「ゆっくりしていってね!!!」
なんか目の前の四角い物体が俺に話しかけている。しかもやたら声は大きく、にこやかな笑みを浮かべている。
OK神様神綺様。落ち着こうか。まず目の前の物体を観察することにしよう。
見た目は正方形。簡単に言えばサイコロだ。大きさは1mほど。そして俺の正面の面には顔が付いている。
それと上の面に描かれている帽子を見る限り、おそらくこいつはゆっくりまりさだ。
しかし俺の知っているまりさとは形が全く違う。あのプ二プ二した饅頭ボディはどこにいったのだろうか。
「ゆっくりしていってね!!!」
俺からの反応を催促するかのようにもう一度話しかけてきた。
「ん?ああ、ゆっくりしていってね。」
とりあえず適当に返事を返した。
さて、どうしようこれ。とりあえず何か聞いてみるか。
「なぁまりさ?まりさでいいんだよな?」
「ゆう? まりさはまりさだよ!」
「ああそうだよな、わるかった。」
これでまりさなのは確認した。次はどうしてそんな姿なのか聞いてみる
「どうしてそんなに四角いんだい? 他のゆっくりとずいぶん形が違うみたいだけど。」
「まりさはうまれたときからしかくいんだよ! まりさはとくべつなまりさなんだよ!」
そーなのかー
次はベタベタと触ってみることにする。
おそらく頬の部分に当たるであろう面をペタペタと触ってみた。どう触っても箱ですねこれは。
いやまあ薄々分かってはいたのだ。だって顔が全く動かないしね。
おそらく中にまりさが入っているのだろう。
「なあまりさ。なんで箱の中に入ってるの?」
「ゆゆぐぅ! な、なにいってるのおにーさん! まりさはボックスまりさなんだよ!」
そんな名前なのかこれ。
「ふーん、まあいいや。話は変わるんだが、オヤツでも食べるか?ちょうどケーキが余ってるんだが?」
「ゆゆ! ゆっくりたべるよ!」
食い付いたようだ。さっそく台所からケーキを持ってきた。
そしてそれを帽子が描かれている面の上に置いた。
「まりさー頭の上に置いておくぞー。」
これならまりさは不用意に箱から出れまい。入口であろう面にケーキを置いたのだから。
下手に出てくればケーキが倒れる。さぁどうでるまりさ!
パカンと何かが倒れる音がした。振り向くと、顔の描かれていた面が倒れていた。
そしてそこから出てきたのはまりさだった。
「ゆっへん! うえがいりぐちだなんて、まりさはひとこともいってないんだぜ!」
したり顔でこちらを見るまりさ。なにやら堂々と顎を突き上げている。誇らしげだ。
「・・・わかった。どうやら俺の負けのようだなまりさ。それじゃケーキを食べようか。ちょうどいいからこの箱をテーブルにするね。」
俺は敗北に打ちひしがれつつ、目の前に二つあるケーキを食べ始めた。一個はまりさの分である。
「ゆゆ! ゆっくりたべるよ! ゆゆ? とどかないよ! ぜんぜんとどかないよ!」
ポヨンポヨンと跳ねているまりさ。しかしケーキの置いてある位置までは飛べないようだ。
「むーしゃ! むーしゃ!しあわせー!」
「おにーさんだけしあわせー!はずるいよ! まりさもゆっくりさせてね!」
プンプンと怒りながら足元でケーキを要求するまりさ。折角なので俺が食い終わるまでは、おわずけにしよう。
そうやって今日もグダグダな午後は過ぎていった。
「そういやなんで箱に入ってたの?」
「あのはこはまりさのたからものなんだよ! どんなところにしんにゅうしてもみつからないんだよ!」
「ほんと?」
「ぱちゅりーのとしょかんも、ありすのおうちにはいってもきづかれなかったよ!」
「・・・本は返してきなさい。」
初投稿です。
実は最後を書きたかっただけです。
何かダメダメな点がございましたら指摘して貰えると作者は喜びます。
- こういうの好きだぜ。 -- 名無しさん (2009-02-20 08:43:18)
- ゆっくりとはいえ魔理沙は魔理沙だなぁw -- 名無しさん (2011-12-11 12:07:37)
最終更新:2011年12月11日 12:07