※ゆっくりを野生動物として扱われるのを不快に感じる方
※捕食種設定を不快に感じる方
※ゆっくりの戦闘シーンを不快に感じる方
※酷い目に遭ってしまうゆっくりがいるのを不快に感じる方
※素晴らしい小説を求めている方
は、この小説に合いません。
申し訳ありませんが、ゆっくりお引き返しください。
それでも良ければどうぞ
ふらんとの激闘があった日の翌日…2匹のゆっくりが森の中を歩いていた。
「う~…おなかすいたぁ~…」
ピンクの洋服を纏い、お腹を抑えながら歩いているのは胴付きれみりゃのミリィ。
「ミリィもいもむしさんやくささんをゆっくりたべたらよかったんだぜ!」
もう1匹は金色の髪に黒い三角帽子を付けた胴なしまりさのマーサだ。
「あんなのたべものじゃないぞぉ~…ミリィはあまあまをたべたいのぉ~!」
「ゆっ…マーサもあまあまさんたべたいんだじぇ~!」
突然あまあまへの愛を叫ぶ2匹。
ミリィは甘味以外は食べることが出来ない。
そして、ふらんと戦った場所のような豊富な餌場はこの魔法の森にも早々あるものではない。
ミリィのお腹は『ぐるるるる~』と大きな声で鳴いていたのだった。
そんな2匹の前に…
「おお、胴付き胴付き」
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レ'"´ ル"レ
黒い髪に赤い小さな帽子を乗せ、黒い翼を付けた胴なしのしゃめい丸が2匹の前に現れた。
ミリィのゆっくり冒険記 第六話
「ゆあああああきめぇまるだあああああ」
「う~…おなかへったのぉ…」
基本種にとってのきめぇ丸種はれみりゃ種やふらん種と共に捕食種として恐れられている。
目の前に突然現れたら怯えるのも仕方ないだろう。
一方、ミリィは目の前のしゃめい丸のことなど気付いていないかのように自身のお腹をさすっている。
「きめぇ丸とは失礼な!私は清く正しいしゃめい丸でございます」
「うああっ!だれなんだぞぉ!いつのまにそこにいたんだぞぉ!」
しゃめい丸の叫びにミリィは両手を挙げてオーバーリアクションで驚く。
ミリィは本当に気付いていなかったようだ。
「清く正しいしゃめい丸でございます」
自己紹介を繰り返すしゃめい丸。
傍から見ていたらアホのようだが、この場では気にする者はいない。
「ミリィはミリィなのぉ♪よろしくだぞぉ♪」
「マーサなんだぜ!しゃめいまるはきめぇまるとはちがうんだぜ?」
きめぇ丸とはしゃめい丸をにやつかせた顔…一言で言えばキモイ顔をしたしゃめい丸だ。
元々はしゃめい丸の亜種だったが、きめぇ丸の数が増えてきたことで認知度がすっかり逆転してしまった。
ちなみにしゃめい丸種はきめぇ丸種を容認してはおらず、この2種は元々同じものから派生したと言うのに犬猿の仲となっているのが現状である。
「違います!金・輪・際!きめぇ丸とは呼ばないでください!」
「う~…それでしゃめいまるはミリィたちになにかようなのぉ?」
しゃめい丸は興奮していたようだが、気を取り直したように咳払いを一つ。
「いえ、貴方達が空腹だと言うのなら私の家でご飯を食べて行きませんか?あまあまもありますよ?」
と、あまりにもミリィ達にとって都合が良すぎる提案をしてきた。
当然、2匹は驚く。
「マーサはあまあまたべたいんだぜ!」
マーサはしゃめい丸の言う事をすっかり信じてしまっているようだ。
あまあまという言葉にすっかり喜んでしまっている。
「う~…」
一方、訝しげにしゃめい丸を見つめているのはミリィ。
ミリィはあまあまと聞いてあの出来事を思い出してしまう。
質問することに躊躇はしたが、マーサを二度もあんな目に遭わせる訳にもいかない、とミリィは決意を固める。
「う~…あまあまってゆっくりのこと…?」
「ゆっ…!」
その言葉を聞いてマーサは怯える。
もしかしたら、自分達の家族と似たような状況のゆっくりがいるかもしれないのだ。
マーサはそこまで考えが回っていなかった。
辺りに緊張感が走る。
ぐるるるるるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅ
緊張感を叩き壊すように地鳴りのような音が木霊した。
勿論、発生源はミリィのお腹だ。
しゃめい丸はマーサを一瞥する。
このしゃめい丸にとって、その時のマーサはどのように見えたのか。
