~☆~
肌に感じる冷たい風が心地よい。
下を見下ろせば紅魔館の屋上と呆然と私を見つめている、
小悪魔とフランドールの姿が見える。
どんどん小さくなっていくその風景を見送り、私は改めて全身に力を込め、上昇していく。
その頭上にはカリスマガードの姿が見えるはずだが、
頭の上に上げている物がじゃまでその姿を私が拝むことは出来ない。
「少しの間だけでいい、あのカリスマガードを支えて時間を稼ぐことが出来れば…。」
私はいつの間にかそんなことを呟いていた。
後数分ではどうあがいてもあのカリスマガードの落下とそれに伴う衝撃波から逃げることは出来ない。
そして破壊も不可能、ならば出来ることは一つだけ。
あのカリスマガードを支え、落下までの時間を稼ぐ。
出来ないことはない、私はこの十年、
数え切れないほどの物を支え続けてきた。
それこそが私の使命、そして生き甲斐だった。
そんな私がカリスマガードの一つや二つ、支えきれない訳が無いだろう。
「出来るかどうかではない…。」
感じる、かつて無い重圧を、カリスマガードの重圧を。
「やらなくてはならないのだ…解るだろう?パチュリー。」
その重圧が。
一気に
私に
のしかかった。
_. -―‐ . \ ヽ
. ´ \ ヽ
__/ ヽ
ノ } \
r┴::.( ハ ヽ ,ヘ _ ヽ
}::::::__ノ::::::ヽ ('′ ヾ´ _rへ } つ
{__(__:::ヾ:::', } /: ヾ. l ∨_ っ
___ _ノ \ `ゝ、::} ,′l i ハ l ノ 〉
_ : '´: : : /:\ア´ .ヘ、 `/ l___!、____ ! l´ _)′
'⌒丶: : / : : : } /イ ゝ′ !、___,ゝ,_,′ !´}: :`ヽ
}:/: : : : :!: : : { { ! ノ"__"ノ{ ノ}リ: : : : :\
´ ̄ ̄ヽ'r三、`ー^ゝ彡-く{、iハノ{ヽ`¨ソi:, '´ ̄`ヾ
/ / ̄フ/ / ハY⌒ヽ ヽ`´
/ __f ヾ/ /トハ マ、 \
/ V ノ / /vヘミハ V} :,
{ 、( .イ / /ノ{ ', lノヽ }
rヘ /`ヾ. /ー / ハ__! 〈 ノ、
V彡、_r ヘ__ノV_/-‐- .__ ′}___ lヽ) ン
ヽ{ ヽ >、! f´::::::ヽ /::::::::ヾ¨´
,. ''"´∧ ̄´ ̄´ ̄`{=== }`¨⌒´ ̄{ ===}- 、.,_
/ < 龍 フ `ヽ. _r'`i ̄Y ̄7ー、_. `ヽ、.,
i ゝレ'ヽ、!─-ィ..,,_ノ i r'´i>'‐- 、─-ァ' i‐-、 、ヽ、,__
r〉'7´::/::::::ハ::i、,___:::::i:::ヽ、_イ.Y´  ̄`ヽ/-、 ヽr--ヽ.
7:/::::_!,.ィi_! i_:!___i:::i::::i:::::', ノ i /i ハ ハ 、 Y´i `''ー- 、 .
i:::i::::i:≡=///≡=i_::i::」:::i ∠_/ /ト--、レ' |/!--i i iン く⌒
O !_ハLハ'//___///uiハ)::::i:::| ノへ .!l.rr=- ,=-‐、 .ハ ,ゝ )
!Y!、 ゝ_> uハノ::::|:::| .ンrン!./// ,___, ///r'Y ,へ(
o 。` 〈ン:::>.、.,__ ,.イ7Y〉、:::|く7_,.r'ンヽ、 !、__ン/)'ン、/iへ〈 !ノ
(Y〉i;::rィ''ki/7〈,ソ /7ヽ;! ンムー' レiヽ、__,.. イン'7`/::::::::ヽ._ /
}><{ ,.イ>∞イ/}><{|/ ヽ! レヘrン´ン´ ̄`ヽ;:::::::::Y´
♪ r 〈ム,イ _Y_ ム〉〈 、_,.r! }>'く{/ i:::::::::::i―-、 `゙' 、
_」:!/ ゝ,_ 十 _,.ィ/ヘk'´ ヽ / /:::::::::::|,,.. -‐ァヽ,__ ヽ.
