃは俺の手の中にあるプリンを見て目を輝かせている。
こんなもん、そこら辺のスーパーで買ってきた物だってのに。
安上がりな奴だ。
俺達はさっきまで2人で寝てた居間まで戻り、テーブルの上にプリンとスプーンとよだれかけを置く。
よだれかけも一緒に置くのは、れみりゃに自分でよだれかけを付けさせる為だ。
(ビリビリ…)
俺が何でもやってやったら、こいついつまで経っても何も出来ないし。
マジックテープ式のよだれかけだから、幼児並に不器用なれみりゃでも付けることは出来る。
と、んなこと考えてたら、よだれかけを付けたれみりゃが俺の方を見ていつもの笑顔を見せていた。
「おにいさ~ん♪れみぃひとりでこれつけれたよぉ~♪えらいえらい~?」
ぴょんとぴょん飛び跳ねながら、一人でよだれかけを付けられた事をアピールするれみりゃ。
可愛い…。
いや、そうじゃなくて、それくらいは付けられて当然なんだよな、うん。
まあ、こいつがやる気を出す為には褒めてやんなきゃやっぱダメだろ、うん。
それだけだからな!
と、自分に言い訳しつつ、俺はれみりゃの頭をそっとなでてやる。
まあ、実際に俺が気付かないくらいに早かったしな。
「ああ、偉いぞ、れみりゃ」
俺の口から出たのは、平凡極まりないセリフだった。
そんなんでもれみりゃは嬉しかったのか、俺に頭を撫でられながらめっちゃ喜んでる。
「うっう~♪おにいさんにほめられたぞ~♪れみぃうれっし~ぞ♪うぁうぁ♪」
なんだこの肉まん。
可愛過ぎる。
そんなこと、絶対口には出さないがな!
「いただきま~す♪」
れみりゃは律義に手を合わせていただきますをする。
こうやって教えたことをきちんとやってくれているってのは嬉しいもんだな。
「うっう~♪あまあま♪だっぞぉ♪れみぃしあわせだぞぉ~♪」
「こらこら、食べながら喋るのはやめなさい」
これは以前から言っているのだが、なかなか治らないな。
「うっう~♪ごめんなさ~い♪」
わかってるのかわかってないのか、れみりゃは相変わらずの笑顔を見せながらプリンを頬張る。
やれやれ。
「ごちそうさまでしたぁ~♪」
手を合わせてごちそうさまをするれみりゃ。
う~ん、やっぱりまだよだれかけが汚れてしまっているな。
以前に比べたら大分改善はされてはいるのだが。
最初はよだれかけが甘い物でべっとべとになってたし。
れみりゃは立ち上がり、食べ終わったプリンをゴミ箱に、スプーンを流しに、汚れたよだれかけを洗濯籠に入れる。
おお、これもしっかり覚えていたんだな。
俺はれみりゃの成長に感動を覚える。
やっぱこいつもやれば出来るんだなあ、と。
「うっう~♪しょくごのかりしゅま☆だんすのれんしゅうだっぞ~♪」
と、言いながらいつもの
ダンスを踊り始める。
俺にはれみりゃのダンスが上手いのかどうかなんてわからない。
ぶっちゃけ見た目には手足と頭とお尻を不器用にばたばた動かしてるようにしか見えないし。
まあ、可愛いのでそんなことはどうでもいいのだろう。
「うっう~♪うぁうぁ♪れみ・りゃ・う~!!」
相変わらず笑顔なれみりゃ。
…こいつはいつも楽しそうだな。
たまには違うれみりゃの顔を見てみたいもんだ。
れみりゃの笑顔以外の顔を見る方法…。
俺はれみりゃの踊りを見ていて、その頭の上に乗っている物を思い出す。
帽子だ。
れみりゃは帽子を非常に大切にしている。
お風呂に入る時以外は絶対に外そうともしない。
最初はお風呂に入る時も帽子を外すのを嫌がっていたから、説得するのに苦労した。
…少し試してみるか。
俺は踊っているれみりゃの帽子を素早く奪う。
「…う~?」
れみりゃは何が起きたのかわかっていないようだった。
しかし、頭に違和感があるのか、そのふくよかな手で自身の頭を触ってみると、いつも大事にしていた帽子がない事に気付いたのだろう。
「うぁ~ん!おにいさ~ん!れみぃのぼうしなくなっちゃったぁ~!」
さっきまでの笑顔から一転、泣き顔になってしまう。
ああ、涙と一緒に鼻水も出てるよ。
…つーか、こいつ鼻あったんだな。
俺はれみりゃの帽子をさっとれみりゃの頭に帽子を乗せる。
「う~?」
れみりゃは自分の頭を触る。
帽子が戻っている事に気付いたようだ。
「うっう~♪かりしゅまふっか~つ♪だっぞぉ♪」
さっきまでの泣き顔はなんだったのか、一瞬にして笑顔に戻る。
俺はもう一度れみりゃから帽子を奪ってみる。
今度はすぐに気付いたようで、すぐに泣きだしてしまう。
「うぁ~ん!れみぃのかりっすまなおぼうしがぁ~~~!!!」
俺は帽子を戻す。
「うっう~♪おぼうしはっけ~ん♪だっぞぉ~♪」
…面白い。
う~ん、もう少しれみりゃの表情を見てみたいな。
…そうだ!
