輝針城の新キャラが出てきます。
そしてブラックな表現がありますので注意してください。
最近、お払い棒が暴れ出した。
勝手に妖怪退治してくれるので便利には違いないが、
夜中も暴れ回るのでここ数日寝不足気味だ。
どうしたものかと悩んでいると、我が家の居候の生首饅頭がこう言ってきた。
「ふふふ、ここはれいむの出番だね!」
ゆっくりれいむ曰く、自分に任せればどんなお払い棒でも
利口なお払い棒にしつけ直せるという。
「れいむは、お払い棒の達人だからね!!!」
どんな達人やねん、と心の中でつっこんだが、
まぁ、あまり宛にしないつもりでお払い棒のことを任せることにした。
それで、ゆっくりれいむが具体的にどんな事をしたのかというと…。
有り体に言えば犬のしつけと同じだった。
待てやお座りの指示を繰り返し、言うことを聞いてくれたらご褒美をあげる。
で、ゆっくりれいむがどんなご褒美をあげたのかというと。
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レリイi (_ヒ_] |::::::| | ヒ_ン_) iリルノ
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ルレ ル  ̄ ルリノ
「さあ!お食べなさい!」
最近はとんと懐かしいゆっくりネタであるさあ!お食べなさいである。
ゆっくりれいむの身体と言うか顔面が二つに割れると、お払い棒は一目散にその中身を食べ始める。
お払い棒がどうやって中身を食べているのかわからんが、
そりゃぁもう、凄い勢いで食っている。
まぁ当然だろう、ゆっくりの中身は本当に極上の味なのだ、
私も飢えていた頃、よく食べさせて貰っていたから解る。
「しっかし美味いわねぇ、甘みと良い、さっぱり風味と良い、ほんとに極上のアンコだわ。」
「…いつかられいむの中身がアンコだと思っていた?」
そんなやりとり以降、一体あれは何なのか怖くなって口にしていないのだが。
そんなことを思い出している間も、お払い棒は先端の紙の部分を汚しながら一心不乱に食べている。
半分に割れたゆっくりれいむの顔も相変わらずどや顔だ。
このゆっくりれいむの躾方が良かったのか、お払い棒はとんと大人しくなった。
それから暫くして、今度は妖怪があちこちで暴れ出す。
流石に規模がデカくなりすぎてお祓い棒にまかせっきりにも出来なくなったので、
いつも通り、ゆっくりれいむに留守番を任せて異変解決に乗り出した。
「ここはお祓い棒の故郷なんだから、辛くなったら
ゆっくり戻って休んでいってね!!!」
旅立つお祓い棒に対し、ゆっくりは涙ながらにそう呼びかけた。
世話を任せているうちに情が芽生えたのだろう、私はこういう気持ちが今一解らん。
お祓い棒が動いてもただのお祓い棒だろうに。
「…そう言う態度だから未だにファンの間で賛否両論なんだよ。」
余計なこと言うな。
こうして、私はお祓い棒と共に異変解決へと出発した。
お払い棒はそれはもうしっかりと働いてくれた。
勝手に動いては道行く妖精を吹っ飛ばし、
湖から上がって喧嘩を売ってきた人魚を再び湖の底に沈めていく。
私はこりゃ楽だわーと思いながら人里へとやって来ていた。
そこでも妖怪が暴れていたのでお払い棒でオート退治オート退治。
そんな時、あの妖怪が現れた。
「その代償は恐怖体験だがな!」
赤いマントを羽織っており、そのマントのせいで首もとがよく見えないという妖怪。
確かに最近寒くなってきたとはいえ、そこまで着込む必要性があるのだろうか、と思っていると。
そいつの首が急にフワアッと浮かび上がったのだ。
一瞬驚いたがすぐにその妖怪を正体を察する。
あれはろくろ首だ、それも一般的な首が伸びる奴ではなく、
首が胴体から離れると言う珍しいタイプのろくろ首だ。
その首が離れたと思ったら首と胴体が同時に襲ってきた。
さすがに元々一つだっただけあってそのコンビネーションはなかなかのモノだ、
しかし、初戦は小物妖怪、その弾幕をかわしていくのは簡単だ。
弾幕を一通り交わしてさあ反撃!と言う時にそれは起こった。
バビュン!
突然、お払い棒が空中を舞っている首の方へと飛んでいったのだ。
私より先に攻撃しようとしているのかと、最初は思った。
でも違う気がした。
なぜならお払い棒は攻撃しようとしているよりは、
何だかじゃれつこうとしているように見えたからだ。
その時点で私がお払い棒を止めていれば、この後起こる出来事は防げたかもしれない。
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Y::::::::::::i _::_i:!i:::i_ ヽ:::::V ちょ、ちょっと何だいこれ!
