『ちびとの遭遇』
朝起きた時なぜか、小さい手の平ぐらいの、顔だけしかないものがテーブルの上に居た。
「ゆっくちちていっちぇね!」
これは一体なんだろう、表情はなぜか自信たっぷりで
小さい、赤いリボンと髪飾りが喋る動きに合わせてひらひら動く。
何だか解らないものなのだが、しかしなんだか実に愛らしい・・・。そう思ってしまった。
「ゆっくち・・・、!!!」
「いぢゃいよ゛~!!おかーしゃーん!」
ああ、本当になんだこれ。俺を愛らしさで悶え死にさせるつもりなんだろうか。
顔を赤くして、噛んでしまったらしい舌をべーッと出したまま泣き始めてしまった。
「ぴぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
しかし子供の様な泣き方で泣かれ続けると、なんだかばつが悪い。
泣き止んでくれないものかと人差し指で頭を撫でてみた。
「ゅ?・・・あっちゃかーい。ゅぅ・・・。」
どうやら、触れられたことに安心したみたいですぐに泣き止んだ。
それどころか目を閉じて満足そうな表情で撫でられるままになっている。
「ゅっきゅち、ゅっくち。」
指先に伝わるこの小さいののほのかな暖かさと、呼吸なのか
微かに上下する振動がなにやら心地よい。
俺はしばらくこのゆっくりとした時間に浸っていた。
「ゅ~・・・。ゅ~・・・。」
撫で続けているとついには眠ってしまったようで
目を閉じ口を閉じ、何だか幸せそうな顔でコクリコクリしている。
「ゅ・・・!ゅっきゅちちていっちぇね!」
それからしばらく後に目が覚めたらしくまた喋りだしたので、
「おはよう。」
「ゆっくちちちぇいってね!」
「これ食べる?」
と、意思疎通が出来るのか調べてみようと、これが寝ている間に眺めながら食べた
おやつのタイヤキの余った内、一つを小さく千切って摘んだまま目の前に出してみた。
「ゅぅぅ~、」
口を目一杯開け顔を赤くして目はタイヤキを見つめている。
その表情に目に見えて解るほど欲しいというのが良く解った。
「ほら」「はみゅ!むーちゃむーちゃ・・・。」
本当、何だかよく解らないけどまあいいや。幸せそうだし明日も何か買ってあげて見よう。
「・・・むーちゃみゅーちゃ。ちあわちぇー!」 即興の人
- なんか鼻の奥から血の味が広がってきたんですけどなんなんでしょうね・・・ -- 名無しさん (2008-10-31 22:29:14)
- 子れみりゃ版も見てみたい……。 -- 名無しさん (2008-12-11 21:38:52)
- はみゅ!だと!グハァ! -- 名無しさん (2012-08-16 22:54:54)
- このしたったらずな感じ
すきですねー。 -- なんとかクラブ会長 (2012-11-06 16:42:28)
- 真っ白い空間で静かに時が流れているような感じ。 -- 名無しさん (2013-10-21 21:09:45)
最終更新:2013年10月21日 21:09