てゐ魂43話-4



~☆~



「えーと…なんて言うか、スミマセン。」


れみりゃとてんこはそう言って深く謝罪する。

              :  ∧ :
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謝罪相手はついさっき自分達がボコボコにしてしまった
ゆーぎ所長である。

「は、ハハハ…気にするな間違いは誰にでもあることさ、誰にでもな。」

ゆーぎ所長は笑ってそう言うが、ボロボロで足下が何となくフラツいている状態で言われても
罪悪感が増すばかりである。

「所長の言うとおりだよ、気にしちゃだめ。」

「そうだぜ、希望の面を着けて現れたのが悪いんだ、
 全ては希望の面が悪いんだぜ。」

⑨課隊員二人はそう言ってれみりゃとてんこを励ましてくれた。
そう、希望の面を着けて現れた謎の一段の正体。
それは希望の面で仮装した⑨課の面々だったのだ。

「…希望の面が悪人みたいな慰め方はどうかと思うど…。」

その励ましを聞いてれみりゃはそんな事を呟いた。

「まぁ、この格好のままお前達の前に出た私も
 迂闊と言えば迂闊なんだがな…。」

ゆーぎ所長は希望の面を手にそんな事を呟いた。

「そう言えば何でお前達希望の面を着けていたんですかねぇ?」

「これか?まぁレティとあのウサミミゆっくりを脅かすための仮装だったわけだが。」

てんこの質問にゆーぎはそう答えた。

「…ゆーぎ所長、お前もか。」

れみりゃはそんな事を呟く。

「…何でてゐとレティを囮にお化けを誘い出すために隠れていたのに、
 お化けになって脅かす側に回ってるのか理解不能状態。」

「お前もノリノリで脅かしていたけどね。」

「うるさい黙れ。」

笑いながらそう言ってくる⑨課隊員に向かって
てんこはきっと睨みつけた。

「まぁ、目的を何か見失っていたのは確かだな。
 で、みんなでノリノリで仮装していた途中で…。」

「あのお化けに出くわしたって訳かど?」

れみりゃはそう言って物置の方をみた。

物置には気絶したお化けを縛り上げている⑨課隊員の姿が見えた。


「ああ、そいつは我々の姿を見た後、悲鳴を上げて逃げ出してしまったんだ。」

「…え、お化けが悲鳴を上げて逃げ出したのかどか?」

「ああ、お化けがお化けをみて逃げ出すとはちょっと意外だった。
 で、追いかけていたら物置に逃げ込もうとしていたから、
 とっさに持っていた希望の面を投げつけたんだ。」

「鬼の力で投げられたお面が頭に直撃したのか…
 気絶だけですんでよかったな、下手したら死んでる可能性があるぞ…。」

そうつぶやくテンコの手には、物置の中で拾った希望の面が握られている。
ゆーぎ所長の手で投げられ、お化けの頭に直撃したそれはお化けの頭の形にひしゃげている。
それはとてつもない馬鹿力で投げられたことを示していた。

「…お面を投げつけられて直撃、かど…。」


ゆーぎの話を聞いてれみりゃは考える。
そして、縛られているお化けの方をみる。


「やれやれ、チョットしたパプニングはあったが何とかお化けを捕まえられたな。」

「これで枕を高くして寝られるね!」

「そうだな、2メートルくらい高くして寝ておきたいぜ!」


そんなに高くしたら寝られないだろ、と、れみりゃは心の中でツッコんだ。
それはさておき、気絶して縛られているお化けをみて思う。


何でお化けを見てお化けは悲鳴を上げた?
何でお面が頭に直撃して気絶する?
そして何より…そもそもお化けって縛れるの?


「…あの、もしかしてアレってお化けじゃないんじゃ…。」


れみりゃがそうゆーぎ達に向かって言おうとしたその時。



ガラガラガラ!


「ああああああああああ!」


「ぎゃああああああああああ!」
「いやぁあああああああああ!」
「うっわぁあああああああああ!」



突然、遠くの方で何かが崩れる音と、叫び声が四つ聞こえてきた。
しかも、叫び声の内の三つは聞き覚えのある声だ。


「テンコちゃん、今の声って。」


れみりゃがテンコの方を向くと、テンコはコクリと頷いてこう言った。


「…間違いにぃ、てゐとレティとちるのだ。」


「…二人は一緒に行動していたから解るけど、
 何でちるのまで?」


「…そんなの、解るわけにいだろ。」


…どうやらここでお化け一匹捕まえたくらいで浮かれている場合じゃないらしい。
一体何が起きたのか、確認する必要性が出てきた。


「ゆーぎ所長さん!」


れみりゃはゆーぎ所長の方を見る。

「ああ、解ってる。」

ゆーぎ所長は既に行動に移っていた。
部下を引き連れてゆーぎ所長は音と叫び声の下法に向かっている。
れみりゃとてんこもその後に続いた。
…そしてその場に残されたのは気絶して縛られているお化けと、見張りとして残されたゆっくり二名様。