く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、 ,r'ア´ ´ `ヽ|/`ヽ ':,
\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___> )く7 / / ,! ,! /! ノ`ヽ/´! i
r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒ `! i ハ | ,' | /、ハ /レ'__,!イ , ∨] |
ヽ/ ! ///ヽ_ ノ /// i ハ ', ノイ ハ/─ ∨ ,riiニヽ/| ハ Y |
.ノ /l ハノ i ヽ. '´ | /! ,riiニヽ "" |/|`ヽ\ ',
〈,.ヘ ヽ、 〈 i ハ i 〉 レ'│"" _,,.. -‐' !メ|),ハ ̄ '.、ー♪
ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ 八!ヘ. ノメハ/ | ,ハ i ≡≡=─
/⌒`γ´ハ_,,.イ´レ`ヽ、 /⌒ヽ〈rヘメソゝヽ 、_ ノ "イ/´ノ__ノ_ハ ソ
〈r'^ヽi /^L_!ムイ_」 .〉´ / i'| [ンく_] '.、[ンく_]' ..| ≡≡=─
ヘ `⌒ヽ'§ \.!,イ'⌒ヽ、 ノ | ∠_ハ ノソ_) ..|
、 (( i、_ノ !、, 冫^ヽ.!, )) ⌒ヽ| . .| ..| ≡≡=─
,i´ r/ `ー-!、_ !_ノ、_ | ⌒ ,___, ⌒ | ..|
((、 / .~'"゙゙゙゛ヘ ヽ、 | /// ヽ_ ノ /// ..| ..| ≡≡=─
. / ', r>、 | 次スレ行き ..| /
,,rく__ ハ ゝイン" |__________|/::()
/`'、__ニ、_r_、_イ__r__ェ_'ン´....... (:::::() (:::::()  ̄
/ ,l゙ /^:::::::::::::::厂~`,i´:::::::: i´  ̄  ̄
::::::::|"ー,i::::::::::::::::::::l_,,,i°:::::::: y-─レ'ヽ、!--'、.,,_______〈
::::::::゙ヽ-" ::::::::::::::::〈,,,,r'゜:::::::: /:::::;:::::;::::::i:::::::::;:::::;::ヽ;::::i::::|
__ノ/ i イ レ\ ハノ! /i i ○__ノ::::::::::r ( ヒ_] 人::::::) ○
/::::::::::::::: ,___, ヒ_ン ) :::::::::::)-/::::::::::::::: ,___, ヒ_ン ) :::::::::::)-‐、
,,r-─(_) ( ヒ_] ヽ _ン "".ノ !.; ヽ (_) ヽ _ン "".ノ !.; ヽ _ン
( ,r‐″
 ̄つ , ' ,r─‐‐''
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 ̄ ゙̄'───--------‐──---──────-----‐'
r´^\_,.、,'--!、!. i "" ,__, " i/i
'、 (^ヽ〉ヽ, `ヽ、_! ヽ_ン 丿 |
__ ゙ーニ´_ノ ヽ.ル、 _____, イハノ
/ __ `ヽ、___,,,...ン:::゙ヽ/ooレi゙'ー- 、/^)
/\ イ /::::::::::::::::::y:::::ト l] つ
____ ,く::::::::::::::::::::::::::::::i゙'ー--┘ ̄
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────── | そーなのCAR | |
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| 4 3 0 K B |
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,γ! ハ l:/:厶XLィ/ L||||、:ノ:ハr'. | |:
:/ ! / ! .ノ|:::|(ヒ_]:::::::::::::ヒ_ンY::|〈 ハ .ト、:
:.!! .!/ ! :.//.l:::| ,___, .|:::||'、 / ヽ、.! .i:
`ヽ ノハ/::::|::|:::|、 ヽ_ン u|:::||:::::::lハ y':
:ヽr. ν不ト-|:::| \ /|:::|-γ⌒ /:
:ヽ ハソL._r‐ト--イ-、ト:;ル /:
:ヽ ノ { } ! .>< ! { }' 冫
ズウウウウウウウウウウウン!
「グウウウウウウウウウ!」
こ、これは予想以上だ!
今までとは比べものにならない手応えが私の両手にのしかかってくる。
骨がきしみ、肉が裂けそうになるほどの痛み。
たが、私はこらえる!
「がぁあああああああああああああ!」
私はその重圧を押し退けんばかりに量の腕を突き上げる!
重さに負けぬとばかりに、腹の底から叫び声をあげる!
「…ぐ、ぐううっ!駄目か、どんどん下がってくる…!」
しかし、それでもなかなかカリスマガードは持ち上がらない。
それ所か、重さに負けて少しずつ高度が下がってきている。
今は徐々に下がってきているだけだが、
いつかは私の方が力つき、一気に落下するだろう。
「せめて、パチュリー達だけでも避難してくれればいいのだが…。」
私は真下にある紅魔館を見下ろした。
紅魔館の屋上には、今し方私が開けた巨大な穴がある。
その穴から図書館の様子を見ることが出来た。
「…私の…私のせいよ。」
その穴から聞こえてきたのは、彼女の気の抜けた声。
「私が…あんな魔法を作らなければ…こんなことには…。」
「絶望している場合ですかパチュリー様ぁ!
早く逃げないとホントにやばいですよ!」
「…逃げるなら美鈴だけで逃げなさい。
私はここで紅魔館と運命を共にするわ。
それが悲劇を引き金を引いたものの責任と言えるわ。」
「なにさっき大空に飛び出した変な方のパチュリー様の意志を無駄にするようなこと行ってるんですか!
