博麗神社とゆっくりかんぬし
【ここはゆっくりかんぬしのおうちだよ!! さけなの?のむの?】
ここは博麗神社の本堂の屋根裏部屋だ。
霊夢はここにゆっくりかんぬしが居ついている事を偶然に発見し、たびたびこの場所に足を運ぶ事となった。
『ゆっくりかんぬしさん、きょうもおねがいするわ!!』
ゆっくりありすである、霊夢のお手伝いとして付いて来たのだ。
「いつも悪いわね。」
【いいよ!ゆっくりしていってね!!】
二人はかんぬしに挨拶を済ませると、何かの準備に取り掛かった、
かんぬしの前に大きな瓶と水で満たされた巨大な皿が並べられる。
「うんしょ…、じゃあ頼むわね。」
【うん! …ごーく。…ごーく。 …】
かんぬしは目の前の皿の水をおもむろに飲み出し、全てを飲み干した、
そして霊夢とありすとしばらく他愛の無い会話が交わされる事数分…。
【…ゆっ。 そろそろいいよ!!】
「そう…じゃあちょっと失礼するわよ…。」
霊夢はかんぬしの両頬をむんずと掴み、それを瓶の上に持っていく、
そして大きく深呼吸をした後に、思い切り左右に引っ張った。
【ん゙っ゙♪ ん゙っ゙♪ ん゙っ゙♪ ん゙っ゙…】
かんぬしは痛いのか気持ちいいのかはっきりしないような表情と声を出す、
そして、伸ばされた体からはボタボタと液体が滴り落ち、瓶を満たしていく。
【……ゆ゙ゔっ!】
体が水ぶくれして大きくなっていたかんぬしは、すっかり元の、心配になるくらいの細い体格に戻っていた、
霊夢は瓶の中の液体をグラスで汲み、そっと口にする。
「…うん、いい味だわ…。」
そう、酒である、それは何故かキンキンに冷えたビールだった。
ゆっくりかんぬしは水を酒に、酒を別の酒に「醸す」事ができるのだ、
しかし、こんな不思議かつ有益(?)な生物が良からぬ人間や妖怪に捕まったら大事になりかねない、
そこで霊夢は、博麗神社でかんぬしをかくまい、時々話相手になる代わりに酒を醸してもらう事にしたのだ。
そうこうしてるうちに、ありすが次の瓶をかんぬしの方に器用に転がしてきた、
もちろんこの事は他の連中にも秘密なのだが、ありすは余計な事を言わない性格だったので霊夢はお供させていた、
かんぬしも、ゆっくりの話相手がいた方が当然いいだろうと思っての事でもある。
『…よいしょ…! いいわよ、あとはおねがい、れいむ!』
今度はさっき水が入っていた皿にいくらかビールを移す、かんぬしはそれを見て目を輝かせる、
かんぬしは酒を飲む事も大好きなのだ。
「じゃあ次、お願いね。」
【…ぐーび♪ ぐーび♪ しあわせ~!!】
美味いビールに目をトロンとさせるかんぬし。
絞りたての新酒を楽しみに、次の瓶を運び込んでいる霊夢。
既に充満したアルコールの匂いでほろ酔い気分のありす。
三人は、しあわせだった。
- どう考えても自分が酒飲むためにかくまってるだろw -- 名無しさん (2011-05-19 15:20:59)
- 抜いた -- 名無しさん (2011-06-05 12:21:30)
最終更新:2011年06月05日 12:21