『むきゅむきゅな一日』

『むきゅむきゅな一日』

ここはある古びた図書館。とある頭だけのゆっくりぱちゅりーの住処。
お昼ご飯にとあまり手入れされていない裏庭に生い茂った草を食べに行っていた
ぱちゅりーが、開けて置いて貰っている裏口からすりすりと擦りながら入る。

「むきゅーん・・・。おっふろ。おっふろ。」

近くの桶には水が貯めてあり、そこにぴょんと飛び込みのんびり浸かる。
綺麗好きなぱちゅりーが用意した、捨ててあった桶に水を張った簡易な水風呂だった。

「むきゅん、むきゅきゅんっと。さっぱりー。」

直ぐ横に敷いてある古布巾の上を転がりぐりぐりと身体を押し付けて拭く。
入浴を終えると内扉の横の下部にある猫用扉の様な物の鍵を帽子から出し鍵を開けて中へ入り進むと
ゆっくりぱちゅりーにとってもっともゆっくり出来る時間のはじまりだ。

「むきゅきゅーん!!!ごほんがたくさん!!!」

図書室に着くや否や歓喜の声をあげる。
ここに住み込んでいるのだからそんなに感動する事でもないのだが、
やはり、本棚に多くの本が並んでいるこの光景はぱちゅりーにとってはなによりも輝く財宝の様な物だった。
何時もは眠そうな表情のぱちゅりーもこの時ばかりは目をパッチリと開けてキラキラさせている。

「むきゅー♪むっむきゅむっむっむむきゅん♪むきゅきゅんきゅーん♪」

ちびゆっくりだった頃、母親ぱちゅりーが良く歌って聞かせてくれた楽しい時のメロディーを口ずさみながら
今日はどの本を読もうかと本のタイトルを見くらべた。

「むきゅーん。むきゅーん。むきゅーん。」

悩みどころだ。とは言うもののただ歩いて直ぐ取れる本、
すなわち一番下の段の本はあらかた読み終えた。
そして高いところにあるのは難しい本。
今のこのぱちゅりーのレベルで読んだり理解するにはまだ早い。となると当然中段。なのだが・・・。

「むきゅっ!!むきゅんっ!!!・・・ぐす・・・。」

必死にジャンプするが届かない。ゆっくりの中で唯一身体能力が低いゆっくりぱちゅりーに3段目は遠すぎた。
全力でジャンプしても二段目に飛び乗るのが精一杯。
普通のゆっくりの身体を縮めてから繰り出す全力ジャンプなら3段どころか本棚の上まで届くのだが。

「むきゅーん・・・。ごほんよみたいのにぃ・・・。」

あまりに遠い、希望の本を見上げて涙をこぼすぱちゅりー。だが

「まりさがよみたいほんをとってやるんだぜ」

そんなぱちゅりーに声を掛けたのは近所の家で同居させてもらっているまりさだった。

「むきゅぅ・・・。いいのぉ?」
「まりさもほんがすきだからいいんだぜ・・・もちろんぱちゅりーもな」
「む、むきゅーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!ぽっくりー!!」
「お、おい、だいじょうぶか?なんだぜ」

ただ好意を示しただけだったのだが、そんなまりさの一言を告白と勘違いしたぱちぇりーは
真っ赤になって目を回し気絶してしまった。そんなぱちゅりーは目を覚ました後、まりさと
二人で本を読んだり、お話したり、今日も一日「むきゅー・・・。とってもしあわせー。」なのだった。

                              即興の人


  • 和みますね~。 -- 名無しさん (2008-11-19 17:56:31)
  • どういうことなの・・・? -- ありす (2009-05-25 22:16:21)
  • 久しぶりに癒されました〜ゆっくりぱちゅりー可愛いですね♪ -- ゆっくり愛好家 (2010-03-16 01:46:59)
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最終更新:2010年03月16日 01:46