『すりすり』
「むにむに~」
「もちもち~」
「「すーりすり~」」
ある休日の午後。れいむとまりさが今日も縁側で仲良くすりすりしあっている。
何と表現したものか、微笑ましくて可愛らしい。
最近は特に忙しくて仕事に追われる毎日の一服の清涼剤だ。
「むにゅむにゅ~」
「ぷにぷに~」
「「すりーすりー」」
ああ、とても楽しそうだ。
なんとなく、そう、こう、自分もその輪の中に入りたいなどと
ちょっと無粋な心持ちと、その仲の良い雰囲気に嫉妬心に近いものを
ほんの僅かに感じながら、その光景を眺めていた。
「「すりすり~」」
しかしこれは・・・。
ほっておいたら子作りを始めてしまうんではないのだろうか。
いや、べつに仲睦まじいことで何の文句もないが、
これだけ仲が良いとすっきりし過ぎてしまうのではなかろうか。
私は飼っているなどというつもりも無し。
ただ、この家がゆっくり出来るという。そんな事を言って居ついてみては、
お茶を汲みお盆に持って来てくれたり。自前なのか饅頭を私に差し出したり。
ご飯は自分で採りに行き、帰ってきたらまた庭で駆け回ってみたり、
色々可愛らしく動き回ってはドジを踏んでみたり、懸命に色々な事を覚えてみたりする。
そんな者達が喜びでとはいえ両方いや、片方のみでも
亡くなってしまうのは至極悲しい。
とは言うものの、よくよく考えてみれば営みにけちをつけるなどというのも
はなはな思い上がりで無粋の極みというものであろう。
お前達は好きにゆっくりとするが良い。
私も好きにゆっくりするとしよう。
「「・・・。」」
おや、どうしたのだろうか。既に動きが止まっている。
すっきりなどと聞いた覚えは無いのでそれは無いのだろうが。
「「へぶんじょうたい!!!!!」」
声に驚き顔を覗いて見れば、密着したまま昇天でもしたかのように
それはそれは恍惚の表情、以外に表現の仕様も無く
そのとても幸せな様相に、自分はそれを福としてのんびり過ごす事とした。
黄昏の後だろうか、気付けばずっと恍惚としていたようで
慌てて庭をかけ出て行こうとするのを今日は止め、一緒に夕食を取る事とした。
そんな誠にのんびりゆっくりとしたある一日の午後だった。
即興の人
- メチャかわいい♪すりあわせが愛情表現なんですね~ -- 名無しさん (2008-10-01 11:18:32)
- へぶんじょうたいっ!!!
ああ、へぶんじょうたい!!
だれか、とめれへぶんじょうたい!!
萌えしぬるへぶんじょうたい!! -- ゆっけの人 (2008-10-31 19:14:06)
- すりすりはいいなあ -- 名無しさん (2011-02-15 15:25:25)
- 夕日に染まるヘブン状態の絵が目に浮かんだw -- 名無しさん (2011-03-02 12:15:44)
- かわいいですね~
愛情表現の仕方がかわい『ヘブン状態ッ!!』いですよね『ヘブン~!!』 -- ゆっくり好き (2011-07-27 21:09:59)
最終更新:2011年07月27日 21:09