ゆっくり愛で小ネタ54 むささびれいむ

『むささびれいむ』

傾斜が厳しく高い木が並び立つ地域にそのゆっくりは居た。

「すごい!まるでおそらをとんでるみたい!!!」
赤いリボンを大きく広げて風を受け、空より舞い降りるゆっくりれいむ。

しかしこのれいむは、通常のれいむとはシルエットが大きく違う。
このれいむのリボンは一回り大きく、後ろ頭を隠すほど大きかった。
今日は地上に降りて、持ちの良い木の実を集めているようだ。
「ひゅっふひはふへふぁほ!!!」(ゆっくりあつめたよ!!!)
口に一杯の木の実を集めると、すぐ近くにそびえ立つ高い木に近づき
「ひゅっほ!!」
なんとゆっくりが木を駆け上っていくでは無いか。

この地方のゆっくりれいむは独自の進化を遂げていた。
身体が全体的に、通常のゆっくりよりも粘着力の高い餅肌になっており、
そのくっつく力を利用して、木にくっついては飛びくっついては飛びを繰り返し、高くへと上っていくのだ。
そしてある程度の高さに生えたしっかりした枝に乗ると

「ひゅっほひほらぼほぶびょ!!!」(ゆっくりそらをとぶよ!!!)
周りを確認した後、頭を下にした状態で大きなリボンに風を受け飛び立つ。
「ひゅぼひ!ふぁるへふぉほはほほんふぇふゅふぃふぁひ!!!」
(すごい!まるでおそらをとんでるみたい!!!)
別にいつも飛んでいるのだが、
まるで初めての飛行に感動するかのようにこの言葉を放つ。
しかし、実はこのセリフには重要な意味がある。
ほかのれいむに対し警告する合図である。

滑空であるゆえ、旋回はできる物の高度を変える事は出来ない。
しかも回りは背の高い木々が何本もたった場所。
もし他の飛んでいるれいむとニアミスでも起そうものなら、それは即激突死である。
それを避ける為、たとえ食物を口に入れ持ち帰る途中であろうとも
先程のセリフで、周りに自分が飛んでいることをアピールするのだ。

あるとても太く巨大な木の上。大きく開けた樹穴のなか、
存分にゆっくりするには少し狭いものの、中では赤ちゃんゆっくりがゆっくりしていた。
先程のれいむの子供であろう。
やはり、他のちびゆっくりれいむに比べてリボンが大きい。
「ひゅっひゅふぃふぃふぇいっふぇへ!!!」(ゆっくりしていってね!!!)
そこに、大きなリボンのれいむが帰ってきた。
「ゅ!おかーしゃんかえっちぇきたょ!!」
「「「ゆ~♪!!おかーしゃ~ん!!」」」
大きなリボンのれいむは即座に、口にためていた木の実をテーブル代わりの
大きな葉っぱに吐き出し、子供たちに与える。
こうやって、飛べる程の大きさになるまで子供たちに食事を与え続け、
もう少し大きくなり、リボンが風を受けれるようになって初めて
親子で狩りに出かけるのだ。

食べ終り、日が落ち始めると皆で夕日を眺めゆっくりする。
「ゆ~!もう少し大きくなったら、みんなでおそらをとぼうね!!
そしたら、とってもすごくゆっくりできるよ!!!」
「「「「しゅごきゅゆっきゅちできるにぇ!!!」」」」
仲良く家の中に戻っていくれいむ達。

大きなリボンに風を受け空を舞う彼女の姿はまるで、むささびの様だった。
                                              即興の人



  • 頬袋が可愛いです -- 名無しさん (2009-08-29 11:56:50)
  • かわいいいいい -- 名無しさん (2009-09-05 18:09:54)
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最終更新:2009年09月05日 18:09