ああもう、思ったより強くめり込みすぎ!どうすればこんなに旨くめりこめるんですか!」
「その原因の一端はあなたにあるけどね。」
このやりとりが聞こえるということは
まだパチュリー達の避難は終わっていないということか。
っていうか屋上にもまだ小悪魔とフランドールの姿が見える。
せめて彼女達が避難するまでの時間を稼がねば、と
全力でカリスマガードを押し返そうとするが…。
やはりこれ以上押し返すのは無理そうだ。
無謀だったのか。
こんな巨大な物体を私一人で支えるということは。
この挑戦自体、無謀だったということか。
私がそう思い、諦めかけたその時だった。
「…情けないわね、それでもあなたは誇り高きゆっくりなの?」
私のそんな考えを見透かすかのような言葉が私の耳に入ってきたのだ。
そして、私はその声に聞き覚えがある。
いつの間にか、私の周りには六つの光が輝いていた。
~☆~
今、思えばあれはいったい何なのか。
「もう、こうなったらあれを直接壊しにいく!」と息巻いているフランお嬢様を必死に制止する私が目撃したもの。
それは、カリスマガードに向かっていく流星のような光だった。
その光は全部で六つ。
それは紅魔館を救う光なのか。
はたまた新たな災厄なのか。
小悪魔には前者のような気がした。
そんな根拠は何処になかったが、何となくそんな気がしたのだ。
~☆~
何処からと無く現れカリスマガードに向かって
流星のごとく飛んでいった光、
その光の正体の一つと、私は退治していた。
「全く、こんな楽しいお祭りに誘ってくれないなんて
連れないにも程があるわよ。
思わず全国行脚の旅を中断して博麗大結界を突き破ってきてしまったわ。」
「お、おまえは…。
,. -───-- 、_
rー-、,.'" `ヽ、
_」::::::i _ゝへ__rへ__ ノ__ `l
く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ }^ヽ、
.r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7__>、_ノ ハ } \
/ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒ `! i ハ } ! i ヽ
/ / ハ ハ/ !/// ヽ_ ノ ///i ハ i ノ } _」
⌒Y⌒Y´ノ ハ ハノ iヽ⌒Y⌒Y´
〈,.ヘ ヽ、 〈 i ハ 〉
ノ レ^ゝi >.、.,_____,,...ィ´//レ'ヘノ
伝説のカリスマ肉まんの生みの親にして
私の隣に住んでいるレミ・リア・ウー☆!」
カリスマ肉まんの名を全国にしらしめるために外の世界にいる筈の彼女が目の前に現れたことに私は驚きを禁じ得ない。
しかもいつものニコニコ顔ではなく、
カリスマ肉まんを作るときにしか見せないと言うカリスマ顔で。
「…私は、夢でも見てるのか?」
思わずそんなことを呟いていると。
「おいおい、人の存在を夢になんかしないでくださいよ。」
後ろから、そんな声が聞こえてくる。
振り向くと、やはり見知った人がいた。
: : : : ;;| _,,.. -‐ ''' "´ ̄ `"'' 、
: : : : ;;|"´ ____/ヽ.__ ヽ.
: : : : ;;| \ 龍. / i.
: : : : ;;| 、 |,/\| ノ_,ノ,
: : : : ;;|`"''::ー`ーー--─::::::''::"´:::::ヽ.
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: : : : ;;|:::|:::::;イ rr=-, ー- |-!ヘ;」 ,.、
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: : : : ;;|:::└リリ. 'ー=-' . ,.イ:::| ,! .j
: : : : ;;|``''、:〈>,、 _____,,.イ::;{、_;! ノ -‐''''" ̄`j
: : : : ;;| \〈::Y 〈Yノi ,' l'
: : : : ;;|ニ-'''''""゙}ンゝ }><{ ,,ノ .}
: : : : ;;|. ,,.-''" ̄}><{ レ'` ,. -‐'",-`、 ,!
: : : : ;;|r'. レ'` ', / ',‐'.',、,,,,,.. -''"
: : : : ;;| ', /. _i-'"
「…全国区壁から親指グッ!選手権元チャンピオン、ホンミリン…!」
「私はあなたからチャンピオンの座を奪い返さなくちゃいけないんです。
その前に倒れられたらこっちが困りますよ。」
そういって放つ彼女の陰から親指グッ!は
愛も変わらずの美しさだった。
よく、彼女から王者の座を奪えたものだ、
私は昔を思い返し、思わず笑ってしまった。
_| ̄|_ /\ _____ __
____ |_ _| \ \ / \ | | /\
|__ | | | | ̄|\/ ./ /| | ̄\ \ _| |___\ \
__/ ∠__ ____ | | | | / / ! ! | | |_ _ \\ \
|_____ | |___| |_| / ̄  ̄| | | / / | | | | `ヽ | \/___
/ / { ○ | ̄ | し' / !__! | | ! ! |___|
{ (_ ヽ \__/ \__/ | | _| | /
\__| ヽ ,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__ |_| |___| /
\ ヽ / //`ー∠ / /
\ ヽ ./ , ヽ!_/ヽ> / /
\ i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´', / /
\ ! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i /
\ レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ) ! | | /
\ | !7"" ,___, "" | .| | /
\ _.| 人. ヽ _ン .| | i |_ /
(、/ ̄|>.、.,___ ,.イ ̄ ̄ ̄/つ )
~ヽ |ヽV ノ i___|/
 ̄ ̄ゝ ∞ ヽi
「決着をつけなくてはいけないのは、
ホンミリンだけじゃないのかー!」
/^\ ,.へ___
/ >''´ ̄ ̄`'''ヽ7.、 /
、 | /´ _ _'ヽ、 ./ /
\ 、 〉 / /´ / , 、 、 ヽ〉 /./ /
\ `ヽ / i イ レ\ ハノ! /i i / / /
\ \|\. └rイ レイ rr=-, r=;ァハヘ| / / /
ヽ ', \ く_ノ 〉 i'"  ̄  ̄ "iハ _,|、_/
` 、ヽ. \ ハ. i ハ、 -=- 人|.:} / `|´/
`゙` 、.ヘ..... レヘハレへ〉'=r--r='i´.゙`ヽ`r――<リ
/:.:.:.:.:.:.:|::::::i|: ヽ、ニニ彡'ハ:::レへ、:::::::::::ヽ
,.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::|:|\: :、__/: /!:r'´ヽ Y::::::::::::i
/:.:.|:.:.:.:.:._,.イ!___j:.:.|: :ヽ:__/ |:.{,.ニ ト、:::::::::!
