REMILIA-DA道-

  • だどれみりゃです
  • ゆっくりが死にます
  • パロネタ多めです

以上の点になんか嫌なものを感じる方は回れ右するのも一つの手です。
僕はみんなの悲しむ顔は見たくない。見えないけど。






「う~~、修行修行!」

今、修行のために川原を全力疾走している我は1400年ぶりに復活したごく一般的な尸解仙。
強いて違うところをあげるとすれば風水を操る程度の能力をもつというところかノ―――名前は物部布都。

「そろそろ休憩にいたしません?」
「…ふむ、そうだな」

同行し、修行を見てくれている青娥が休憩の提案をしてきたので、ほどよい疲れを感じていた我は少し休む事にした。
そんなわけで、タイヤなるものを引きずるために腰にくくりつけていた紐を外し、腰を下ろして一息ついていると、
我の視界に珍妙なものが映り込んだ。




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「何だ…アレは?」



『REMILIA-DA道-』



初めてそれを見た布都は、その正体について思考を巡らせた。
ぱたぱたと羽をはためかせ、うーうー鳴きながら飛び回っている。生き物のように見えなくもないが、それにしては色々と不足しすぎている。あまりにも奇妙なものだ。
その常軌を逸した形態に、布都は『それ』の存在について疑念を抱いた。

「もしや…何者かの幻術か?」
「いえ、幻術ではありません」

布都の言葉を、青娥が否定する。そして続けて言う。

「あれこそは数々の仙人が手を焼いたという、この地にかつて存在していた術者が使役した無限爆破道術…蒸危暴
違うど

青娥の言葉を、当の本人(?)が遮った。いつのまにか『それ』は、2人のすぐそばまで近寄っていた。

「れみりゃはそんなんじゃないど。れみりゃはれみりゃだど~」
「む…お主の名か?」
「そうだど」
「ふむ、何者かは知らぬが…いや、れみりゃというのか。ともあれ、名乗られたとあってはこちらも名乗らぬわけにはいくまい。我は物部布都。詳しくは冒頭を読んでくれ」
「冒頭?」
「気にするでない。そしてこっちが…」

青娥の方を指すと、そこには誰もいなかった。

「青いお姉さんなら、どっか行っちゃったど」
「む、そうか。あれは気分屋なのが少し困る。まぁ良い、今度居合わせた時にでも紹介してやろう。それはさておき…」

布都は先ほどからのれみりゃの台詞を反芻し、思考する。

『れみりゃだど~』

『れみりゃだ ど~』

『れみりゃだ 道』

『れみりゃだ道』

求道者

結論を導き出した布都は、再びあの台詞を口にした。そりゃあもう、自信満々の顔で。

「お主も尸解仙…だな?」
「違うど」
「隠さずとも良い」
「お姉さんはたぶん物凄い勘違いをしてるど」
「フッ、ご謙遜なさるな。我には解っておる」
「いやいや、絶対解ってないど」
「そうだ、こうして修行中に同族と出くわしたのも何かの縁…」
(聞いてないど)
「我らが道場へお越しいただけまいか」

布都は新たに発見したこの尸解仙を、仲間に引き入れようと考えた。仲間が増えれば太子さまもお喜びになる。それにもし実力が自分より上であれば、教えを乞うことも考えている。そうでなくとも尸解仙同士、腰を据えてゆっくりと語り合いたいものである。なんにせよ、まずは道場に迎え入れる事だ。
…いやまぁ、前提が思いっきり間違ってるんですけどね。



「ああ布都、おかえ…何それ」

お呼ばれに弱いれみりゃが誘われるままホイホイと道場について行くと、布都と同じく神子に仕える亡霊・蘇我屠自古に出くわした。

「おお屠自古、こちらはれみりゃ殿といってな」
「うん」
「尸解仙だ」
「嘘つけ」
「嘘ではない!見よこのいでたち!」




              この
               ↓
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「どうだ」
「…何でそんなに得意げになってるのか知らないけど、こんな首から下が丸ごとない生き物が尸解仙なわけないでしょ」
「はっはっは、何を言う。お主とて足がないではないか」
「こんなのと一緒にするな」
「『こんなの』呼ばわりは酷いど。ジオングのくせに
だまれジオングヘッド。あんた本当に尸解仙なの?」
「違うど」
「違うって」
「…屠自古よ。お主は人に『そなたは亡霊か?』と訊かれてはいと答えるのか?」
「答えるよ」
「つまりはそういう事だ。恥じらいや謙遜など理由はあれど、人はそう易々と己が身分をひけらかさぬもの…」
「耳腐ってんのか」
「たぶんそうだど」
「む、何をこそこそと…そうか、早速打ち解けたというわけだな?流石ジオング同士」
「「ジオングじゃない(ど)」」