「…どういう事なんだろ?まだお化けが残ってるって事?」


残されたゆっくりがもう一人のゆっくりに話しかける。


「…全然状況が解らねぇぜ。とりあえず末端のまりさ達はお化けを見張ることに専念しようぜ。」

「そうだね、難しいことを考えるのはお偉いさんのお仕事だよ。」

そんな会話を繰り広げるゆっくり二人の後ろで
縛られお化けが何かつぶやいている。

「…ゆっくり…いっぱい…ウフフ。」

にやけ顔でそう呟いたお化けを二人はじっと見つめる。

「それにしてもこのお化け、何かさっきから気持ち悪いこと呟いてる気がしないか?」

「そうかな?お化けなんて
 何か意味ありげな事を呟くのが仕事みたいなもんじゃない?」

「う~ん、まりさの気のせいかな…。」

そういって首を傾げる⑨課隊員なのであった。


~☆~


さて、ここで話を少しさかのぼってみよう。
時間的には謎の轟音と叫び声をれみりゃたちが聞く少し前である。

「……。」

「はぁ…はぁ…。」

レティとてゐは目の前の茂みに埋まって延びているお化けを見つめていた。
さっき、自分達でも驚くくらい息のあった一撃でぶっ飛ばしてしまったお化けである。

「やっちゃった、やっちゃったよ…。」

「いきなり現れたからって思わず殴っちゃったけど…
 祟られないよね、これ祟られないよね?」

お化けを見て不安になる二人。

「と、取りあえずどうする?」

「気絶している今の内に縛り上げちゃいましょうか…。」

そんな事を言った次の瞬間。


ガサガサガサ!


「!?」


いきなり茂みが激しく動いたのでビビってしまう二人。

「な、何!?」

「こ、これ以上何が起こるって言うのよ…!」

逃げ出したいが恐怖心で動きが止まって居る二人は、
茂みをただただ見つめるのみ、そして次の瞬間!


ガササアアアアッ!


          N    、     /
          \ \ ヾ |  /
            r'て厂ヽ>┴'┴─<て\
        /ー‐'  /    __-、 r __ `ヽ|
         ト、___/    `''___`′  \
       __ト    ^   ,. ´/\__∧ ̄フト、 \.
        ∨    /|\/-'‐' ̄  ̄ヽ|/ヽ 〉 へ/ヽ/i __
.      r┤ c  /ト、ノ レ\ ハノ! /i  i, lノ ヽ , ─ 、 ノ
    iヽ/ヽ∧   { ハ ィイ (ヒ_]   ヒ_ン)ハヘ|ゝ(  / i    ! >
   <  ,─、ヽ  iヘ / ! i""  ,___,  " iハ 〈ヽ/  `─ '/
   (    i  i \ \ i ハ、   ヽ _ン   人|´ iハ〉     /
    ̄\`- '   \ ヾレへ〉'=r--r='i´Vヽyハ ノ    /
     ┴|i        \. `┴─┴‐┴一─,ハヘ    /
      / !       ヽ,           /\    /
      ヽ        i       ‐一'´       /




