『はさんでもいいのよ?』

『はさんでもいいのよ?』

俺が休日まで残してしまった仕事を片付けているその脇では
いい気なもので今日も仲良しのまりさとれいむがすりすりし合っている。

「「すりすり~」」
「「へぶんじょうたい!!!」」

相変わらず幸せそうな顔だ。
それをしばらく眺め見ていた目線を元の仕事机に戻そうとする途中で
部屋の片隅のあるゆっくりが目に入った。

「ああ、ねたましいねたましい。なかのいいれいむとまりさがねたましい。」

すぐに嫉妬の黒いオーラを出してしまうゆっくり。
頭だけのゆっくりぱるすぃが、その顔を黒くしながらしっとり(嫉妬りというらしい。)をしていた。

どうにもしまった事に仕事に気をとられてすぎて、家に居るあともう一種類のゆっくり。
ゆっくりありすにこのぱるすぃのことを頼むのを忘れていたのだ。
ちなみにそのありすは、れいむとまりさに気を利かせて居間で編み物に挑戦中だ。
少し前に居間を確認したら、ありすは楽しみながらも一生懸命やっていたのでそれを中断させるのはさすがに悪い。
だから責任を取って俺が相手をしようと思い、立ち上がったとき

「「・・・はさんでもいいのよ?」」

と、何時の間にかヘブン化を解いたれいむとまりさが密着したまま、ぱるすぃに話しかけていた。
その顔はなんというべきか、頬を赤らめニュっと口を突き出して目を細めている。
そんな怪しげな表情のれいむとまりさが密着した状態のまま同時に接近してくるのだから
さぞかし恐ろしかろう。しかもぱるすぃ本人の返事を待たずしていきなり挟みこみ始めた。

「や、やめなさい!!ねたましいたらありゃしない!!し、しっとり!!!むぎゅぎゅ!!!」

おろおろ、と迫り来るれいむとまりさに恐々としてる内に有無を言わさず顔を両側から挟まれたぱるすぃは
苦しそうにしている。・・・・・・かと思いきや満更でもなさそうだ。少し涙目にはなっているものの
さっきまでの様に顔が黒いしっとりモードからすっかり元の顔に立ち直り楽しそう・・・
というか何だか気恥ずかしそうに頬を赤らめている。

「ゆっくりはさまれていってね!!!」
「たっぷりはさまれていってね!!!」
「むぎゅうー!!ねたましー!!!」

むぎゅむぎゅと騒ぎながら頬を寄せ合い、何だか幸せそうなぱるすぃとれいむ、まりさの様子を
のんびりと眺めていたら結局夕食時まで仕事を残してしまうこととなり、
居間から戻ってきたありすと先程の事でなんだか距離が縮まったらしいぱるすぃとれいむ、まりさに
夕食が遅くなると伝えると、揃いもそろって困った顔をされ

「「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!!」」」」

と言われるはめになったそんなある日のちょっとした出来事だった。

                                         即興の人
続く



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最終更新:2008年10月12日 23:39