僕はゆっくりの生態を研究している研究所に勤めているゆっくりが好きな若者
今、この研究所は「ドスまりさ」と呼ばれる個体の研究に力を入れています
「織場君、ちょっといいかい?」
「はい、どうしました?」
私を織場と呼んだのがこの研究所の主任
「君に頼みたい事がある、頼まれてくれるか?」
「はい、もっとも内容を聞いてからになると思いますけど」
「うむ、もっともだな、本題に入ろう、君は「ドスまりさ」は知っているな?」
「はい、現在この研究所で力をいれて研究している種類ですね」
ドスまりさ…長い年月をかけて成長し、巨大化したゆっくりまりさの事だ
「それなんだが、私は「ドスれいむ」なる種類の存在を予測している」
「ドスれいむ…ですか?」
ドスれいむ…確かにドスまりさがいるのだからいてもおかしくはない
「近年、「ティガれみりゃ」や「クイーンありす」なるゆっくりの亜種も出現している」
「はい、巨大化したゆっくりですね、知能が発達しているかどうかは種類によるそうですが」
「これだけの種類が巨大化しているんだ、ドスれいむなる個体がいてもおかしくは無い」
「だから織場君、君にドスれいむを探してほしい」
「え…僕ですか?」
まだ他の巨大種の観察ならわかる、だがドスれいむはいると言う保証が無い
「もし見つけたのなら、君にそのれいむの名称を付ける権利を与えたい」
僕は頭の中が真っ白になった、僕がゆっくりの名称を付ける?
本当にそんな事ができるのだろうか……
「まあ目撃情報はまだ届いていない、目撃情報が出たとしたら天狗どもの新聞に載るだろうしな」
「よっ、その様子…どうせ変な用が入ったんだろ?」
僕の同僚だ、名前はとりあえず鷲矢さんと言う事にしておく
「ええ、ドスまりさのれいむ版を探してこいと言われました」
「変なことを頼まれるもんだな、ご愁傷さまだね」
「まあ俺からの餞別だ、この爆弾、妖怪から逃げるのに使ってけよ」
「ありがとうございます」
僕はとりあえずカメラ、護身用の銃に弾幕爆弾、食料にお守り等を携帯させられ
確実な情報も無いのにドスれいむを探す事になってしまった
魔法の森、巨大ゆっくりが発見される事もある場所だ
妖怪の山も可能性はあるけど人間が入れるような場所じゃない
入ろうとしても厄神さまや天狗に追い返されるのがオチだと思う
最悪の場合妖怪に襲われそのままあの世行きという場合もあるだろう
とりあえず僕は過去に巨大ゆっくりが発見された場所に足を運んでみる
そこに何かがいた、何もいないように見えるけど恐らく巨大ゆっくりの類じゃないだろうか
試しにあいさつしてみる
「そこにいるのは…ゆっくりかい?」
「……そうだよ!ゆっくりしていってね!!!」
「ああ、ちょっと物騒な物もっているけどゆっくりしていくよ!」
とりあえず安心したのか木の陰から数匹のゆっくり達が姿を現す
その中にはドスまりさもいた、もしかしたら情報が得られるかもしれない
見上げるほどに大きいドスまりさ、多分全長は3メートルはあるだろう
ここまで大きくなったゆっくりは人間や妖怪の気配を感じると身を隠すようになる
見事なまでに巧く身を隠すのでこの大きさで何故か見つからない様だ
僕が銃等を持っているにも関わらず出てきてくれたのは何故だろうか
「どうして僕が銃を持っているのに出てきてくれたんだい?」
「ゆ?お兄さんは僕らに危害を加えるつもりは無いと感じたからだよ!!!」
巨大なゆっくりになると対象とゆっくりして良いのかなどが自然とわかるのかもしれない
その辺りは長年の経験等が物を言うのだろう
「所で…巨大なれいむを見ていないかい?」
「ゆ?大きいれいむは見てないけど大きいありすならいるよ!!!」
「どこにいるんだい?とりあえず会ってみたいな!」
僕はドスまりさについていくとゆっくり達の集落が見えてきた
ゆっくり達がのびのびと暮らしている、畑もできているようだ
人間を見よう見まねしたのだろうか、ドスまりさが教えたのだろうか
近くには家を建てているゆっくりの姿もある
何を使っているかは場所にもよるけど、しっかり作られた家は雨風を耐えてみせるだろう
その中でぽっかりと口をあけた洞窟、とりあえずドスまりさが入っていくのでついていく
あのドスまりさまで入ってしまう、どれだけこの洞窟は大きいのだろうか……
その奥にクイーンありすと呼ばれる個体がいた、見た所とても大きいだけのありすだ
「ゆっ!ただいま!!!」
「おかえり、珍しいお客さんね……」
「この人は大きいれいむを探しに来たみたいなんだ!!!」
「ふーん…私は知らないけどゆっくりしていってね!!!」
とりあえず腹も減って来たのでリュックに入れて来たおにぎりを頬張る
しばらくゆっくりして疲れをいやした所で質問する
「所で…君たちは何を食べているんだい?」
「ゆ?…まりさたちぐらい大きくなると何も食べなくてもゆっくりできるようになるんだよ!!!」
何も食べなくても?……それは初耳だ
「まりさ達が食べ過ぎるとこの辺が更地になっちゃうよ!!!」
「だから私達は大きくなると空腹とかそういうのを感じなくなっちゃうんじゃないかしら」
よくわからないけど、確かにこの辺りの自然は守られる
「なるほど…道理でこの辺りの草木が無事な訳だ」
「ところで…この集落の技術は優れているように見えるけど君たちが教えたのかい?」
