ゆっくりたちが幻想郷に現れ始めたころ当時生態が不明だったことが災いし
ある里で誤解から害獣とみなされ駆逐作戦が決行された
武力では敵わぬことをみてとり自身達の殲滅が免れないことを知ったゆっくりの一団は
自分たちを滅せんとする人間たちに最期の抵抗を試みた
成体以上の固体総勢をもって水分を限界まで含ませた体を農地に投げ打ったのである
見渡す限り黒々と染まった耕地は陸に打ち上げられたタンカーの重油が漏れ出した相を呈しており
撤去もままならず分解もされないまま残り不毛の地と化し人間は里を捨てねばならなくなった
ゆっくりたちはわずかな植物型冬眠を可能なものに未来にかけたのである
次の春もはや作物も生えぬはずの黒々としたペースト状の大地にぽつりぽつりとなにかの芽が見えていた
ゆっくりは生き延びた
十数年をかけて茎型出産を繰り返すと土壌は元通りになった
以来村人はゆっくりに無闇に手をださないようになったという
最終更新:2008年09月24日 21:04