ある日、ある時、紅魔館のメイドの元に
「十六夜咲矢さん、新作自機出演おめでとうございます。
尽きましては記念パーティを開きたいと思いますので、是非出席をお願いしたく存じます。
ゆっくり一同」
と、言う招待状が届いた。
受け取った咲夜さんは、「ゆっくり一同」と言う一文の時点でいやな予感がしたので
丁重にお断りしようと思ったのだが、
紅魔館の主である永遠に幼き赤い月(500)さんが。
「せっかく、祝ってくれるんだから行ってみるのも悪くないんじゃね?」
と、おっしゃったので、それならばと行ってみることにした。
そこで咲夜を待ち受けていたものそれは…。
「ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェ
ドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ。」
こんな奇怪なかけ声をあげながらゆっくり咲夜達が自分の周りを飛び回ると言う光景であった。
しかもゆっくり咲夜達はただ飛び回っているわけではない。
向いている方向とは反対側の方向に残像が残るくらいの超高速で飛び跳ねているのだ。
「…いや、大体嫌な予感はしてましたけど、
これは酷すぎる…。」
かごめかごめの様に周りをゆっくりに囲まれているため、
逃げ道をふさがれた咲夜はOrzの姿勢で途方に暮れていた。
お得意の時間停止もゆっくり咲夜には通用しないので
本当に逃げ出せないのだ。
…ふと前を見ると、高速で飛び回るゆっくり咲夜の向こう側に毎度おなじみゆっくりれいむが
これまた毎度おなじみのドヤ顔で立っていた。
「咲夜さん!新作自機出演おめでとう!
れいむ達のお祝いの儀式、ゆっくり受け取っていってね!」
ゆっくりれいむが照れ顔でそう言ってくる。
チョットかわいいと思ってしまった自分を戒めつつ、咲夜はゆっくりれいむに向かってこう問いかけた。
「…一つお聞きしたいのですが、この奇妙な儀式と私の自機出演にどのような御関連性があるのでしょうか?」
「いや、だって「輝針(きしん)」で「城(じょう)」ならこれ以外思いつかないでしょ。」
何でそんなこと聞くのか?言いたげにゆっくりれいむは首を傾げる。
れいむの言いたい事は咲夜も理解している。
だからゆっくり達が「ドウェドウェ」言いながら周りを飛び回っているのだろう。
だからこそ、だからこそ咲夜はツッコミを入れずに入られなかった。
「…キシンだったら「ドウェ」じゃなくて「ムッファホイ」なのでは…?」
彼女のその言葉に周りを回り続けていたゆっくり咲夜はピタリと動きを止め、
ゆっくりれいむも目を点にした。
そしてゆっくりれいむとゆっくり咲夜はお互いにアイコンタクトをとった後。
「ドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ」
もの凄い勢いで後ろに飛びながら咲夜の目の前から消えていったのであった。
「…………。」
後に残るは呆然とたたずむメイド長のみ。
残されたメイド長はどうしたらいいか解らなくなり。
「ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ
ドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェドゥェドウェ」
とりあえず自分も超高速後ろ飛びで
紅魔館への帰路に就くのだった。
これだけの話。
最終更新:2013年05月15日 09:37