「そうだよ!ゆっくり達が自分達でゆっくりできるように手伝うのもまりさ達の仕事だよ!!!」
色々と興味深い情報を聞いた僕は巨大れいむを探す為に集落を後にした
その際にゆっくり達が少しだけ作物を分けてくれた、まあそんなに多い訳じゃないけど
それから二日後、多めに用意していた食料も少なくなって来た
流石に引き際なんじゃないかと思い始めていたとき、僕はそれに出会った
「後ろに物音……妖怪かッ?」
恐怖に駆られたのか振り向き様に僕は銃を撃つ
だけど手応えは無く見えないそれはゆっくりと僕に向かってくる
「う…うわぁぁ、あ…当たってくれ!」
僕は緊急用の弾幕爆弾を設置、木陰に隠れた
爆弾が爆発する様子を見ていると
それに当たる直前に弾かれているようにも見えた
「効いてない…一体何がこいつを守っているんだ!?」
「ゆっ!お兄さん、れいむに何してるの?ゆっくりできないの?」
それが喋り、姿を現すと同時に僕の腰が抜ける、妖怪じゃなかったんだ…
3メートルはある巨体、それに髪の毛に結ばれているいくつかのリボンや帽子
間違いない…このれいむが僕が探していた巨大れいむだったんだ……
「ごめん…びっくりしてつい……」
「ゆっ!れいむにはそんなの効かないから安心してゆっくりしていってね!!!」
巨大れいむのリボンや口から数匹のゆっくりが出てくる
「ねえ…このおにいさんゆっくりできるひと?」
「ゆっ、大丈夫だよ、このお兄さんはゆっくりできる人だよ!!!」
とりあえず僕は巨大れいむを写真に収めておく、僕が初めて巨大れいむに出会ったのだろうか
「どうして…銃が効かなかったんだい?」
「れいむはね…れいむが出す何かで飛んでくる物を弾くんだよ!!!」
飛んでくるものを弾く……僕は手頃な大きさの石を手に取る
「もう一回見せてくれないか?」
「いいよ!、投げてみてね!!!」
僕は勢いよく石を巨大れいむに投げつける
石は巨大れいむにぶつかる直前に弾かれ、その辺に落っこちた
「すごい……他にできる事はあるのか?」
「よくわかんないけど、れいむはこんな事もできるよ!!!」
そう言うと巨大れいむのリボンが伸び、手頃な岩をつかんだ
そのままリボンで岩を投げ飛ばしたのだ、どうやってやったのだろうか
あまり深く考えてはいけない気がするけどあそこまで大きくなればできるのだろうか
ふと…この巨大れいむの名称が思い浮かんだが後で主任に報告する事にする
だけど……どうやって帰れば良いのだろうか、結構深い所まで来ている可能性がある
「所でれいむ…僕はどうやって帰れば良いんだろうか」
「ゆっ?ひょっとしてお兄さん迷っちゃった?それなられいむが外に出してあげるよ!!!」
そう言うと巨大れいむは僕をリボンで捕まえ、自身の上に乗せた
「ゆっくり達もゆっくり捕まってね!!!」
ゆっくり達が口の中に入って行く、全てのゆっくりが口内に入った所で
不意に浮かんだ様な感触がする、巨大れいむが空中に浮き出した様だ
そのまま森を突き抜け、空を飛び始める巨大れいむ、付近の景色が一望できる
勿論カメラで撮影しておく事も忘れない
ゆっくりと空を飛んでいく巨大れいむ、途中天狗が通り抜けたがこちらに気づいた様子は無かった
くるくる回りながら飛ぶ妖怪の少女も飛んで来たがこちらに気づく様子は全くない
ひょっとして僕達は周りから見えないんじゃないだろうか
そうでもないと飛んでいるのに今まで気づかれなかった事の説明がつかない
そういった事を考えているうちに僕達は森の入り口に着いた
「ありがとう!また会える事を祈るよ!」
「それじゃあねお兄さん、またれいむとゆっくりしようね!!!」
そう言うと巨大れいむは森に向かって跳ねていきながら消えていった
その後、研究所にて僕は主任に写真と得た情報を書き留めたメモを渡した
「なるほど……確かにいた訳だ、ドスれいむなる個体は……」
「はい、色々と興味深い情報も手に入れました」
まず、僕が見つけたドスまりさはゆっくりの集落の製作に助言をしていた事
それに巨大れいむには銃や弾幕が効かない事
空を飛ぶのに巨大れいむが見つからない理由は普段は姿を消している可能性が非常に高い事
「いやぁよく帰って来れた、正直捜索隊を出す手間が省けたよ」
正直捜索隊を出してもらえる所、処分ではなかったようだ
ちょっと安心する僕であった
「ところで織場君、そのれいむの名称は何にする気だい?」
「そうですね……」
僕はここに来る前によく見ていたフルCGのアニメを思い出していた
「「ビグ・れいむ」なんてどうでしょうか」
- ビグ・れいむ・・・元ネタわかりませんが、姿想像したらすごくカワイイ感じがします♪ -- 名無しさん (2008-10-05 03:33:51)
- ビグ・れいむに織場君・・・。元ネタはMSIGLOOですね。 -- 名無しさん (2008-10-05 06:56:36)
- ビグザム? -- 名無しさん (2008-10-07 16:36:58)
- いえ、ビグ・ラングですよ、ビグザムだとドスまりさと被る所が出てくるので -- ありすアリスの人 (2008-10-07 16:40:40)
- 元ネタの明記 もうIGLOOまるだしですね、鷲矢君に至っては漢字にしてみただけです -- ありすアリスの人 (2008-10-13 16:29:16)
最終更新:2008年10月13日 16:29