このままでは埒が明かない。というかこの阿呆、自分達が何を言っても聞きゃしないだろう。そう悟った2人は、布都ともに神子の所へ行く事にした。
流石の布都も、神子の言う事ならば聞くだろうと信じて。



「違いますよ」
「えっ…?」

実を言うと『神子まで尸解仙とか言い出したらどうしよう』と多かれ少なかれ思っていた2人だが、それは杞憂に終わった。

「その者は尸解仙ではありません。布都、あなたのいつもの勘違いです」
「ほら見なさい」
「最初から言ってるど」
「そんな…まさか…」

呆れる二人、うろたえる布都。

「では、まさか……れみりゃ殿は……」
「はい」
「尸解仙では、ない…?」
「いや、だからそう言っています」
(こいつまだ言うか…)
「ふふふ…ははははは!これは一本とられたのう!」
「とった覚えはないど」
「勝手に間違っただけよね」
「まさかジオングヘッドなどに謀られるとは…」
「いえ布都、ジオングヘッドでもありませんよ」
「何と!ではまさか…」
「ええ…その者は…」

伝説の聖人は告げる。その生き物の正体を。

ザクレロです
「やはり!」
「違いますよ!?」
「まともなヤツがいないど…」
「ふふ、冗談ですよ、ゆっくりれみりあさん。ともあれ布都、あなたの勘違いで色々と引っ張りまわしてしまったようですね。謝罪の意も込めておもてなしした後、丁重に送り届けて差し上げなさい」
「かしこまりました。ではれみりゃ殿、こちらへ参られよ」

その後も暫くぶつぶつと「ザクレロでもなかったとは…」などと呟いているのを聞いて、れみりゃは「いくらなんでもザクレロは酷いど」などと不満を抱きもしたが、お菓子が出てくるとそんな事は綺麗に忘れて堪能した。
単じゅ…大物ですよね。



菓子をふるまい、猫じゃらしとかで適当に遊んだ後の夜、布都はれみりゃを送るため2人、磐船の上にいた。

「今日はすまなかったな、我の勘違いで迷惑をかけた」
「お菓子ももらったし、楽しかったからもう気にしてないど」
「そうか、そう言ってもらえると助かる。こうして知り合ったのも何かの縁だ、何か困ったことでもあれば尋ねてくるが良い。力になろう」
「じゃあ、今度遊びに行ってもいいど?」
「無論だ。我らが太子さまは寛大なお方、ゆっくりなる奇天烈な生物であろうと、尋ねてくる者を無碍にはせぬ」
「当人を目の前に奇天烈な生物は酷いど」
「む?ははは、すまん。我らが眠りにつく以前はお主らのような者の存在は想像すらしておらなんだからな」
「…ところで、飛んで行けばいいのになんで舟に乗ってるんだど?」
「うむ。以前青娥に見せてもらった資料に、野にいたものを野に帰す時には舟に乗ってもとの場所に帰すべしとあったのでな」
「なんか、今度はアライグマか何かと間違われてる気がするど」

やがて磐船は、れみりゃが元いた場所に着く。

「ではな。次に会える時を楽しみにしておるぞ」
「うー♪送ってくれてありがとうだど♪」

ぱたぱたと飛んで行くれみりゃを見送り、布都は磐船で帰路につく。

(ふむ…)

空を見上げ、夜風を頬に感じながら今日の出来事に思いを馳せる。

(まこと奇妙な出会いであった…しかし、存外悪くは無い。時代は流れ、土地も移った。これからもこのような、未知なるものとの出会いはあろうが、心を広く受け入れる事こそ、太子さまの仰る『和をもって貴しとなす』という事にも繋が…)
『うー!』

布都の思考を遮ったのは、宵闇に響くれみりゃの叫び声だった。

「何事だ…!?」



布都と別れた後、ぱたぱたと飛んでいたれみりゃは2人組の男に襲われ、捕らえられようとしていた。
いや、もはやほぼ捕らえられ、じたばたと無駄な足掻きともとれる抵抗をしている最中だ。