/:.〃!:.:./_/i⌒||:.:.:.|: : : : : : : : : :|:.:`Ti |: :::::::::!
_./:.:||:.:.ゝ'´: : : :L=」!.:.:.:.|: : : : : : : : : |:.:.:.L| X::::/
/ /...|:.:.||:.:/: : : : : イ:.:..|\:.:.:|r、: : : : : : : V:.:∧ヽ./::::/__
/ /. !:_jj:V: : : : :/:.ト-イ`ーr=ヘ`<: :_,.fri|,. イ::::X.r/!__!\
´=―-´.゙`Vイ、___/:..:/:.:.∧`ー!{_}rヽ ,.'^<: {{_j:.:::/|`‐´ ` 、 \ \
冫,.―-、 L:/:.:./:r1: : ::「|: : ::::::::.:.::.::.:「|:.::::|  ̄  ̄
〃|!: : : : :V⌒ ̄/7ヽ___」」 ,.――:.:::.:.」」::.::|_
iK |: : : : / _乂/:.、二:.| |´(  ̄ ) |`i| | 二、:.:\
||ヽ!: : : i' /:__ノ/` ーLL_`ー'_,.┴' ̄`ヽ:`ー-」
ヽ|: : : :| |/:.:./: : : : : : : : :く: : : : :フ´: : : : :L_」.
「 ̄_] ||:.:.:|: : : : : : : : : : :ヽ: イ: : : : : : : 「:.:.:.V
「 ̄ ヽ. |j.:.:|: : : `ヽ : : : : : :i: : |: : : : : : : : |.:.:.:.|
| i r'|. |:.:.:|: : : : : : :\ : : : !: :!: //: : : ∧.:.:|
`┤ ∪ |:.:.:|:,. --、: : : : :\ーV〃: : : : : : : : ∧:|
`ヽ┘ \!:i. ∩ !: : : : : : :ヽv´: : : : : : : : : :|.V
「そうだそうだ!」
またも別の方向から声が聞こえてくる
「走七日1192代目総長…そして世界⑨王!」
「今度こそ正々堂々と勝負してもらうのかー!」
「アタイも、このままアンタに消えてもらうわけにはいかないよ!」
二人ともこんな時でも相変わらず好戦的だ。
こんな時だからこそ、それが頼もしく見える。
彼らの顔を見て私は懐かしいモノがこみ上げてくるように思えた。
十年の歴史、それは彼らとの出会いの歴史でもあった。
時に戦い、時に笑いあう。
そんな出来事の連続だった。
「そう、あなたは肝心なことを忘れていた。」
そして、背後から聞こえてくる声。
その声の主に、私は呼ばれる前から感づいていた。
_,r‐!7´ー-v―-、 `゙' 、
r'「>-'、-─'-<こ`ヽ,__ ヽ.
