『ありす・いん・ほーむ』
家に帰り着き玄関を開けると
「きょうもいそがしかったでしょ!!ゆっくりしていってね!!!」
この言葉と共に出迎えてくれるのは、ゆっくりありすだった。
そっと腕に抱えるとその柔らかな感触とあたたかな温度が感じられる。
とりあえず居間に連れて行って机の上に置くと、
先ずはお風呂とありす用に桶にお湯を汲んで何枚かひいた新聞紙の上に置く。
「きれ~い~きれ~い~さっぱりでとかいはよ!!!」
嬉しそうに湯に浸かってニコニコするありすに、タオルを用意すると俺も風呂に向かう。
ありす共々さっぱりして着替えると次に俺は夕食の準備に取りかかった。
「ありすもおてつだいするわ!!!」
俺が台所に居る事に気がついたありすがすりすりと早足でやってきた。
コンロ周りに一人でも使いやすい様に設置した台の上に
「ゆっしょっと!」
と飛び乗って、コンロのスイッチを入れたり、食器を用意したりするのがありすのお手伝いだ。
そのお手伝いでスムーズに食卓が彩る。今日のおかずはカレーと野菜、
それぞれの食器に盛り付けられたこのメニューはありすの大好物でもあり俺の好物でもあった。
「ゆっゆぅ~ん!!とかいはね~♪」
幸せそうに舌鼓を打つありすは、舌ですくっては口の中でむーしゃむーしゃ。
たまに俺がスプーンで上げると上目で舌を出しているが、それを見られると直ぐに頬を染めてうつむく。
そんなありすとのんびりと夕食を堪能する。
「しあわせ~!!」
本当に幸せそうに、微かに涙目になりながらゆっくり流のごちそう様をするありす。
二日目のカレーという、我が家的至上の食事を終え二人で後片付けをし終えると
あとはのんびりゆっくりとした時間の始まりだ。
ありすは自分のクッションの上に戻ると、なにやら近くの戸棚から出す。
この前に買った編み物を用具一式だ。何を編んでいるのかを尋ねてみると、
「ぼうしとまふらーよ!!べ、べつに、あなたのぶんも
つくってあげないことはないんだから!!」
はい、今日のツンデレごちそうさまでした。
顔を下にうつむいて頬を赤くしてやけ気味に答えるありすににやつきながらも、
時計に目を向けるともう良い時間だった。ありすもその後、編み物に熱中しているが
時折、あくびをしては俺にそれを見られてプイっと顔を背る、というのを繰り返していた。
もう寝る時間だよと告げるとクッションの横に置いている毛布を咥えて、くるっと自分の身体に巻くありす。
俺もありすが寝る体勢に入ったのを確認すると、編み物している姿を眺めながらひいていた布団に潜り込む。
「おやすみなさい。あしたもゆっくりしてね!!!」
その言葉にお休みと返すと電気を消して、一日の終わりを迎え入れたのだった。
即興の人
- なごむわぁ・・・ -- 名無しさん (2011-08-27 20:00:12)
- 口だけでどうやって編んでるんだろう? -- 名無しさん (2011-10-06 22:14:13)
最終更新:2011年10月06日 22:14