【2012年企画 スカーレットファンタズム】ここに紅魔城を建てよう

ドッドッドッ・・・

わたしはサクヤ、瀟洒なゆっくり。今日も特売のチラシ片手にお買い物の帰りだ。
ジャンプから急降下の連続のドッドッドッ。まわりはゆっくりしてないというけれどこの瀟洒なステップがわからないのだろうか。
森の中にだだっ広い広場の中央にぽつんとたった掘建て小屋。これが今のところ私達の”城”だ。

「うー☆おかえりサクヤー」

ぱたぱたと羽を羽ばたかせて迎え入れてくれる1等身のおぜうさま。この方が私たちの”城主”だ。

「ただいまぱちゅーりんさん」

ZZzun...

また惰眠を貪ってる。

このホンレッジはわたしがゆっくり合成器でめーりんとパチュリーを合体させたゆっくりだ。
ふたりとも頭だけのゆっくりだったが合体することで胴がついた。
これでめーりんの身体能力、パチュリーの賢さを兼ね備えたゆっくりになると思っていた。しかし…
胴が付いたことで接地面積が増え、よりゆっくり寝られるようになったようだ。
しかも虚弱な体と本を読めば数ページで眠ってしまうという両者のダメな所を合わせもったゆっくりになってしまった。
おまけに室内でシエスタするから掃除のじゃまになって仕方がない。
「私の名前はホンチュリーです」
「ああ、そうだったわね」
しっかりめーりんの名前を覚えにくいところまで受け継いでいる。
「そういうあなただってより瀟洒になろうとしてゴシックな服と合体してポケットに入っていたミニ四駆のタイヤのせいでヨコハマ顔になってしまったんじゃないですか?」
「他人のモノローグを読んでるんじゃないわよ。それよりモデルのバイトは?」
「今日は仕事がなくてねえ」
合体してからというもの今までパチュリーがやっていた家庭教師の仕事やめーりんのコンシェルジュの仕事ができなくなり
代わりに出来る仕事といえば寝そべってモデルになることぐらい。これは微動だにしないので絵かき達には評判がいいのだが・・・
合体させることで食費も減った事が唯一のメリットだ。
「あなたねえ、わたしたちの野望を忘れたの!」
「わたしたちの野望!それはここに紅魔城を建てること!この空き地は荒野だ!唯一野望を実効する者だけがこの荒野を制することができるのだ!」
「わかってるんじゃないの!」
「でも私達二人だけじゃ”紅魔館”は建てられませんよ。法律も変わったことだし」
そうなのだ。私たちはゆっくりする間も惜しんで働きこの土地を手に入れ、上モノの頭金にもめどが付いて
役所に建設の申請に行くと・・・

ゆっくりえーきが言った。
「黒です!」
「な、なぜですか!ちゃんと土地は購入しましたし施工主のおぜうさまも連れてきました!」
「近年紅魔館が乱立し過ぎて規制が強くなったのよ。それで施工主はレミリアとフランの連名でないとだめになったのよ」
たしかに最近は様々な紅魔館が乱立していた。通常の紅魔館だけでなくれみりゃザウルスたちの紅魔動物園、
ヨコハマサクヤとさがわうーびんが作り上げた紅魔サーキット、サウナ紅魔会館などなど・・・
「それに小悪魔と妖精メイドもいないしこのホンチュリーさんはパチュリーさんなんですか、めーりんさんなんですか?」
小悪魔と妖精メイド達は経費削減のため一時解雇していたが、ホンチュリーの方がまさかこんな事で裏目に出てしまうとは。

「あれからプリンのやけ食いしたり薄い本を買い込んだり新発売のνPadを買ったりして資金が目減りしちゃったし・・・」
「そんなこともありましたねえ」
「10周年に紅魔城完成させたかったのに・・・」
「10周年ってなんですか?」
「うー☆サクヤー。お城は建たなくてもゆっくりすることは大切よ」
「そうですね、おぜうさま。人間は年越しそばでしょうけどわたしたちゆっくりはやっぱりおうどんでしょう。そばより安いし」
「うー!」
「来年こそはここに紅魔城を建てるわよ!」
「サクヤさん、それってなんかニートみたい・・・」
「今のあんたに言われたくないわ!」

2013年もゆっくりしていってね!

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最終更新:2012年12月31日 15:46