「ギャーオー!たーべちゃーうぞー!」


茂みから飛び出した怪獣の着ぐるみをきたゆっくりが、両手をあげてそう叫んだ。

「……。」

「………。」

てゐもれてぃも醒めた目でそのゆっくりを見つめている。

「ふ、悲鳴すら上げる余裕もないほどビビってる!
 さすがアタイ!」

ゆっくりはムフーと自慢げな態度でそう呟く。
そんなゆっくりに向かってれてぃはこんな言葉を投げかけた。

「…何してるのよ、ちるの。」

「何いいっ!」

着ぐるみをきたゆっくりーその正体は言うまでもなくちるのであるーーは
れてぃのその言葉に衝撃を受けていた。

「そんな…このコスプレにも驚かなかったのもショックだけど、
 正体を見破られたことにもショックを受けたぜ…。」

「いや、恐竜のコスプレは今回とは方向性が違うし、
 そんな顔丸だしの着ぐるみじゃあすぐにバレちゃうでしょ。」

落ち込むちるのに的確な指摘をとばすてゐ。
ちるののお陰で、さっきよりは冷静になれているようだ。
ありがとうちるの、感謝するべきだちるの。

「…それよりちるの、ちょうど良かったわ。
 あなたの力でそのお化けを拘束してほしいの。」

「え?」

いきなりれてぃにそう言われて、頭にハテナマークを浮かべるちるの。

「…右側を見てみなさい。」

「右側…うおおおおっ!?」

ちるのは右側を見てようやくノビているお化けに気づく。
そのお化けとてゐ達を交互に見た後、ちるのはこう呟いた。

「…まさか一般人に手を出すなんて…やっちまったな、レティ…!」

「イヤイヤイヤ、違う違う、それお化けだから、一般人じゃないから…多分。」

最後に小声で多分、と呟いたのは自信のなさの現れである。

「とにかくさ、気絶してまた襲ってきたらシャレにならないし、
 あなたの氷の能力でこいつを冷凍保存してくれないかしら。」

「ああ、なるほど。」

レティの話を聞いて納得するちるの。
(何か普通に会話してるけど、旗から聞いてると
 とんでもない事言ってるよね、こいつ等。)
二人のやりとりを聞いててゐはそんな事を考えていた。


「じゃあちゃっちゃと済ませるから待ってて~。」


ちるのはそう言うとお化けを凍らせ始める。
レティは全身の力を抜いて、ほうっとその場に座り込んだ。

「ふう、お化けも捕まえたしもうこれで安心ね。」

「そうだね、もう悲惨な目に遭うのはこりごりだよね。」

二人はそう言って笑いあう。
で、一頻り笑った後、てゐはレティにこう問いかけた。

「で、レティ君一つ質問があるんだけど。」

「いきなり何だねてゐ君…って何か語呂悪いわねこの呼び方。」

「そこはどうでも言い、そんな事より重要なのは
 今からする質問だ。


              :ill||||||||||l:
             :i|||||||||||||||
           /''';:|||||||||||||||||l:、
          /:i  :||||||||||||||||||i `'!
          / :|  :||||||||||||||||||l ノ!
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          ! !;ヽ:||||||||||||||||||||!; |
         |  |/|||||||||||||||||||||; |_
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                 ヽ        i       ‐一'´       /

 君はちるのの後ろに見えるあれを何だと思うかね?」

「…目の錯覚よ。」

レティは目をそらしながらそう答える。

「イヤあんたにも見えてるよね、アレ。
 見ないフリして誤魔化してるんじゃないよ、冷や汗でバレバレだよ!」

てゐは冷や汗グッショリなレティを見てそうツッコんだ。

「誤魔化してないわよ!私は何にも見ていない!




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         =!川!;|||||!l|||l|:l|l||||ー'‐'.;:=!川!;|||||!l|||l|:l|=!川!;|||||!l|||l|:l|l|ト、___/    `''___`′  \
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 後ろに現れたお化けが少しずつ増えている様に見えるのもきっと気のせいよ!」

「やっぱり見えてるじゃんってえええええええええ!?」

後半、てゐが驚きの声を上げたのはお化けが増えているって事に気付いたからである。
この事実に気付いた二人は完全にパニックに陥っている。

「な、何で?何で増えてるの?」

「あ、アレじゃない?一匹見たら30匹いると思えと言うゴキブリの理屈!」

「うっわぁ~よりにもよってお化けにもそれが通用するなんて…。」

こんな感じで騒いでいる二人のゆっくりに向かって
ちるのはこう言ってくる。

「ちょっと!何だか知らないけどギャーぎゃ騒がないでよ!」

怒りながらそう言ってくるちるの。

「…あ、悪い。」

「っていうか氷付けにするだけなのに随分と時間がかかってるわね、
 まだ終わってないの?」

「今仕上げの最中だよ!

┌───────────────────┐
│              :ill||||||||||l:          │
│             :i|||||||||||||||       ......│
│           /''';:|||||||||||||||||l:、        .│
│          /:i  :||||||||||||||||||i `'!     ....│
│          / :|  :||||||||||||||||||l ノ!      .│
│          | ヽ |||||||||||||||||||| :|     .....│
│          ! !;ヽ:||||||||||||||||||||!; |     ....│
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│         _|  .|/||||||||||||||||||||; |__     .│
│        ='ヾ‐イ:||:|l|l|l|l|l|l|ll|||||' |::::      │
│         :::: | |;:|||||:l|:l|l|l|:l|:||||| イ=     .│
│         :::::/ };|||||||||l|:l|l|l|:l|:|||.ノ:     .│
│         =!川!;|||||!l|||l|:l|l||||ー'‐'.;:::   .....│
│          :::::!l.|ノ      / ./:     ...│
│          ::::::::|:::      ノ }:::       │
│           ̄~|:::      川リ ̄     .│
│           ̄ |::::      | ~      .│
│          ::.:.:.:|:::::      |:.:.:.      .│
│          .:.:.:.:|;;;::::      .|.:.:.      .│
└───────────────────┘