,r'ア´ ´ `ヽ|/`ヽ ':,
く7 / / ,! ,! /! ノ`ヽ/´! i
| ,' | /、ハ /レ'__,!イ , ∨] | <わんわん
ノイ ハ/─ ∨ ,riiニヽ/| ハ Y |
'´ | /! ,riiニヽ "" |/|`ヽ\ ',
レ'│"" _,,.. -‐' !メ|),ハ ̄ '.、
八!ヘ. ノメハ/ | ,ハ i
〈rヘメソゝヽ 、_ ノ "イ/´ノ__ノ_ハ ソ
[ンく_] ヽ '.、[ンく_]' ____
∠_ハ | ノソ_) ̄ `ヽ、
l :: .. ゙i l
ヽ, :i __;i、 :|i l
|`i i"´ ̄ ̄ `'くヽ、 ! |.|
|| :| 〉 〉, :| ヾl
_,} | :| / / .| :|
. ‘ーィ'_ノ r'_/ r'_ノ
「ヨコハマ師匠…。」
「あなたが築き上げた十年、それはあなた一人で作り上げたものじゃない。
私たち全員が築き上げたもの、そうでしょ?」
師匠の言うことは相変わらず正しかった。
そうだ、私の十年は私一人のモノではない。
今、私の元に駆けつけてきた、仲間達のモノでもあったのだ。
「それなのにこんな挑戦を発った一人で成し遂げようとするなんて。
呆れるにも程がありますよ…。」
なぜ、自分達を誘ってくれなかったのか。
彼女らは何も喋らなかったが
その全ての視線がそう語っているように思えた。
「そうやで姉さん!」
と、だれかが私に呼びかける。
___|\ _/|_/}
/___,: : : \: : : : : : : : ヽ
 ̄´/: : y―: : : : : : : : : : : ヽ
/: : /: : /: : : : _: : : : : : :i
/: : :/: : : ::/: : ::/---> `ヽ_ノ!‐'ヽ
|/ー/: : : : |: : :!ー―`ー ィノノ、_〈
l: : : ―-: : ::| -―‐ { \ ヽ_
/: : 人;;l ヽ:;/ 、_ { ヽ /
|∧ l (ヒ_] ヒ_ン)` }ヾ--'´ー―‐゙
|: l!"" ,___, ""/: : : : |: : : : : }
{: j`、 ヽ._ン |: : : : : l;/ヽ;::|
|: |从`ー---─ ´ l: : : : / ソ
∨ l/ヽ;/
「こんな面白そうなこと独り占めするなんて
姉さんも人が悪いなぁ!」
…。
……。
………。
「…お前は誰だ?」
「え?」
いや、何意外そうな顔をしているんだ。
少なくとも私の記憶の中にこいつの姿はみあたらない。
「…お前達の知り合いか?」
私は仲間達にこのゆっくりについて問いかけてみた。
「…いや?」
「完全に初対面ですね。」
「こいつは何者なのかー?」
「まさか、ここに来てアタイ達を混乱させる悪の手先が!?」
…みんな、完全にこのゆっくりに覚えがないようだ。
「な、なに言ってるんや姉さん
うちや!生き別れの妹やないか!肉親を忘れるなんて
冷たいにも程があるで!!」
「…いや、生き別れの妹なんて初耳だぞ。」
「そ、そんな!?無情にも程がありすぎるで姉さん…。」
私の妹を名乗ったそいつは涙目で私を見ている。
…正直、本当に彼女が妹なら申し訳がない気持ちでいっぱいになる。
…が、今は彼女にかまっている暇はない、その件は後回しだ。
それより私…いや、我々にはやらなくてはならないことがあるのだから。
「…みんなすまない、私は肝心なことを忘れていた。」
私は自分のために駆けつけてきた仲間達に語りかけた。
「私はずっと…この挑戦は一人でやらなければならないと思いこんでいた。
だが、実際は違うと言うことを私は知った。
この十年、様々な出会いがあった。
うーさん、いつも私が悩んでいるときにそっと肉まんを差し出してくれてありがとう。
オーストリア全土を舞台に繰り広げられたグッ!合戦、
みりん私は今でも昨日のことの様に思い出せるよ。
総長、私も同じ気持ちだだ、あの峠をまたお前とそうなのCARで駆け抜けたい。
世界⑨王、お前に秘められた⑨力は私を越えているかもしれない。
だが、まだまだ王者の座を渡すつもりはない。
師匠、私はまだあなたに教えてもらってないことがある。
全てが終わったらPADのズレを一瞬で直すあの秘技を伝授してもらいたい。
そして…ああ…まぁはっきり言って誰ですか状態だが
これもまた出会いの一つだ。
私のために駆けつけてくれたことに感謝する。
お前達と一緒に築き上げた十年、
その重みを私一人で支えられるわけがなかったのだ。
みんな…力を貸してくれ。
紅魔館の危機を、我が友を救うための力を私に貸してくれ!」
私は仲間達に向かってそう呼びかけた。
「…やれやれ、この危機的状況でよく長々と
そんな演説ができますね…。」
仲間達は皆呆れ、そしてこう言った。
/^\ ,.へ___
/ >''´ ̄ ̄`'''ヽ7.、 _,,..-‐∧─--- 、.,
、 | /´ _ _'ヽ、 i´ < 龍 > `ヽ
\ 、 〉 / /´ / , 、 、 ヽ〉 y-─レ'ヽ、!--'、.,,_______〈
\,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__レ\ ハノ! /i /:::::;:::::;::::::i:::::::::;:::::;::ヽ;::::i::::| _,r‐!7´ー-v―-、 `゙' 、
\ / //`ー∠rr=-, r=;ァハヘi::::::i:::/_;:ィハ_L、_!\i:::::i::::|::::r'「>-'、-─'-<こ`ヽ,__ ヽ. ___|\ _/|_/}
/ , ヽ!_/ヽ>  ̄  ̄ "i!::::ハ_7(ヒ_] ヒ_ン )Lハ:,r'ア´ ´ `ヽ|/`ヽ ':, ,. -───-- 、_ /___,: : : \: : : : : : : : ヽ
i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',、 -=- 人|.:}レY::::7"" ,___, ""ハノく7 / / ,! ,! /! ノ`ヽ/´! rー-、,.'" `ヽ、  ̄´/: : y―: : : : : : : : : : : ヽ
! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i〉'=r--r='i´.゙`ヽ`r 〈:从 ヽ _ン ,イイ::::|| ,' | /、ハ /レ'__,!イ , ∨] _」::::::i _ゝへ__rへ__ ノ__ `l /: : /: : /: : : : _: : : : : : :i
レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ) ! | |: ヽ、ニニ彡'ハ:::レへY::::ノ>--r イ:::ホ|::::ノイ ハ/─ ∨ ,riiニヽ/| ハ Yく::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__r/: : :/: : : ::/: : ::/---> `ヽ_ノ!‐'ヽ
| !7"" ,___, "" | .| |\: :、__/: /!:r'´ |Yノ:;:イ´L二」''ヽ!ン、::|'´ | /! ,riiニヽ "" |/|`ヽ.r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7|/ー/: : : : |: : :!ー―`ー ィノノ、_〈
.| 人. ヽ _ン .| | i |: :ヽ:__/ |:.{,.ニ }><{ iヽ}>・<{-'}><{ メi:::| レ'│"" _,,.. -‐' !メ|)/ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒ `! i ハl: : : ―-: : ::| -―‐ { \ ヽ_
レヘハ>.、.,___ ,.イヘ,/ヽ.ハ/:.|: : : : : : : : : :|:.:`Ti|:〈、__/⌒i-i⌒ヽ__,.イ:|::::| 八!ヘ. ノ/ / ハ ハ/ !/// ヽ_ ノ ///i ハ /: : 人;;l ヽ:;/ 、_ { ヽ /
,.ィV二ヽ. ! `!,.イ rノ+ヽr ヽ!リ:::〈rヘメソゝヽ 、_ ノ "⌒Y⌒Y´ノ ハ ハノ iヽ|∧ l (ヒ_] ヒ_ン)` }ヾ--'´ー―‐゙
/7∞!::::::ハ ヽ〈___ン 十 ヽ、ノンレ ' [ンく_] ヽ '.、[ンく_]' _〈,.ヘ ヽ、 〈 i ハ |: l!"" ,___, ""/: : : : |: : : : : }
,く、____ ハ、 〈、 )∠_ハ | ノソ_) ̄ ノ レ^ゝi >.、.,_____,,...ィ´//レ'ヘノ {: j`、 ヽ._ン |: : : : : l;/ヽ;::| |: |从`ー---─ ´ l: : : : / ソ
∨ l/ヽ;/
「まぁ、言われなくても手伝いますけどね!」
「当然なのかー!」
「人は助け助けられて生きている!」
「うー!」
「もはや語ることはなし。」
「年金寄越せー!」
最後の意味不明な言葉はおいといて、
仲間達に迷いはなかった。
当然、私もだ!
「うぉおおおおおおおおおお!」
/^\ ,.へ___
/ >''´ ̄ ̄`'''ヽ7.、 _,,..-‐∧─--- 、.,
、 | /´ _ _'ヽ、 i´ < 龍 > `ヽ
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i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',、 -=- 人|.:}レY::::7"" ,___, ""ハノく7 / / ,! ,! /! ノ`ヽ/´! rー-、,.'" `ヽ、  ̄´/: : y―: : : : : : : : : : : ヽ
! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i〉'=r--r='i´.゙`ヽ`r 〈:从 ヽ _ン ,イイ::::|| ,' | /、ハ /レ'__,!イ , ∨] _」::::::i _ゝへ__rへ__ ノ__ `l /: : /: : /: : : : _: : : : : : :i
レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ) ! | |: ヽ、ニニ彡'ハ:::レへY::::ノ>--r イ:::ホ|::::ノイ ハ/─ ∨ ,riiニヽ/| ハ Yく::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__r/: : :/: : : ::/: : ::/---> `ヽ_ノ!‐'ヽ
| !7"" ,___, "" | .| |\: :、__/: /!:r'´ |Yノ:;:イ´L二」''ヽ!ン、::|'´ | /! ,riiニヽ "" |/|`ヽ.r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7|/ー/: : : : |: : :!ー―`ー ィノノ、_〈
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レヘハ>.、.,___ ,.イヘ,/ヽ.ハ/:.|: : : : : : : : : :|:.:`Ti|:〈、__/⌒i-i⌒ヽ__,.イ:|::::| 八!ヘ. ノ/ / ハ ハ/ !/// ヽ_ ノ ///i ハ /: : 人;;l ヽ:;/ 、_ { ヽ /
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/7∞!::::::ハ ヽ〈___ン 十 ヽ、ノンレ ' [ンく_] ヽ '.、[ンく_]' _〈,.ヘ ヽ、 〈 i ハ |: l!"" ,___, ""/: : : : |: : : : : }
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`ヽ ノハ/::::|::|:::|、 ヽ_ン u|:::||:::::::lハ y':
:ヽr. ν不ト-|:::| \ /|:::|-γ⌒ /:
:ヽ ハソL._r‐ト--イ-、ト:;ル /:
:ヽ ノ { } ! .>< ! { }' 冫
私の周りに仲間があるまり、一斉に十年の重みが具現化したモノを支え始めた!
グウウウウウッ!
