第十五章 別れと出会い
「ゆぐっ、ゆぐぅぅ」
「泣いちゃダメだよ、ゆっくりしようね!」
夏の前から親しんできたおともだちたちと
別れることになったゆっくりたち。
大使館を去っていく人影に、
涙ながらに帽子やリボンを振った。
「離れてもおともだちだよ!」
「またいっしょにあそぼうね!」
別れがあれば出会いがある。
ゆっくり村により近い集まりから
入れ替わりにおともだちがやってきた。
今度の集まりはもっと人が多くて
楽しそうだ。
そんな人たちにゆっくりがかける
言葉はひとつ。
「ゆっくりしていってね!!!」
(ゆっくり数:1278頭)
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第十四章 かりそめの勝利
首都を攻められた敵軍は
ゆっくり村のオアシスに
起死回生の攻撃を仕掛けてきた。
「に゛ゃあぁ、れいむ゛のあんごがあぁ!」
「ゆっ、ゆぐっ、ゆっくぶぎゃっ!」
潰されながらも戦うゆっくりたち。
苦戦の果てに敵を倒すことができた。
やがて始まる停戦交渉、そして……。
「またお手紙だよ! まけましたって!」
「ゆううう! ゆうううう!」
「ゆっくりできるよおぉぉぉ!!」
狂喜乱舞するゆっくりたち。
村は祭りになり、みなが歌い、騒ぎ、
飲み食いし、すっきりした。
「ぱちゅりぃぃ!」「まりさぁぁ!」
「すっきりー!!」
だが、ゆっくりたちが浮かれ騒いで
いられるのは、つかの間のことだろう。
南方のオアシスを奪い、勢力を強める、
新たなおそろしい敵の影があるのだ……。
(ゆっくり数:1070頭)
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第十三章 真実、そして……
「わるいひとからお手紙がきたよ!」
「むきゅっ? 読ませて」
ゆっパルトで攻撃中のゆっくり軍に手紙が届き、
ゆっくりぱちゅりーが読みあげた。
「わたしはわるくないです。
おともだちがわるかったんです。
わたしは はんげきしただけです。
ほろぼしていません」
「……」「……」
ゆっくりたちはその意味を
ゆっくりと考えた。
ゆっちゅりーがみんなを見回す。
「どうしたらいいかしら!」
「れいむはもっとしげんがほしいな!」
「ゆっパルトもかなり壊されちゃったぜ!」
「うっうー、れみりゃおなか減ったぞー!」
「じゃあ、こうげきぞっこうね!」
ゆっくりたちに難しいことはわからない。
相手が泣いて謝ってくるまで
攻撃は続きそうだった……。
(ゆっくり数:1013頭)
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第十二章 決戦! ゆっくりできない人
「みんな、たいへんだよ!」
「ゆゆっ、どうしたの!?」
それは北方のおともだち村が
ゆっくりできない人に攻められ
滅びてしまったという知らせだった。
「どうしてそんなことするのぉぉ!?」
「悪いひとはゆっくりとしね!」
ゆっくりたちは戦うことに決めた。
普段ゆっくりしている饅頭生物でも
ゆっくりできなくなれば戦うのだ。
ゆっちゅりーに村を任せ、
元気なれいむと強いまりさ、
素早いゆっくりゃたちが隊列を組んだ。
そして今回は、わるい人の村を壊す
ゆっパルトまで作られた!