すぐにミリィの方へ向き直る。
「あまあまというのは木の実や花の蜜のことですから大丈夫ですよ」
しゃめい丸種もれみりゃ種やふらん種同様ゆっくりを食べる捕食種ではあるが、捕食種の中には条件が揃えばゆっくりを食べる必要がない『饅頭断ち』をした捕食種も現れる。
どのような条件かと言うと、甘い食べ物が豊富にある環境…つまり、咲夜が料理を作ってくれる紅魔館等がそれに当たる。
ゆっくりを食べるのは甘味を欲しがっているということになるが、他の餌で補えればゆっくりを食べる必要はない。
このしゃめい丸が住んでいる巣の周りには昨日ふらんとミリィが戦った場所のように、甘い木の実や花の蜜が豊富であった為、しゃめい丸はわざわざゆっくりを探す必要がなかった。
一方、基本種のゆっくりもわざわざ捕食種のしゃめい丸のテリトリーに近寄ったりはしなかった。
故に、このしゃめい丸も結果的に饅頭断ちをすることになったのである。
最も、一度饅頭断ちをしたところで、それが続くかどうかはその捕食種の理性や環境の変化(例えば、餌が常に豊富にあること)などにも左右されるのだが…。
人間で言う煙草の禁煙のようなものといえばわかりやすいかもしれない。
尚、ふらん種はゆっくりをいたぶることでゆっくり出来るという性質を持っているので、饅頭断ちするふらんはまずいないと言っていいだろう。
マーサはしゃめい丸の言葉を聞いて安心する。
「ゆっ!ゆっ!マーサははやくいきたいんだぜ!あまあまたべたいんだぜ!」
「う~…マーサがそこまでいうんだったらしかたないぞぉ~♪」
嫌そうに言うミリィだが、滝のように口から出る涎を見る限りは説得力なんてものは無かった。
その声に合わせて、ミリィのお腹も『ぐるるる~♪』と嬉しそうに(?)鳴いている。
「ではこちらです。ゆっくりついてきてください」
「「ゆっくりしていくんだぞぉ~♪(だぜ~♪)」
こうして、ミリィとマーサの2匹はしゃめい丸にホイホイお持ち帰りされてしまったのだ。
「あまあま~♪しあわせ~♪」
「ゆっ!ミリィ!マーサのぶんまでたべちゃだめなんだぜ!」
「沢山ありますからゆっくり食べてください」
しゃめい丸の巣は木の上にあり、鳥の巣を思わせるような作りだった。
その木の下で3匹の食事が始まった。
「う~♪もうおなかいっぱいなのぉ♪ごちそうさまだぞぉ♪」
「ゆっ!ゆっ!あまあまたべてゆっくりできたんだぜ!」
食べてすぐ寝転がるマーサに、手を合わせて『ごちそうさま』をするミリィ。
「しゃめいまるありがとうだぞぉ~♪ミリィたちはとってもゆっくりできたんだぞぉ~♪おれいにミリィのかりすま☆だんすでしゃめいまるをゆっくりさせてあげるんだぞぉ♪」
立ち上がり
ダンスの構えをとるミリィ。
一見不格好な踊りではあるのだが、ミリィにとっては最大限のお礼であった。
「いえいえ…それよりミリィさんに少しお話を聞かせていただきたいのですが」
「う~…ミリィの?」
ミリィは自信を持っていた踊りを見せられないことは残念ではあったが、目的はしゃめい丸にゆっくりしてもらうことだった。
断る理由は無かった。
「しゃめいまるがゆっくりできるのならミリィはそれでいいぞぉ♪」
「ありがとうございます。それでは、ミリィさんはどうやって胴付きになれたのですか?」
「う~…?どうつき~…?」
しゃめい丸の質問に、ミリィはしばらく考える。
自分はいつこの胴体を手に入れたのか。
しかし、思い出そうとしても霧のようなモヤモヤとした感覚に囚われる。
そして、それはとてもゆっくり出来ないものであることはわかった。
「う~…ごめんなさいだぞぉ…わかんないぞぉ…」
申し訳なさそうに謝るミリィ。
それを聞いたしゃめい丸も残念そうにしているので、ミリィはますます落ち込んでしまう。
「そうですか…おお、無念無念…」
「で、でも!まんまぁといっしょにいたときはまだミリィはどうなしだったのぉ!…う?」
しゃめい丸を失望させたくない、という一心で必死に過去を思い出そうとするミリィ。
だが、自分の記憶に違和感を覚えた。
自分は胴付きになれた、しかしまんまぁはいつの間にかいなくなってしまっていた。
そして、いつか見た光景。
何かが胴なしれみりゃを殴り、そして紅い槍に貫かれる光景。
…自分はそれをどこから見ていたのだろうか?