確かな手応えとともにカリスマガードが少しだけ持ち上がったような気がする。
これなら、行けるかもしれない。
「みんな!腹に力を入れろ!大声を出して行け!」
私は仲間達にそう呼びかける。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!」
返事の代わりに返ってきたのは全てを振るわす鬼の如き叫び声。
みんな、全力だった。
もちろん、私も全力だ!
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
喉がおかしくなるんじゃないかと思えるほど叫び声をあげる。
段々と持ち上がっていくカリスマガード!
後、一押しだ!
「見せてやる…これが…私の…。」
否、違う。
私は首を横に振り、さっきの言葉を訂正した。
「私たちの、十年の歴史だぁああああああああ!」
瞬間、私の体からオーラが放出された。
いや、オーラがでているのは私だけじゃない。
「はぁああああああああ!」
ウーさんも。
「ほぁたぁああああああああああ!」
ホンミリンも。
「なのかぁああああああああああ!」
総長も。
「あたいさいきょぉおおおおおおおおお!」
世界⑨王も。
「……。」
師匠も。
「九十八パーセント中の九十八パーセントぉおおおおおお!」
後あの娘も。
全身から燃え盛るようなオーラを放出していた。
そのオーラはまるで火が燃え移るかのようにカリスマガードを包み込み。
ゴォァアアアアアアアアアア!
そしてついにはカリスマガードを燃え上がらせた。
それと同時に、紅魔館に向かっていたカリスマガードはその軌道を変えた。
フランドールや小悪魔の視界からカリスマガードが見えなくなるのに、そう時間はかからなかった。
紅魔館は守られたのだ、
一人のゆっくりパチュリーと、その愉快な仲間たちによって。
~☆~
パチュリー・ノーレッジの目の前には巨大なクレーターが出来上がっていた。
中心点は跡形もなく吹き飛んでおり、周りの木々もクレーターを中心に外側になぎ倒されている。
それだけでも、カリスマガード落下の衝撃の凄まじさを物語っていた。
「…こ、これがカリスマガードの威力ですか…。」
「あのゆっくり達はこの衝撃から紅魔館を守ってくれたんですね…。」
パチュリーの後ろで小悪魔と美鈴がそう呟く。
「…違うわよ。」
パチュリーはその二人の呟きに反論する。
「元々あれは私たちが下らないことをする為に召還したもの。
自分達がしでかした不祥事を自分達で回収したにすぎない。
下らないマッチポンプにすぎないわ。」
パチュリーはそう呟きながらクレーターのそばに持ってきた花束をおいた。
紫色のスミレ、自分と同じ紫色の髪をしたあのゆっくりにた向ける花だ。
「…バカよ、ゆっくり達ってホントにバカ、どうみても無意味にしか思えないことに命ばかり懸けて…。
あんた達には考えて行動すると言うことができないの?
後先考えないにもほどがありすぎるわよ…。」
「パチュリーさん…。」
「パチュリー様…。」
パチュリーの背中はふるえていた。
二人のいる方向からは見えないがおそらくその瞳には涙が溢れているだろう。
二人は彼女にどう声をかけるべきか悩んだ。
いや、むしろ声をかけない方が良いんじゃないか?
誰も動くことができず、どうしたらいいかわからない気まずい空気。
「おいおい、後先考えないのは君たち幻想卿の人たちも同じだろうが、
人のフリ見て我がフリ直せと言う言葉は
君の知識にはない言葉なのか?」
その空気をぶち壊したのはまさかまた聞く事が出来るとは思わなかった彼女のその台詞だった。
「え?」
パチュリーは思わず顔を上げた。
_
`ヽ\ /:\
/:´ ̄下、`ヽ||/:::::::人
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r'´  ̄ 二ニノ /´::::::::`ヽ、__ノー一く/´
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|____>ャ_ノ ノ::::::i::::::l.:.-┼‐.:.:.:.! ├-:i.:.:.:.!.::|::;ノ.:
l´ ̄/´,.- イ:::::::::l::::::| ̄`ー一'´ `ー'「:::丁´ :.
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z─‐一ー- .、|::.:.:ヾ::.:.:.: : : : :.:ヽ、 '/:::::.:.:. ;.': :r┴::.( ハ ヽ ,ヘ _ ヽ
,ィ三ミミヽ、 `ヾ、::\::.:. : : :.::::::l./:::.:.:. ;.' :.:.::}::::::__ノ::::::ヽ ('′ ヾ´ _rへ }
\\ヾヾヾヽ、 ,>‐=`==、===┴==-'、__∠_{__(__:::ヾ:::', } /: ヾ. l ∨_
\\ヾヾヾヽ、,ィ彡'三三三ヾ三三三 ___ _ノ \ `ゝ、::} ,′l i ハ l ノ 〉
. \\ヾヾヾ衫彡/  ̄ ̄ ` _ : '´: : : /:\ア´ .ヘ、 `/ l___!、____ ! l´ _)′
`l^ドn,、尨_∠_____/'⌒丶: : / : : : } /イ ゝ′ !、___,ゝ,_,′ !´}: :`ヽ
. ヽしL!_ラ-'‐ イ `ー'|:.:.:/ .:. }:/: : : : :!: : : { { ! ノ"__"ノ{ ノ}リ: : : : :\
| .: .:.:| :レ' :. .:.: ´ ̄ ̄ヽ'r三、`ー^ゝ彡-く{、iハノ{ヽ`¨ソi:, '´ ̄`ヾ
そこに立っていたのは何故か紅魔館当主を肩に担いだゆっくりパチュリーであった。
「な…な…。」
生きていたという事実に驚きを隠せないパチュリー。
唖然とした表情でゆっくりパチュリーを見つめている。
「すまないが、誰か彼女を見てくれないか?