「がおー、食べちゃうぞー!」
「ゆっくり!」「ゆっくり!」
「ゆっくり!」「ゆっくり!」
「ゆっくり!」「ゆっくり!」
「ゆっくり!」「ゆっくり!」
英雄れみりゃに率いられ
ゆっくりたちは敢然と出撃していく。
饅頭にすぎない彼女らに
はたして勝ち目はあるのだろうか……。
(ゆっくり数:1013頭)
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第十一章 ささやかな喜び
「れっれっれれいむぅぅぅ!」
「まっまっまっまりざぁぁ!」
「んほぉぉぉぉ、すっきりー!」
不穏な情勢の中でも愛は育まれる。
今ここに、また新たな命が生まれた。
「ゆっゆっ、ゆっくりちちぇってね!」
「ゆっくりしていってね、赤ちゃん!」
「れいむの赤ちゃん、かわいいね!」
顔を見合わせて微笑みあう
母れいむと母まりさ。
たった二人の新しい村も
すぐに他の二つの村のように
にぎやかになるだろう。
「ここはみんながすっきりできる
すっきり村だよ!」
(ゆっくり数:754頭)
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第十章 戦雲
ザム、ザム、ザム、ザム
「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっくりしていってね!!!」
饅頭皮で大地を踏みしめ
数百の戦士たちが行進の訓練を続ける。
南方のおともだち村が次々と
襲われているというのだ。
いずれゆっくりたちも遠征に
出なければならないだろう。
「うっうー、食べちゃうぞ~!」
頭上を飛んで行くのはゆっくりれみりゃ。
彼女らは騎兵代わりに先鋒をつとめている。
「戦争だってさ」
「おお、こわいこわい」
ひそひそとささやきあう
留守番ゆっくりたちの頭上に
暗い雲が垂れ込めていた……。
(ゆっくり数:671頭)
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第九章 真打ち登場
「ゆうっ、手ごわいよ!」
「ゆぐっ、ゆっくりしていってね!」
オアシスの動物は強く
ゆっくりたちは苦戦した。
だがそこに駆けつけた
勇ましい姿があった!
「ゆっくりしんでね!」
ゆっくりせずに敵を倒す彼女の名は――
「まりさ!」
「れいむ、もうだいじょうぶだよ!」
「村は、たっぷり村はいいの?」
「子供たちにまかせてきたよ!」
再会を喜ぶれいむとまりさたち。
「ここはれいむたちのおうちだよ!」
「ゆっ、ゆっ、ゆっくりするよぉ…!」
待ち焦がれたオアシスを手に入れ、
ヘヴン状態になるゆっくりたちだった……。
(ゆっくり数:367頭)
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第八章 新・ゆっくりプレイス
「ゆぐぐっ、生まれるよぉ!」
きゅー、ぽんっ!
今日もまた村にゆっくりが生まれた
見渡せばあちらにもこちらにも
ゆっくりが大勢遊んでいる
「ずいぶん仲間が増えたね!」
ゆっくりれいむが言うと
親友のまりさが真剣な顔で言った。
「れいむ、まりさは新しい
ゆっくりプレイスを探しにいくよ!」
「ゆゆっ、どうして!?」
「みんなの餌場を増やした
ほうがいいと思うの!」
別れるのはつらかったが
まりさの言葉はもっともだった。
「すてきな村を作ってね!」
「またゆっくりしていってね!」
声援を浴びながら三角帽子の
開拓まりさたちが旅立った……。
(ゆっくり数:251頭)
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第七章 ゆっくりなのに速い!
かぶとをかぶった戦士れいむと
盾を持った戦士ゆっちゅりーの数は
順調に増えつつあった。
しかし古参のれいむやまりさは
ただ防備を固めるだけでは
いけないと思い始めていた。
「まわりの人間さんたちは
どんなことをしているのかな?」
「ゆっくりできない人たちだと
困るぜ……」
「ゆー、ゆっくりちたいよ!」
若いゆっくりたちも賛同した。
「誰か周りの村を調べにいってね!」
そこで選ばれたのがゆっくりちぇん!
ゆっくり一のすばやい動きと身軽さで
他の村に忍び込んだ。
「わかるわかるよー!!!」
そしてゆっくり村に
貴重な情報をもたらしたのだった……。
(ゆっくり数:184頭)
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第六章 ゆっくりの防人(さきもり)
「あっはっは、たっぷりもらったよぉ!」
ゆったりれいむの下でオアシスを巡り
これまでにない獲物を得たゆっくりたち。
「ゆっくりしようね!」
喜び勇んで村へと帰ってきたが、
彼女らはあることを見落としていた。
「ゆっ、村をだれもまもってないよ?」
「ゆっくりした結果がこれだよ!」
そう、遠征に出ている間
村はがらあきだった!
これではいけない。
ゆっくりたちの餡子頭に危機感が
高まった、そのとき――
「むきゅぅ~、村はまかせて!」
立ち上がったのはゆっくりぱちゅりー!
