『深緑のゆっくり妖精』
深い深い森の中、
誰も近づかないその深淵に幾つかの声が囁き響く。
「こんにちは~」「ひーほー」「おれさまおまえまるかじり」
ここは様々な妖精の住む森。
人世とはかけ離れた深緑の聖域。
そこに場違いなほど大きな声が響く。
「「ゆっくりしていってね!!!」」
ぷかぷかと空を浮かぶ帽子を被った顔面がひとつ・・・
同じく浮かぶリボンの顔面がひとつ・・・
ゆっくりれいむとまりさのペアだ。
彼女たちが通ったあとには不思議とみなのんびりゆっくりし始める。
花の蜜を集め幸運を招く少女妖精も。
雪だるまに手足が生え寒さを呼ぶ妖精も。
カンテラを持ちまりさと似た帽子を被る妖精も。
皆ゆっくりしていく。これが、ゆっくり妖精。
今日も一日、日がなゆっくりと森中を散歩の様に飛び回り
穏やかな聖域をゆっくりとさせる。
そして皆からゆっくりさせてもらったお礼にと、貰った蜜や木の実を
神聖な大木の樹穴に持ち帰って
「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪!!」」
ゆっくり時間のかわりにしあわせをもらうのだ。
ゆっくり妖精、それは森の和み。
即興の人
最終更新:2008年08月31日 05:25