『ゆっくりりぐる』

『ゆっくりりぐる』

りぐるは蛍の様なゆっくりだ。大体は後ろ髪を虫の薄羽根のように使って飛び、
綺麗な水辺に住み付き、同じく水辺に住むゆっくり達と交友を結ぶ。

「ゆっくりしていってね!!!」
「ぶーん。ゆっくりしていってね!!!」
ご近所のれいむとご挨拶だ。蛍なのにぶーんが口癖で良く他の虫に間違われる。
というよりもこの挨拶のとき以外はぶーんとしか言わないことが多い。
ひたすらにマイペースな所は同じくゆっくりのちるのと似ていた。

「いっしょにゆっくりしようね!!」
「ぶーん!!」
仲良しのれいむのお誘いだ。りぐるは嬉しそうにした後、
れいむの目線ぐらいまで高度を下げ、仲良く川辺で追いかけっこする。
しばらく遊んでお昼時。
「おなかすいたよ!!!」
「ぶーん!!!」
いきなり森林の中に突っ込むりぐる。
「ゆゆ?どこいくの?!」
そう言ったれいむの元にしばらくしてから、何かを口に咥えたりぐる戻ってきた。
それをポトッと落してなにやら自慢げな顔でれいむを眺める。
「みみずさんだね!!」
「ぶん!!」
「むーしゃむーしゃ、しあわせー!!」「びゅーんびゅーん、しあわせー!!」
りぐるは他のゆっくりに比べ雑食性に劣る。
淡水に住む巻貝、カタツムリに土中に住むミミズなどしか食べられないのだ。
だから、そういった貝類がすむ比較的綺麗な水辺や湿地帯でしかりぐるを見ることはない。

「すこしかわにつかってゆっくりしようね!!」
「ぶーん!!」
 ・・・・・・・・・。
「ゆ。そろそろあぶないね!!ゆっくりつかっていたところがむずむずしだしたよ!!」
水に浸かった時のいつもの危険信号にれいむはすぐに水から飛び出す。
「ぶーん」
「ゆ!!あんまりおみずにつかってゆっくりしすぎるとだめだよ!!」
りぐるは平気な顔でぼけーとしていた。
水辺に住む性質上、りぐるの皮は水に溶けにくいお餅なのだ。
あせあせとするれいむを尻目に一人でしばらくぼーっとしていた。

そんなこんなで日が暮れて、
これからがりぐる達の本当の魅力が発揮される時間となる。
れみりゃも友好的なこの地方の川辺はゆっくり達の夜の社交場だ。
そしてそれを彩るりぐる達の見せ場でも合った。
後頭部をピカーッと光らせ飛び回るりぐる達は、それその物が計算された
ライトアップに勝るとも劣らない美しい光の軌道を浮かばせ、
川辺に居るゆっくり達はそれに見惚れて愛を語り合う。
そして、れいむの友のりぐるも楽しげに存分に飛び回るりぐる達の中に居た。

とまあ長所も短所も多いのだが、ゆっくり達の内輪でりぐるは敬遠されることが多い。その理由は・・・。

「あつい!!ゆっくりはなれてね!!!りぐるたちみんなでれいむにあつまらないでね!!」
先程のりぐるの仲間だろう。6体のりぐるが甘えるようにれいむに擦り寄っている。
そう、りぐるはよく仲良しのゆっくりに、たかるようにすりすりしてくる甘えん坊さんなのだ。
まあ、このれいむもりぐるを嫌うほど嫌がっているわけではない、
りぐる達とはこれからも仲良くやっていくことだろう。
                                                    即興の人



  • このゆっくりりぐる達に
    会える水辺はどこにありますか? -- 名無しさん (2010-03-02 09:05:43)
  • ゆっくりりぐる可愛いな♪ -- 名無しさん (2010-04-09 15:05:09)
  • ゴミはちゃんと持って帰ろう -- 名無しさん (2013-07-06 07:07:10)
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最終更新:2013年07月06日 07:07