装飾品のお話、即興ver
『ぼうしのおじさん』
ゆっくりちぇんは泣いています。
「うぇえええええええええん!!わがらないよ~!!」
大切な帽子を無くしてしまい、いっぱい探し回ったけど見つからない。
皆から「かわいいちぇんのかわいいぼうし!!」とたくさんほめて貰ったのに。
そんな時でした。「おや?どうしたんだい?」と
箱を背負った人間が、泣いてるちぇんに気付いて話しかけたのです。
「ゆ・・・ゆ・・・ゆっぐじ・・・じで・・・びぇぇええええええええん!!」
「ほらほら、泣かないでね。」
人間はちぇんの涙を拭いてあげてなぜ泣いているのか聞くことにしました。
「あそんでいたら、ぼうしなくしちゃったよ・・・。」
そう言うとちぇんはうつむいてションボリ。
「そうなのかい・・・。そうだ、良いことを思いついた。おじさんを皆の所へ連れて行ってくれるかい。」
人間を連れて行く。それはちぇんにとっては難しいことでした。
にんげんはゆっくりできないひとがおおいから、みんなのところにつれてきてはだめ。
大切な家族や仲間から何時も言われていることでした。そのことを飛び跳ねながら必死で説明します。
「それじゃ、僕はここで待っている。だから、君と同じ帽子を被っているゆっくりを連れてきておくれ。」
それなら、いいか。とちぇんは元気に「わかる!!わかるよー!!」
と言いながら、近くで一緒に遊んでいた尻尾に少し傷が付いたちぇんを連れてくるのでした。
「つれてきたよ!ちぇんのいもうとのちぇんだよ!!」「ゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくりするよ。・・・ふうん、こんな色と形か・・・。その帽子をちょっと貸してくれるかな。」
妹ちぇんにそうお願いしますが、断固として貸してはくれません。
帽子を無くした姉のちぇんも頬を膨らませ反対します。帽子はとても大切な物なのです。
「うーんすこしの間で良いんだけどね。じゃあこうしよう。僕が帽子を粗末に扱わないように
そこでゆっくりして見ていたらどうだい。幸いお菓子とお茶もあるしね。」
人間はそういって地面にハンカチを引き、その上に箱からだしたお菓子とお茶をそれぞれ小皿に出しました。
それに気を良くした妹ちぇんは頭をぴょこっと傾けて人間に帽子を貸しました。
「なるほどなるほど・・・。これならいけるな・・・。」
箱を下ろし、岩に腰掛けて帽子を見つめながら人間がなにやら言ってる横で
「「むーしゃ、むーしゃ、ずずず~、ぷひゅ~、しあわせ~♪」」
ちぇん達は幸せそうにお菓子とお茶を堪能します。
「よし、できた。それじゃあ先に帽子を返すね。」
しばらくして人間はそう言うと、尻尾に傷がある方、妹のちぇんの頭に優しく借りていた帽子を乗せます。
それを見ていた帽子を無くした姉のちぇんに、
「ほら君にはこれだよ。」
そう言った人間の手にあったのは、汚れの無い、とても綺麗なちぇんの帽子でした。
「わかる!!わかるよー!!!」
帽子を被せてもらったちぇんは綺麗な帽子に大喜び。妹も目をキラキラさせて見惚れています。
「また、此処に来るから。帽子をなくしたり、傷つけて困ったなら言いなさい。」
そういうと、人間は去っていきました。
それから毎週、人間はこの場所に来て、いろいろなゆっくりの傷ついた帽子や飾りを、繕ったり作ったりしたのです。
もちろん、身体が大きくなり合わなくなったあのちぇんの帽子も、そのたびに作り直しました。
そうやって、「ゆっくりできるにんげん」として感謝されるようになった人間は、
ある時ゆっくり達の村に招かれ、木の実や蜜、採れたての野菜を振舞われ、踊りと歌で歓迎されたのです。
そうしていつしか、その人間はゆっくり達に『ぼうしのおじさん』と呼ばれるようになり、末永く仲良くゆっくりしましたとさ。
おしまい 即興の人
- ゆっくりのぼうしって一匹一匹違うはずじゃ…? -- 名無しさん (2008-12-06 20:09:03)
- それなら問題ない、理由は君にもわかるはずさ -- 名無しさん (2008-12-06 20:29:07)
最終更新:2008年12月06日 20:29