 この括れをもう少しアレしたらそっちに運ぶから!」

そう言ってちるのは氷像(お化け在中)の制作に戻っていく。

「…氷付けにするだけで良いのに、何やってるのさ。」

「殆どおおざっぱな癖に、しょうも無い事にはとことん拘るのよね、あいつは。」

二人はちるのを見てあきれていた。
と、ここで二人はある事に気付いた。


「…アレ、もしかしてちるの何気にピンチ?」


ちるのの後ろにはお化けの大群、しかもちるのはその事に全然気付いていない。
この状態で襲われたら、腕が立つちるのでもひとたまりもない。


『ちるの、逃げろぉおおおお!』


その事に気付いた二人はちるのに大声で呼びかけた。

「は?逃げろ?あたいの信条は不退転だ!断る!」

「イヤ、マジでヤバいことになってるから!後ろ見て後ろ!」

「敵に背は見せん!」

「私達は味方ぁあああああ!」

しかし、いくら呼びかけてもちるのはズレたことを言うだけでその場から逃げようとしない。
じゃあ無理矢理にでも移動させるか?
お化け相手に完全にビビってる二人には無理な話である。

そうこうしている内にお化け達はゆっくりとこちらに近づいてきている。
それでもちるのは気付かない。普通にヤバい。

「ああくそ…正直近づきたくないけど!」

「一瞬で近づいて、一瞬で回収するわよ!」

流石にここまで追いつめられると、てゐもレティも覚悟を決めるしかなかった。
震える体を精神力で押さえて、ちるのを回収に向かおうとしたその時!


ガラガラガラガラ!!


突然、何かが崩れたようなもの凄い音がした!


「!?」

「な、何々!?」


突然の物音にてゐもレティも動きだそうとしていたその足を止めてしまう。
どうやら、音はお化け達の向こう側から聞こえてきたようだ。
もっとも、お化けの大群がじゃまで向こう側で何があったのか、確認できないが。

「ん?何だ今の音は?」

ちるのも流石に今の音には気付いて後ろを振り向く。
そしてちるのはそこで初めて自分の後ろにいたお化けの姿を見ることになるのだが。


「…あ、あんた邪魔、退いて。」


ビビるでもなく、驚くでもなく、幽霊相手に邪魔といってのけた。

「ちるのぉおおおおお!?」

「あいつお化け相手に何言ってるのぉおおおおお?」

思わずそんな事をツッコんでしまう二人。
そしてさらにツッコミを入れたくなる出来事が。


「あ、スミマセン。」


「以外と素直に退いてくれたぁあああああ!」

ちるのの言葉に意外と礼儀正しく謝って脇に退いてくれるお化け達。
そりゃぁ、ツッコまざるをえない、本当に。
それはそうと、お化け達が退いてくれたお陰で見渡せるようになった向こう側。
向こう側にあったのは塀。
その一部が崩れ落ちていた。


「な、何か崩れてるんだけど…。」

「だ、誰かが外から破壊した?」


崩れた破片が殆ど内側に落ちている…。
つまり塀は外側から崩された、と言うことだ。
いったい誰が?と、じっと崩れた塀を見つめていると。


            ,.,、
     __  // \   .___
     \ヽZ>ト┴''"´ ̄~`メ 7∠__
     /:リ.~..::::::::::::::::::::::::::::::::....ヾ_7/\
    ノ.::::)..:::::::::::::::::ハ::ヽΛ:::::::::::::.ヽ:::::::::...)
    i.::r'´r'"::ノ\:ノ j:ノ/ Vi::::_:::ハ::::::::ハ
    ! (.:::::!Y(ヒ_]      ヒ_ン )i,イ/:::l:::::::ノ
    ヘ:\トl     ,___,   "ノ::レ':::::ノ::::::(
     ).:∠:!    ヽ _ン ∠::::::::_,イ::::::::::.)
    (:::::::.!ヽ          ̄フ l::::::,イ
     \:( `ゝ、    _,,,ィk´‐-、.j:::ノ
           i  .::::/ /  .i
          .i .:/ .:::,i  /
          i / .::// ./
          i ..::::/ .//_つ
          ト-イ  (__ノ
          /  /
         / /          .
        ノ /
       / ノ
      / ./
     //
  ノ⌒/
..⊂_,,/


「ああああああああああ!」


「ぎゃああああああああああ!」
「いやぁあああああああああ!」
「うっわぁあああああああああ!」


崩れた壁からもの凄いポーズではたてが飛び出してくればさ。
そりゃ驚くさ、誰だって驚くさ、ってもんだ。





  • 押入れにみっちり詰まったてゐとレティ極東変態侍さんかビックルさんの絵で見てみたい -- 名無しさん (2014-01-08 13:08:12)
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最終更新:2014年05月14日 07:39