. |:!::i::i::iノメ.ノハハヽ:i:::!::! 襲ってきたと言うよりなついてきた?
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|::i片八" 「 」 " 片! /
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Y::::::::::::i _::_i:!i:::i_ ヽ:::::V って言うか涎スゴッ!
. |:!::i::i::iノメ.ノハハヽ:i:::!::! ベトベトして気持ち悪っ!
从ルハiル○ ○ルメノ /
|::i片八" 「 │ " 片! /
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∫くKⅤ´> ´⌒´ ̄`ヽ H{∫ え、何それ、チェーンソー? \
∫∨ /::::::::::::::::::::ト.:::::: \ リ∫ ちょ、それで何するつもり?
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. ∫|:!::i::i::iノメ.ノハハヽ:i:::!::!∫ や、やめて、それはマジでやめて・・・。/
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基本的に幻想郷の妖怪は人を襲うと言う事になってはいるものの、
幻想郷の緩い空気はそんなルールを形骸化させ、
また、妖怪にとって自分達をおそれてくれる人が居なくなったら困るので
紫達を初めとした大物妖怪による安全管理はしっかり行き届いている。
勝負事の殆どは弾幕ごっこで済まされるため、
激しい戦いでひどい怪我を負う妖怪も人もでてこない。
…わぁ、そんな状況だから、私自身その手のシーンに出くわした事もなく、
妖怪退治を生業としているクセにグロシーンに対する耐性は意外と低かったわけで、
そんなシーンをもろに見てしまった瞬間、
目の前がクラクラして胃がキュルキュルして
思わず戻してしまいそうになってしまいまして。
気がつけば神社に風のごとき早さで戻り、
返り血のついたお払い棒を洗いもせずに物置に放り込んで封印した後、
布団をかぶってフルフル震えておりました。
「?ねえ、突然布団をかぶってどうしたの?異変は?」
心配したゆっくりれいむが呼びかける間も、私の頭の中であのとき見た光景が何度も何度もリピートされる。
どうしてこうなった?
あの妖怪の頭がゆっくりにそっくりだったせいか?
あんな方法でお払い棒をしつけたゆっくりのせいか?
それとも、お払い棒の世話をめんどくさがってゆっくりに全部任せてしまった私のせいか?
いくら自問自答を繰り返しても答えなんてでてこない。
ふと、顔を上げると、ゆっくりれいむが心配そうな顔でこっちをみていた。
生首に心配されるとは、私もだいぶ情けなくなったものだ。
そんなことを思ってると、ゆっくりれいむはこんな事を言ってきた。
「何だかやつれた顔をしてるね、こう言うときは…
さぁ!れいむの中身をお食べなさ…。」
「やめて!」
財布がマジックテープの彼氏を止めるノリで私は叫んでいた。
…私が立ち直った頃には魔理沙が異変を解決していた。
私への事後報告がてら遊びに来たとき、彼女はゆっくりれいむとこんな話をしていた。
「そう言えば、この前の異変の時、人里でお前にそっくりな妖怪にあったよ。」
「へぇ、れいむにそっくりな妖怪?」
「あぁ、首が飛ぶタイプのろくろ首さ、
で、その飛んでいる首がお前にそっくりなのさ。」
「ふぅ~ん。」
「で、まぁこれまたおかしいのがそいつの顔さ。」
「?」
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「何でか知らないけど、顔の真ん中にでっかい縫い跡があるんだよ、
まるで、顔を真ん中から二つに切り裂かれてその後縫い合わせた跡のような。」
「へぇ、それはちょっとみてみたいね。」
「そいつ、人里にすんでるみたいだから、
れいむの奴と人里に散歩に行くときに探してみたら…。」
「…しばらく人里にはいかない。」
『え?』
私は心の中で百回ゴメンナサイを繰り返した。
- やはり赤蛮奇=ゆっくりネタが来たか、さすがだメイトリックス。
さあお食べなさいの時中身だけ食べるのって珍しいよね。でもこの方が回復は楽かも。 -- (名無しさん) 2013-07-21 10:35:23
- ゆっくりの中身は食べ物だけとは限らない…ヨコハマサクヤさんの中身はゴムっぽいよねw -- (名無しさん) 2013-09-15 11:07:42
- これは面白い
東方とゆっくりのとても良いSSを読ませてもらいました -- (名無しさん) 2013-09-15 21:59:43
最終更新:2013年09月15日 19:06