動かないゆっくりと酷評される彼女だが
防御力は天下一品。
防具工場で作られた鎧を身にまとい、
村の守りを固めるのだった……。
(ゆっくり数:124頭)
●以下、プロフ2
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第五章 輝けるゆっくり
まるい体のゆっくりたちは
日夜ゆっくりと開拓を続け
森や畑を豊かにしてきた。
「いっぱい取れるようになったね!」
「これで
ゆっくりできるね!!!」
暖かな日差しの中、土手に並んで
ゆっくりと安らぐゆっくりたち……。
しかし彼女らは自らに足りないものを
自覚していた。
「次はなにをしようかなあ…」
「誰かゆっくりと決めてね!」
そう、この村にないもの
それは全員をひとつにまとめるリーダー。
そこで一頭のゆっくりが起ちあがった!
「れいむがみんなをまとめるよ!」
館が建てられ、集中的な特訓が施される。
やがて見違えるほどの風格を備えた
ゆっくりれいむが生まれた。
その名も――
「ゆったりしているよぉ、あっはっは」
ゆったりれいむ!
英雄の旗のもと結束を強める
ゆっくりたちだった……。
(ゆっくり数:108頭)
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第四章 ゆっくりのお友達
「ゆぅ~、そろそろわるい人が来そうだよ」
「ゆっくりできるお友達を作ればいいよ!」
ゆっくりたちはお友達を探すことに決めた。
付近の村を回り、うわさ話を聞いて、
仲間になってくれそうな集まりを探す。
やがて、ある集まりが見つかった。
「よさそうな人だよ!」
「おじさんたちはゆっくりできる人?」
「いっしょにゆっくりしていい?」
その人々はウザうるさく空気の読めない
奇妙な饅頭生物たちを、
ゆっくりと快く迎え入れてくれた。
「おじさんたちありがとう!!!」
「れいむたちもがんばるね!!!」
「むきゅ~ん」
頭は柔らかいが頼りにならないゆっくりたち
はたして同盟で
うまくやっていけるのだろうか……。
(ゆっくり数:90頭)
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第三章 引きこもるゆっくり
「あんまりおいしくなかったよ!!!」
「ゆぅ~、いっぱい歩いて疲れたよ……」
ゆっくりれいむたちは
いくつかの放置村を巡ったが、
労力に見合った収穫はなかった。
もとより饅頭生物の彼女らは
戦争に向かない。
しかし頭のいいゆっくりぱちゅりーが
素晴らしいことを思いついた。
「むきゅ~、食べ物を隠せばいいよ!!!」
そう、木のうろに物資を溜めることは
ゆっくりにとって得意中の得意。
「ここはれいむのおうちだよ!!!」
「ゆっくり食べ物を集めようね!!!」
かぶとを投げ捨て、ひたすらに
物資を溜め込んでいくのだった。
(ゆっくり数:63頭)
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第二章 軍くつのゆっくり
「ゆゆっ? 資源が足りないよ!」
「取ってくればいいんだぜ!」
ゆっくりたちは遠征を思いついた。
選ばれたゆっくりれいむが
皮がすり切れるほど
厳しい訓練を受け
丈高いかぶとをかぶった。
「ゆっくり狩ってきてね!!!」
「ゆっくり行ってくるよ!!!」
餡子まんじゅうにすぎない彼女らに
はたして無事戦利品を持ち帰ることが
できるのだろうか……。
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第一章 ゆっくりたちの目覚め
「ゆっくりしていってね!!!」
ゆっくりたちが農耕を始めた。
紅白のゆっくりれいむ
黒白のゆっくりまりさ
紫のゆっくりぱちゅりー
みなで畑を耕し森をひらく。
「ゆっくり種をまくよ!!!」
「ゆっ、ゆゆっ!」
「むきゅぅん、早く育ってね」
テスト鯖での経験があるとはいえ
しょせんは知能の低いゆっくり
ウザ可愛い生き物の彼女らが
はたしてこのおそろしい世界で
無事生き残れるのだろうか……。
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YT
最終更新:2008年09月14日 09:57