ある雪の降る日、お爺さんが売れ残った傘を持って帰る途中
頭の上に雪を積もらせたゆっくりの親子を見付けました。
可哀想に思ったお爺さんはゆっくりの雪を払い
売れ残った傘を被せてあげてこう言いました
「春になったら返しにおいで」
「ありがとうお爺さん! ゆっくり返しに行くよ!」
「これで寒く無いね!」
「ゅーゅー!」
赤ちゃん霊夢はお母さんの傘に入ってご満悦です
お爺さんが家でその事をお婆さんに話すと
「そりゃあええ事をしましたねぇ」とお婆さんもニコニコ顔
――ところが冬が明け、四月になっても傘は返ってきません
「あのゆっくり親子は冬を越せんかったんかのう」
落ち込むお爺さんを励まそうとした時
玄関から元気な声が聞こえてきました
「ゆっくり返しに来たよ!」「んー!」「んー!」
お爺さんが振り向くとそこには傘一杯の筍を器用に運ぶ
ゆっくり達の姿がありました
「ゆっくり掘ってたら遅くなっちゃったよ! ごめんね!」
その日は大勢で囲炉裏を囲んで筍御飯
お爺さんとお婆さんも子供達が帰ってきた頃を思い出しながら
大層ゆっくりしたそうな。めでたしめでたし。
最終更新:2009年02月05日 22:33