「やめるど!れみぃに乱暴する気だど…?エロ同人みたいに
「するか!」
「このッ!大人しくしろ!冬のナマズみたいに!」
「うー!」

2人は暴れるれみりゃを押さえつけ、袋詰めにしようとする。

「しかしアニキ、なんだってこんなのを捕まえるんですかい?」
「なんだ、知らねえのか。湖のあの、でっかい屋敷があるだろ。あそこに持ってくと結構いい値で買い取ってくれんだよ」
「へえ、こんなのを…食うんですかね?」
「お前、食いたいと思うか?これ」
「…いえ、全然」
「俺も何に使うのか知らねえが、あそこの女中が目の色変えて欲しがるらしい」
「ふーん、やっぱり妖怪屋敷の連中の考えはよくわかんねえや…」
「れみぃ貞操の危機だど!」
「まだ言うか。くそ、暴れるな!冬のナマズみたいに大人しくしろ!」
「うー!」
「そこまでだ!曲者どもめ!」

悪戦苦闘する2人の前に、布都が月をバックにあのポーズで現れた。

「何者だてめえ!」
「颯爽登場!古代日本の尸解仙、物部布都!貴様らに名乗る名など無い!月に代わって成敗してくれる!」
「名乗ってるじゃねえか!」
「せめてどれか一つにするど…」

青娥の資料でおぼえた。

「フン、誰だか知らねえが…」
「馬鹿者。さっき名乗ったではないか」
「…知ってはいるが、邪魔するってんなら容赦はしねえ」

そう言って男の1人が小刀を抜き放つ。

「ええっ?アニキそれちょっとやりすぎじゃ…」
「うるせえ!これ書いた後メロンブックス行くから戦闘シーンは巻いていくんだよ!」
「誰の事情っすか?」

2人のやり取りをよそに、布都は呼吸を整える。

「愚かな…刃を抜いたからには、覚悟を決める事だな」
「あ?」
「それは脅しの道具ではない、という事だ」

呼吸のたびに、布都の中で力が練り上げられ、高められていく。

「我が友に狼藉を働いた報い…その身で受けるがいい!くらえ、物部の秘術と道教の融合!仙道の奥義を!」
「何ッ!」

練り上げた力を拳に込め、男2人に向けて解き放つ。

山吹色の波紋疾走!!
「「「仙道違いじゃねーかぁぁぁぁぁ!!!」」」

太陽のエネルギーを打ち込みつつ、2人の間を駆け抜けた布都は、後ろで絶叫と共に倒れる音を聞いた。

「フッ、他愛も無い…」

ゆっくりと振り返る。その視界に映ったのは暗闇の中、ノビている男2人。そして…




          ⊂二二二二二⊃
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  /ヽ/ r'´ ィ"レ´ (○),___, (○)  `!  i  ハ /  }! i ヽ    ←吸血鬼属性
 / / ハ ハ/ !     ヽ_ ノ     i  ハ  〈〈{_   ノ  }  _」  
 ⌒Y⌒Y´ノ /l           ハノ i  ヽ⌒Y⌒Y´
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       ノ レ^ゝi/       /´//レ'ヽハヘノ
            l      ./
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            ヽ   )
            ノ /
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「あっ…」

-おしまい-


「…はっ、ここから復活すればれみりゃ殿も晴れて尸解仙に!」
「いい加減にするど」



  • メロンブックスで何を買ったのやら………


    淡々と続く中に自然ととけこむ「だど」
    最早れみりあが普通の存在にすら見える、面白い生物布都ちゃん
    同じくまともじゃなかった神子さん
    気の毒にすら思えた屠自古さん
    かっこいい名乗り


    救いのありそうなオチ
    気持ちが良かった! ありがとう -- 名無しさん (2012-01-22 22:57:42)
  • ダブルジオングワロタww
    布都っちは本当色々美味しいキャラですよね -- 名無しさん (2012-01-23 14:18:05)
  • 荒れがちなネタをギャグで切り返すのは最高ですw
    究極生命体ゆっくりになれれば波紋も練れるよ、やったねれみりゃちゃん!
    ところで神霊廟れいむってザクレロっぽいですよね、もみあげの長さ的に -- 名無しさん (2012-07-01 10:52:13)
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最終更新:2012年07月01日 10:52