それを考えた瞬間、ミリィは意識を失った。
ミリィは夢を見ていた。
それは確かにどこかで見た光景。
「ミリィおそとにでてみたいぞぉ~…」
ミリィはまだ自分が胴なしで母親が健在だった頃、紅魔館の中で咲夜とまんまぁにそのようなことを言ったことがあることを思い出した。
ミリィはまんまぁから外でのお話を聞いて以来、出たことのない外に憧れをもっていたのだ。
しかし、咲夜が「外はミリィ様を食べようとする妖怪がいて危険です」と言って紅魔館の外には決して出してもらえなかった。
しかし、ある日、咲夜とまんまぁの隙を見て紅魔館の外に思い切って出てみたのだ。
そこには紅魔館の中ではわからないほどの広さの世界があった。
広くて青い空にどこまでも続いているような地平線。
そこにはミリィが求めていたものが確かにあった。
ふとミリィが下を見てみると、何か黒い物が飛び跳ねているのが見えた。
それに好奇心を持ったミリィは翼を羽ばたかせる速度を変え、高度を下げて行った。
高度を下げたミリィが見たものは「れ、れみりゃだあああああああああああああ!!!!」と叫ぶ黒い髪に赤いリボンを付けたゆっくりれいむだった。
このゆっくりれいむは捕食種であるれみりゃ種のことを知っていたので逃げようとしたのだが、恐怖でその場から動けなかった。
一方、ミリィの方はゆっくりれいむどころかまんまぁ以外のゆっくりを見たのは初めてだった。
しかも紅魔館で大事に大事に育てられてきたので、本来野生の動物に備わっているはずの警戒心というものが全くなかった。
まだ赤ちゃん故の好奇心を発揮したミリィは、固まっているゆっくりれいむにいつもまんまぁとやっているす~りす~りをやり始めた。
これに戸惑ったのがれいむの方だ。
れいむは「れみりゃにみつかったらゆっくりできなくなるからゆっくりにげてね!」と言われていたので、れみりゃにす~りす~りされている現状が認識できなかった。
その餡子の脳で考えた結果、『このれみりゃはゆっくりできる』という結論に達した。
こんなに温かくてゆっくり出来る子が自分を食べるはずがない、そう確信して。
れいむはミリィに叫ぶ。
「ゆっくりしていってね!」
それに答えるようにミリィも叫ぶ。
「ゆっくりしていってほしいんだぞぉ~♪」
ここに、ミリィの初めての友達が出来たのであった。
「う~…」
ミリィが目を開け、辺りを見渡す。
心配そうにミリィを見ているマーサとしゃめい丸の姿が見えた。
「だいじょうぶなんだぜ?」
と心配そうに聞いてくるマーサに
「だいじょ~ぶなんだぞぉ♪」
と無理矢理な笑顔で答える。
今回の夢は悪い夢ではなかったはずなのに、どこか不安を感じていた。
ミリィにはそれが何故なのかわからなかった。
そんなことを考えていたミリィに
「お疲れだったのですね…すみません…」
と謝るしゃめい丸。
しゃめい丸は疲れていたミリィに無理をさせたと考え、申し訳ないと思っていた。
しゃめい丸種は基本的に知能が高い。
だからミリィが倒れる原因を遠回しとはいえ作ってしまった(と思われる)自分に腹が立っていた。
ミリィはそのようなしゃめい丸を見て倒れる前の状況を思い出す。
「ミリィがわるいんだぞぉ…おはなしのとちゅうでねちゃってごめんだぞぉ…」
とこちらも申し訳なさそうに頭を下げた。
「しゃめいまるもどうつきになりたかったらいっしょにくるといいんだぜ!」
2匹の間を暗い雰囲気が通る中…マーサの明るい声だけが響く。
勿論、その発言には根拠はなかった。
この言葉に驚くしゃめい丸。
話を聞くだけのつもりだったので、同行するなんて考えは持ち合わせていなかった。
「そうだぞぉ♪しゃめいまるもいっしょいっしょなんだぞぉ♪」
ミリィもマーサの言葉にすっかり賛同しているようだった。
「あ…いえ…しかし…ミリィさん達はどこに向かっているのですか?」
確かにしゃめい丸は胴付きになりたかったが、この魔法の森には餌が豊富にあった。。
ミリィ達がどこに行くのかはまだ知らないが、どちらにせよこの魔法の森からは離れることになるだろう。
それはしゃめい丸にとってリスクが高かった。
「ミリィたちはさくやをさがしてこーまかんにいくのぉ♪」
「こーまかんはゆっくりぷれいすなんだぜぇ♪」
マーサは紅魔館に行ったことはないのだが、ミリィの話を聞いて紅魔館を自身のゆっくりプレイスだと決めつけてしまっていた。
しゃめい丸は考える。
確かにミリィ達に付いて行けば胴付きになれる可能性はあるのかもしれない。
しかし、それは当然のことながら確実ではないし、そもそも胴付きになれる方法もわかってはいない。
そして、付いて行けばこの巣を失う事になってしまう。
さらに、紅魔館とは一体どのような場所なのだろうか。
メリットとデメリット。
その間で考えを巡らせるしゃめい丸の耳に
「見つけたあああああ!!!!おねえさまああああああ!!!!!」
空間を切り裂くような叫び声が聞こえた。
後書き
射命丸って頭はかなりいいと思うのですよ。
新聞を書くということは並大抵の知能、知識ではできないと思います。
そんな私は自分の語彙の少なさに絶望しております…。
普段からの勉強って本当に大事ですね。
また、次回は再びヤンデレ要素が入ります。
ご注意を。
- しゃめい丸って捕食種だったっけ? -- 名無しさん (2011-02-10 16:56:50)
- でもこのしゃめい丸って微妙に口調がきめぇ丸っぽいよねw -- 名無しさん (2011-09-01 15:21:54)
最終更新:2011年09月01日 15:21