どうもカリスマガードの落下に巻き込まれたみたいでな。」
そういってゆっくりパチュリーは肩に担いだレミリアを
地面におろした。
美鈴と小悪魔はあわててボロボロのお嬢様を回収する。
「まさか軌道を変えた先にあった神社にお嬢様が避難してるとはな、
彼女にとっては不幸というか何というか…。」
ペチン
いきなりパチュリーはゆっくりパチュリーの顔を叩いた。
ゆっくりパチュリーの頬がもちもちに揺れる。
「…イキナリなんだ。」
「…バカ!」
パチン
またゆっくりパチュリーの頬を叩く。
「生きてるんなら生きてるって真っ先に報告しなさいよ!
この大魔法使いである私を…無駄に心配させてからに…!」
パチン パチン パチパチパチパチ
音を聞けばわかるようにパチュリーのパンチに威力はない。
ただ、パチュリーが叩く度にゆっくりパチュリーの頬が揺れまくるだけだ。
ゆっくりパチュリーは、無言でされるがままになっていた。
それは、彼女の涙が見えたから。
そしてその原因が自分にあることはよーくわかっていたからだ。
「ホントに…心配させるんじゃないわよ。」
/ `ー、_
〈 ヾ 、 `⌒\
_ヽ____ ノ | \
r‐く f´ ̄ > >‐―ト、二´_ノ /
| ∨ く_´/⌒V-―vく⌒ヽ、 {
/⌒V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ ヘr、___x'´
└、___|::::::i:::::::::l::::!::::::/::::::l::l:::::::l:::::::`7 ヽ. く \
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"⌒ヽ、ハ|/(ヒ_] ヒ_ン|::::::::::|:::::::::!. \ ヽ、
l:::::l |::::::::l:::::::::| /lフ´ヽ. |
./:::/::、 'ー |::::::::::::::::::::l ,/:::| ソ
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やがてパチュリーは叩き疲れたのか、ゆっくりパチュリーに寄り添うように倒れ込んでしまった。
ゆっくりパチュリーはただ笑い、そっとパチュリーを抱きしめた。
そして抱きしめたままゆっくりパチュリーは後ろを振り向いた。
/^\ ,.へ___
/ >''´ ̄ ̄`'''ヽ7.、 _,,..-‐∧─--- 、.,
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i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',、 -=- 人|.:}レY::::7"" ,___, ""ハノく7 / / ,! ,! /! ノ`ヽ/´! rー-、,.'" `ヽ、  ̄´/: : y―: : : : : : : : : : : ヽ
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レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ) ! | |: ヽ、ニニ彡'ハ:::レへY::::ノ>--r イ:::ホ|::::ノイ ハ/─ ∨ ,riiニヽ/| ハ Yく::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__r/: : :/: : : ::/: : ::/---> `ヽ_ノ!‐'ヽ
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|: |从`ー---─ ´ l: : : : / ソ
∨ l/ヽ;/
そこには、ゆっくりパチュリーと同じドヤ顔の仲間たちが
立っていた。
ゆっくりパチュリーはフッと笑って仲間たちにこう言った。
「おいおい、ラブシーンを除き見は野暮と言うものだろう?」
「ラブシーンちゃうわ。」
ボスッ!
そういって放たれたパチュリーの零距離腹パンはさすがに堪えた。
こうして一つの挑戦は達成された。
しかし、これは一つの通過点にすぎない。
自分たちが自分たちである限り、挑戦はいつでも続くのだ。
現に、もう新たな挑戦は始まっている。
ヽ _ -― _ `{ゝ ` ―- //
<<´ -‐...... ̄:::::::::::::::::::::`ヽ //、
ヾ 、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\」/、ヘ
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/::::`/´./:::::::l::::/:__,::::|: :||: :l、__l:::ハヽ:::::::::::::i\ ヽ
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r'l::::l ゞ、 ,, >-< 、 ゙(´l|::::l l r ヽ ヽ l '\ //
l l:::l `ゞ、r/`{ y}'\、゙(´ l|::::l(`ヽ _ l / \ \
l l:::l `´ / /ハ\ `´ l /} r / \ / /
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j= == =| ノ // l! //l'´ ヽヽ/ || \ /、 /
{ , -===、 `く/ r-、l// ´ l ヽヽ || / \' \
j//´ ̄`ヽj '⌒ // lヽ ヽ」 \ /、 /
そう、我々の作ったカリスマガードのせいで博麗神社が跡形もなく吹き飛ばされて怒り心頭の
博霊の巫女からどこまで逃げられるのかという挑戦が…。
- 草回避不可能
こいつらの10年って並の妖怪の100年200年よりもずっと密度が濃い気がする -- 名無しさん (2013-07-09 18:32:58)
最終更新:2013年07月09日 18:32