俺は冷蔵庫からプリン、引き出しからスプーンとれみりゃ用のよだれかけを取り出す。
勿論、さっきのとは別の物だ。
れみりゃは俺の手元にあるプリンを見て目を輝かせる。
2個目を食べて良いの?って目をしてるな。
…まあ、すんなり食べさせてもいいのだが、もう少しれみりゃの可愛いところ見てみたい。
俺はテーブルの上にプリンとスプーンとよだれかけを置く。
「うぁうぁ♪ぷっでぃ~ん♪ぷっでぃ~ん♪」
うわあ、満面の笑顔。
(ビリビリ…)
よだれかけを付けるのも早いし。
そんなにプリンが好きなのか。
…いや、俺はプリンに嫉妬なんかしてないからな!
「いっただっきま~す♪だっぞぉ♪」
れみりゃはスプーンを持ってプリンを食べようとするが…。
「…待て」
ここで俺の待てが入った。
「…う?おにいさん、な~にぃ?」
れみりゃは俺の顔を不思議そうに見ている。
まあ、当然だろう。
プリンを食べる時にこんなことを言ったことなかったし。
俺は無言かつ険しい顔のままれみりゃの顔を見つめる。
れみりゃは俺の顔とテーブルの上のプリンを交互に見る。
あ、ちょっと涎が出てきた。
でもれみりゃはプリンを食べない。
いつもと違う俺の様子に戸惑っているのだろう。
何だか可哀想になってきた…って我慢だ、我慢!
…ってか、れみりゃよりも俺の方が我慢しているような気がする…。
(30秒後)
…あ、涙目になってきた。
もうこれ以上無理、俺が限界。
「れみりゃ、食べて良いぞ、待たせてすまなかった」
「うっう~♪れみぃはいいこだからきにしないぞぉ♪いっただっきま~す♪」
れみりゃはプリンを食べ始める。
やはりれみりゃも必死に我慢していたのだろう。
さっきよりプリンを食べるペースが早かった。
…あ~、もう、俺何やってんだか…。
れみりゃに意地悪して馬鹿みたいだ。
俺は、プリンを食べ終わったれみりゃを正面からそっと抱き締める。
れみりゃは暖かかった。
「…う~?」
れみりゃは戸惑っているようだが、俺を振りほどきはしない。
…俺の方がれみりゃに甘えているのかもしれんな…。
「なあ、れみりゃ」
「う~?おにいさん、どうしたんだぞぉ?」
「今日の晩御飯は外で美味しいパフェでも食べに行くか」
「うっう~♪あまあまぱふぇ~♪れみぃたのしみだぞぉ~♪」
きゃっきゃと両手を上げて喜ぶれみりゃ。
意地悪をしたお詫びと言う訳じゃないが、俺はれみりゃの一番の笑顔が見たかった。
れみりゃは泣き顔も可愛かったけど、やっぱ笑顔が最高だな!
そんなことが確認できた日曜日の昼下がりだった。
「うぁぁぁぁぁ~~ん!れみぃのあまあまぱふぇがぁ~~~~~!!!!!」
俺の車の助手席で大泣きしている我が家のお姫様。
いや、これは俺が悪い訳じゃないぞ。
たまには奮発して高級そうなレストランにれみりゃと行ったのだが…
店内に入って席をどこにしようか探してた時、店員にこう言われたんだ。
「誠に申し訳ございません。当レストランはゆっくりは禁止にさせていただいております」
深々とお辞儀をされながら言われてしまったよ。
れみりゃを立ち入り禁止にされてるレストランなんかでゆっくり出来るわけがない。
仕方ないかられみりゃの手を引きながらそのレストランを出てきた訳だ。
「うぁ~~~~~ん!!れみぃあまあまたべたいよぉ~~~~~~!!!!!」
レストランから出る頃のれみりゃはもう大泣きしていたな。
んで、車に戻って違うレストランを探している訳だ。
「あ~もう、ちょっと待っててくれ」
「うぁ~~~~~ん!!!れみぃおなかすいたよぉ~~~~~~~!!!!」
俺は車を運転しながら、美味しそうなパフェを食べられそうな店を探す。
我が家のお姫様を泣きやませるのはもう少し時間がかかりそうだ。
やれやれ。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!」
やっぱれみりゃの悲しんでる姿はゆっくりできないな。
…笑顔が一番だな、マジで。
そんなことを考えながら、俺はハンドルを握り直した。
後書き
俺得です。
なんとなく中途半端な感じがしたので改訂してみました。
- お兄さん・・・羨ましいわ・・・
可愛い可愛いれみぃとの甘々ライフ・・・
あー!羨ましい!妬ましい!パルパルパルパルパル・・・ -- 名無しさん (2010-12-30 04:38:35)
- …とりあえず、おみせの偉い人におねがいしにいきたいです。
ゆっくりさん達もいっしょにしあわせーってできるようにー。 -- ゆっけのひと (2011-01-01 15:24:39)
- お店の人、後で屋上な? -- 名無しさん (2012-12-03 21:38:11)
- このレストランに関わってるもの全部爆発☆ -- れみりゃ好き (2023-11-06 20:24:03)
最終更新:2023年11月06日 20:24